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糖質制限食で花粉症が治った。糖化・老化予防に糖質制限食。
【24/03/28 小野々

お疲れ様です

自分は10代半ばあたりから約15年間、糖質制限を継続しているので
老化予防、認知症リスクの軽減が見込めますかね…?

あと気になるのが、糖質制限を開始+ヨーグルトを1日1回摂取、
という生活を10代当時から開始して以降、
それまで毎年苦しんでいた
花粉症がスッパリと発症しなくなったという経緯があります。

糖質制限に花粉症から脱却できる…といった感じの効果ってあるのでしょうか?】



こんにちは。
小野々 さんから、糖質制限食に関してコメント・質問を頂きました。


【自分は10代半ばあたりから約15年間、糖質制限を継続しているので
老化予防、認知症リスクの軽減が見込めますかね…?】


糖質性ゲニストは、一般の人に比べると
AGEs(終末糖化産物)の蓄積が最小限で済みます。
つまり、<糖化⇒老化>が最小限ですんでいるので
老化予防になっているろと思います。

認知症の大きなリスク要因が「AGEsの蓄積」 です。
糖質制限食で「AGEsの蓄積」が最小限ですめば、
当然、認知症の予防も可能と考えられます。

以下の緑文字の本ブログ記事を参考にして頂ければ幸いです。
糖質制限食の実践は、老化を抑制する効果あり。
2023年12月21日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6450.html


【あと気になるのが、糖質制限を開始+ヨーグルトを1日1回摂取、
という生活を10代当時から開始して以降、
それまで毎年苦しんでいた
花粉症がスッパリと発症しなくなったという経緯があります。】


それは素晴らしいですね。
糖質制限食は、花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息など
アレルギーが関与する疾患の改善・予防にも有効です。

以下の緑文字の本ブログ記事を参考にして頂ければ幸いです。
花粉症と漢方と糖質制限食
2023年02月01日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6199.html


アレルギー疾患以外にも、様々な生活習慣病に糖質制限食が有効です。
糖質制限食が有効な生活習慣病
糖尿病
• メタボリックシンドローム
• 肥満
• 肥満に伴う高血圧
• アトピー性皮膚炎
• 花粉症
• 尋常性乾癬
• 逆流性食道炎
• 尋常性痤瘡(ニキビ)
• 片頭痛
• 機能性低血糖
• 歯周病
• 潰瘍性大腸炎
• 認知症(アルツハイマー病など)
• がん予防


☆生活習慣病とは、その本質は『糖質過剰摂取病』です。
☆糖質制限食が『糖化・酸化ストレス』を防ぎ老化を予防します。
☆1個のがん細胞が、CTなどで発見できる5~10mm径になるのに
 10年~20年かかります。従って、糖質制限食実践して20年を経過したら
新たながんは発生しないので安全圏と言えます。
私は22年間糖質制限食を実践して、足かけ23年間なので、
がんとは無縁と考えられます。

以下の緑文字の本ブログ記事をも参考にして頂ければ幸いです。

早期がん診断時にはすでに10年以上が経過。糖質制限食で予防は?
2023年08月11日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6345.html




江部康二
身体組成について検討してみました。
身体組成(しんたいそせい)
e-ヘルスネット

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-089.html    
【身体組成(しんたいそせい)身体の成分組成のことで、
体脂肪と骨と除脂肪軟組織の三要素に分類される。
体組成とも呼ばれる。
身体は「水分・たんぱく質・脂質・ミネラル」の4つの主要成分で組成され、
「脂肪・骨・除脂肪軟組織」の3要素に分類できます。
これらのバランスが崩れていると
肥満・浮腫・栄養失調・骨粗鬆症などの生活習慣病や
慢性疾患症状が現れてくる可能性があります。
近年では脂肪・骨・除脂肪軟組織などの構成比を
手軽に測定出来る「体組成計」と呼ばれる機械が市販されており、
これらの中には体重や体脂肪だけでなく
基礎代謝や内臓脂肪・筋肉量なども測定出来るものや
各部位毎に測定出来るものなど、
目的に応じて色々なレベルの機種があります。
身体組成を継続的に測定することにより、
より効果的な健康管理ができます。
また様々なエクササイズの成果を数値化し管理することも可能になります。】



こんにちは。
今回は身体組成について、検討してみました。

厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、
身体は「水分・たんぱく質・脂質・ミネラル」の4つの主要成分で組成され、
「脂肪・骨・除脂肪軟組織」の3要素に分類できます。

このように、e-ヘルスネッの記載においては、
身体組成の成分には糖質が含まれていません。
実際には、身体組成の成分としての糖質は、1%以下と思われます。
具体的には体重が60kgの男性で、固形成分として、
肝臓のグリコーゲン(約100g)、筋肉のグリコーゲン(約300g)がありますが、
体組成の成分としては、微々たるものですね。
なお、液体成分中のブドウ糖は、
細胞内液のブドウ糖(約40g)と細胞外液のブドウ糖(約20g)があります。

女子栄養大の教科書(パワーポイントスライド)をみても、
糖質は体組成の成分としては無視してあります。

女子栄養大学
解剖・栄養生理学
序論
~解剖・生理学とは~
香川雅春
教科書:第1、3&4章
男性 水分:55~65% 脂肪:15~20% ミネラル:5.8~6.0% タンパク質:16~18%
女性 水分:55~65% 脂肪:20~30% ミネラル:5.5~6.0% タンパク質:14~16%

このように、人体の構成成分を検討してみると、
糖質はほとんど関与していないことが明らかです。
これなら、必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維
食材から摂取することが必要ですが、必須糖質はないというのも納得がいきます。
実際、理論的には必須糖質はゼロです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告でも、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。


次に体組成の中でも、脳の組成を検討してみます。
脳は乾燥重量の約6割弱が脂質、約4割弱が蛋白質、数%がミネラルであり、
体組成に対して、脂質の割合がとても多いです。
神経細胞やグリア細胞の細胞膜成分の割合が大きいので、
結果としてコレステロールやリン脂質が多くなるのです。
リン脂質を構成する脂肪酸の中でも、
脳にはドコサヘキサエン酸(DHA)やアラキドン酸などの多価不飽和脂肪酸(PUFA)が
多く含まれています。

そのため、これらの PUFAs は適切な脳形成に必須の栄養素であると考えられています。

アラキドン酸が多く含まれる食材はまずは「母乳」です。
乳幼児の脳の発達に必須な成分がDHAやアラキドン酸ですが、
さすが母乳ですね。母乳にはDHAも含まれています。
アラキドン酸が多い食材はレバーや肉類、魚類、卵です。
魚には、DHAも多いです。

糖質制限食なら、肉類、魚類、卵をしっかり摂取するので、
乳幼児の脳の発達のためにも、質の良い母乳のためにも好ましい
ですね。


(☆)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10365996
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits
of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy
Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerste
in MK, Jequier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O,
Uauy R.


江部康二
名医が考えた認知症にならない最強の食事術(宝島SUGOI文庫) 刊行。
こんばんは。
「名医が考えた認知症にならない最強の食事術」の文庫本が出版されました。
2024年3月6日(水)刊行です。

https://www.amazon.co.jp/dp/4299053435/ref
 名医が考えた認知症にならない最強の食事術(宝島SUGOI文庫) 文庫 

2020年6月10日刊行の「名医が考えた 認知症にならない最強の食事術 」単行本を文庫にしたものです。
折角ですから、この4年間の最新情報をしっかり盛り込んであります。
きっと読者の皆さんのお役にたてると思います。以下は文庫本の
はじめにです。

はじめに
私は1974年に京大医学部を卒業しました。
医師になり50年が経過して2024年現在74歳です。
同級生は110人卒業しましたが、10名はすでに逝去されました。
医者の不養生というわけでもないのですが、
仕事上の重責とか毎日のようなサービス残業とか、
精神的にも肉体的にもかなりストレスフルなのがこの職業なので、
医師は思った以上に短命なのです。 

岐阜県保険医協会が実施した調査(2008~2017年)で、
開業医の死亡時平均年齢が70.8歳と短く、
特に60歳代の死亡割合が34%と最も多いことが明らかになりました。
厚生労働省の統計にある死亡時平均年齢(2015年)は、
男性が77.7歳、女性が84.3歳であり、明らかな差がありました。

日本人全体の死亡割合では80歳代がピークであり、
医師の60歳代がピークというのはいかにも若すぎます。 
さてこのように医師は短命という事実もあり、
4年に1回オリンピックの年に開催していた同窓会を、
誰がいつ死ぬかわかならいということで近年は2年に1回と改めました。

数年前の同窓会で、「一番なりたくない病気は何?」という話題となりましたが、
約60名の出席者全員が「アルツハイマー病(認知症)」ということで一致しました。
認知症の患者とその予備軍は65歳以上では4人に1人もいます。 
認知症は、日本のような高齢化社会におけるもっとも重要な疾患の一つです。
2012年現在わが国には約 462 万人の認知症患者が存在し、
さらに認知症予備軍と考えられる軽度認知障害の高齢者が
約 400万人もいます。
軽度認知障害 は、認知症への進行リスクが高く、
該当者は年率 10 ~15% で認知症に進行するとされています。 

現代医学において認知症の根治につながる治療法はありません。
したがって可能な限り早期に認知症および 軽度認知障害を発見し、
なんらかの介入を行い、進行を止める、
あるいは症状を改善させることが求められます。 

認知症との関連で注目されている物質に AGEs(終末糖化産物)があります。
AGEs については本文で詳しく説明します。
AGEs は、糖尿病合併症(透析、切断、失明など)の元凶と考えられてきましたが、
近年糖尿病のみでなく、動脈硬化進展の主役の一つとされ、
老化、認知症、慢性炎症(74ページ参照)、
腎不全などにも関与していることが判明しました。 
糖尿病患者では AGEsの増加とともに
認知症あるいは軽度認知障害へ移行することが知られています。

一方、糖尿病でない人も皮膚AGEs の蓄積量と軽度認知障害とに関連があることが判明しました。
皮膚にAGEsが蓄積していれば脳にも同様に蓄積しているということです。 
このようにAGEsの蓄積が認知症に関与していることが
明らかとなっていますが、本書でご紹介する食事術なら、
AGEsの蓄積を最小量におさえることが可能なのです。

この食事術は、1999年、高現在私が理事長を高雄病院が
日本で初めて糖尿病治療に導入したもので
糖質を可能な限り制限する食事療法です。

近年糖尿病以外にもさまざまな生活習慣病に
効果があることが明らかとなっています。
2019年4月、米国糖尿病学会は、
「糖質制限食は最も研究されている食事パターンの1つである」  と明言し、
一推しで推奨しました。
この糖質制限食実践は早ければ早いほどいいです。

軽度認知障害の段階で糖質制限食を実践すれば、
認知症への進行を予防でき、症状が改善し正常に戻ることも期待できます。
なにしろ、アルツハイマー病を発症したあと、
「スーパー糖質制限食」の実践で一週間足らずで
正常に戻った方さえおられるのです(36ページ参照)。 

40代、50代から糖質制限食を実践していれば、
軽度認知障害のリスクを軽減でき、健康長寿が約束されます。
さらに早期の20代、30代から糖質制限食を実践すれば、
糖化に伴う老化が予防できます。 

読者の皆さんが健康長寿を達成されるよう、本書および糖質制限食がお役に立てれば幸いです。


江部康二
HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)に関する考察。
こんにちは。
今回の記事は、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)に関しての考察です。

HbA1c
正常値 6.0%未満
糖尿病予備軍 6.0%~6.4%
糖尿病の可能性が高い 6.5%~


<HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)>
HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、
蛋白部分のグロビンでできています。
ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。
成人では、HbAが97%を占めています。

血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、
お互いに結合する傾向があります。
赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、
グリケーティッドヘモグロビンです。

これを略してグリコヘモグロビンですが、HbA1とほぼ同義語として使用されています。
グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、
検査により識別することができます。

HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。
このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cは、
ヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。
当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。

HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。
赤血球は骨髄で作られ、血液中を循環し寿命は約120日間ですから、
HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。

より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、
約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3、4ヶ月で作られます。

従いまして、HbA1cの値は通常は、
過去1、2ヶ月の平均血糖値を反映していると考えればよいことになります。

血糖値は、空腹時や食後で変動するのに対し、
HbA1cはそれらにほとんど影響を受けないという特徴があります。
すなわち、血糖値は常に変化していますが、HbA1cは血中濃度が安定しています。

<HbA1cが実態より低値を示す場合>
溶血性貧血、腎性貧血など、赤血球の寿命が短縮するような病態のときは、
HbA1cの生産量がその分蓄積されずに減りますので、実際の値よりも低くなります。
肝硬変に伴う脾機能亢進による貧血も赤血球の寿命が短縮します。

鉄欠乏性貧血が鉄剤投与により急速に回復している時期も、
幼弱赤血球が増えて、赤血球の寿命が短くなり、HbA1cは低値となります。

糖尿病腎症から透析になった糖尿人の場合は、
腎性貧血で赤血球の寿命が短くなっているので、
見かけ上はHbA1cが改善して、低下したようにみえますが、
実態を反映していないことになります。

それで日本透析医学会では透析患者の血糖指標としては、
グリコアルブミン(GA)を推奨しています。

血液中のタンパク質の一種であるアルブミンに
ブドウ糖がくっついたものをグリコアルブミン(GA)といい、
GAは、約2週間の血糖状態をもっとも鋭敏に反映すると言われています。

そして、アルブミンは赤血球の寿命とは無関係なので、
貧血にも影響されないので、日本透析医学会が推奨しているわけですね。

<HbA1cが実態より高値を示す場合>

鉄欠乏性貧血の場合、鉄不足で貧血があり未治療のときは、
代償性に赤血球の寿命が延びるので、
HbA1cは寿命が延びた分蓄積して、高値にシフトします。

妊婦においては、妊娠の進行とともに胎児の鉄需要が増加しますが、
それに供給が追いつかず、しばしば鉄欠乏性貧血が生じます。
そのとき、代償的に赤血球寿命が延びて、
血糖と結合するヘモグロビンの量が相対的に増えます。
結果として、妊娠中、特に妊娠後期には、
HbA1cが偽高値をとることが知られています。
従って妊娠中の血糖コントロールの指標は
HbA1cではなく、グリコアルブミン(GA)が推奨されています。
「GA15.8%未満」をめざして妊娠中の血糖管理をします。


<HbA1cが異常値な場合に疑われる病気>

高値…糖尿病、異常ヘモグロビン血症、未治療の鉄欠乏性貧血など
低値…溶血性貧血、、腎不全、肝硬変、インスリノーマ(膵島線種)など


江部康二
ケトン体と脳と低血糖
こんにちは。
今回は、『ケトン体と脳と低血糖』について考察してみます。

脳のエネルギー源はブドウ糖とケトン体です。
脳のエネルギー源はブドウ糖だけと信じてる人は、
さすがに大分減ってきたと思います。

それでは、ケトン体が十分産生できていて、
脳のエネルギー源となっている場合は、
血糖値が低下したとき(60mg/dl以下)でも、
いわゆる低血糖症状はでないのでしょうか?

答えは、「yes、低血糖症状はでない。」です。
血中総ケトン体値が3000~4000μmol/L以上のレベルであれば、
脳のエネルギー源はケトン体だけでも賄えると思われます。

私が初めて本断食(カロリーゼロ、塩分ゼロ、水摂取のみ)を3日間行ったとき、
4日目朝の空腹時血糖値は、35mg/dlでした。
1984年、34才の時のことです。

断食前は普通に糖質を摂取していましたし、初めての断食なので、
肝臓の糖新生があまり上手くできていなかったのでしょう。
またスーパー糖質制限食でも30~60g/日の糖質を摂取しますが、
断食の場合は0g/日の糖質摂取という差もあります。

糖尿病専門医研修ガイドブックには、
低血糖症の定義として、

「低血糖症状があり血糖値60mg/dl以下」

と記載されています。

35mg/dlという検査データは完全な低血糖ですが、
動悸・頻脈・頭痛などいわゆる低血糖症状はなかったので、
厳密には「低血糖症」とは言えないかもしれません。

35mg/dlというのは、普通なら意識不明で昏睡のレベルですが、
断食中は血中ケトン体(脂肪酸の代謝産物)が高値となり、
脳の主エネルギー源となっているので、大丈夫なのです。

実際、ちゃんと外来診察も行っていました。
脳はケトン体をしっかり利用するという事実を34才の本断食当時、
既に自らの人体実験で証明していたみたいです。
脳がケトン体を利用できないならば、私は血糖値35mg/dlのとき、
あの世に旅立っていたはずですね。

低血糖症の症状は、まずは低血糖によって誘発された自律神経系の
変化に基づく反応から始まります。
個人差がありますが60mg/dl~70mg/dl以下になると、
自律神経症状(アドレナリンなどの分泌による症状)が出現します。

自覚症状不安、心悸亢進、動悸
他覚所見:発汗、蒼白、低体温、頻脈、振戦、高血圧、不整脈・・・


次いで血糖値が50mg/dl以下になると、
中枢神経系の機能不全による症状が出現します。

中枢神経機能低下症状

自覚症状:頭痛、かすみ目、複視、異常知覚、嘔気、眠気、倦怠感・・・
他覚所見:錯乱、奇異行動、興奮、譫妄、傾眠、失語、麻痺、痙攣、昏睡・・・

私の血糖値は35mg/dlでしたから、
通常なら、上記の低血糖症状が出現して当たり前なのですが、
基準値よりはるかに高値の血中ケトン体が脳のエネルギー源となって、
低血糖症状から、身体を守ってくれたのです。
ケトン体、とても頼りになる良い奴ですね。

江部康二