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女性ホルモンと血糖値。エストロゲン。プロゲステロン。
【20/11/24 mi-k
女性ホルモンと血糖値
先生のブログに出会い約10年糖質制限を実践しております。
10年前は2型診断だったものが、5年前に緩徐進行1型糖尿病と診断され、
2型糖尿病の気の持ち方と1型糖尿病の気の持ち方を経験いたしました。
2型であれば糖質制限と運動で頑張れますね。
1型になると絶対的にインスリン注射が必要になるし、
食事もたんぱく質まで考えないといけなくて・・・

とは言え、1型になっても糖質制限を実践しているため
SGLT2阻害薬を併用してはいますがインスリン注射は
トレシーバのベース1回/日で済んでおり、
注射嫌いの私にとってQOLの向上になっております。
現在のCPRは0.11ng/mlでほとんど自前で作れなくなってしまいましたが、
食後の血糖値は糖質制限のおかげで200mg/dlを超えないくらいで
コントロールできております。
主治医も糖質制限派なので患者としてもストレスなく病気に向き合えております。

前置きが長くなりましたが、女性ホルモンと血糖値の関係について、
私個人の経験値ではありますがお伝えしたくコメントさせていただきました。

現在、子宮筋腫を持っているためピルの服用で治療をしております。
トリキュラー錠28という3相性のものを服用しており
1相(6日間)→2相(5日間)→3相(10日間)→休薬(7日間)のサイクルです。
この1相から3相になるにつれプロゲステロンの量が多くなるのですが、
トレシーバの単位が
1相のとき12単位→2相のとき13単位→3相のとき14単位と1単位ずつ増えていき、
休薬になると11単位に減るというサイクルに気づきました。

このことは、リブレを装着できたことで判明しました。
リブレ装着前は、自己測定のみでトレンドまではわからず12単位の固定打ちでした。
HbA1cも6.2%からなかなか下がらずという状態だったのですが、
リブレのおかげで法則に気づきインスリンの調整ができるようになってから、
HbA1cが5.8%まで下げることができました。

3相から休薬に変わる日に3単位も減るなんて、なかなかの減量ですよね・・・

このように血糖値は女性ホルモンにかなり影響を受けているのだなと感じております。】

ピルのおかげで女性ホルモン量を目で見て判断でき、それに合わせてインスリン量が調整できるので、
子宮筋腫をかかえてはいますが、私にとってはメリットだなと感じております。

長くなりましたが、ご一読いただけましたら幸いです。】


こんにちは。
mi-k さんから、女性ホルモンと血糖値について
詳細な体験報告をコメント頂きました。

1型ですが、糖質制限食の実践で、トレシーバの1回注射だけで
血糖コントロールできているのは、生活の質の面からも
とても好ましいですね。
主治医が糖質制限賛成派なのも良かったです。
糖質制限賛成派の医師は、増えたとは言え、
まだまだ貴重な存在なので、もっともっと増えて欲しいです。

【トリキュラー錠28という3相性のものを服用しており
1相(6日間)→2相(5日間)→3相(10日間)→休薬(7日間)のサイクルです。
この1相から3相になるにつれプロゲステロンの量が多くなるのですが、
トレシーバの単位が
1相のとき12単位→2相のとき13単位→3相のとき14単位と1単位ずつ増えていき、
休薬になると11単位に減るというサイクルに気づきました。】


女性ホルモンは、インスリンにも影響を与えていて、
エストロゲンはインスリンの効きを良くし、
プロゲステロンは効きを悪くすると考えられています。

理論的にはこのことはすでに解っているのですが、
mi-kさんの体験は、見事なほど、整合性がとれています。

プロゲステロンが増えるにつれて、トレシーバの単位が増加していき、
休薬になったら、とたんに3単位も減るということで、
1例でも、理論通りであることが証明できて、
おおいに参考になります。
ありがとうございます。


江部康二

糖質制限食で排卵痛・生理痛改善、更年期障害は?
【20/11/22 ぱむ
女性ホルモンとの関係
以前、糖質制限で逆流性食道炎が治ったとコメントさせていただいたものです。
その後、返信いただきありがとうございました。
糖質制限も10ヶ月以上経ち、色々と良い変化が出てきました。
全く予想外だったのは、長年排卵痛で苦しんでいて、
糖質制限を始める前には婦人科でもらった痛み止めも効かなくなっていたのですが、
3ヶ月をすぎた頃から痛みが軽くなり、
月によっては痛みのない時もあるようになりました。
生理痛もあったので月の3分の1の不調な状態がほぼなくなり、体調が軽くなりました。
今日のブログを読んで、糖質制限が女性ホルモンにも影響があると知り、
女性特有の疾患が改善されたのも糖質制限のおかげなのかなと感じています。
知人にも、更年期で仕事もままならないほど体調を崩すような方を多々見ていますので、
自分がなったらどうしようと不安になっていました。
糖質制限を続けることで、女性ホルモンに良い影響があり、
更年期を乗り切れるかもしれないと思ったら、気が楽になるのですが、
どうなんでしょうか?
ちなみに、糖質制限を始めてから、
3ヶ月後の生理の経血がどす黒く、臭いもキツかったのですが、
翌月からはきれいな経血に変わったので、
体の瘀血が出てきたのかなと思っています。】



こんにちは。
ぱむさんから、
糖質制限食で、逆流性食道炎が治り、排卵痛と生理痛も改善したという
嬉しいコメントを頂きました。
糖質制限で更年期が乗り切れるかというご質問ですが、
まずは女性ホルモンと血糖値と生理について考察してみます。

女性ホルモンは、インスリンにも影響を与えています。
エストロゲンはインスリンの効きを良くし、
プロゲステロンは効きを悪くすると考えられています

従って、月経中と月経が終了してしばらく(エストロゲンが上昇する卵胞期)は、
血糖値は低めになりますが、
排卵後月経前までの2週間程度(プロゲステロンが上昇する黄体期)は
血糖値が上昇しやすくなります。

1型糖尿病では生理前に血糖値が上昇することが多いようです。
早朝空腹時血糖値は、60mgとか上昇することがあり、2型に比し差が顕著です。
1型糖尿病女性を対象に調査した研究では、70%の人が月経前に血糖が上がり、
約半数の人が月経初日に血糖が下がったとの報告があります。
つまり、1型でも個人差があるということです。

2型糖尿病でも、理論的には生理前に血糖上昇傾向があるはずですが、
1型ほど顕著ではありません。
個人差はありますが、インスリン分泌能が充分残っている2型糖尿病なら、
黄体期にも血糖値上昇がないようです。


次に更年期障害と糖質制限食について、考えてみましょう。
更年期障害の症状には自律神経症状として「動悸」「発汗」
精神症状として「イライラ」「そわそわ」などがあります。

これらの症状は、糖質摂取による『血糖値の乱高下』により、更年期でなくても生じます。
そして更年期の人が普通に糖質を摂取すると、
『ホルモンバランスの乱れ』による症状と『血糖値の乱高下』による症状が、
ダブルで生じるので、いわゆる更年期障害の症状が、きつく出やすいと思われます。
血糖値の乱高下は酸化ストレスの大きなリスクとなりますので、
それがないだけでも、更年期障害の症状はマイルドになると思います。

酸化ストレスは「がん、動脈硬化、老化、糖尿病合併症、アルツハイマー病、
メタボリックシンドローム、パーキンソン病、狭心症、心筋梗塞、慢性炎症・・・」

などに関与することが明らかとなっています。  
それが、最小限になることは、更年期障害予防だけではなく、
生きていく上で大きなアドバンテージとなります。

これからも、美味しく楽しく末長く糖質制限食実践で、
健康ライフを送って頂ければ幸いです。

本日の記事は、「糖尿病と女性のライフサポートネットワーク」
田中佳代準教授の記事(☆)を参考にさせて頂きました。謝謝。

(☆)糖尿病と女性のライフサポートネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/dlsnw/information/001/001/02.php
代表 田中 佳代(久留米大学医学部看護学科母性看護学准教授)


江部康二
五穀米魚菜食なのにGA高値、AGEs蓄積。何故?
【20/11/20 ふくろねこ
江部先生、新刊の刊行おめでとうございます。
当方身長160cm 体重45kgの、56歳女性です。

Agesを測定する機会があったのですが、
糖化年齢70歳、酸化ストレス度OSが41.5mg/dlとかなりの高値、
グリコアルブミンも17.2と基準値超えでした。
自家製の五穀米、無農薬野菜、大豆製品、魚たまに肉と言った食生活で
健康オタクを自認していたので、
なぜ?と、調べていくうちに先生の書籍に出会い、目から鱗が落ちました。

早速、血糖値自己測定器を購入し、
食後高血糖を起こしていることに気づきました。(1h後200mgを超えることも)
酸化ストレスやグリコアルブミンの高値は、これが原因か、と思いました。
1日の糖質を100g 程度におさえ、三ヶ月たち、
グリコアルブミンは、15.9、食後血糖値1hで130~140位に落ち着きました。
ただ、糖質をカウントしていても、時折スパイクを起こすことがあり、
更年期のホルモンバランスも関係しているのかな、と考えています。
今後も糖質制限(ゆるいですが・・・)を続けて行きたいと思っています。】



こんばんは。
ふくろねこさんから、大変、示唆に富むコメントを頂きました。
ありがとうございます。

『五穀米(☆)、無農薬野菜、大豆製品、魚が主でたまに肉』
といったいわゆる健康的な食生活を実践していたのに、
GA(グリコアルブミン)が17.2%(基準値:11.6~16.4; %)と高値で、
56歳なのに、糖化年齢は70歳とAGEsが過剰に蓄積していて
実態は、かなり不健康であったということです。何故?

実は私も玄米魚菜食で、糖尿病を発症しました。
34歳から、基本玄米が主食で、魚中心で肉や脂は控えめで野菜はたっぷり摂り、
週に2回はテニスをし、週1回スポーツジムにも通っているし、
普通の中年サラリーマン諸氏よりは、
はるかに健康的なライフスタイルのはずでしたが・・・?

もともと父も母も糖尿病でした。
父は、糖質制限食導入前であり、
77歳の時糖尿病による血流傷害のため右大腿切断手術をし、
その後心筋梗塞や肺炎にもなり、80歳で永眠しました。
母は、糖質制限食が間に合って、91歳で天寿を全うしました。

家族歴は完璧なので、私もそこそこ警戒はしていたのですが、
2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂に
HbA1Cが6.7%と糖尿病の域に達していました。
翌日慌てて、給食(胚芽米)を食べて、
1時間後の血糖値を測定してみると
250mg/dlもあり愕然としました。ヾ(゜▽゜)

このように、一般的には健康食のように認識されている玄米食や五穀米ですが、
結局糖質の絶対量は、白米と大差ないので、
糖尿病発症予防には何の役にも立たなかったわけです。


【早速、血糖値自己測定器を購入し、
食後高血糖を起こしていることに気づきました。(1h後200mgを超えることも)
酸化ストレスやグリコアルブミンの高値は、これが原因か、と思いました。】

気がつかれて、とても良かったと思います。
血糖自己測定器、おおいに役に立ちましたね。(^^)


【1日の糖質を100g 程度におさえ、三ヶ月たち、
グリコアルブミンは、15.9、食後血糖値1hで130~140位に落ち着きました。】


このデータなら、グリコアルブミンは基準値内ですし、
食後血糖値も、国際糖尿病連合の目標の食後1時間血糖値160mg/dl未満を
達成しておられるので、合併症の恐れはないと思います。
食後血糖値が180mg/dlを超えていると、糖尿病ではない境界型の段階でも
心筋梗塞のリスクとなりますので、ふくろねこさん、
血糖自己測定器のおかげで間に合ったと思われ、良かったです。


【ただ、糖質をカウントしていても、時折スパイクを起こすことがあり、
更年期のホルモンバランスも関係しているのかな、と考えています。】

女性ホルモンは、インスリンにも影響を与えています。
エストロゲンはインスリンの効きを良くし、
プロゲステロンは効きを悪くすると考えられています。
従って、更年期でエストロゲンが減少してきたら、
血糖値はその分上昇してくると思われます。
現在は緩やかな糖質制限食ですが、
スーパー糖質制限食という選択肢もあると思います。
スーパー糖質制限食なら、更年期でも血糖コントロール良好が
保てると思います。

なお、私は52歳の時に糖尿病発症以来、
70歳現在までスーパー糖質制限食を実践中ですが、
67歳のときに、AGEs測定器のメーカーの社員さんが、学会後の懇親会の席で
「是非AGEsを測定させて下さい」ということで、前腕の皮膚で測定しました。
そうすると52歳相当であり、AGEs蓄積予防に、
スーパー糖質制限食が極めて有効である可能性が示唆されました。



江部康二


(☆)五穀米
米に麦や粟 (あわ) 、豆などを混ぜたもの。 ビタミン類やミネラル・食物繊維などが豊富で健康によいとされる。 混合の種類はさまざまで厳密な規定はないが、米・麦・粟・豆に稗 (ひえ) か黍 (きび) を混ぜたものをいうことが多い。
はしか死者20万人超、予防接種を ~WHO
https://news.yahoo.co.jp/articles/7e7034de40350a05c46e86a88ae2ddbceec4ca05
はしか死者20万人超、予防接種を ~WHO

WHO(=世界保健機関)は12日、はしかによる死亡者数が去年、
世界でおよそ20万7500人にのぼったと発表しました。
新型コロナウイルスの感染が広がる今年も、
はしかの予防接種を怠らないよう各国に呼びかけています。
WHOによりますと、去年、世界ではしかにより死亡した人の数は、
2016年以降の4年間で2倍以上に急増し、
20万7500人にのぼったということです。
感染者も去年は87万人近くと1996年以降、最も多くなったとしています。
感染急増の原因としては、
はしかの予防接種率が世界的に停滞していることがあるとみられています。
WHOによりますと、さらに今年は新型コロナウイルス感染拡大への対応のため、
世界26か国で9400万人以上が
はしかの予防接種を受けられないおそれがあるということです。
WHOのテドロス事務局長は「ワクチンをあらゆる地域の人々にいきわたらせ、
はしかの拡大を阻止しなければならない」と各国に呼びかけました。
はしかによる死亡者数が去年、
世界でおよそ20万7500人にのぼったと発表しました。
新型コロナウイルスの感染が広がる今年も、
はしかの予防接種を怠らないよう各国に呼びかけています。
WHOによりますと、去年、世界ではしかにより死亡した人の数は、
2016年以降の4年間で2倍以上に急増し、
20万7500人にのぼったということです。
感染者も去年は87万人近くと1996年以降、最も多くなったとしています。
感染急増の原因としては、
はしかの予防接種率が世界的に停滞していることがあるとみられています。
WHOによりますと、さらに今年は新型コロナウイルス感染拡大への対応のため、
世界26か国で9400万人以上が
はしかの予防接種を受けられないおそれがあるということです。
WHOのテドロス事務局長は「ワクチンをあらゆる地域の人々にいきわたらせ、
はしかの拡大を阻止しなければならない」と各国に呼びかけました。】

2020年11月13日(金) 配信のヤフーニュースに、
上記記事が掲載されました。

今回は、麻疹、インフルエンザ、新型コロナのワクチンについて考察してみます。

インフルエンザワクチンの効能は
『感染防御効果はないが重症化を防ぐことが期待される』
程度です。
インフルエンザウイルスの潜伏期間は、
わずか1~4日と非常に短いのが特徴ですので
IgG抗体産生ワクチンでの発症予防は極めて困難なのです。

新型コロナワクチンも、現在各国が競争で、作っているのですが、
理論的には、インフルエンザワクチンと同様に
『感染防御効果はないが重症化を防ぐことが期待される』
程度に落ち着くと思われます。

いずれも、IgG抗体を産生させますが、IgA抗体は産生できません。
従って、粘膜面での水際防御は困難であり、
感染したあとで、IgG抗体が駆けつけて、重症化を防いでくれることが
期待されます。

新型コロナに関しても、
感染してから症状を発症するまでの平均潜伏期間は5~6日ほどと
WHOは報告していますので、発症予防はなかなか難しいと思います。
一方、潜伏期間は1~14日間ほどと幅がありますので、
潜伏期間が長い場合に限っては、
新型コロナワクチンで発症予防が可能かもしれません。


インフルエンザワクチンと違って、麻疹ワクチンの効能は素晴らしいです。
具体的には、明確に発症予防にも流行予防にも有効です。
麻疹ウイルスへの曝露から、発症まで7~14日間程度の潜伏期があります。
麻疹ワクチンもIgG抗体を産生しますがIgA抗体はできませんので、
粘膜面でも防御はできず、一旦感染することとなります。
しかし麻疹は潜伏期間が長いので、その間にIgG抗体が、活躍してくれるので
発症予防が可能
なのだと思います。

麻疹ウィルス、ほんのちょっとしたすれ違いくらいで、すごい感染力があります。
空気、飛沫(ひまつ)、接触で感染ですが、インフルエンザや新型コロナウィルスとは、
比較にならないくらい強力な感染力です。
日本では、麻疹も2020年は罹患数は少ないですが、感染したら症状もきついし、
肺炎や脳炎もあるので、ワクチンが有効なのは嬉しい限りです。

世界をみると、2019年度には、87万人近くが感染して、
20万7500人が死亡
しているので、麻疹は極めて危険な病気と言えます。
栄養状態が悪い場合は、麻疹の致死率は高いのです。

歴史的には、例えば、江戸時代を通じて14回流行しています。
江戸・明治時代までは、麻疹は「命定めの病」として恐れられていて、
1862年(文久2)の大流行の際には江戸だけで24万人もの死者が出たとされています。

麻疹ワクチンに関しては、WHOの言うように、世界中でしっかり接種することが望ましいです。
特に、乳幼児の栄養状態が悪い発展途上国においては、
麻疹ワクチンの接種が急務と言えます。


江部康二
医学的に正しい「糖質制限」見るだけノート(宝島社)刊行。
こんにちは。
新刊のご案内です。

医学的に正しい「糖質制限」見るだけノート
宝島社 江部康二監修


医学的に正しい「糖質制限」見るだけノート

Amazon商品ページ

2020年10月12日に刊行されました。
以下、五つのチャプターに分けて、それぞれ簡潔に
わかりやすく糖質制限食の基礎知識を述べてあります。
通勤の合間とかでも気軽に読めてとても役に立ってくれる優れものと
自負しております。
ブログ読者の皆さん、是非、ご一読頂ければ、幸いです。

Chapter 01
糖質制限がからだにいい理由

14項目

Chapter 02
糖質制限でやせる仕組み

12項目

Chapter 03
糖質制限の実践法

18項目

Chapter 04
糖質制限のエビデンス

5項目

Chapter 05
糖質制限で大病を予防

7項目

column
01 糖質制限中のお酒との付き合い方
  お酒の選び方
02 糖質制限中のお酒との付き合い方
飲んではいけないカクテル
03 糖質制限中のお酒との付き合い方
  飲んでもいい醸造酒
04 糖質制限中のお酒との付き合い方
さっぱり系スナックにご用心
05 生活習慣・体質別
  糖質制限活用テクニッック



以下の青字の記載は本書の「はじめに」です。

はじめに
「糖質制限」は人類本来の食事のとり方

人類が誕生してから約700万年が経ったと言われています。
そして農耕が始まったのが約1万年前。
長い人類の歴史の中で、穀類を主食にしたのはたった700分の1の期間に過ぎません
つまり、人類にとっては穀物を主食としなかった
「糖質制限食」のほうが馴染み深いのです。

人類が農耕生活を始める以前、糖質を含んだ食物は、
たまに食べることができる貴重なエネルギー源でした。
人類の祖先は、果物やナッツ類、ヤマイモやユリネなどの根菜類を
たまに見つけて食べていました。
摂取されたそれら糖質を含んだ食物が消化されると、
血糖値が上がり、インスリンが分泌され筋肉に取り込まれます。
そして余った血糖は中性脂肪に変わり脂肪組織に蓄えられます。
この脂肪が、冬などの食物が手に入りづらい時期や、
大干ばつといった危機的な飢餓から人類を救う役割を果たしてきました。

 狩猟・採集時代にはたまにしか口にされなかった糖質ですが、
農耕が始まり穀類が人類の主食になっていきます。
時代がさらに進むと、玄米は白米に、小麦は小麦粉にと、
精製された穀類が人類の食卓を彩るようになります。
 そして現代、食卓にはパンやご飯、麺といった精製された炭水化物が並び、
自販機には糖分が大量に入った清涼飲料水があふれています。
もともとは飢餓をしのぐために重要な役割を果たしていた糖質ですが、
飽食の時代にあっては肥満や糖尿病など生活習慣病の原因となっています。

 人類の身体の消化、吸収、栄養、代謝システムは、
人類誕生以来行われてきた糖質制限食によって突然変異を繰り返して完成されたもの。
そもそも人間の身体は糖質制限が前提になっているのです。
現代は総摂取カロリーの50~60%が糖質という、超糖質食が主流になっています。
これは、人間本来の食の在り方としては
とても不自然でアンバランスなものであると言わざるを得ません。
糖質制限食は、人類本来の食事であり、現代人にとっては健康食でもあります。
糖尿病などの生活習慣病を遠ざける上に、
脂質やたんぱく質、蒸留酒は摂っても大丈夫なので、
食事制限のストレスも少ないのが特徴。
ダイエット効果も高いことから、現在では多くの人たちが実践しています。

糖尿病と認知症、どちらも日本人の生活に密着した悩ましい病気です。
糖尿病には遺伝や生活習慣によって発症する「2型糖尿病」と
自己免疫疾患によりインスリンを分密するすい臓のβ細胞が破壊されて発症する
「1型糖尿病」の2種類がありますが、日本人の糖尿病患者の95%以上は2型です。

一方、近年ではインスリンが記憶の定着と関係していることが分かってきています。
糖尿病や認知症の原因は老化にあります。
老化は体内の糖化や酸化が進むことによって起こります。
近年、糖質のとり過ぎでぽっちゃり体型であることは、
ただの見た目の問題ではないということが一般的な認識になりつつあります。
心臓病、脳卒中、がんといった生活習慣病のリスクを高めることがわかっているからです。それらを防ぐには人間本来の食事、つまり糖質制限食を実践することが有効です。

 最近では、糖質制限には高いダイエット効果が見込まれることが、
巷に浸透してきました。
糖質制限開始当初は、2~3kg程度の体重はストンと落ちます。
しかし問題は、ダイエットとして糖質制限に取り組んだ人が、
一定の目標を達成したら、糖質制限を止めてしまいリバウンドしてしまうことです。
確かに、糖質を含む食物には美味しい物が多いです。
しかもそれを1日に3食も習慣的に食べ、巷には糖質を多く含んだ食物であふれています。そのような状況では、
糖質制限を新しい習慣として定着させることは難しいのかもしれません。

一時的なダイエット法として糖質制限を捉えている人にまず理解して欲しいのは、
糖質制限は、糖尿病治療として開発されたということです。
糖尿病の人にとって糖質制限は、「食後高血糖」という
シリアスな合併リスクに立ち向かうための手段になります。
20~30代の頃には、あまりリアリティを感じないかもしれませんが、
40代に入ると、生活習慣病は現実感をもって
そこにあるリスクとして立ちはだかってきます。

「糖質を含んだ食物を摂らない」。
そのことに高いハードルを感じる人も多いかと思いますが、
食材選びにもちょっとしたコツがあります。
糖質を避けて高い満足感を食事から得ることは、実はそれほど難しいことではないのです。毎日の運動やストレス回避するための心の持ちよう、睡眠への意識などと同じく、
糖質制限を生活に取り入れ続けていくことは、
長いあなたの人生をきっと豊かにするはずです。


江部康二