2023年08月29日 (火)
こんにちは。
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
と題して、一般の方向けの講演会を開催します。
講師は、江部康二 と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
わかりやすいお話をしたいと思っています。
私の講演は、「旧石器時代」の話がトピックになります。
今回、日本人はいつから存在していて、何を食べていたのかを、一から考察してみました。
一般的な歴史の教科書には全く書いてないので講演会に参加される皆さんもご存じない可能性が高いと思います。
実は日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
この間ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、
肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
北海道ではマンモスも食べていました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
このように日本人は22000年間肉ばかり食べて身体を形成していったのであり、
肉食に特化して適合していると言えます。
16000年前から『縄文時代』が始まり、
狩猟・採集・漁労の3本柱が生業となりました。
2002年に東京大学の米田穣氏によって、
「縄文人は地域ごとに食生活違う」ことが示されました。
縄文時代は、約13000年くらい続きました。
約2500年前から、『弥生時代』で、農耕が始まって1300年続き、
古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代・・・と続き、現代にいたっています。
肉食の歴史が22000年間に対して、米食の歴史は、わずか2500年にすぎません。
スーパー糖質制限食を「極端な食事」と批判する人がいますが、
実は「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率」なのです。
つまり、スーパー糖質制限食は、日本人の標準の食事と言えます。
ブログ読者の皆さん、是非、奮って、講演会にご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
9月23日(土・祝)大阪市内で、「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、当会理事長の江部康二 医師と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加をお待ちしております。
また、講演会終了後には、交流会を開催いたします。こちらも奮ってご参加くださいませ。
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
◆日程:2023年9月23日(土・祝)14:15~16:30頃 ※開場・受付は、14:00~
◆会場:大阪大学中之島センター6階 セミナー室6E・6F
大阪市北区中之島4-3-53
https://www.onc.osaka-u.ac.jp/access/
◆受講費:賛助会員 2,300円 / 一般(会員の方以外)2,800円
◆内容:
・第1部
「美味しく、楽しく続けていただくために。高雄病院の糖質制限給食と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科
*講師より*
高雄病院では、1999年から糖質制限食の入院食を提供することとなり、当初は主食なしの献立を立てるのはなかなか大変なことで、とまどいも多かったです。
一方で、リアルタイムに改善されていく患者さんの血液データを見ることで、それまでのエネルギーコントロール食とは明らかに違うことに気づかされ、糖質制限食の威力を感じたものです。
今回は、高雄病院の糖質制限給食や栄養指導についてご紹介しつつ、糖質制限食を美味しく、楽しく実行するためにおさえておきたい初歩的なポイントと、継続していく中でよく耳にする悩みや問題点、それらに対するアドバイスや解決策についてお話ししていきます。
・第2部
「データと歴史が示す糖質制限食の有効性」
講師: 江部 康二 医師 / (一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*講師より*
血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。
糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。
糖尿病治療には、従来の「カロリー制限食」ではなく「糖質制限食」が出番です。
しかし、糖質制限食を「極端な食事」と批判する人もおられます。本当にそうでしょうか。
日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
このように日本人は22000年間、肉を主として食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。
そして、スーパー糖質制限食は、この「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事」と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率です。
私も52歳での糖尿病発症以来21年間スーパー糖質制限食を続けて、内服薬・合併症なし、視力・聴力低下なし、血圧も正常で、元気な73歳を過ごしています。
今回は、日本人の食の歴史と糖質制限食の理論、糖尿病治療をはじめとする、糖質制限食の有効性と安全性について、様々な角度からお話したいと思います。
※第1部35分、第2部60分程度、最後に質疑応答を予定しております。
◇◆◇ 交流会 ◇◆◇
◆日時: 2023年9月23日(土・祝) 17:15~(2時間程度)
◆場所: ダイビル本館 1F 「ドノスティア(Donostia)」
大阪市北区中之島3-6-32 ※講演会場から徒歩3、4分
https://kcks602.gorp.jp/
◆参加費: 賛助会員 6,000円 / 一般(会員以外の方) 6,500円
◆形式など:立食 / お食事+フリードリンク
【以下大阪講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:
事務局へメールにて、参加ご希望のイベント名とご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/23大阪講演会、交流会)をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、講演会もしくは、講演会・交流会への参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日は直接各会場へお越し頂き、受付にてお名前をお伝えください。
・講演会のキャンセルは9月20日(水)までに、交流会のキャンセルは9月18日(月・祝)までに事務局へメールにてご連絡願います。
これら以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
と題して、一般の方向けの講演会を開催します。
講師は、江部康二 と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
わかりやすいお話をしたいと思っています。
私の講演は、「旧石器時代」の話がトピックになります。
今回、日本人はいつから存在していて、何を食べていたのかを、一から考察してみました。
一般的な歴史の教科書には全く書いてないので講演会に参加される皆さんもご存じない可能性が高いと思います。
実は日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
この間ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、
肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
北海道ではマンモスも食べていました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
このように日本人は22000年間肉ばかり食べて身体を形成していったのであり、
肉食に特化して適合していると言えます。
16000年前から『縄文時代』が始まり、
狩猟・採集・漁労の3本柱が生業となりました。
2002年に東京大学の米田穣氏によって、
「縄文人は地域ごとに食生活違う」ことが示されました。
縄文時代は、約13000年くらい続きました。
約2500年前から、『弥生時代』で、農耕が始まって1300年続き、
古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代・・・と続き、現代にいたっています。
肉食の歴史が22000年間に対して、米食の歴史は、わずか2500年にすぎません。
スーパー糖質制限食を「極端な食事」と批判する人がいますが、
実は「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率」なのです。
つまり、スーパー糖質制限食は、日本人の標準の食事と言えます。
ブログ読者の皆さん、是非、奮って、講演会にご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
9月23日(土・祝)大阪市内で、「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、当会理事長の江部康二 医師と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加をお待ちしております。
また、講演会終了後には、交流会を開催いたします。こちらも奮ってご参加くださいませ。
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
◆日程:2023年9月23日(土・祝)14:15~16:30頃 ※開場・受付は、14:00~
◆会場:大阪大学中之島センター6階 セミナー室6E・6F
大阪市北区中之島4-3-53
https://www.onc.osaka-u.ac.jp/access/
◆受講費:賛助会員 2,300円 / 一般(会員の方以外)2,800円
◆内容:
・第1部
「美味しく、楽しく続けていただくために。高雄病院の糖質制限給食と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科
*講師より*
高雄病院では、1999年から糖質制限食の入院食を提供することとなり、当初は主食なしの献立を立てるのはなかなか大変なことで、とまどいも多かったです。
一方で、リアルタイムに改善されていく患者さんの血液データを見ることで、それまでのエネルギーコントロール食とは明らかに違うことに気づかされ、糖質制限食の威力を感じたものです。
今回は、高雄病院の糖質制限給食や栄養指導についてご紹介しつつ、糖質制限食を美味しく、楽しく実行するためにおさえておきたい初歩的なポイントと、継続していく中でよく耳にする悩みや問題点、それらに対するアドバイスや解決策についてお話ししていきます。
・第2部
「データと歴史が示す糖質制限食の有効性」
講師: 江部 康二 医師 / (一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*講師より*
血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。
糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。
糖尿病治療には、従来の「カロリー制限食」ではなく「糖質制限食」が出番です。
しかし、糖質制限食を「極端な食事」と批判する人もおられます。本当にそうでしょうか。
日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
このように日本人は22000年間、肉を主として食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。
そして、スーパー糖質制限食は、この「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事」と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率です。
私も52歳での糖尿病発症以来21年間スーパー糖質制限食を続けて、内服薬・合併症なし、視力・聴力低下なし、血圧も正常で、元気な73歳を過ごしています。
今回は、日本人の食の歴史と糖質制限食の理論、糖尿病治療をはじめとする、糖質制限食の有効性と安全性について、様々な角度からお話したいと思います。
※第1部35分、第2部60分程度、最後に質疑応答を予定しております。
◇◆◇ 交流会 ◇◆◇
◆日時: 2023年9月23日(土・祝) 17:15~(2時間程度)
◆場所: ダイビル本館 1F 「ドノスティア(Donostia)」
大阪市北区中之島3-6-32 ※講演会場から徒歩3、4分
https://kcks602.gorp.jp/
◆参加費: 賛助会員 6,000円 / 一般(会員以外の方) 6,500円
◆形式など:立食 / お食事+フリードリンク
【以下大阪講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:
事務局へメールにて、参加ご希望のイベント名とご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/23大阪講演会、交流会)をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、講演会もしくは、講演会・交流会への参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日は直接各会場へお越し頂き、受付にてお名前をお伝えください。
・講演会のキャンセルは9月20日(水)までに、交流会のキャンセルは9月18日(月・祝)までに事務局へメールにてご連絡願います。
これら以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
2023年08月28日 (月)
こんにちは。
糖質制限食実践を開始した時に、
それまでは基準値内におさまっていたLDLコレステロール値が
急速に上昇することがあります。
今回は、「糖質制限食と高LDLコレステロール血症とその対処法」について
考察してみます。
<高LDLコレステロール血症と糖質制限食>
日本動脈硬化学会のガイドラインにおいて、
総コレステロール(TC)は評価項目から外れています。
評価対象は、HDLコレステロールとLDLコレステロールです。
糖質制限食で、HDLコレステロールは増加するので、良いことです。
LDLコレステロールに関しては、<低下・不変・増加>の3パターンがあります。
何故3パターンあるのかを突き止めるために、
まずはコレステロールの成り立ちを考えてみます。
コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、
肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。
このように、コレステロールは、人体にとって必要不可欠な、
重要な構成成分の一つです。
ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、
生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。
そのため血清コレステロール値は、
摂取された食物から得られるコレステロールが少ない場合
肝臓での合成が高まり、
一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、
一定量を必ず確保するよう調整しています。
例えば玄米菜食の実践により
「コレステロールを食事からあまりとらない食生活」だったとすれば、
肝臓でのコレステロール合成能力はかなり高まっています。
玄米菜食的な食生活をしていて糖尿病を発症した人が、
糖質制限食を開始して食事からコレステロールがたくさん入ってきたら、
「肝臓のコレステロール合成増強 + 食事からのコレステロールの増加」
となりますので、普通の食事だった人に比し、
血清コレステロールが高値となりやすいです。
この場合、基準値(140mg/dl未満)だったLDLコレステロール値が、
200mg/DL超えなどに一旦上昇します。
総コレステロール値は、300mg/dlを超えてきます。
しかし、一旦上昇したコレステロールも、
肝臓が徐々にコレステロール産生を調整するので、
半年、1年、2年或いは数年単位で基準値に落ち着いてきます。
なお、糖質制限食実践でLDLコレステロール値が上昇した場合、
HDLコレステロールが上昇して、60mg/dl以上になり、
空腹時中性脂肪は改善して、80mg/dl以下になるので、
悪玉の小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは、
ほとんどないので安心です。
糖質制限食実践でLDLコレステロール値が上昇した場合は、
肝臓から末梢組織へコレステロールという細胞膜の原料を運んでいく
標準の大きさの善玉のLDLコレステロールなので心配ないのです。
<高LDLコレステロール血症と糖質制限食とゼチーア>
どうしてもLDLコレステロール高値が気になる人は、
ゼチーアが食材から体内へののコレステロール吸収を減らすので、
しばらくの間、内服するのもありと思います。
ゼチーアはスタチンよりは副作用が少ないです。
ゼチーアは、食材からのコレステロール吸収を抑制する藥なので、
糖質制限食開始により上昇した高LDL血症には、劇的に効きます。
一ヶ月の内服で、LDLコレステロール250mg/dlくらいあったのが
150mg/dlとかに低下し、100mgくらい下がります。
もともと卵とか肉とかコレステロールを多く含むものをよく食べていた人は、
糖質制限食を実践しても血清コレステロール値はあまり変化がないと思います。
このように糖質制限食開始前の食生活において
コレステロールをどの程度摂取していたかで、
開始後のコレステロール値が、かなり影響を受けると考えられます。
いずれにせよ、スーパー糖質制限食を長期間実践している人は、
皆さん、LDLコレステロール値もHDLコレステロール値も
空腹時中性脂肪値も基準値となっていくことがほとんどです。
江部康二
2023年08月27日 (日)
おはようございます。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
【医師が教える】
運動する人こそ糖質制限するべき決定的裏付け
https://diamond.jp/articles/-/326969
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.27
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
糖質は体内にどれだけ
蓄えられているか?
脂質は桁違いのエネルギー源
糖質制限でパフォーマンスUP
無酸素運動は例外的
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
【医師が教える】
運動する人こそ糖質制限するべき決定的裏付け
https://diamond.jp/articles/-/326969
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.27
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
糖質は体内にどれだけ
蓄えられているか?
脂質は桁違いのエネルギー源
糖質制限でパフォーマンスUP
無酸素運動は例外的
2023年08月26日 (土)
こんにちは
新型コロナウイルス感染症の位置づけが、令和5年5月8日以下の如く変更になりました。
厚生労働省
【新型コロナウイルス感染症の位置づけは、これまで、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていましたが、令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。 法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の皆様の自主的な取組をベースとした対応に変わります。】
それで、私の宴会も3年ぶりに復活しています。
お店では、今の季節は、暑いので、もっぱらハイボールです。
私は、お酒は、外でも中でも、比較的よく飲みます。
糖質制限OKのお酒を、雨の日も風の日も晴れの日も雪の日も・・・、
ほぼ毎日、律儀に飲んでいます。
しかしながら、定期的に検査している肝機能は全く正常であり、
人生で一回も肝機能障害を経験したことはありません。
万一、肝機能障害が発症したら、きっと酒を減らすと思います。
家では、糖質ゼロのビール(350ml缶)をまず一缶のんで、
そのあとは、焼酎が多いです。
25%の焼酎をオンザロックで、チビチビ呑みます。
37%とか40%とか濃い酒は、咽頭・食道粘膜に刺激過剰となり、
発がんリスクとなるので、避けています。
辛口の赤ワインも飲みますが、ほぼピノ・ノワールです。
一方、タバコは人生で一回も吸ったことはありません。
ですから、患者さんを診察するときには、
酒飲みには優しく、喫煙者には厳しい傾向があります。
このように、私は、
酒とタバコに関してかなりバイアスの入った診療をする医師ということになりますが、
さて、「飲酒」と「喫煙」と、どっちがより悪いのでしょう?
とりあえず、一番懸念される「がん」について
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)を調べて見ました。
<お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい>
時々飲酒しているグループと比べると、男性において、
アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、
がん全体の発生率は高くなりませんでした。
一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、
がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。
要するに、お酒をたくさん呑むほど、
単純にがん発症リスクが増えるということであり、
左党にはとても頭の痛いお話しです。
なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、
ウイスキーダブルで1杯です。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、
はっきりした傾向がみられませんでした。
<飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる>
ところが、この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、
たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。
この事実は、左党には大変嬉しいことと言えます。
一方、たばこを吸う人では、ときどき飲むグループに比べて、
飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、
1日平均3合以上のグループでは2.3倍、がん全体の発生率が高くなりました。
このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、
喫煙によって助長されることがわかります。
げにタバコの害、恐るべしです。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、
喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなるので、油断は禁物です。
ともあれ、そうすると、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など特殊な部位のがんを除けば、飲酒単独で喫煙なしなら、飲酒量が増えてもがんのリスクにはならないと言えます。
私など左党(酒飲み)には大変嬉しいJPHC研究報告であり、
国立がんセンターの方角に足を向けて眠れないですね。
なお、とても嬉しいことに
「酒飲みでも、タバコ(-)なら食道がんのリスクなし」
です。
2018年05月01日 (火)の本ブログ記事
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4547.html
をご参照頂けば幸いです。
<飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか>
アルコール(エタノール)の分解物のアセトアルデヒドが、がんの発生にかかわるようです。
そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、
たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
<やはり多量飲酒はよくない>
がんを含めて、いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、
お酒は日本酒換算で一日1合程度までに控えておいた方が安全なようです。
大量の飲酒は、シンプルに肝臓や膵臓にダメージを与えます。
結論です。
アルコール依存症の問題はありますが、総合的に飲酒と喫煙のどっちがより悪いのかと言えば、喫煙と結論できます。
しかし、当たりまえではありますが、大量の飲酒は厳禁です。
本日のブログ記事、グラフや図も含めてより詳しくは
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
をご参照頂けば幸いです。
江部康二
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
飲酒とがん全体の発生率との関係について
―多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告―
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防に役立てるための研究を行っています。
平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県柏崎、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2004年現在)管内にお住まいの方々に、アンケート調査の回答をお願いしました。そのうち、40~59歳の男女約73,000人について、その後平成13年(2001年)まで追跡した調査結果に基づいて、飲酒とがん全体の発生率との関係について調べた結果を、専門誌で論文発表しましたので、紹介します(British Journal of Cancer 2005年92巻182-187ページ)。
お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい
調査開始時には、男性の70%はほぼ毎日飲酒していると回答していましたが、女性ではほぼ毎日飲酒しているのは12%でした。調査開始時の飲酒の程度により6つのグループに分けて、その後のがん全体の発生率を比較してみました。調査開始から約10年間の追跡期間中に、調査対象者約73,000人のうち約3,500人が何らかのがんにかかりました。
時々飲酒しているグループと比べると、男性では、アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、がん全体の発生率は高くなりませんでした。一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。(なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、ウイスキーダブルで1杯です。)
この結果をもとにして、平均1日2合以上のような多量飲酒に起因してがんになる、すなわち、多量の飲酒を避けていれば何らかのがんにかからなくてすんだ割合を推計したところ、13%でした。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、はっきりした傾向がみられませんでした。
図1.飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる
この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。ところが、たばこを吸う人では、飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、ときどき飲むグループと比べて、1日平均2-3合以上のグループでは1.9倍、1日平均3合以上のグループでは2.3倍がん全体の発生率が高くなりました。このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、喫煙によって助長されることがわかります。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・食道・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなりますが、喫煙が重なることにより、さらに発生率が高くなるという結果になりました。
図2.喫煙習慣別に見た飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか
お酒に含まれているエタノールは分解されてアセトアルデヒドになりますが、これががんの発生にかかわると考えられています。そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
やはり多量飲酒はよくない
この研究からは、何らかのがんになりにくくするには、日本酒換算で一日平均2合以上の多量飲酒は慎んだ方がいいといえます。しかし、同じ多目的コホート研究からの結果では、最近増加している糖尿病や大腸がんなら、一日平均1合を超えると危険性が高くなるという結果となっています。いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、お酒は日本酒換算で一日1合(ビールなら大びん1本、ワインならグラス2杯)程度までに控えておいた方がよいといえるでしょう。
新型コロナウイルス感染症の位置づけが、令和5年5月8日以下の如く変更になりました。
厚生労働省
【新型コロナウイルス感染症の位置づけは、これまで、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていましたが、令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。 法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の皆様の自主的な取組をベースとした対応に変わります。】
それで、私の宴会も3年ぶりに復活しています。
お店では、今の季節は、暑いので、もっぱらハイボールです。
私は、お酒は、外でも中でも、比較的よく飲みます。
糖質制限OKのお酒を、雨の日も風の日も晴れの日も雪の日も・・・、
ほぼ毎日、律儀に飲んでいます。
しかしながら、定期的に検査している肝機能は全く正常であり、
人生で一回も肝機能障害を経験したことはありません。
万一、肝機能障害が発症したら、きっと酒を減らすと思います。
家では、糖質ゼロのビール(350ml缶)をまず一缶のんで、
そのあとは、焼酎が多いです。
25%の焼酎をオンザロックで、チビチビ呑みます。
37%とか40%とか濃い酒は、咽頭・食道粘膜に刺激過剰となり、
発がんリスクとなるので、避けています。
辛口の赤ワインも飲みますが、ほぼピノ・ノワールです。
一方、タバコは人生で一回も吸ったことはありません。
ですから、患者さんを診察するときには、
酒飲みには優しく、喫煙者には厳しい傾向があります。
このように、私は、
酒とタバコに関してかなりバイアスの入った診療をする医師ということになりますが、
さて、「飲酒」と「喫煙」と、どっちがより悪いのでしょう?
とりあえず、一番懸念される「がん」について
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)を調べて見ました。
<お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい>
時々飲酒しているグループと比べると、男性において、
アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、
がん全体の発生率は高くなりませんでした。
一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、
がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。
要するに、お酒をたくさん呑むほど、
単純にがん発症リスクが増えるということであり、
左党にはとても頭の痛いお話しです。
なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、
ウイスキーダブルで1杯です。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、
はっきりした傾向がみられませんでした。
<飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる>
ところが、この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、
たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。
この事実は、左党には大変嬉しいことと言えます。
一方、たばこを吸う人では、ときどき飲むグループに比べて、
飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、
1日平均3合以上のグループでは2.3倍、がん全体の発生率が高くなりました。
このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、
喫煙によって助長されることがわかります。
げにタバコの害、恐るべしです。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、
喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなるので、油断は禁物です。
ともあれ、そうすると、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など特殊な部位のがんを除けば、飲酒単独で喫煙なしなら、飲酒量が増えてもがんのリスクにはならないと言えます。
私など左党(酒飲み)には大変嬉しいJPHC研究報告であり、
国立がんセンターの方角に足を向けて眠れないですね。
なお、とても嬉しいことに
「酒飲みでも、タバコ(-)なら食道がんのリスクなし」
です。
2018年05月01日 (火)の本ブログ記事
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4547.html
をご参照頂けば幸いです。
<飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか>
アルコール(エタノール)の分解物のアセトアルデヒドが、がんの発生にかかわるようです。
そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、
たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
<やはり多量飲酒はよくない>
がんを含めて、いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、
お酒は日本酒換算で一日1合程度までに控えておいた方が安全なようです。
大量の飲酒は、シンプルに肝臓や膵臓にダメージを与えます。
結論です。
アルコール依存症の問題はありますが、総合的に飲酒と喫煙のどっちがより悪いのかと言えば、喫煙と結論できます。
しかし、当たりまえではありますが、大量の飲酒は厳禁です。
本日のブログ記事、グラフや図も含めてより詳しくは
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
をご参照頂けば幸いです。
江部康二
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
飲酒とがん全体の発生率との関係について
―多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告―
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防に役立てるための研究を行っています。
平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県柏崎、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2004年現在)管内にお住まいの方々に、アンケート調査の回答をお願いしました。そのうち、40~59歳の男女約73,000人について、その後平成13年(2001年)まで追跡した調査結果に基づいて、飲酒とがん全体の発生率との関係について調べた結果を、専門誌で論文発表しましたので、紹介します(British Journal of Cancer 2005年92巻182-187ページ)。
お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい
調査開始時には、男性の70%はほぼ毎日飲酒していると回答していましたが、女性ではほぼ毎日飲酒しているのは12%でした。調査開始時の飲酒の程度により6つのグループに分けて、その後のがん全体の発生率を比較してみました。調査開始から約10年間の追跡期間中に、調査対象者約73,000人のうち約3,500人が何らかのがんにかかりました。
時々飲酒しているグループと比べると、男性では、アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、がん全体の発生率は高くなりませんでした。一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。(なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、ウイスキーダブルで1杯です。)
この結果をもとにして、平均1日2合以上のような多量飲酒に起因してがんになる、すなわち、多量の飲酒を避けていれば何らかのがんにかからなくてすんだ割合を推計したところ、13%でした。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、はっきりした傾向がみられませんでした。
図1.飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる
この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。ところが、たばこを吸う人では、飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、ときどき飲むグループと比べて、1日平均2-3合以上のグループでは1.9倍、1日平均3合以上のグループでは2.3倍がん全体の発生率が高くなりました。このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、喫煙によって助長されることがわかります。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・食道・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなりますが、喫煙が重なることにより、さらに発生率が高くなるという結果になりました。
図2.喫煙習慣別に見た飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか
お酒に含まれているエタノールは分解されてアセトアルデヒドになりますが、これががんの発生にかかわると考えられています。そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
やはり多量飲酒はよくない
この研究からは、何らかのがんになりにくくするには、日本酒換算で一日平均2合以上の多量飲酒は慎んだ方がいいといえます。しかし、同じ多目的コホート研究からの結果では、最近増加している糖尿病や大腸がんなら、一日平均1合を超えると危険性が高くなるという結果となっています。いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、お酒は日本酒換算で一日1合(ビールなら大びん1本、ワインならグラス2杯)程度までに控えておいた方がよいといえるでしょう。
2023年08月24日 (木)
【23/08/23 挑戦中
高脂肪食について
江部先生
いつもブログで勉強させていただいております。ありがとうございます。
以前ブログにて相談させて頂いて以来、順調に糖質制限生活を楽しんでおります。
今日はコレステロールの事でお知恵を拝借できないかと思いメッセージさせていただきました。
先生の過去のブログ記事やYoutubeを拝見したのですが、理解が及ばずにおります。
今回、居住地イギリスの医師から動物性たんぱく質を減らすよう指示が出ました。
私としては動物性たんぱく質を取ることでBMIが安定し、血糖値も安定したので、悩みどころです。
2019年7月出産(妊娠糖尿病になりました)
2020年5月(日本・糖質制限開始前)
身長:155㎝ 体重:44.5㎏
総コレステロール:236MG/DL
HDL-C: 99MG/DL
中性脂肪:69MG/DL
non-HDL :137MG/DL
LDL-C : 123 MD/DL
HbA1c(NGSP) : 6.0
2023年4月(日本・糖質制限約2.5年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:239mg/dL/DL
HDL-C: 87mg/dL
中性脂肪:58mg/dL
non-HDL :152㎎/dL
LDL-C : 140 mg/dL
HbA1c : 5.5
2023年8月(英国・糖質制限3年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:5.8mmol/l (約225mg/dL/DL?)
HDL-C: 1.74mmol/L (約67mg/dL?)
中性脂肪:計測なし
non-HDL :4.1mmol/L(約159㎎/dL?)
HDL ratio : 3.3
total protein: 74g/L
HbA1c : 5.6
英国では中性脂肪は測っていません。
両国でカリウムやクレアチニン、ALT、アルブミン、eGFRなど他も調べましたが、
特に何も問題はありませんでした。
また計測値や項目名が異なり申し訳ございません。
この状態ですとやはり脂質制限は考慮した方が良いのでしょうか? 】
こんにちは。
挑戦中 さんから、高脂肪食について、コメント・質問を頂きました。
2019年7月出産(妊娠糖尿病になりました)
2020年5月(日本・糖質制限開始前)
身長:155㎝ 体重:44.5㎏
総コレステロール:236mg/dl
HDL-C: 99mg/dl
中性脂肪:69mg/dl
non-HDL :137mg/dl
LDL-C : 123 mg/dlL
HbA1c(NGSP) : 6.0
2023年4月(日本・糖質制限約2.5年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:239mg/dL/DL
HDL-C: 87mg/dL
中性脂肪:58mg/dL
non-HDL :152㎎/dL
LDL-C : 140 mg/dL
HbA1c : 5.5
糖質制限食を2.5年実践されて、
HbA1c(NGSP)が、 6.0から5.5%に改善しています。
HDL-Cはもともと良かったのですが、 99mg/dl⇒87mg/dlです。
中性脂肪も元々よかったのですが、69mg/dl⇒58mg/dlです。
いつも本ブログで、述べていますが
HDLコレステロールが、60mg/dl以上あり
TGが 60mg/dl以下であれば、
悪玉の小粒子LDLコレステロール、酸化LDLコレステロールは皆無であり、
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉なので問題ないです。
①標準の大きさのLDLコレステロール:
肝臓から末梢組織にコレステロールという細胞膜の原料を運ぶ善玉。
②小粒子LDLコレステロール:
コレステロール輸送という本来の仕事をほとんどせずに、血管壁の傷などに入り込んで
活性酸素に触れ、酸化して酸化LDLコレステロールになりやすいので危険。
③酸化LDLコレステロール:
異物であり血管壁にこびりついて動脈硬化の元凶となる真の悪玉。
つまり、危険なのは②と③であり、
①はなくてはならない大切なものなのです。
http://promea2014.com/blog/?p=1101
ドクターシミズのひとりごと
に掲載してある、図を見て頂ければ上記が確認できます。
(図はAtherogenic lipoprotein phenotype. A proposed genetic marker for coronary heart disease risk.M A Austin, M C King, K M Vranizan and R M Krauss Circulation. 1990;82:495-506より抜粋)
清水先生、ありがとうございます。
【今回、居住地イギリスの医師から動物性たんぱく質を減らすよう指示が出ました。
私としては動物性たんぱく質を取ることでBMIが安定し、血糖値も安定したので、
悩みどころです。】
スーパー糖質制限食を継続されて、何の問題もありません。
問題がないどころか良いことばかりです。
糖質制限食は、言いかえれば脂肪・蛋白無制限食です。
しっかり動物性たんぱく質や動物性脂肪を摂取して、
血糖値を安定させ、体重を<44.5kg⇒46kg>を維持しましょう。
BMIも、もうすこし増やしてよいです。
体重47~48kgなら、BMIは、19.56~19.98
となります。
日本列島にヒトが居住し始めたのは、38000年前の旧石器時代からです。
当時はウルム氷期でとても寒い時期でした。
日本の旧石器時代は22000間と非常に長期にわたり続きました。
寒さのため、基本、針葉樹しかありませんでした。
ナウマン象、イノシシ、シカなど肉食が主でした。
北海道ではマンモスも食べていました・
植物食は、自然薯かコケモモくらいしかありませんでした。
広葉樹がないので、ドングリ、クリ、果物などはありませんでした。
我々のご先祖は、22000年間、肉食が主であり、動物たんぱく・動物脂肪をしっかり食べて
日本人の身体は形成されていったと考えられます。
挑戦中 さんも、しっかり動物たんぱく・動物脂肪を摂取して、
美味しく楽しく末長く、健康ライフを送って頂ければ幸いです。
江部康二
高脂肪食について
江部先生
いつもブログで勉強させていただいております。ありがとうございます。
以前ブログにて相談させて頂いて以来、順調に糖質制限生活を楽しんでおります。
今日はコレステロールの事でお知恵を拝借できないかと思いメッセージさせていただきました。
先生の過去のブログ記事やYoutubeを拝見したのですが、理解が及ばずにおります。
今回、居住地イギリスの医師から動物性たんぱく質を減らすよう指示が出ました。
私としては動物性たんぱく質を取ることでBMIが安定し、血糖値も安定したので、悩みどころです。
2019年7月出産(妊娠糖尿病になりました)
2020年5月(日本・糖質制限開始前)
身長:155㎝ 体重:44.5㎏
総コレステロール:236MG/DL
HDL-C: 99MG/DL
中性脂肪:69MG/DL
non-HDL :137MG/DL
LDL-C : 123 MD/DL
HbA1c(NGSP) : 6.0
2023年4月(日本・糖質制限約2.5年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:239mg/dL/DL
HDL-C: 87mg/dL
中性脂肪:58mg/dL
non-HDL :152㎎/dL
LDL-C : 140 mg/dL
HbA1c : 5.5
2023年8月(英国・糖質制限3年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:5.8mmol/l (約225mg/dL/DL?)
HDL-C: 1.74mmol/L (約67mg/dL?)
中性脂肪:計測なし
non-HDL :4.1mmol/L(約159㎎/dL?)
HDL ratio : 3.3
total protein: 74g/L
HbA1c : 5.6
英国では中性脂肪は測っていません。
両国でカリウムやクレアチニン、ALT、アルブミン、eGFRなど他も調べましたが、
特に何も問題はありませんでした。
また計測値や項目名が異なり申し訳ございません。
この状態ですとやはり脂質制限は考慮した方が良いのでしょうか? 】
こんにちは。
挑戦中 さんから、高脂肪食について、コメント・質問を頂きました。
2019年7月出産(妊娠糖尿病になりました)
2020年5月(日本・糖質制限開始前)
身長:155㎝ 体重:44.5㎏
総コレステロール:236mg/dl
HDL-C: 99mg/dl
中性脂肪:69mg/dl
non-HDL :137mg/dl
LDL-C : 123 mg/dlL
HbA1c(NGSP) : 6.0
2023年4月(日本・糖質制限約2.5年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:239mg/dL/DL
HDL-C: 87mg/dL
中性脂肪:58mg/dL
non-HDL :152㎎/dL
LDL-C : 140 mg/dL
HbA1c : 5.5
糖質制限食を2.5年実践されて、
HbA1c(NGSP)が、 6.0から5.5%に改善しています。
HDL-Cはもともと良かったのですが、 99mg/dl⇒87mg/dlです。
中性脂肪も元々よかったのですが、69mg/dl⇒58mg/dlです。
いつも本ブログで、述べていますが
HDLコレステロールが、60mg/dl以上あり
TGが 60mg/dl以下であれば、
悪玉の小粒子LDLコレステロール、酸化LDLコレステロールは皆無であり、
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉なので問題ないです。
①標準の大きさのLDLコレステロール:
肝臓から末梢組織にコレステロールという細胞膜の原料を運ぶ善玉。
②小粒子LDLコレステロール:
コレステロール輸送という本来の仕事をほとんどせずに、血管壁の傷などに入り込んで
活性酸素に触れ、酸化して酸化LDLコレステロールになりやすいので危険。
③酸化LDLコレステロール:
異物であり血管壁にこびりついて動脈硬化の元凶となる真の悪玉。
つまり、危険なのは②と③であり、
①はなくてはならない大切なものなのです。
http://promea2014.com/blog/?p=1101
ドクターシミズのひとりごと
に掲載してある、図を見て頂ければ上記が確認できます。
(図はAtherogenic lipoprotein phenotype. A proposed genetic marker for coronary heart disease risk.M A Austin, M C King, K M Vranizan and R M Krauss Circulation. 1990;82:495-506より抜粋)
清水先生、ありがとうございます。
【今回、居住地イギリスの医師から動物性たんぱく質を減らすよう指示が出ました。
私としては動物性たんぱく質を取ることでBMIが安定し、血糖値も安定したので、
悩みどころです。】
スーパー糖質制限食を継続されて、何の問題もありません。
問題がないどころか良いことばかりです。
糖質制限食は、言いかえれば脂肪・蛋白無制限食です。
しっかり動物性たんぱく質や動物性脂肪を摂取して、
血糖値を安定させ、体重を<44.5kg⇒46kg>を維持しましょう。
BMIも、もうすこし増やしてよいです。
体重47~48kgなら、BMIは、19.56~19.98
となります。
日本列島にヒトが居住し始めたのは、38000年前の旧石器時代からです。
当時はウルム氷期でとても寒い時期でした。
日本の旧石器時代は22000間と非常に長期にわたり続きました。
寒さのため、基本、針葉樹しかありませんでした。
ナウマン象、イノシシ、シカなど肉食が主でした。
北海道ではマンモスも食べていました・
植物食は、自然薯かコケモモくらいしかありませんでした。
広葉樹がないので、ドングリ、クリ、果物などはありませんでした。
我々のご先祖は、22000年間、肉食が主であり、動物たんぱく・動物脂肪をしっかり食べて
日本人の身体は形成されていったと考えられます。
挑戦中 さんも、しっかり動物たんぱく・動物脂肪を摂取して、
美味しく楽しく末長く、健康ライフを送って頂ければ幸いです。
江部康二