糖尿人における糖質摂取推奨量は?食後高血糖は?
こんにちは。
精神科医師Aさんから。

m3.comの臨床ニュース
「糖質の推奨量」定義はこう考えよ【時流◆糖質制限】
山田悟・北里大学北里研究所病院糖尿病センター長に聞く◆Vol.1
2017年3月2日 (木)
https://www.m3.com/clinical/news/506968


に関してコメント・情報をを頂きました。
ありがとうございます。

山田悟氏の推奨する糖質量は
「1食につき20-40gを1日3食、これとは別に嗜好品で1日10gほど摂取すると考えれば、70-130g/日になるような食べ方が良いと思います。ただし、決して70-130g/日さえ守っていれば良い訳ではなく、1食20-40gを優先した考えから算出している数値です。食事のたびに食後高血糖が起きているので、当然のことながら毎回、食後高血糖が起きないように糖質量をコントロールする考えです。」・・・ m3.comの臨床ニュースから一部抜粋。
ということです。
山田悟氏は、「1食20-40gを優先する」と述べています。

日本糖尿病学会推奨の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)なら、
糖質摂取比率60%として、

女性は1200~1800kcal/日
1日の食事の糖質摂取量は180g~270g
1回の食事の糖質摂取量は、60g~90g

男性なら1400~2000kcal/日なので
1日の食事の糖質摂取量は210g~300g
1回の食事の糖質摂取量は、70g~100g


この従来の糖尿病食の糖質摂取量に比べたら山田流の緩い糖質制限でも、かなり糖質量は減少するので、従来の糖尿病食に比し、HbA1cもあるていど改善すると思います。

しかし、20gならともかくとして、40gの糖質摂取なら、血糖値の上昇は120mgあるので、糖尿人なら、食後血糖値が180mg~200mg/dlを超える可能性が高いです。これでは、合併症予防には黄色~赤信号になりますね。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。

そうすると、従来の糖尿病食で、
1回の食事の糖質摂取量が、60g~90gなら、
血糖値は180mg~270mg/dlの上昇ですから、
空腹時血糖値が100mg/dlと好調でも、60~120分後のピークでは、
280mg~370mg/dlというとんでもない食後高血糖を引き起こします。


このような食後高血糖を、1日3回生じているのですから、合併症を予防することは不可能ということがわかります。

即ち、従来の糖尿病食(糖質摂取比率60%)は、誠に遺憾ながら「合併症製造食」としか言いようがありません。


山田流の緩い糖質制限でも、1回の食事の糖質量が40gあると、
血糖値は120mg/dlの上昇ですから、
空腹時血糖値が100mg/dlと好調でも、60~120分後のピークでは、
220mg/dlという食後高血糖を引き起こします。


従来の糖尿病食よりは、ましでも食後高血糖を、1日3回生じているのですから、合併症予防には黄色~赤信号になるということです。

従って、緩やかな糖質制限食は、原則として、糖尿予備軍かごく軽症の糖尿病には適応となりますが、中等度以上の糖尿病には適応となりません。

高雄病院のスーパー糖質制限なら、1回の食事の糖質量が10g~20gであり、
血糖値は30~60mg/dlの上昇に過ぎないので、
空腹時血糖値が100mg/dlなら、60~120分後のピークでも、
130~160mg/dlですみます。
180mg/dlを超える食後高血糖がないので、合併症予防が可能です。


国際糖尿病連合・2011年「食後血糖値の管理に関するガイドライン」では
「食後血糖値は、食後1~2時間で測定されるべきで、160mg/dl未満が目標」
とされていますが、スーパー糖質制限食ならこちらもクリアです。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「人類の歴史と運動」、「糖質セイゲニストと運動」
こんにちは。
今回は「人類の歴史と運動」、「糖質セイゲニストと運動」について考察してみます。

人類は700万年の歴史のほとんどを狩猟採集生活で過ごしてきました。
狩猟採集時代は穀物はないので、基本は糖質制限食です。
そのころは「糖質制限食」をベースにかなりの運動量があったと考えられます。

従いまして、現代の糖質セイゲニストにおいても、一定の運動はした方がいいと思います。

農耕開始前の人類の食生活とライフスタイルならば、結果として

「糖質制限食」+「一定量の運動」+「一定量の筋肉量」

が確保されていたと思われます。

運動は、基本的には歩行が主体だったと考えられます。

激しい運動(全力疾走)は、肉食動物に追いかけられた時などに限られたと思います。

初期の段階の人類は、石器などの道具も、まだあまり発達していないので、狩猟といっても、肉食動物の獲物の残り物にありついていたレベルでしょう。

ヨーロッパのオーリニャック文化以降は、道具も洗練されて、人類の狩猟も飛躍的に上手になり、狩りで追いかけて走ったりも始まったと思います。

女性は狩りには参加しなかったので、狩りで走ることはなかったでしょうが、採集で森の中などを結構歩いていたと思います。

筋肉量に関しては、野生動物の体型が参考になります。

ライオン、チータ、虎などの肉食動物の筋肉はしなやかな筋肉で、ボディビルダーのようなムキムキではありません。
鹿や馬などの多くの草食動物も同様です。

狩猟・採集が生業だったころの人類の筋肉も、しなやかな筋肉と思われます。

従いまして、現代人においても、基本的に「よく歩く、時々走る」ことでOKかなと思います。

運動量に関しては、明治のころの日本人は、お米たっぷりで糖質70~80%も摂取していましたが、糖尿病や肥満は、ほとんどありませんでした。

日々の肉体労働、歩く、掃除する、井戸に水くみなど、日常生活における中等度以上の運動量が現代人の約10倍と言われていますが、一般人は、日常的に走ったり鍛えたりはしていないと思います。

運動量に関しては、明治の日本人が参考になると思います。

東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利氏によると、

男性で8000歩/日、そのうち20分間の速歩(中等度の活動)。
女性で7000歩/日、そのうち15分間の速歩。

くらいの、ぼちぼちの運動で、筋力を保ち、体力低下を抑えることができるそうです。

そして、うつ病、認知症、心疾患、脳卒中、がん、動脈硬化、骨粗鬆症、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームの予防効果が期待できるとのことです。(*)

年齢不相応の激しい運動は、活性酸素も多く発生するので、逆効果ということです。

私は、1回/1~2週、テニスをしていますが、日常的に運動するのは時間的に無理なので、病院内でよく歩いています。

電話は自分からかけることはありません。

用事があれば、理事長室から本院の給食(地下)、外来(1階)、病棟(2階、3階)までいったりきたり歩きます。

高雄病院の理事長室は、ちょっとした丘の上にあります。

取材にこられた記者さんなど、正面玄関から理事長室までたどり着いた時には、ほとんどの方が息切れしてます。( ̄_ ̄|||)
私は理事長室と本院を、一日に数往復はしています。

高雄病院京都駅前診療所はビルの4階ですが、階段を早足で歩いて上がるようにしています。
まあ、ほとんど軽く走っている感じですね。

講演などの時も駅の階段を歩きます。
ビルも7階くらいまでは階段を歩きます。

それやこれやで、仕事と日常生活で、だいたい5000~6000~7000歩/日くらいは歩いていて、速歩は軽く20分は超えています。

帰宅後、コンビニへの往復を歩けば、8000歩/日くらいになります。

雨の日などは、家で足踏みして、2000歩くらいを稼ぎます。

それで目標をクリアです。

腹筋運動は、一番楽な、倒れるだけでOKという、剛力彩芽さんが宣伝している器具で、150~300回/日しています。
講演や外食などで、腹筋運動ができない日も、ぼちぼちあります。

ブログ読者の皆さんも、ちょっとした日常生活の工夫で8000歩/日と20分間の速歩が、クリアできると思いますので、是非、試してみましょう。


なお、拙著の中で、

「3食主食なしのスーパー糖質制限なら運動は必要ない」

との記載があるのは、「血糖コントロール」「減量」ということに関しては、ほとんどの人においてスーパー糖質制限食なら運動しなくても上手くいくという意味です。

骨粗鬆症予防など含めた長期にわたる健康度の確保には、軽度の運動が有用なことはいうまでもありません。

一方、何らかの障害があり運動が困難な方でも、スーパー糖質制限食なら減量可能というメッセージであり、同様に、糖尿病があるけれど何らかの障害があって運動できない場合でも、スーパー糖質制限食なら血糖コントロールが可能ということでもあります。


(*)なぜ、健康な人は「運動」をしないのか?青柳幸利著、あさ出版、2014年


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
妊娠糖尿病後負荷試験の検討。体重減少は、摂取カロリーを増やそう。
【17/03/19 みい
糖負荷検査について
初めて投稿させて頂きます。よろしくお願いします。身長162体重47 38歳です。
妊娠時に1時間値185でひっかかり分食で出産しました。2月に産後の負荷検査でHbAlc5.5
前71インスリン2.7 30分167インスリン20.5 60分145 120分77で今のところ正常型と判断され1年後の検査になりました。主治医はインスリンは充分分泌されているとおっしゃっていて、授乳中だし3食はしっかりとって間食を減らし特にケーキなどと言われました。妊娠糖尿になった人でも体重も今を維持すれば将来糖尿にならない人も多いと言われました。ただ自分で計算したところ、インスリン分泌値が0.18くらいで低下型にはいっているのではないかと思いました。将来糖尿に移行する確率は高いですか?1時間のBSチェックをすると食事により時々170とかに上がる時があり通常の食事で大丈夫かと心配になり、今は緩い糖質制限をしています。(1日30〜40)主食は麦ご飯にしたりしています。その後授乳中のためか糖質制限を緩くしているからか体重が落ちてしまいました。体力もなくなってきています。糖質量を少し増やしても大丈夫だと思いますか?このまま緩い糖質制限を続けてもいいでしょうか?】


【17/03/20 みい 糖負荷検査について
初めて投稿させて頂きます。よろしくお願いします。身長161体重47年齢38です。
妊娠時に1時間値185でひっかかり分食のみで出産しました。2月に産後の負荷検査をして、HbAlc5.5前71インスリン2.730分167インスリン20.560分145120分77で今のところ大丈夫でインスリンもでていると言われました。3食はしっかりとり間食はひかえながらとのこでアドバイスをもらったのですが、自分で計算式であてたところ0.18で分泌の低下があるようです。 食事により1時間値をはかると170以上のこともあり、今は3食の糖質を20〜40と軽い糖質制限をして主食は麦ご飯などにしています。間食はナッツ類や甘いものが食べたい時は半分にするなどしていますが、授乳中のためか45キロきることもあり、痩せすぎてしまいました。将来糖尿にはなりたくないので、このまま続けていきたいのですが、痩せすぎるのもと思っていて、糖質量はどのくらいまでなら授乳中だと摂取して可能だと思われますか?】



おはようございます。

妊娠糖尿病だったみい さんから、75g経口ブドウ糖負荷試験の結果などについて
コメント・質問を頂きました。
現在、授乳中です。

身長161cm
体重47kg
BMI:18.1・・・・・45kgなら、BMI:17.4
年齢38歳

HbAlc:5.5%
前:71     インスリン:2.7 µU/ml
30分:167   インスリン:20.5
60分:145
120分:77mg/dl

1gの糖質が、ピーク1.28mg血糖値を上昇です。

インスリン分泌指数
血中インスリン値(30分値 - 0分値) / 血糖値(30分値 - 0分値) 
17.8/96 = 0.185
インスリン分泌指数が、0.4以下のものは将来、糖尿病になりやすいのでみい さんは、たしかに要注意ですね。

1回の食事の糖質量を<20~40g>とする緩やかな糖質制限食とのことですが、75g経口ブドウ糖負荷試験のデータは正常型ですのでそれでOKと思います。

正常型ですので、1回の食事の糖質量を40gでもOKです。

体重が減少するのは、「糖質制限」のためではなく「カロリー制限」のためです。

体重が減るということは
「消費エネルギー > 摂取エネルギー」
ということで、摂取カロリー不足です。

まずは、脂質やたんぱく質(もちろん、動物性脂肪や動物性たんぱく質も充分量)を
しっかり摂取して、摂取エネルギーを増やして、体重を増加させましょう。
魚貝、肉、卵をしっかり食べましょう。
そのあと、野菜や海藻や大豆製品などを食べましょう。

1gの糖質が、ピーク1.28mg血糖値を上昇なので、間食で果物も、普通に1人前食べて大丈夫です。

果物の果糖は体重が増加しやすいので、今のみい さんには、いいですね。


<妊娠糖尿病の診断基準>
妊娠糖尿病 gestational diabetes mellitus (GDM)
75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
①空腹時血糖値 ≧92mg/dl (5.1mmol/l)
②1時間値 ≧180mg/dl   (10.0mmol/l)
③2時間値 ≧153mg/dl   (8.5mmol/l)


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる 。刊行。
こんにちは。

外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる
単行本 – 2017/3/27
毎日新聞出版
江部 康二 (著)




が出版されました。

糖質制限な外食に特化して、本を一冊作ってみました。

サラリーマンのほとんどが、一日に1~2回は外食になると思います。

私の糖尿病患者さんにおいても、
「外食が多いので、糖質制限はなかなか難しいです。」
と仰る方が結構おられます。

最近は、ファミレスやコンビニでも糖質制限なメニューや食材がどんどん増えていて、糖質セイゲニストにとって、とても暮らしやすい日本となっています。

本書が、
『全国の糖質セイゲニストの外食のバイブル』
になってくれれば、嬉しい限りです。


江部康二


以下は、
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる
単行本 – 2017/3/27
毎日新聞出版
江部 康二 (著)




の「はじめに」です。

はじめに

ダイエットは現代人にとって永遠のテーマです。
それを実践するために、これまでさまざまな方法が紹介されてきました。
そのなかでも長年主流になってきたのが「カロリー制限」です。

しかし、カロリー制限で成果を上げるにはかなりの努力が必要です。

頑張っても思うように効果が出なかったり、リバウンドしてしまったり、ついには、「もうダイエットなんかやめてやるー!」と投げ出してしまった人もいるかもしれません。

そうした“挫折経験”を持つ人たちに伝えたいのが、私が提唱する「糖質制限ダイエット」です。
やり方はいたって簡単。

ご飯、パン、麺類、砂糖などの「糖質」を可能な限りカットし、肉、魚、豆腐などから「タンパク質」と「脂質」をしっかりとるだけ。
糖質さえ控えれば、あとは何を食べても大丈夫。
お酒を飲んでも問題ありません。

それなのに、すとんと体重が落ちますし、血糖値コントロールができることから健康増進効果も期待できます。

この糖質制限を取り入れた食事は、もともとは糖尿病の治療目的のために開発されました。

私が理事長を務める京都・高雄病院が血糖値をコントロールし、糖尿病とその合併症を防ぐため、1999年、日本で初めて取り入れたのが糖質制限食でした。

糖質を制限するだけという手軽さと、確かな効果が話題を呼び、糖尿病の患者さん以外にも実践する人が増えました。

今や“糖質制限ブーム”と呼べるほどのムーブメントが起きているともいえるでしょう。

その一方で、「外食が多いから糖質制限なんて無理」という声も聞こえてきます。

どうも働き盛りの40代、50代の男性会社員に多いようで、実際、高雄病院でも、外食を理由に糖質制限に踏み切れない、挫折してしまうという方がいらっしゃいます。

接待や宴会が多く、その席で自分だけ特別なメニューを食べるわけにいかないとか、昼は定食や丼モノなどしか選択肢がないとか言いわけする男性もいます。

しかし、本当に外食だけが理由でしょうか。

私はそうは思いません。

実際、私も外食派のひとりですが、身長167cm、体重57kg前後をもう14年以上キープしています。

2002年に52歳で糖尿病、メタボ、高血圧を発症した時は67kgありましたが、糖質制限食開始から半年で10kgの減量に成功し、全てのデータが正常となり現在に至っています。

どうも「糖質制限」と聞くと、糖質の少ない食材を選び、自分であれこれ工夫して調理しないとできない、ちょっと面倒なものと思い込んでしまう人が多いようですが、決してそうではありません。

外食でも、メニュー選びさえ間違えなければ、糖質制限は実践できるのです。

確かに忙しく働いている会社員のみなさんは、外食のメニュー選びに時間をかけている暇はないかもしれません。

ファーストフードや牛丼チェーンなどでパッと済ませたいときもあるでしょう。

しつこいようですが、それでも糖質制限は可能なのです。

今回は、そんな働く大人たちのために、「外食でできる糖質制限」をテーマにまとめてみました。

仕事の合間にパパッと済ませたい“早メシ”から、働く大人に欠かせない会食や接待、ストレス解消の宴会、さらに仕事の合間のおやつタイムまで、あらゆる場面での糖質制限食を提案しています。

ちょっとアプローチを変えるだけで、これまで口にしていた糖質たっぷりの食事を糖質制限食に切り替えることができるのです。

これを読んだらもう、「外食だから糖質制限ができない」とは言えなくなると思いますよ。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と腎機能。
【17/03/17 りんご

尿素窒素が高い

こんにちは!
はじめて投稿させていただきます。
よろしくお願い致します。

妊娠糖尿病が治らずそのまま糖尿病になってしまった30代の主婦です。

糖質制限をはじめるまえの尿素窒素→cres→eGFR
19.6→0.62→87.9

糖質制限をはじめて間もないころの尿素窒素→crea→eGFR
24.6→0.57→96.4

糖質制限をはじめて1ヶ月半の尿素窒素→crea→eGFR
26.1→0.59→92.8

尿素窒素が高すぎですよね。
これは高蛋白摂取が原因ですか?
一時的なもので落ち着いてくるものでしょうか?
定期的に腎臓内科を受診するべきですか?

また、私は軽度の糖尿病らしいのですがスーパー糖質制限をしていれば糖尿病は悪化することはないのですか?
維持できますか?
改善しますか?
スーパー糖質制限をしているにもかかわらず血糖値が上がってくるということはどんな場合がありますか?

現在、スーパー糖質制限をしていて数値ですが上がっても110は超えない程度で抑えております。

まだ30代で子供もいますのでたまに不安に陥るときがあります。
どうか励ましのお返事をいただけると心強いです。
お忙しいとは存じますかよろしくお願い致します。】



こんばんは。

りんごさんから、糖質制限食と腎機能について
コメント・質問を頂きました。


糖質制限実践前
尿素窒素→クレアチニン→eGFR
19.6→0.62→87.9

糖質制限開始すぐ
尿素窒素→クレアチニン→eGFR
24.6→0.57→96.4

糖質制限開始1ヶ月半
尿素窒素→クレアチニン→eGFR
26.1→0.59→92.8


eGFR は
87.9 → 96.4 → 92.8
ですので、ほとんど変化なしと考えられます。

日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」
日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」

によれば、腎機能に関して、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、たんぱく制限という記載はありません。


りんごさんの、eGFRは90を超えており、全くの正常です。

基本的にeGFRが60を超えていれば、問題ないです。

BUNは、高たんぱく食の影響ですが、クレアチニンとeGFR が正常であり、生理的なもので心配ありません。
勿論、腎臓内科受診など必要ありません。

糖質制限食実践で高たんぱく食になるので、腎機能が悪化するのではないかと懸念する医師もいます。

しかし、厚生労働省によれば、腎機能正常の人が高たんぱく食を食べて腎機能が悪化したというエビデンスはないとしています。


「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)

「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
II  各論
たんぱく質(PDF:1,149KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
<97ページ>
3─1.耐容上限量の設定
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。
しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。
そこで、耐容上限量は設定しないこととした。



結局、現時点では、正常人がタンパク質をたくさん食べて危険という根拠はないということです。
一方、タンパク質を、たくさん食べても安全という根拠もないということですね。

まさに、自分で考えて選択して自己責任で食事療法を実践することとなります。


ちなみに、江部康二は、糖尿病発覚の2002年(52才)からスーパー糖質制限食を開始して
2017年3月(67才)現在まで続けています。

タンパク質の摂取量は、一日あたり130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。
体重あたり2.4gのタンパク質ですね。
それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。

2016年12月の検査データは
BUN:21.6mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.66mg/dl(0.6~1.1)  eGFR:91.4ml/min./1.73m2
シスタチンC:0.59mg/dl(0.53~0.95) eGFR:128.1ml/min./1.73m2
尿中アルブミン:7.2mg/g・c(30.0未満)

です。

BUNがやや高値ですが、高タンパク食において生理的な現象であり、クレアチニン、シスタチンC、eGFR、尿中微量アルブミンの検査が全て基準値内なので、腎機能に何の問題もありません。

私は糖尿病患者さんに対して、糖尿病腎症でeGFRが60mg/分未満でも、個別によく相談して糖質制限食を実践するかどうかを決めています。

A)血糖コントロール良好を保つことは、腎血管と腎機能にはとてもよいことです。

B)eGFRが60mg/分未満の場合、高タンパク食が腎機能に悪影響を与えるか否かは、現在明確ではありません。
  eGFRが60mg/分未満の場合、高タンパク食が腎機能を悪化させるという研究もありますが、
エビデンスレベルはかなり弱いのです。あとは、個人差がある可能性があります。


A)B)を考慮しながら、検査結果を経過観察して、糖質制限食を続けるか否かを検討していきます。


なお、りんごさん、スーパー糖質制限食実践なら、糖尿病の心配は皆無です。

スーパー糖質制限食で、開始前より血糖値が上昇することはありませんが、万一あるとしたら、1型で、内因性インスリンがゼロなどの場合だけです。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット