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糖質制限食で、「血糖・中性脂肪・膿瘍・肥満・高血圧」改善。
【18/10/21 ひのえうま

ありがとうございます
はじめまして。

先生のおかげで、主人が助かりましたので御礼申し上げます。
元々は掌に膿瘍ができて、週間も治らないため、
精密検査のために大きな病院に紹介されました。
そこで、糖尿病を指摘されました。
入院して掌の治療とともに、血糖コントロールをすることになりました。
既に、夜には40度の熱発を毎日起こすようになり、入院は決定的でしたが。
入院前の術前検査時6月27日時点での血液検査結果は

A1c 10.5
TG 603
γGTP 154
GLU 334

入院して、お決まりのカロリー制限食とインシュリン、そして手掌のための抗生物質投与。
それでも、少しは良くなったのですが、下がりきらないまま、
仕事のこともあり退院となりました。
2週間の入院期間中に、なぜか家にあった先生の本を読み、
退院後は実践あるのみ!でした。

9月18日に調べた結果
A1c 5.8
TG 310
γGTP 24
GLU117

と、見事に低下しています。
間、もちろん何度も調べていますが、右肩下がりで、全部を書くのは大変なので、
一番最近のものだけ比較のため書き込ませていただきました。
体重も10キロ落ち、(最高に太っていた時となら15キロ)血圧の薬、
アムロジピンも今は一錠、糖尿病はカナグルだけ1錠飲んでいますが、
そのうち要らなくなりそうと主治医から嬉しいお言葉がありました。
血糖値が高すぎて手掌膿瘍もよくならなかったのですが、血糖が落ち着いてからは、
抗生物質も効き、疼痛は残っているものの腫れは引き、
あとはゆっくりお付き合い中です。
まだCRPが、既定値より0.3ほど高いため、
糖尿病は元からついていた開業医に戻してもらえましたが、
整形的にはしばらく総合病院でお世話になりそうです。
開業医の主治医も、糖質制限に関しては、
糖尿病の治療の一つだからとおっしゃって下さって、
決して否定的ではなく協力的であるため、これからも続けていけそうです。
こんな短期間でこんなに効果が出るとは、本当に驚きです。
まだ糖尿病など何も言われていない時に、なぜ私が先生の本を買っていたのかは、
今もって全く謎ではありますが、あの本のおかげで、すごく勇気を頂きました。
その後、ハンドブックや、今回出た50代からの、も含めて数冊買い足し、
楽しく続けています。
新しく分かったことなどもあって、
常に進歩しているのだなあと勉強させて頂いています。
私も主人も50代で、ドンピシャなもので、余計一生懸命になりました。
一病息災とはよく言ったもので、
今回の入院で、健康を見直す良いきっかけになりました。
取り急ぎ、まとまっていませんがご報告と御礼まで。】


18/10/21 ドクター江部
Re: ありがとうございます
ひのえうま さん

拙著のご購入、ありがとうございます。
9月18日に調べた結果
A1c 5.8
TG 310
γGTP 24
GLU117

見事な改善です。
良かったです。
主治医が糖質制限食に協力的なのも、素晴らしいです。
中性脂肪値は、10時間以上絶食して、早朝空腹時で一度調べて見ましょう。


【18/10/22 ひのえうま

お返事ありがとうございます!
こんばんは!
お返事いただけるとは思っていませんでした!
お忙しい中、ありがとうございます(*≧∀≦*)
中性脂肪のこと、ちょうど、先生のブログを読んで勉強中でした。
とてもわかりやすく書いてくださっているので、夫にも説明しやすいです。
血液検査もここまで下がったら、3ヶ月ごとと言われたとのことなので、
次回は朝ごはんを抜いて、10時間絶食してから検査に挑んでもらいます!
そしてまた、ご報告させていただきます。
糖質制限に出会っていなかったら、と思うと今もまだ、
下がりきらない血糖値と格闘していたのだろうとゾッとします。
主婦の立場からですが、糖質制限のお料理は、やってみるとそんなに難しくないので、
実は以前よりものすごく楽です。(参考のためレシピ本も購入いたしました)
いいお肉、いいお野菜、いいお魚、と、素材の確かなものさえ選んでいれば、
調理方法はシンプルでも美味しいです。
しかも、糖質を足し算するだけなので、全然面倒くさくありません。
肉や魚は基本限りなくゼロに近いですしね。主婦には有難い方法です。
一緒に生活している私も、3キロは痩せました。しかも健康なんて嬉しい限りです。
これからも、沢山の発信を楽しみにしております。】


18/10/23 ドクター江部
Re: お返事ありがとうございます!
ひのえうま さん

糖質制限食で、ご夫婦共に、健康ライフを送って頂けば幸いです。


【18/12/09 ひのえうま
ご報告

こんにちは、江部先生。
またご報告に来させて頂きました。

6月27日
A1c 10.5
TG 603
γGTP 154
GLU 334

9月18日に調べた結果
A1c 5.8
TG 310
γGTP 24
GLU117

そして、12月3日に、健康診断で出た結果です。
A1c 5.9
TG 65
γGTP 20
GLU 107
TーCHO 172
HDL 69
TーH/H 1.5
HDL 69
LDL-CHO 93

他も全て、正常値内でした!しかも、ギリギリではなく、
若干余裕のある数値にビックリです。
健康診断ですので、江部先生が仰ったように、10時間以上空けましたら、
中性脂肪も上記の通りでした。
この結果を持って、主治医のところに参りましたところ、
カナグルを一度やめてみて様子を見ましょうということになりました。
あんなにたくさん飲んでいたお薬が、朝アムロジピン1粒だけになりました。
体重も順調に減り、165cm 65kgを切りましたので、血圧のお薬も、様子を見つつ、
やめる方で行きましょうと言われています。
最高に太っていたときは、83kgくらいあったので、その時からですと、18kg減ですね。
目で見える結果には、こちらもやる気が出ます。
ご飯もお弁当も、しっかり作って、維持していこうと思います。
重ね重ね、本当にありがとうございました。
今後の発信も楽しみにしております。】


ひのえうまさん
ご主人、見事な改善ですね。
ひのえうまさんも、3kg減量、
良かったです。

2018年6月の2週間の入院で、
手掌の膿瘍の熱が下がりきらなかったのは
当時は糖尿病のコントロールが悪かったのが原因と思います。
このとき、私の本が家にあったということですが
とてもラッキーだったと思います。
ひのえうまさんが、何故私の本を購入されていたのか、確かに謎ですが、
これも縁であり、直感ですかね。
そして即、糖質制限食を実践されたのも
勇気ある選択であり、素晴らしいです。
従来の糖尿病食とは、全く異なる『糖質制限食』ですから
ご夫婦で相談され、考慮され、決断されて、実践されたのだと思います。

「開業医の主治医も、糖質制限に関しては、
糖尿病の治療の一つだからとおっしゃって下さって、
決して否定的ではなく協力的」

これも、縁だと思いますが、ラッキーでした。
主治医が糖質制限賛成派か反対派かで、
患者さんのプレッシャーは全然違いますから、とても良かったです。
12月3日の健康診断では、
全てのデータが、余裕で基準値内なので、おおいに安心です。
18kgの減量成功および
カナグルも中止できて、たくさん飲んでいたお薬が、
朝アムロジピン1錠に減ったのも
素晴らしいです。
165cm、65kgなら、BMIは23.9と肥満脱却です。
このままスーパー糖質制限食で順調に経過すれば
主治医の仰るように、薬なしになりそうですね。

絶食10時間以上で、
空腹時の中性脂肪値が65mg/dlと80mg/dl以下、
HDLコレステロールが69mg/dlと60mg/dl以上、
なので、悪玉の『小粒子LDLコレステロール』もほぼ皆無で、OKです。

「主婦の立場からですが、糖質制限のお料理は、やってみるとそんなに難しくないので、
実は以前よりものすごく楽です。(参考のためレシピ本も購入いたしました)
いいお肉、いいお野菜、いいお魚、と、素材の確かなものさえ選んでいれば、
調理方法はシンプルでも美味しいです。
しかも、糖質を足し算するだけなので、全然面倒くさくありません。
肉や魚は基本限りなくゼロに近いですしね。主婦には有難い方法です。」


なるほど、そう言っていただくととても嬉しいです。

「糖質制限で、穀物も芋も駄目なら、食べるものがないので無理」
とか言って、尻込みして実践しないタイプもおられますので、
ひのえうまさんの行動力は、good job を達成です。
実際に糖質制限食を実践して、料理を作ってみれば
思ったより簡単で継続もしやすいようです。
要はやるかやらないかだけですね。

ひのえうまさん、
これからもご夫婦で、美味しく楽しく末長く糖質制限食で
健康ライフを送って下さいね。


江部康二
2型糖尿病の薬物による厳格な血糖管理の利益はわずか、 低血糖リスクに相殺される程度 。
おはようございます。

 少し前になりますが、
「2型糖尿病の薬物による厳格な血糖管理の利益はわずか、低血糖リスクに相殺される程度」
という驚くべき結論の論文が発表されました(*1)
ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌(BMJ誌)2011年7月30日号の報告です。
1950年から2010年までに登録された多数の臨床試験の中から、
厳しい条件を満たした信頼度の極めて高い研究を13件ほど選出して、メタ解析したのが上記論文報告です。
メタ解析とは多数の研究の結果を統合して症例数を増やし、より俯瞰的な見地から分析することで信頼度を高める手法です。
 大変びっくりするような内容ですが、エビデンスレベルは最高ランクの論文です。
信頼度の極めて高い論文によって、2型糖尿病患者に対して厳格な血糖管理を行っても、
総死亡・心血管死亡リスクの改善効果はごくわずかで、重症低血糖リスクは2倍以上になることが、明らかとなりました。
さらに、厳格血糖管理群で、かえって死亡リスクが高まることも充分あり得るという、恐るべき結論です。

 そして、2008年の米国糖尿病学会で報告されたACCORD試験では、厳格管理群の総死亡率が標準治療群より有意に上昇し、物議をかもしたのは記憶に新しいところです。
コントロール良好になるほど総死亡率は減少すると考えられていたのに真逆だったわけで、これも衝撃の報告でした。
ACCORDは、米国とカナダの77施設の10251例による大規模臨床試験です。
2008年2月、厳格血糖管理群における総死亡率および心血管死亡率が、通常血糖管理群を有意に上回ることが確認され、
同試験は5年間の期間満了を待たずに平均追跡期間3.4年で緊急中止となりました。
 総死亡率が高まることが明確になった治療法群(厳格治療群)を、このまま予定の5年間まであと1.6年も続けることは、
倫理的に許されないということでの決断でした。
中止時の平均HbA1cは、厳格血糖管理群6.4%、通常血糖管理群7.5%でした。
今までの医学界の常識なら6.4%群のほうが7.5%群より当然、総死亡率は減少するはずなのに、
かえって増えてしまったわけで、研究者の戸惑いは想像に難くありません。
国際糖尿病連合によれば、HbA1cは6.5%未満が目標です。
ACCORD試験の結果はその後、ニューイングランドジャーナルに掲載されましたが、
やはりエビデンスレベルは極めて高い論文です(*2)

 さらに「2型糖尿病患者の死亡率はHbA1c7.5%前後が最も低い」という衝撃的な結論の研究報告が、
英国の医学雑誌ランセット誌2010年2月6日号に、発表されました(*3)
HbA1cが9%、10%のグループの死亡率が、7.5%のグループより高いことは容易に頷けますが、
6.5%のグループの死亡率も7.5%のグループより高かったことは、従来の常識では考えられないことであり、
ここでも世界の医学界は衝撃を受けました。
「今後の研究で確認されれば、ガイドラインのHbA1cを特定の値より下げすぎないよう指示する必要が出てくるだろう。」
との見解を著者らは述べています。この研究論文もエビデンスレベルは高いです。

 結局、北米と英国の大規模臨床試験において、HbA1c6.4%や6.5%と厳格に薬物治療すると、
HbA1c7.5%ていどのグループに比較して、かえって総死亡率および心血管死亡率が上昇するという、
同一のパラドックスが報告されたわけです。
 『血糖コントロール良好を目指してHbA1cを下げるべく厳格に薬物療法を行うとかえって総死亡率が上昇する』
という信頼度の高い研究報告が2つなされたわけですが、勿論これには理由があるはずです。

すなわち<糖質摂取+薬物療法>による血糖値の乱高下と頻回の低血糖が、死亡率上昇の大きな要因と考えられます。
普通に糖質を摂取して、厳格な血糖コントロールのために薬物を増量すれば、低血糖の頻度は必然的に増加します。
BMJ誌の「2型糖尿病の薬物による厳格な血糖管理の利益はわずか、低血糖リスクに相殺される程度」という結論も
また宜なるかなです。

こうなると、従来の糖尿病食(糖質たっぷり)を摂取しながら、インスリン注射や経口血糖降下薬などを内服している糖尿人は、
ある程度の合併症はやむをえず受け入れても総死亡率を減らすためには、
コントロール目標はHbA1c7.5%くらいを目指すのが最も安全ということができます。
厳格な薬物療法をやめれば、少なくとも低血糖リスクは減ります。

 日本の糖尿病患者のほとんどが、糖質を普通に食べているわけなので、
従来の日本糖尿病学会のHbA1cの目標値(7.0%未満)も考えなおして、
7.5%程度とするほうが、安全である可能性があります。

 勿論、糖質制限食実践中の糖尿病患者は、HbA1c6.2%未満をめざすのがよいと思います。
糖質制限食なら、薬物療法はないか、あっても必要最低限しか使用しません。
そうすると低血糖リスクはほとんどなくなり、血糖値の乱高下は生じず、合併症の心配もなく、
安全に血糖コントロールが可能です。
糖尿人のご同輩、くれぐれも、美味しく楽しく末長く、糖質制限食ですね。

(*1)
Effect of intensive glucose lowering treatment on all cause mortality, cardiovascular death,
and microvascular events in type 2 diabetes: meta-analysis of randomised controlled trials
BMJ. 2011 Jul 26;343:d4169. doi: 10.1136/bmj.d4169.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21791495

(*2)
ACCORD
Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes Study Group, , Miller ME, Byington RP, Goff DC, Bigger JT, Buse JB, Cushman WC, Genuth S, Ismail-Beigi F, et al.: Effects of intensive glucose lowering in type 2 diabetes. N Engl J Med 2008; 358: 2545-2559.

(*3)
The Lancet
VOLUME 375, ISSUE 9713, P481-489, FEBRUARY 06, 2010
Survival as a function of HbA1c in people with type 2 diabetes: a retrospective cohort study



江部康二
「糖質制限」が子供を救う、三島学著、江部康二監修、アマゾンOK。
こんばんは。

「糖質制限」が子供を救う
三島学/著 江部康二/監修
発行 一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
発売 ㈱大垣書店
定価760円(税別) / 820円(税込)2016年11月


北九州市三島塾、三島学塾長のご著書です。

2016年11月の発売で、新刊ではありませんが、
日本で初めての、いやいや世界で初めての、「子供の糖質制限」の本です。
世界で初めての本ですから、大変な価値があります。

やっとアマゾンでも継続的に販売されるようになりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4903954021/ref


楽天ブックスでもご購入頂けます。
https://books.rakuten.co.jp/rb/14600870/


出版にこぎつけるまで、とても苦労しています。
並大抵の苦労ではなくて、本当に大変でした。
苦労話に関しては、
以下の、青字部分の文章、私の前書きを、ご一読いただけば、大変嬉しいです。

興味が湧いた方は是非、ご購入いただけば幸いです。

本書は、大垣書店の店舗でもご購入頂けます。

■大垣書店: http://www.books-ogaki.co.jp/

最寄りの書店からのお取り寄せも可能です。

高雄病院売店
高雄病院京都駅前診療所
江部診療所
でも、購入可能です。



江部康二


糖質制限が子供を救う

前書き

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)を日本初の糖質制限食の本として世に出したのが2005年です。

その後、糖質制限食はどんどん普及していき、2015年4月には東大病院でさえ緩やかな糖質制限食を提供する時代となりました。

そして今回の三島学さんの『「糖質制限」が子供を救う』は、日本で初めての子供の糖質制限の本です。

私が常々言っているように糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食ですので、大人は勿論のこと子供の健康にもおおいに役立つはずです。そのことを証明するため、子供の糖質制限に実績のある三島学さんに執筆をお願いしたのです。

実際、糖質制限食実践で、速やかに子供達の眠気がなくなり、多動がなくなり、集中力が増します。

結果、学力はどんどん向上して、偏差値も上昇、受験も成功です。そのような実例が本書には満載であり、読めば、まさに目から鱗が落ちると思います。

子供の糖質制限といえば、2013年8月31日(土)「日本糖質制限医療推進協会立ち上げ記念パーティーin大阪」での出来事を思い出します。

宴たけなわで、盛り上がっていた時に、私が、『「糖質制限」が子供を救うという本を、執筆中の、三島学塾長です。』と紹介したところ、大騒ぎになってしまったのです。50人の参加者で大盛況だったのですが、糖質制限賛成派の医師も、10名近くおられました。

その糖質セイゲニストの医師達のなかで、お二人ほど、「大人の糖質制限は大賛成だけど、子供の糖質制限はもっての外だ。」という立場の人がいて、大論争になってしまいました。

『「糖質制限」が子供を救う』という革命的なタイトルの本ですが、当時は自分で糖質制限をしている医師でさえも「子供にはNG」という立場の人もあり、子供の糖質制限には逆風だったのです。

その後、私自身が本を刊行している様々な出版社10社近くに声をかけたのですが、実に全滅でした。一社だけ、担当者は趣旨に賛成してくれたのですが、会社の全体会議で大反対されて、没となりました。ある程度、予測はしていたのですが、世間一般の常識からすると「子供の糖質制限」などとんでもないという認識だったのです。

ここに到って、私も覚悟を決めて、(一社)日本糖質制限医療推進協会から自費出版することにしました。幸い京都の大垣書店さんが、編集を引き受けて下さり、やっと日の目を見ることができました。

本書は、インターネット通販サイトや大垣書店の店舗でご購入頂けます。最寄りの書店からのお取り寄せも可能です。大変、価値のある画期的な内容の本ですので、私のブログでどんどん紹介したいと思います。

また夏井睦先生や宗田哲男先生などにもご協力頂き、ネットの情報網を総動員で世に広めようと思っています。

本書が眠気や集中力のなさや多動などのため、学力不足で困っている多くの子供達のお役に立てれば幸いです。

一般財団法人高雄病院 理事長
一般社団法人日本糖質制限医療推進協会 理事長
江部康二
肥満改善に対する糖質制限食の有効性・安全性は確立している。
こんばんは。

今日の記事は
肥満改善に対する糖質制限食の有効性・安全性に関するお話しです。
カロリー制限食によるダイエット法の限界についても言及します。

炭水化物を摂取して減量を目指すダイエット法は
現実には『カロリー制限食』になります。
カロリー制限食を開始して6ヶ月くらいまでは、体重は減少します。
しかしそこで、必ず減り止まります。
何故なら、カロリー制限食で半年経過すると
人体は、基礎代謝量を減らして、低エネルギー状態に適応していきます。
そして、カロリー制限食から元の摂取エネルギーに戻せば
リバウンドして、かえって体重は元より増加してしまいます。
つまり基礎代謝が減った分、太りやすい身体になってしまったわけです。
このように、理論的には、
「カロリー制限食で一旦減量できても必ずリバウンドする」
ことは明らかです。
無理に我慢してカロリー制限食を長期間続ければ、
筋力低下や骨粗鬆症のリスクとなります。

一方、糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」はしっかり確保して
糖質制限食を実践すれば、

A)太りすぎの人は、適正体重まで減量。
B)痩せすぎの人は、適正体重まで増加。

が、達成できます。
適正体重とは、BMIが20以上25未満で、
その人の体調が良い体重です。

減量を目指す場合も、ひもじい感や飢餓感は全くなしで、
筋力低下や骨粗鬆症リスクもなしで、
美味しく楽しく楽々と達成可能です。
もしも、カロリー制限で体重がやせ続けるなら、人体が消失してしまいます。
従って、人体は基礎代謝を減らして、低エネルギー状態に適応します。
その時点で体重減少が止まり、リバウンドが始まります。
体重減少が約半年で止まるのは、この理論以外には考えにくいです。

従って、カロリー制限食に全く意味が無いのではなく、
理論的に考えて、半年以上続けることの意味が極めて少ないということです。

上記理論の実例として信頼度の高いエビデンスであるDIRECTのお話しをしましょう。

DIRECT.jpg

よく引用されるイスラエルのShai先生の有名な論文、DIRECT
「低炭水化物食で体重減少・ HDL-C増加・HbA1c改善  RCT研究論文」

イスラエルの322人(男性86%)
(1)低脂肪食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(2)オリーブ油の地中海食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(3)低炭水化物食(カロリー制限なし)
3グループの食事法を2年間
低炭水化物食が、最も体重減少。HDL-Cも増加。
36名の糖尿病患者においてHbA1cが有意差をもって改善


Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241


糖質制限群は、最初の2ヶ月は20g/日に糖質を制限、
その後3ヶ月目からは徐々に緩めて120g/日までOKと設定しています。

しかしながら、6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後、
40~41%の糖質を摂取しています。

つまり、このDIRECT論文も、
糖質40%の糖質制限食群(中糖質群)と
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)を比べた研究ということになります。

3群とも、出発点のベースラインからは、日々の摂取カロリーが、
6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後と全て、有意に減少しています。

ベースラインからのカロリー減少幅に3群で有意差はありませんでした。

糖質制限食群はカロリー制限なしの設定ですが、
低脂肪食群、地中海食群と有意差無く摂取エネルギーが減少しています。
つまり、DIRECTは
「同一カロリーの3群の体重減少効果を比較検討した研究」
ということになります。

糖質制限食群はカロリー制限なしの設定でしたが、
脂質・蛋白質が多く
満足度・満腹度が高いので
自然に我慢すること無く他の2群と同じだけのカロリーが減りました。
これは、かなり大きなメリットと言えます。


それで女性1500kcal、男性1800calのカロリー制限ありの他の2群に摂取カロリーを合わせてみると糖質制限食群でも、
女性で150g/日、男性で180g/日の炭水化物を摂取していることになります。

設定の120g/日をかなりオーバーしています。

これでは折角減少した体重もリバウンドを起こすでしょうね。

現実に2年後には、3群ともリバウンドを起こしています。

脂肪制限食が一番リバウンドが大きいです。
糖質制限食群も一番体重が減少していますが、
当初の5ヶ月間で達成した体重減少からは少しリバウンドしています。

この経過は、グラフをご参照ください。

私のようにスーパー糖質制限食実践中の場合、
一旦減少して適正になった体重はリバウンドを起こすことなく維持できます。

スーパー糖質制限食の場合は、
40~60g/日の糖質摂取量で、糖質の摂取比率は12%くらいです。

私の場合は、2002年にスーパー糖質制限食半年で10kg減量して、
167cm、57kgとなり、2018年12月現在も維持しています。

DIRECTの糖質摂取120g/日、糖質摂取比率40%は、
高雄病院のスーパー糖質制限食と比べると大きな差があります。

DIRECTによれば、40%の緩い糖質制限食でも、
「最も体重減少。HDL-Cも増加。HbA1cが有意差をもって改善。」
ということができます。(RCT研究論文2年間のエビデンスあり)

一方、スーパー糖質制限食に比べると、体重減少にリバウンドを生じています。

私は、やはり今後もずっと継続してスーパー糖質制限食を続けていきます。


DIRECT

Table2 炭水化物摂取比率
糖質制限群
ベースラインン:50.8%
6ヶ月後:41.4
12ヶ月後:41.6
24ヶ月後:40.4


地中海食群
ベースラインン:51.5%
6ヶ月後:49.8
12ヶ月後:50.0
24ヶ月後:50.2


低脂肪食群
ベースラインン:51.8%
6ヶ月後:50.4
12ヶ月後:50.5
24ヶ月後:50.7



江部康二
糖質制限食に肯定的な信頼度の高いエビデンス。レベル1+、レベル1。
こんにちは。

相変わらず、根拠のない(エビデンスのない)糖質制限食批判が、
インターネットやユーチューブ(YouTube)で散見されます。

今回は、糖質制限食に肯定的なエビデンスとなる信頼度の高い論文を
取り上げてみました。
まずは、エビデンスレベルのもっとも高い
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」
の論文で、糖質制限食の有効性を示すものを列挙してみました。

集めてみると、こんなにたくさんあるのですね。

一方、糖質制限食に否定的な、
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」の論文は皆無です。

この時点で、「糖質制限食是非論争」に
エビデンスレベルで、明白な決着がついたと言えます。


ましてDaiGoさんの個人的見解などは、エビデンスレベルなしであり、問題外です。


RCT(ランダム化比較試験)レベル1+

①Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2009年
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は低炭水化物食が低脂質・低カロリー食に比し有効。13の電子データベースの2000年1月~2007年3月の低炭水化物食と低脂質食比較RCTをメタ解析。
Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
 Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
 Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009

②Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2012年
23レポートのメタ解析によって
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066Systematic review and meta-analysis of clinical trialsof the effects of low carbohydrate diets oncardiovascular risk factorsobr_1021

③システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス。ランセット。
1)低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults:
  A Systematic Review and Meta-Analysis Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
 DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu



RCT(ランダム化比較試験)レベル1

①低糖質食 vs. 低脂質食。低糖質食の圧勝
低糖質食 vs. 低脂質食、減量や脂質データなどCVD(心血管疾患)リスク低減で、
低糖質食の圧勝。148人の肥満者を、1年間研究。
低糖質食は40g/日未満。
Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial.
Bazzano LA et all
Ann Intern Med. 2014 Sep 2;161(5):309-18

②DIRECT低炭水化物食で一番体重減少・ HDL-C増加 
脂肪制限食(カロリー制限)、                           
地中海食(カロリー制限)、                            
低炭水化物食(カロリー無制限)の3群
低炭水化物群のみカロリー無制限のハンディがあったが、結局3群全て同じだけのカロリーが減少。満足度と満腹度。
当初糖質20g/日以下。3ヶ月後から120g/日以下を目指すも、結局女性150g/日、男性180g/日で40%の糖質。
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)         
322人を3群に分けて、2年間の研究。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241

③DIRECTのフォローアップ研究。合計6年間。
地中海食、低炭水化物食の2群は、6年後も 体重減少に有意差あり。
Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
 N Engl J Med 2012; 367:1373-1374October 4, 2012

④低糖質地中海食(LCMD)。HbA1cレベルの大きな減少。
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT研究論文。
糖質50%未満のLCMD群(108人)と低脂肪群(107人)の比較。女性は1500kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.

⑤低炭水化物食が、肥満・HDL-C・TGを改善。   
       
JAMA  2007年3月  A TO Z 体重減少研究
アトキンス、ゾーン、ラーン、オーニッシュダイエットのそれぞれの1年間の体重減少効果などをみた。311人の女性を上記4グループに分けて追跡。これら4種のダイエット法は、いずれも米国でポピュラーなものである。
アトキンスは低炭水化物食(スーパー糖質制限食)、ラーンとオーニッシュは高炭水化物、低脂肪食、ゾーンは炭水化物40%
低炭水化物食が体重を最も減少させて、HDL-CとTGを改善。
Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women
 The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial ,JAMA297:969-977



エビデンスレベル 「糖尿病診療ガイドライン2016」

レベル1 + 質の高いランダム化比較試験(RCT)および
     それらのメタアナリシス(MA)/システマティック・ レビュー(SR)
レベル1  それ以外のRCTおよびそれらのMA/SR
レベル2   前向きコホート研究およびそれらのMA/SR
         (事前に定めた)RCTサブ解析
レベル3  非ランダム化比較試験 前後比較試験
         後ろ向きコホート研究
         ケースコントロール研究およびそれらのMA/SR
         RCT後付けサブ解析
レベル4  横断研究 
      症例集積

*質の高いRCTとは①多数例②二重盲検、独立判定③高追跡率④ランダム割り付け法が明確などをさす。




江部康二