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BCGワクチンは、新型コロナ感染にも他の感染症にも有効か?
【日付 名前
20/04/20 駐在君
BCGワクチンとサイトカイン応答

あくまで仮説の域を出ませんが、新型コロナウィルス肺炎において日本型BCGワクチン接種国が易学的に桁違いの致死率の低さ(非摂取の欧米国とは2桁以上の差)を示している件ですが、これは新生児BCGワクチン接種がサイトカイン応答に影響しているためと考えられます。
「インターロイキン-6(IL6:Interleukin-6)は、炎症性サイトカインおよび抗炎症性サイトカインの両方として作用するインターロイキンである」と言われてますが、下記オックスフォード大のチームによると「新生児BCGワクチン接種が高レベルのインターロイキン6(IL-6)の状況下で抗炎症性サイトカインとして特徴づけられる。」とあります。またBCGワクチン接種が自然免疫系を調節するという仮説を示唆してます。BCG仮説が正しいとすると(少なくとも現状データでは正しい気がします。)、専門家会議の西浦教授が言う「日本でR0=2.5」と言うデータの根拠も全く不明なこともあり、個人的には欧米のような感染爆発が日本で起こるとは考えてません。メディアが恐怖を煽って軽症者までが病院に押し寄せた結果、医療崩壊を招くようなことがない様、皆が冷静になることが必要だと思います。

https://academic.oup.com/jid/article/217/11/1798/4837044

https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/anti-il-6-antibody-pgi.asp?entry_id=33843



駐在君から、興味深いコメントを頂きました。
駐在君、いつも、とても有益な情報をありがとうございます。
私は、英語は苦手なのですが、
最近<グーグル翻訳>がかなり優れものとなってきて嬉しい限りです。
BCGは、新型コロナだけでなく、いろんな感染症の予防に役立つ可能性があるようです。
BCGは、インターロイキン-6を介して自然免疫(訓練された免疫)を強化するといった効果を有すようです。(☆)
その効果で、新型コロナウィルスにも一定有効な可能性があります。

世界各国の新型コロナウィルス陽性の感染者数は、検査数によって大きく異なる可能性があります。
例えば日本は検査数が非常に少ないと欧米から指摘されています。
また、死亡者数も国の人口と比較する必要があります。
そういった影響のないように、一定人口に対する志望者の割合をみてみると、
Our World in Data(https://ourworldindata.org/grapher/total-covid-deaths-per-million)というサイトの
COVID-19情報(4月11日)によれば、
人口100万人に対する死者数の割合の
上位3国はスペイン338.8、イタリア311.7、フランス202.1、米国56.7、日本0.69となっています。
高齢者の死亡率は高いのですが、日本は超高齢化国なのに、死亡者が極めて少ないのです。

WHOのデータによれば、結核が撲滅された欧米諸国では人口10万人あたりの結核感染者数は25人未満です。
そして欧米のCOVID-19の死亡者は急増中です。
これに対し、中国や韓国では25人以上100人未満です。
モンゴルでは結核の感染者数は人口10万人あたり300人以上報告されていますが、COVID-19の死亡者はまだいません。

BCGの接種プログラムのない高所得国のCOVID-19による死亡者の割合は、
高齢化率を加味してもBCG接種が義務付けられている中~高所得国より高いとされています。
このような背景から、BCG接種プログラムを持たないドイツ、オランダ、オーストラリアでは、
医療従事者の新型コロナウイルス感染・重症化予防のためにBCG接種を行う臨床研究を開始しました。

インターロイキン-6は、炎症性サイトカインおよび抗炎症性サイトカインの両方として作用するインターロイキンです。
インターロイキン-6は自然免疫から獲得免疫への移行を指揮する上で不可欠な役割を担っています。

こうなると、あくまでも仮説段階ではありますが、
BCG接種が、新型コロナウィルスを始めとして、様々な感染症の予防や改善に
一定の効果を有する可能性が高いと思います。
日本人の約98%がBCG摂取を受けています。
この仮説が正しいなら、
日本では、ヨーロッパや米国のような感染爆発は起こらないと思いますし、そう願いたいです。

BCGと新型コロナウイルスについては
大隅典子東北大学大学院医学系研究科教授がブログで解説されています。
https://nosumi.exblog.jp/28020527/


なお駐在君にご教示頂いた
https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/anti-il-6-antibody-pgi.asp?entry_id=33843
のサイト (コスモ・バイオ株式会社)に、
インターロイキン-6の説明が記載してありますので参考にして頂ければ幸いです。


(☆)
新生児BCGワクチン接種はToll様受容体リガンドと異種抗原に対するサイトカイン応答に影響を与える。
Journal of Infectious Diseases、Volume 217、Issue 11、2018年6月1日

<バックグラウンド>
BCGワクチン接種は、高死亡率環境での全死因の乳児死亡率の低下に関連しています。
根本的なメカニズムは不明のままですが、自然免疫応答(訓練された免疫)の長期的な変調が関与している可能性があります。

<方法>
新生児BCGワクチン接種の無作為化試験に登録された212人の新生児から無作為化後7日で収集された全血検体は、殺された病原体とToll様受容体(TLR)リガンドで刺激され、サイトカイン反応を調べました。

<結果>
BCGワクチン接種された乳児は、刺激されていないサンプルでインターロイキン6(IL-6)の産生が増加し、インターロイキン1受容体拮抗薬、IL-6、IL-10およびケモカインマクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP-1α)、MIP-1βおよびペプチドグリカン(TLR2)およびR848(TLR7 / 8)による刺激後の単球走化性タンパク質1(MCP-1)の産生が減少しました。
BCGワクチン接種された乳児はまた、異種病原体による刺激に続いてMCP-1応答が減少しました。性別および母親のBCGワクチン接種状況は、新生児BCGワクチン接種と相互作用しました。

<結論>
新生児BCGワクチン接種は、TLRリガンドおよび異種病原体に対するサイトカイン応答に影響を与えます。この効果は、刺激されていないサンプルにおけるIL-6のレベルが高い状況で、抗炎症性サイトカインとケモカインの応答が低下することを特徴としています。これは、BCGワクチン接種が自然免疫システムを調節するという仮説を支持します。これらの調査結果と、全死因死亡率に対するBCGワクチンの有益な非特異的(非相同)効果との間に関連があるかどうかを判断するために、さらなる研究が必要です。


https://academic.oup.com/jid/article/217/11/1798/4837044
Neonatal BCG Vaccination Influences Cytokine Responses to Toll-like Receptor Ligands and Heterologous Antigens
The Journal of Infectious Diseases, Volume 217, Issue 11, 1 June 2018, Pages 1798–1808,

Abstract
BACKGROUND:
BCG vaccination is associated with a reduction in all-cause infant mortality in high-mortality settings. The underlying mechanisms remain uncertain, but long-term modulation of the innate immune response (trained immunity) may be involved.

METHODS:
Whole-blood specimens, collected 7 days after randomization from 212 neonates enrolled in a randomized trial of neonatal BCG vaccination, were stimulated with killed pathogens and Toll-like receptor (TLR) ligands to interrogate cytokine responses.

RESULTS:
BCG-vaccinated infants had increased production of interleukin 6 (IL-6) in unstimulated samples and decreased production of interleukin 1 receptor antagonist, IL-6, and IL-10 and the chemokines macrophage inflammatory protein 1α (MIP-1α), MIP-1β, and monocyte chemoattractant protein 1 (MCP-1) following stimulation with peptidoglycan (TLR2) and R848 (TLR7/8). BCG-vaccinated infants also had decreased MCP-1 responses following stimulation with heterologous pathogens. Sex and maternal BCG vaccination status interacted with neonatal BCG vaccination.

CONCLUSIONS:
Neonatal BCG vaccination influences cytokine responses to TLR ligands and heterologous pathogens. This effect is characterized by decreased antiinflammatory cytokine and chemokine responses in the context of higher levels of IL-6 in unstimulated samples. This supports the hypothesis that BCG vaccination modulates the innate immune system. Further research is warranted to determine whether there is an association between these findings and the beneficial nonspecific (heterologous) effects of BCG vaccine on all-cause mortality.


江部康二
母乳と乳糖(ブドウ糖+ガラクトース)。糖質、脂質、タンパク質。
こんにちは。
今回は、母乳について考えてみました。

日本食品標準成分表2015(七訂)によれば、

人乳は100gで、65kcal、
炭水化物が7.2g、利用可能炭水化物(単糖当量)6.7g、
脂質が3.5g、タンパク質が1.1gくらいです。
糖質が総カロリーの44.9% 、
脂質が総カロリーの48.46%、
タンパク質は総カロリーの6.77%


です。

すなわち、糖質もそこそこ含まれていますが、かなりの高脂質食でもあります。
宗田先生のご研究(☆)により
新生児のケトン体値は、平均240.4μmol/L(312例、生後4日)であり、
成人基準値(85 μmol/L以下)の3倍~数倍レベルです。
この研究は英文論文で発表されています。
新生児のケトン体はこのように高値であり、
エネルギー源として、しっかり利用されています。
 
母乳が高脂質食なので、母乳育児中の乳児の血中ケトン体値は、
成人基準値よりはかなり高値となります。

一方、糖質も、日本糖尿病学会推奨の50~60%には及ばないものの、
44.9%と、そこそこの含有量です。
乳児の肝臓の糖新生機能はまだ未熟なので、
母乳から一日何回も糖質を補充して、
特に赤血球などのために血糖値を確保する必要があるのでしょう。

ヒトが吸収できる単糖には、ブドウ糖、果糖、ガラクトースがあります。
人乳あるいは哺乳類のお乳に、乳糖が含まれていることの意味は何か考えてみました。
乳糖は「ガラクトース+ブドウ糖」で構成されています。

エネルギー補給だけならブドウ糖だけでもいいようなものなのに、
ガラクトースが必要なのには、理由があるようです。
乳糖が母乳の糖質の 80% 以上で、全エネルギーの 約38%を占めます。
乳糖以外には微量のグルコース、ガラクトース、種々のオリゴ糖などを含有しています。
母乳は乳腺で血液からつくられます。

次に糖鎖について考えてみます。
「糖鎖」とはグルコースやガラクトースなどの糖が
共有結合で連結し鎖状になった分子です 。
糖鎖は、糖転移酵素の反応により多くのタンパク質や脂質に結合し、
それらの分子を正しく働 かせるために必要です。
それらの中で、ガラクトース糖鎖は自然免疫のブレーキ的な役割を果たすということがわかってきました。(☆☆)

免疫には、ほとんどの生物が持っている「自然免疫」というシステムと、
脊椎動物だけがもっている「獲得免疫」というシステムがあります。
細菌やウィルスなどの病原体が体内に侵入したときは、
まず自然免疫が活性化し、速やかにそれらを排除しようとします。

 自然免疫とは、受容体を介して、侵入してきた病原体などを感知し、
それを排除する仕組みであり、生体防御の最前線に位置しています。
ここで活躍している免疫担当細胞は、
主に好中球やマクロファージ、樹状細胞といった食細胞です。

 その後、自然免疫からの情報を得て、獲得免疫が活性化します。
獲得免疫とは、感染した病原体を特異的に見分け、それを記憶することで、
同じ病原体に出会った時に効果的に病原体を排除できる仕組みです。
獲得免疫で活躍している免疫担当細胞は、主にT細胞やB細胞といったリンパ球です。

自然免疫は最前線で活躍してくれていますが、
自然免疫も暴走したら、かえって身体に悪影響がでるので、
ガラクトース糖鎖が制御している
ものと思われます。

なお、ガラクトースは、急速に発達する乳児の中枢神経系の完成に
重要な役割を果た
すとされています。


(☆)
Glycative Stress Research 2016; 3 (3): 133-140
Ketone body elevation in placenta, umbilical cord,
newborn and mother in normal delivery
Tetsuo Muneta 1), Eri Kawaguchi 1), Yasushi Nagai 2), Momoyo Matsumoto 2),
Koji Ebe 3),Hiroko Watanabe 4), Hiroshi Bando 5)

(☆☆)
ガラクトース糖鎖に関しては
立教大学理学部、山本美樹PD、後藤聡教授等のご研究のプレスリリース
「免疫力は糖によって調節される!」
免疫反応の新しい ON/OFF の仕組みを解明
https://www.rikkyo.ac.jp/news/2015/04/16036.html
https://www.rikkyo.ac.jp/news/2015/04/qo9edr000000c13n-att/pic-news140417_002.pdf
を参考にしました。謝謝。



江部康二
決定版! 作りおき&レンチンで簡単! 糖質オフのやせる! ラクうま弁当350   ナツメ社
こんばんは。

決定版! 作りおき&レンチンで簡単! 糖質オフのやせる! ラクうま弁当350 大型本 - ナツメ社 2020/1/16
江部 康二 (著), 新谷 友里江 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4816367705/


book2020-1.jpg


2020年1月16日、刊行です。
おかげさまで、早くも重版が決定しました。(^^)       
アマゾンの動きはいまいちなので、心配だったのですが
レシピ本は、直接手に取って、本屋さんの店頭で内容を確認してから
購入される人が多いのかなと思いました。

本書が前もって送付されてきたので、
スタッフにも見せました。
すると、わかりやすく使いやすいと、とても評判が良いのです。
購入したいという人も多くて、嬉しい限りでした。

本書では、作りおきとレンチンでラクラク続く、
お弁当の定番おかずをたっぷり350種掲載してあります。

ゆる糖質オフも、きちんと糖質オフ(スーパー糖質制限食)も自由に選べます。
毎日お弁当の人もいれば、時々お弁当の人もいると思いますが、
この一冊で、美味しい糖質オフ弁当が簡単に作れるのでとても便利です。


☆☆☆
以下の緑文字の記載は、本書の「はじめに」です。

自分に合った糖質オフ弁当でおいしく食べてやせる!

   本書は糖質オフのお弁当の本です。カロリー制限食の場合、減量は極めて困難で、
そもそもひもじくて長く続けることは不可能と言えるでしょう。
その点、糖質制限食なら、厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を、
しっかり摂取してよいので、満足感や満腹感があり、
しかも減量効果が速やかにでることでモチベーションも高まるため、
長く続けることが可能になります。
糖質を食べて血糖値が上昇すると、分泌されたインスリンが血液中のブドウ糖を
筋肉に取り込ませることで血糖値を下げますが、余ったブドウ糖は全て中性脂肪に
変えられ、脂肪細胞に蓄えられます。
これがインスリンが肥満ホルモンと言われる理由です。
一方、たんぱく質と脂質は直接血糖値を上げることはないので、食べても太りません。
いざ減量のために糖質制限食を始めたけれど、お昼は社員食堂に行くしかないなど、
昼ごはんで挫折する人が多いようです。
外食やコンビニを利用する手もありますが、
糖質制限中でもOKなメニューの選択肢は限られます。
そこで、家庭で作る糖質オフ弁当の出番です。
容量が決まっており、糖質量の管理がとても簡単です。
おかずを作りおきしておけば、当日詰め合わせるだけなので悩む必要もなく
ラクに続けることができ、毎日美味しく楽しく食べられます。
電子レンジ調理のレシピもあり、手早く一品追加できるのも魅力的です。
きちんと糖質オフのほうが、減量効果が速く出るのは必然なのですが、
ゆる糖質オフでも一定の効果は期待できます。
是非実践していただければ幸いです。

                                            2020年1月吉日 江部康二


***
以下の青文字の記載は出版社の内容紹介です。

内容紹介
ダイエット効果てきめんの「糖質オフ」。
ですが、使える食材や調味料が限られているため、レシピが思いつかない、
マンネリになってしまう、という方も多いのではないでしょうか。

本書では、作りおきとレンチンでラクラク続く、
お弁当の定番おかずをたっぷり350種掲載しました!

朝、作りおきおかずを詰めるだけだけ&パパッとレンジで作れるから、とにかくラクチン。
この一冊で、美味しい糖質オフ弁当が簡単に作れます。

全レシピ、1回分の糖質量、たんぱく質量、エネルギー量、
冷蔵・冷凍保存の期間を記載しています。

【本書のポイント】

●ゆる糖質オフも、きちんと糖質オフも自由に選べる!
本書では、糖質オフおかずや主食の組み合わせで、
糖質量を簡単に調整することができます。
主食なしできちんと糖質を減らし一気にやせたい方も、
主食を楽しみつつ少し長めのスパンでやせたい方も、
自分にあった方法を選ぶことができます!

●ボリューム満点! だから、糖質オフでもお弁当が楽しみに
糖質オフでがんばっていても、量が少なかったり、
味つけがマンネリだったりして味気ないお弁当では、挫折していまします。
本書で掲載しているおかずは、それぞれが低糖質なので、たくさん詰めても大丈夫。
味つけの種類も豊富で、マンネリになることもありません。

●こんなに食べられる! 主食レシピも満載
糖質オフといえば、主食は食べないのが基本ですが、やっぱり物足りなさが残るもの。
ゆる糖質オフだけでなく、きちんと糖質オフでも楽しめる主食レシピをたくさん掲載しました。
低糖質なカリフラワーごはんやおからごはん、糖質オフの麺、ブランパン、
ほぼ糖質ゼロの油揚げや厚揚げを活用したレシピなどを掲載しています。

●途中で飽きない! アレンジレシピを紹介
作りおきのおかずに、途中で飽きてしまった経験がある方も多いのでは?
本書では、アレンジレシピも掲載しているので、最後までおいしくいただけます。

【目次】(章タイトルのみ)
Part1 肉の作りおき&レンチンおかず
Part2 魚介の作りおき&レンチンおかず
Part3 卵&大豆製品・豆の作りおき&レンチンおかず
Part4 作りおき&レンチンでできる 色別サブおかず
新型コロナウィルス肺炎とサイトカインストーム、NSAIDsはNG。
こんにちは。
新型コロナウィルス肺炎が重症化する例において、
サイトカインストーム(☆)と呼ばれる「免疫の過剰反応」
関与している可能性が示唆されています。

2020年3月15日
ヤフーニュースhttps://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20200315-00167830/
に、
『コロナウイルスにかかったら飲んではいけない薬:フランスの厚生大臣が発表』
という記事が載りました。

フランスの厚生大臣オリヴィエ・ヴェラン氏が、
コロナウイルスに関して、
『イブプロフェンを服用しないほうがよい』と勧告したのです。
フランスの厚生大臣Olivier Veran氏は神経科医で39歳という若さです。

厚生大臣は、自身のツイッターで、
「!新型コロナウイルス:感染者が(イブプロフェンなどの)抗炎症薬を服用すると、
感染を悪化させる要因になる可能性があります。
熱がある場合は、パラセタモール(別名:アセトアミノフェン)を服用してください」

と述べています。

これは、イブプロフェンなどのNSAIDsと言われる「消炎鎮痛解熱剤」の内服が、
サイトカインストーム(☆)を引き起こして
新型コロナウィルス肺炎の重症化を招くことを懸念しての発言と思います。

免疫細胞の活性化や機能抑制には、
サイトカインと総称される生理活性蛋白質が重要な役割を担っています。
サイトカインは免疫系のバランスの乱れなどによってその制御がうまくいかなくなると、
サイトカインの過剰な産生状態を引き起こし、ひどい場合には致死的な状態に陥ります。
全身の細胞から通常量をはるかに超えるサイトカインが放出され、
体内を嵐のように駆け巡ります。
この過剰反応をサイトカインストームと呼びます。


TERUMO(テルモ)のサイト
https://www.terumo.co.jp/pressrelease/detail/20200413/1074/index.html

治療機器として初
テルモの血液成分分離装置、新型コロナウイルスに対して米国での緊急使用が許諾
吸着カートリッジと組み合わせて、サイトカインストーム抑制を期待


という記事が掲載されています。
【テルモ株式会社の遠心型血液成分分離装置「スペクトラオプティア」が、米国食品医薬品局(FDA)から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者さんを対象とする緊急使用の許諾(EUA: Emergency Use Authorization)を受けました。
・・・中略
スペクトラオプティアは、患者さんの血液を専用のディスポーザブル回路に通すことで、血球と血漿に分離します。回路に接続したD2000吸着カートリッジが、血漿中に存在するサイトカインを減らし、血液は、また患者さんの体内に戻ります。サイトカインの減少により、サイトカインストームが抑制され、呼吸障害の改善が期待されます。後略・・・】


米国食品医薬品局(FDA)が許諾したとのことですので、
新型コロナウィルスの重症化にサイトカインストームが関与している可能性は高いと
思われます。
このサイトカインストームを引き起こしやすい薬物がNSAIDs「消炎鎮痛解熱剤」です。
アセトアミノフェン以外のほぼ全ての消炎鎮痛解熱剤にリスクがあります。

結局、安全性が一定確立している、解熱剤は、アセトアミノフェンだけです。
アセトアミノフェンの商品名は、カロナール、コカール、アンヒバ座薬などです。
他の解熱剤(ロキソニン、ボルタレン、ポンタール、インダシン、ブレシン、セレコックス、アスピリン、イブプロフェン・・・)は使用してはいけません。
薬局の市販薬にもロキソニンなどがありますので細心の注意が必要です。
インフルエンザ脳症の原因も、
NSAIDs投与によるサイトカインストームと考えられています。

要するに安全なのは、アセトアミノフェンだけです。
なお、他の風邪などのウィルス感染でも同様の危険性は有り得ますので、
私は大人も子供も、解熱剤はアセトアミノフェンしか処方しません。


(☆)サイトカインストーム
http://www.jst.go.jp/crest/immunesystem/result/05.html
独立行政法人 科学技術振興機構のサイトから抜粋

5.免疫系におけるサイトカインの役割

 病原体に対する免疫系の攻撃としては、主に好中球やマクロファージなどの自然免疫系の貪食細胞による貪食作用、キラーT細胞による細胞傷害性物質の放出による宿主細胞の破壊、B細胞が産生する抗体による病原体の不活化などがあります。このような免疫細胞の活性化や機能抑制には、サイトカインと総称される生理活性蛋白質が重要な役割を担っています。サイトカインには白血球が分泌し、免疫系の調節に機能するインターロイキン類、白血球の遊走を誘導するケモカイン類、ウイルスや細胞の増殖を抑制するインターフェロン類など、様々な種類があり、今も発見が続いています。サイトカインは免疫系のバランスの乱れなどによってその制御がうまくいかなくなると、サイトカインストームと呼ばれるサイトカインの過剰な産生状態を引き起こし、ひどい場合には致死的な状態に陥ります。サイトカインは本来の病原体から身を守る役割のほかに、様々な疾患に関与していることが明らかになってきています。

 平野チームは、自ら発見したサイトカインの一種であるIL-6が自己免疫疾患の発症制御において、中心的な役割を担っていることを独自に開発した疾患モデルマウスを用いて明らかにしています。また、免疫細胞の中枢神経系への侵入口を発見したことから、神経系自己免疫疾患の発症仮説を提唱しています。岩倉チームは、炎症性サイトカインであるIL-17ファミリー分子の機能的役割を解析する中で、これらファミリー分子が感染防御と炎症抑制において、役割分担されていることを見出しています。


江部康二

糖尿病と人工透析、糖質制限導入前と後との差は?
こんにちは。
糖尿病合併症としての人工透析について、考察してみました。

糖尿病三大合併症のうち、
神経障害と網膜症は初診時すでに発症している患者さんもおられますが、
糖質制限食開始後、症状が改善した人もおられます。
糖尿病腎症からの人工透析が一番経過がわかりやすいので調べてみました。

毎年糖尿病腎症から16000人以上が人工透析になっていて、
疾患別では第一位です。
厚生労働省の2016年のデータで1000万人が糖尿病です。
2016年のデータで単純計算すると、
毎年新たに糖尿人の0.16%が透析に、
つまり糖尿人625人に1人が透析になっています。

今回のブログのデータは、
高雄病院及び江部診療所で私が定期的に診察している患者さんが対象です。

1999年、江部洋一郎高雄病院院長(当時)が糖質制限食導入
2001年、江部康二が糖質制限食導入
2002年、江部康二自身が糖尿病で糖質制限食開始

1978年から高雄病院勤務
1989年に江部診療所を開設


糖質制限食導入前
1978~2001:23年間で3名、糖尿病腎症から透析  

糖質制限食導入後
2001~2020:19年間で1名、糖尿病腎症から透析 

透析になった患者さんは、つらい体験なので4名ともよく覚えています。
糖質制限食導入前23年間は、高雄病院でも江部診療所でも、
日本糖尿病学会推奨の
<糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)+薬物療法>
で、一般の医療機関と一緒の治療法でした。

糖質制限食導入後は、薬物療法はかなり減薬できますし、
投薬なしになる患者さんも多いです。
また、糖質制限食導入前に比し、糖質制限食導入後は、
診察している糖尿病患者さんの数は、3倍以上
に増えていますが、
透析になった人は、明らかに減っています。

糖質制限食導入後の患者さんで、唯一透析になった方は、
初診時、糖尿病歴が長く20年以上であり、
他医で既にインスリン治療も受けておられました。
高雄病院初診時、血清クレアチニン値が、2.1mg/dl(eGFR:24.95)
糖尿病腎症第4期の段階でした。
数年後、残念ながら人工透析導入となりました。

このように、定期的に通院されている糖尿病患者さんにおいて、
糖質制限食導入前と後で、透析率に差がある可能性は高いです。

一方、上述以外に、遠方の患者さんで、
通院中断の場合もありますので、正確なことはわかりません。


江部康二