動物実験と糖質制限食(高脂質・高たんぱく食)。
【17/02/19 SGM
タイトルなし
http://www.eps1.comlink.ne.jp/~mayus/lifestyle2/Dangeroflowcarbohydrate.html
動物実験ですが、糖質制限は四塩化炭素の代謝速度を遅くし、肝毒性を高めると書いていました。
糖質制限+アルコールはNASHのリスクをあげることもあるのでしょうか?
ご教示いただければ幸いであります。】


こんばんは。
SGM さんから、
動物実験と糖質制限食にに関するコメントと質問をいただきました。

スーパー糖質制限食で、肥満・脂肪肝が改善した症例は多数あります。
糖質制限食実践中は、食べている最中にも体脂肪は燃えていて、
肝臓は糖新生をしてエネルギーを消費するので肥満が改善しやすいのです。

そして、NASHなど脂肪肝の根治療法は、唯一「糖質制限食」と考えられます。
従って、脂肪肝やNASHに糖質制限食はまったく問題ありませんし
極めて有効な食事療法です。

ただアルコールは、糖新生やβ酸化を抑制しますので
量が過ぎれば、低血糖や脂肪肝を引き起こしやすく、注意が必要です。
糖新生が抑制されるとエネルギー消費は減ります。
β酸化が抑制されると脂肪分解も抑制されます。

さて、糖質制限食は、高脂肪・高たんぱく食となります。
この研究は、ラットを使ったものです。

どんな研究でも手軽なので、マウスやラットが実験動物として使われやすいです。

しかし、マウスやラットで高脂肪食の実験をすること自体が、
根本的な間違いです。

なぜなら、マウスやラットなどネズミ類は、
本来の主食は草の種子(即ち今の穀物)です。

草原が地球上の有力な植生として現れる鮮新世(510万年前)以降、
ネズミ科の動物が出現して爆発的に繁栄します。

510万年間、草原の草の種子(穀物)を食べ続けてきたネズミに高脂肪食を与えれば、
代謝が破綻するのは当たり前です。

ネズミの主食はあくまでも「穀物=低脂質食」なのです。
ネズミは、「穀物=低脂質食」に特化して、
消化・吸収・代謝システムが適合しているのです。

この実験は単純に、
マウスの代謝に合わない(主食でない)高脂肪食を与えて病気を作るという実験です。

全ての代謝が狂って病気だらけになるのもいわずもがなです。

例えば、ゴリラの主食は「棘の多い大きな蔓や大きな草」です。

このように、超低脂質食が主食であるゴリラに高脂肪食を食べさせたら、
代謝はガタガタになり、
マウスやラットと同様、たちどころに様々な病気になるでしょう。

ゴリラだと、高脂肪食を食べさせることの間違いが、
ラットよりイメージしやすいですね。

人類の主食が何であったかはともかくとして、
農耕が始まる前の700万年間は、穀物ではなかったことは確実です。

そして歴史的事実として、農耕の前は人類皆、糖質制限食でした。

またヒトの進化の過程で脳が急速に大きくなり、シナプシスが張り巡らされるためには、EPAとDHAの摂取が不可欠でした。

EPAとDHAは地上の植物性食品には含まれておらず、
動物性食品にしか含まれていません。

従って少なくとも、肉・骨髄・昆虫・地虫・魚貝・・・などの高脂肪・高タンパク食を、脳が急速に発達した20万年前頃、必要充分な量、食べてたことは間違いないでしょう。

このように人類は本来高脂肪食には慣れているので、
高脂肪食の安全性は高いのです。

ラットやゴリラと、ヒトの食性は全く異なっているのです。

結論です。

薬物の作用や毒性をネズミ類で動物実験するのは、
研究方法として特に問題はないと思います。
(動物実験自体の是非はおいておきます)。

しかし、本来主食が全く異なるマウス・ラットなどネズミ類で、
人類の食物代謝の研究をおこなうのは、
出発点から根本的に間違っている可能性が高いので注意が必要です。

研究者の皆さん、「薬物の動物実験」と「食物の動物実験」は、
全く意味が異なることを認識してほしいと思います。


江部康二

マラソンと糖質制限食。
【17/02/17 eat and run

マラソンランナーです

江部先生

先生の著書「人類最強の糖質制限論」拝読させていただきました。現在糖質制限食を開始して40日ほど経過し、体重が4キロ減りました。北海道の田舎で医師をしております。

ダイエット目的で自己流3食主食抜き、小麦、糖抜きの食事をしておりましたが、先生のスーパー糖質制限にかなり近いものだったので安堵いたしました。

ところで、ダイエットの目的は少しでもマラソンタイムを短くしたいためだったのですが、これまでランナーは走る前に糖質を大量に摂取し、走っている最中も捕食するのがベストとされていました。

ケトジェニックな生活となってからは、走る前にはプロテインやココナッツオイルの摂取がよろしいのでしょうか。それとも不要でしょうか。

また、途中での捕食やスポーツドリンクの摂取(水と電解質だけでいい?)はいかがでしょうか。蓄えた体脂肪だけで対応するのがよいのかどうかご教示いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。】



おはようございます。

医師でありマラソンランナーである eat and run さんからマラソンのときの食事について、コメント・質問を頂きました。

結論からいうと、マラソン前も最中もスーパー糖質制限食でOKです。

米国の医学雑誌・代謝(Metabolism)に、2016年3月、興味深い論文が掲載されました。

『糖質制限食は、ウルトラマラソンやトライアスロンにおいて普通の高糖質食と比べて、遜色なし』

という内容です。

普段から

(A)<炭水化物:たんぱく質:脂質 = 10:19:70>の糖質制限食を食べている10人
(B)<炭水化物:たんぱく質:脂質 = 59:14:25>の高炭水化物食を食べている10人

いずれの群もエリートランナーです。

研究施設に2泊3日で滞在、最大酸素摂取量、体組成、筋生検など実施、その後トレッドミルで走った後、直後と2時間後に筋生検を実施です。

(A)(B)群を比較したところ、糖質制限群(A)は、(B)群と比較して、運動中のエネルギー源として脂肪酸化の利用が極めて高率でした。

一方、筋肉のグリコーゲン利用と充満のパターンは、運動中も3時間のランニング後も、(A)(B)群で同様でした。

つまり、普通に糖質制限食をしているランナーがそのまま、ウルトラマラソンやトライアスロンをしても、筋肉中のグリコーゲンの量及び増減と回復パターンは、糖質摂取群と比べて、全く遜色ないという結論です。


江部康二


ケトン適合したウルトラ持久力ランナーの代謝特性について

要約

背景

多くの成功したウルトラ持久力アスリートが、高炭水化物から低炭水化物食に切り替えた、しかし彼らは代謝適合の度合いを決定するために前もって研究はされてはいない。

方法

20人のエリートウルトラマラソンランナーとアイアンマン距離のトライアスリートが、代謝反応を決定するために最大強度の運動テストと180分間の64% VO2maxのサブ最大強度のトレッドミル運動を実行した。

1グループは従来の常に高炭水化物食(HC: n = 10, %炭水化物:たんぱく質:脂質 = 59:14:25),
もう1つのグループは、低炭水化物食(LC: n = 10, %炭水化物:たんぱく質:脂質 = 10:19:70),

で、平均20ヶ月(9~36ヶ月の範囲)実践した。

結果

ピークの脂肪酸化はLCグループ((1.54 ± 0.18 vs 0.67 ±0.14 g/min; P = 0.000))が2~3倍高く、VO2max (70.3 ± 6.3 vs 54.9 ±7.8%; P = 0.000)もより高かった。

サブ最高強度の運動中で平均脂肪酸化は、LCグループ(1.21 ± 0.02 vs 0.76 ± 0.11 g/min; P = 0.000)で、脂肪のが大きな貢献(88 ± 2 vs 56 ± 8%; P = 0.000)に対応して59%高かった。

燃料使用量における、LCとHCの著明な相違にも関わらず、休息中の筋肉中のグリコーゲンと180分間ランニング (−64% from pre-exercise) 後のグリコーゲンレベルの低下と120分の回復(−36% from pre-exercise)において有意差はなかった。.

結論

HC(高糖質)食を実践している高度に訓練されたウルトラ持久力アスリートと比較して、長期のケトン適合食は著明に脂肪酸化の比率が高かった。

一方、筋肉のグリコーゲン利用と充満パターンは運動中も3時間のランニング後も同様であった。




METABOLISM CLINICAL AND EXPERIMENTAL 65 (2016) 100 – 110

Metabolic characteristics of keto-adapted ultra-endurance runners

ABSTRACT

Background.
Many successful ultra-endurance athletes have switched from a highcarbohydrate
to a low-carbohydrate diet, but they have not previously been studied to
determine the extent of metabolic adaptations.

Methods.
Twenty elite ultra-marathoners and ironman distance triathletes performed a
maximal graded exercise test and a 180 min submaximal run at 64% VO2max on a treadmill
to determine metabolic responses.
One group habitually consumed a traditional highcarbohydrate
(HC: n = 10, %carbohydrate:protein:fat = 59:14:25) diet, and the other a lowcarbohydrate
(LC; n = 10, 10:19:70) diet for an average of 20 months (range 9 to 36 months).

Results.
Peak fat oxidation was 2.3-fold higher in the LC group (1.54 ± 0.18 vs 0.67 ±0.14 g/min; P = 0.000) and it occurred at a higher percentage of VO2max (70.3 ± 6.3 vs 54.9 ±7.8%; P = 0.000).
Mean fat oxidation during submaximal exercise was 59% higher in the LC
group (1.21 ± 0.02 vs 0.76 ± 0.11 g/min; P = 0.000) corresponding to a greater relative
contribution of fat (88 ± 2 vs 56 ± 8%; P = 0.000). Despite these marked differences in fuel
use between LC and HC athletes, there were no significant differences in resting muscle
glycogen and the level of depletion after 180 min of running (−64% from pre-exercise) and
120 min of recovery (−36% from pre-exercise).

Conclusion.
Compared to highly trained ultra-endurance athletes consuming an HC diet,
long-term keto-adaptation results in extraordinarily high rates of fat oxidation, whereas
muscle glycogen utilization and repletion patterns during and after a 3 hour run are similar


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
<糖質制限食に関するお知らせ・お願い・ご注意など> 2017年2月
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。

質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。


【糖質制限食を実践される時のご注意】

糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。

血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖を作るからです。

これを糖新生といいます。

診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。

進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。

従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。


【糖質制限食とは】

米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。

「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」


これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 

1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。

タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。

そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。


なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の

男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal

ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量(一日あたり)
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い

くらいが目安です。


そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。

米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。

これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。

なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン 
http://toyokeizai.net/articles/-/125237



<江部康二著 参考図書>


理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
など多数。

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
2017年4月9日(日)糖質制限食医療従事者対象セミナー in 東京 開催
おはようございます。

2016年、東京、京都にて開催し、ご好評いただいた医療従事者向けセミナーを
2017年2月12日(日)大阪に続いて
2017年4月9日(日)東京にて開催致します。

日本糖質制限医療推進協会主催 医療従事者向けセミナー(東京)
「糖質制限食による糖尿病指導~理論と実践~」


第1部 理論編

糖尿病治療に関して、最新糖質制限食理論と共にエビデンスのお話を簡単に説明します。
2016年に得られた最新の糖質制限食情報もお話しします。
第1部は講義と質疑応答含めて45分間です。

第2部 栄養指導編

高雄病院の栄養指導の実際を、橋本眞由美管理栄養士がお話します。
第2部は講義と質疑応答を含めて60分間です。

第3部 臨床実践編
糖尿病合併症の現状や久山町の悲劇など、そして薬剤の使い方のコツをお話します。

また、糖質制限食を実践していて、「すぐに良くなった症例」「治療に難渋した症例」
「1型のインスリン分泌ゼロの症例」「SGLT2阻害薬が著効した症例」などを、
実際に入院された患者さんのデータを見ながら検討します。

第3部は100分間ありますので、参加者の皆さんと共にディスカッション形式の症例検討を導入したいと思っています。

ご参加頂いた皆さんには、前回と同様に講演PPTスライドの、CD(PDFファイル)をお配りします。

東京、関東、東北、北信越、東海などの医療従事者の皆さん、奮ってご参加くださいね。


江部康二


以下事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加
いただきましてありがとうございます。

2017年4月9日(日)、東京にて医療従事者対象の糖質制限食
セミナーを開催致します。

内容につきましては、2月12日(日)に大阪で開催しましたセミナーと
同様を予定しております。

糖質制限食指導に必要な理論をさらいつつ、糖尿病治療における
より実践的な内容にウェイトをおきます。
新たな症例も盛り込んで、難渋症例についての討議も予定しております。

医療従事者の皆様の多数のご参加を心よりお待ちしております。

◆掲載サイト: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

//////////////ご案内/////////////////

(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
   医療従事者向け糖質制限食セミナー in 東京

  「糖質制限食による糖尿病指導 ~理論と実践 」

■日時:4月9日(日)12:50~16:40頃 ※開場・受付は12:30~

■会場: WATERRAS COMMON 3F「ワテラスコモンホール」
東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地
http://www.waterrascommon.com/access.html

■講師:
A:江部 康二 医師
  (一財)高雄病院 理事長/(一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長

B:橋本 眞由美 管理栄養士 (一財)高雄病院 栄養管理部 部長

■内容:

第1部:理論編(45分)   ※講師A 
糖質制限食指導に必要な生理学的基礎理論を説明。三大栄養素と血糖、ケトン体の安全性、米国糖尿病学会の見解、CKDガイド2013の記載などについて言及。糖質制限食の有効性と安全性について、EBMの観点からRCT研究論文、長期のコホート研究により根拠を示し、最新の話題についてもお話します。

第2部:栄養指導編(60分) ※講師B
高雄病院では、3食とも主食なしのスーパー糖質制限食を実施しており、その具体的な食事内容を紹介します。また、外来時と入院時における栄養指導の方法及びポイント、よくある問題点と改善のプロセスなど、指導事例も交えつつ、糖質制限食を継続していただくための栄養士の関わり方についてお話しします。糖質制限食導入を検討されている院所にとりまして、少しでもヒントになるよう管理栄養士の立場からお話を進めていきたいと思います。

第3部:臨床実践編(100分)  ※講師A
高雄病院の豊富な 臨床例を取り上げて検討。治療に難渋した症例を提示して参加者と共に ディスカッション。メトホルミン・DPP-4阻害薬・α-GI薬・速効型インスリン 分泌促進剤は比較的使用頻度が高いのでコツを伝授。SGLT阻害薬は糖毒解除などに有用、外部由来のブドウ糖を減らすのが糖質制限食、体内の糖新生由来のブドウ糖も排泄するのがSGLT阻害薬。SU剤とチアゾリジン誘導体の位置づけを示します。
糖質制限食実践中に生じうる好ましくない症状・ 変化について検討します。

*各所要時間は、質疑応答、ディスカッションの時間を含みます。

■対象: 医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、栄養士、鍼灸師など)

■受講費:

・医師・歯科医師:
 賛助会員 7,200円 / 一般(非会員) 9,000円

・上記以外の医療従事者:
 賛助会員 5,200円 / 一般(非会員) 6,500円

*参加頂いた皆様には、映写・配布資料のデータ(PDF)CDをお配りします。

■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替

※事前決済のみとなります。
※領収書をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越し下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方
  事務局までメールにて、医療機関でのご職種をご記入の上、お申し込み下さい。
  領収書をご希望の場合は、発行ご希望の旨と宛名もお知らせ願います。

★賛助会員入会をご希望の方:
  1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
  「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
   「通信」欄に以下をご記入下さい。
    ① 「4/9東京セミナー、参加希望」 とご記入下さい。
    ② 医療機関でのご職種をご記入下さい。
    http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(非会員)で、セミナーの受講のみご希望の方:
  下のフォームからお申し込み下さい。
  http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-med

■その他:

・予約制です。当日参加はできません。
・キャンセルは4月7日(金)までに事務局までご連絡願います。
 それ以降のご返金は原則、対応致しかねますので予めご了承下さい。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限で、抜け毛が改善。脂肪肝改善。糖化と老化。
こんにちは。

えりちゃん から、糖質制限食で抜け毛が劇的に改善、脂肪肝も改善といううれしいコメントをいただきました。

平成28年、ブドウ糖負荷検査。
空腹時が108、30分後183、1時間後203、2時間後134mg/dl


このデータなら、負荷後2時間値が134mg/dlと140mg/dl未満なので、正常型と診断できます。

一方、食後1時間値が、203mg/dlと180mg/dlを超えているので将来、糖尿病になりやすいので注意が必要です。

えりちゃんのように、痩せていても、脂肪肝が存在することがあります。

現実に糖質制限食で、
H27年 GOT70、GPT107 → H28年 GOT22、GPT16
と改善していますので、脂肪肝があるていど良くなったと考えられます。

H28年 中性脂肪65、HDL93、LDL210
このデータなら、HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が低めなので、LDLコレステロールは標準の大きさの「肝臓からコレステロールを末梢の組織に運ぶ」役目を果たしている善いLDLコレステロールです。

小さくて高比重で悪玉の「小粒子LDLコレステロール」は少なくて酸化LDLコレステロールも少ないと考えられるので、このまま、肝臓がコレステロールの生産調整をしてくれるまでスタチン薬はなしで、経過をみていいと思います。

抜け毛が、劇的に改善したのも素晴らしいです。
えりちゃんの抜け毛は「糖化」が元凶であった可能性があります。

糖質制限食によって、糖化が防げて、血流と代謝が良くなることで抜け毛が改善したと思われます。

糖化とは、血液中のブドウ糖とタンパク質がくっついて、タンパク質が変性してAGEs(糖化最終生成物)を生成する反応をいいます。 このAGEsは分解されにくく、蓄積していくと肌や髪、骨など全身の組織に悪影響を与えます。
一般に老化とされている症状のベースには糖化があることが多いのです。

真の意味での老化は、防げませんが、「糖化がベースにある老化」は糖質制限食で予防できる可能性があります。


江部康二


【17/02/13 えりちゃん
肝機能と血糖値
江部先生、初めまして。56歳のえりちゃんといいます。毎日先生のブログをあれやこれやと検索し、勉強をさせていただいています。というのも、青天の霹靂のように食後高血糖が見つかったからです。今から思うといつからこの状態になっていたかと思うと怖いです。 平成27年夏に受けた職場の健康診断で、初めてGOT70、GPT107、空腹時血糖値101、ヘモグロビンA1c5.6という結果で再検査がきました。私は体重の維持のために食生活に気をつけていたつもりで、身長155センチ、体重45キロ前後を何年もキープしていたので、肝機能や血糖値に異常があったことに本当に驚きました。お酒も飲まないし、両親も健在で糖尿病はありません。そこで糖尿病と肝臓の両方の専門医に行きました。江部先生の糖質制限食のことを知っていたので、朝晩の主食を抜くゆるい糖質制限を始めたところ、肝機能の数値が改善し、空腹時血糖値は問題なしと言われました。すっかり安心していたところ、1年後の平成28年夏にあった職場の健康診断でまたGOT32、空腹時血糖値101、ヘモグロビンA1c5.6で再検査となりました。ゆるい糖質制限食は継続していたのですが、油断してお菓子を食べたりしていたのが悪かったのか!と思いながらまた同じ病院に行くと、今度はブドウ糖負荷検査をされました。またその数値にびっくりしたのですが、直前の空腹時が108、30分後183、1時間後203、2時間後134でした。1時間後が180を超えているから境界線型だねと言われ、運動をするようにという指導でした。痩せていて糖尿病の家系でなくてもこんなことがあります、脂肪肝です、と言われました。私は本当にわかって良かったと思い、その日以降、ゆるい糖質制限をスーパー糖質制限に変えました。ようやく3ヶ月になるところです。先日、途中経過を知るために血液検査をしてもらったところ、GOT22、GPT16、中性脂肪65、HDL93、LDL210、ヘモグロビンA1c5.5という結果でした。肝機能が改善したけど、悪玉コレステロールが高すぎるから下げないといけないと言われ、下げるお薬がでました。私は江部先生のブログで糖質制限の初めにはこういうことが起きると知っていたので、お薬は飲まずに様子をみても大丈夫じゃないかなと思いっています。
長くなりましたが、教えていただきたいのは、肝機能が悪かったのは私の体に何が起きていたのでしょうか。境界線型の私の体とどのように関係しているのでしょうか。今後もスーパー糖質制限を継続すれば、肝臓のことも心配いらないでしょうか。もし今後、やっておいた方がいい検査などがありましたら是非教えていただければと思います。
長々と大変失礼いたしました。よろしくお願いいたします。】

17/02/13 ドクター江部
Re: 肝機能と血糖値
えりちゃん 様

痩せていても内臓脂肪があるタイプだったと思われます。
脂肪肝もあったものと思われます。

このままスーパー糖質制限食でよいと思います。


【17/02/13 えりちゃん
糖質制限二ヶ月の変化
江部先生、早速お返事をありがとうございました。痩せていて糖尿病の家系でなくても脂肪肝になるのですね。この二ヶ月半、スーパー糖質制限食を作ることが楽しくて、また良質なタンパク質がこんなにも美味しいものかと感激している日々です 。今は肝機能も改善し、空腹時血糖値が正常高め、ヘモグロビンA1cが5.5です。スーパー糖質制限食を食べていると食後1時間の血糖値がだいたい120台です。それと、すごいことに抜け毛が激減しています!ハゲるんじゃないかと思っていた抜け毛が今は数えるほど。これは偶然とは思えません。糖質制限食のおかげでしょうか。あ、LDLコレステロールが200超えだったので下げる薬をもらったのですが、それは飲まなくて大丈夫ですよね?それだけ聞いたら安心です。
これからも美味しい糖質制限ライフを楽しみながら頑張ります。また経過をお知らせします。ありがとうございました(^∇^)】


17/02/14 ドクター江部
Re: 糖質制限二ヶ月の変化
えりちゃん 様

抜け毛減少、良かったですね。
LDLコレステロールは、くすりなしで、経過をみて良いと思います。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット