肝がんを除外すると、HbA1c値は直線的に全がんリスク上昇と関連 。
こんにちは。
血糖値とがんの関連について、
国立がん研究センターからの報告が、論文化されています。
すなわち、血糖値とがんの関連についてのエビデンスです。

肝がんを除外すると、HbA1c値は直線的に全がんリスク上昇と関連していました 。
すなわちB型ウィルス、C型ウィルスというウィルス感染による特殊な発がんリスクを除外すると
『血糖値が高いほど、直線的に全がんになりやすい』
という、とても簡明な結論です。

ヘモグロビンA1c(HbA1c)とがん罹患との関連について。
多目的コホート研究(JPHC研究)。
(International Journal of Cancer 2015年11月WEB先行公開)
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3753.html

国立がん研究センターがん予防・健診研究センター・予防研究グループの多目的コホート研究(JPHC研究)から、
興味深い報告がなされ、論文化されました。

これまでのコホート研究により糖尿病患者では大腸がん、膵がん、肝がん、子宮内膜がんなどのがん罹患リスクが1.5~4倍高く、全がんも約1.2倍高いと報告されています。

今回の報告では、非糖尿病域の高HbA1c値でも全がんリスクが高いことが判明しました。

こうなると軽度の高血糖でもがんリスクが高まるので、注意が必要ですが、
スーパー糖質制限食なら、糖尿病は勿論のこと、
非糖尿病領域の軽度の高血糖もたちどころに改善させますので、
全がんリスクは低下すると考えられます。


HbA1c:5.0%未満  推定平均血糖値:96.8mg/dl未満
HbA1c:5.0~5.4% 推定平均血糖値:96.8~108.28mg/dl
HbA1c:5.5~5.9% 推定平均血糖値:111.15~122.63mg/dl
HbA1c:6.0~6.4% 推定平均血糖値:125.5~136.98mg/dl
HbA1c:6.5%以上  推定平均血糖値:139.85mg/dl以上

HbA1c 5.0~5.4%を基準とすると、
5%未満、5.5~5.9%、6.0~6.4%、6.5%以上、
および既知の糖尿病の5群のがんリスクは、
それぞれ1.27 (1.06-1.52) 、1.01 (0.90-1.14)、1.28 (1.09-1.49)、1.43 (1.14-1.80)、
1.23 (1.02-1.47)であり、
非糖尿病域および糖尿病域の高HbA1c値の群で全がんリスクが上昇していました。

HbA1c は1-2か月間の血糖値を反映する血液検査値であり、
本研究結果は、慢性的な高血糖が全がんリスクと関連することを示唆しています。

高血糖はミトコンドリア代謝などを介して酸化ストレスを亢進させることで
DNAを損傷し、発がんにつながる可能性が想定されています。

また、がん細胞の増殖には、大量の糖を必要とするため、
慢性的な高血糖状態はがん細胞の増殖を助長する可能性も考えられます。

5%未満でも、がんのリスクが上昇していますが、
肝硬変などがあると見かけ上HbA1cが低下することが多いことが
関係している可能性があります。

すなわち低HbA1c値群には、
臨床的には診断されていない肝がんや膵がんを有する人が含まれていて、
追跡期間中にがんと診断された可能性があります。

肝がんを除外すると、HbA1c値は直線的に全がんリスク上昇と関連していました。

糖尿病は勿論のことですが、
正常範囲内の軽度の高血糖でも油断は禁物ということで
ますます「スーパー糖質制限食」の役割は大きくなりました。


江部康二



☆☆☆
以下、国立がん研究センターのサイトから一部抜粋です。

http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3753.html

ヘモグロビンA1c(HbA1c)とがん罹患との関連について

-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告-

私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・虚血性心疾患・糖尿病などとの関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防や健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2015年現在)管内にお住まいで、1998~2000年度および2003~2005年度に実施された糖尿病調査にご協力いただいた方々のうち、ヘモグロビンA1c(HbA1c)のデータがあり、初回の調査時までにがんに罹患していなかった29,629人(男性11,336人、女性18,293人)を対象としてHbA1cとがん罹患リスクとの関係を調べました。その結果を専門誌で論文発表しましたので紹介します(International Journal of Cancer 2015年11月WEB先行公開)。

これまでのコホート研究により糖尿病患者では大腸がん、膵がん、肝がん、子宮内膜がんなどのがん罹患リスクが1.5~4倍高く、全がんも約1.2倍高いと報告されています。糖尿病は慢性的な高血糖を特徴とする病気で、HbA1c は1-2か月間の血糖値を反映する血液検査値として知られています。そのため、HbA1c(6.5%以上)は、糖尿病の診断基準の一つとしても採用されています。

糖尿病ががんのリスク因子だとすると、HbA1cはがんリスクと関連することが予想されますが、HbA1c値とがんリスクとの関連は十分に明らかにされていません。そこで、本研究では、この関係を、「多目的コホート」の糖尿病調査のデータを用いて調べることを目的としました。

非糖尿病域の高HbA1c値でも全がんリスクが高い

糖尿病調査で測定したHbA1cの値を用いて、5.0%未満、5.0~5.4%、5.5~5.9%、6.0~6.4%、6.5%以上、および既知の糖尿病の6つの群に分けて、その後の全がんリスク、臓器別リスクを分析しました。なお、2回の糖尿病調査に参加していた場合(研究対象者の35%)、2つのHbA1cの平均値を用いました。本研究の追跡期間中に、1955件のがんが発生していました。

年齢,性別、居住地域,BMI,喫煙歴,飲酒歴,身体活動、野菜摂取、総エネルギー摂取、コーヒー摂取、および心血管疾患の既往を統計学的に調整したうえで、がんリスク(95%信頼区間)を計算しました。HbA1c 5.0~5.4%を基準とすると、5%未満、5.5~5.9%、6.0~6.4%、6.5%以上、および既知の糖尿病の5群のがんリスクは、それぞれ1.27 (1.06-1.52) 、1.01 (0.90-1.14)、1.28 (1.09-1.49)、1.43 (1.14-1.80)、1.23 (1.02-1.47)であり、非糖尿病域および糖尿病域の高HbA1c値の群で全がんリスクが上昇していました(図1)。また、低HbA1c値の群でも全がんリスクの上昇がみられました。

がん種別に分析したところ、非糖尿病域および糖尿病域の高HbA1c値の群で大腸がん(特に結腸がん)リスクが上昇しており、肝がんや膵がんでは、低HbA1c値群(5%未満)でもリスク上昇がみられました(図2)。また、肝がんを除外すると、HbA1c値は直線的に全がんリスク上昇と関連していました(図3)。

高HbA1c値群におけるがんリスクのメカニズム

HbA1c は1-2か月間の血糖値を反映する血液検査値であり、本研究結果は、慢性的な高血糖が全がんリスクと関連することを裏付けるものと考えられます。高血糖はミトコンドリア代謝などを介して酸化ストレスを亢進させることでDNAを損傷し、発がんにつながる可能性が想定されています。また,がん細胞の増殖には、大量の糖を必要とするため,慢性的な高血糖状態はがん細胞の増殖を助長する可能性も考えられます。

一部のがん種(肝がんや膵がん)のリスクが低HbA1c値群で上昇していた理由

肝硬変などでは、実際の血糖値に比べてHbA1cが低値を示すことが多く、肝硬変は肝がんになりやすい状態です。その結果として、低HbA1群で、肝がんリスクが上昇していた可能性が考えられます。また、低HbA1c値は不健康の指標とも考えられています。低HbA1c値群には、臨床的には診断されていない肝がんや膵がんを有する方が含まれていて、追跡期間中にがんと診断されたのかもしれません。そのほか、解析結果のぶれ(誤差)をあらわす95%信頼区間の幅が大きいことから、偶然リスク上昇がみられた可能性も考えられます。

この研究について

本研究では、非糖尿病域の高HbA1c値も全がんリスクと関連していることを報告した最初の論文です。多目的コホート研究を含む多くの疫学研究から糖尿病と全がんリスクとの関連が報告されており、がん予防のためにも糖尿病を予防することが重要であると考えられています。非糖尿病域の高HbA1c値群における全がんリスク上昇を示した本研究により、糖尿病予防対策の重要性が一層示唆されました。
GACKTさんと糖質制限。
【18/06/14 きんちゃん

タイトルなし
江部先生おはようございます。以前からGACKTさんの糖質制限の噂は聞いていましたが、今朝の目覚ましテレビで、GACKTさんが4年振りにパンを食べた、米は20年間食べていない、1日1食で炭水化物抜きの生活だと言っていました。まさにスーパー糖質制限ですね!あの若々しさは糖質制限のお陰なのかもしれませんね!】

【18/06/15 かんたん
GACKTさん
こんばんは。深夜遅く、すみません。GACKTさんの記事を見つけました。
Instagramでは、パンを召し上がっている動画がみられますが、
他の芸能ニュースを見ましたところ、このような記事が見つかりました。
URLを載せるのが下手ですみません。
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.daily.co.jp/gossip/2018/06/13/0011349442.shtml%3Fpg%3Damp%26usqp%3Dmq331AQECAEoAQ%253D%253D

こちらで、パンを食べたあとどうなったか書かれています。】


こんにちは。
きんちゃん、かんたんさん から
GACKTさんと糖質制限についてコメントを頂きました。
とても嬉しい情報をありがとうございます。

以下は、めざましテレビのサイトからの抜粋です。
http://jcc.jp/news/13587587/
2018年
06/14 06:40 フジテレビ 【めざましテレビ】
<エンタ!みたもん勝ち>GACKT“ストイック”食生活・4年ぶりのパンに笑顔
GACKTがインスタグラムで、ある動画と共に衝撃の告白。
GACKTは1日1食、炭水化物を取らないストイックな生活を長く続けていて、
今回フランスに来たご褒美として4年ぶりにパンを食べたという。
米は20年間食べていない。〕

GACKTさんは、ABC・テレビ朝日系の正月恒例特番
『芸能人格付けチェック!これぞ真の一流品だ!2018正月スペシャル』
に出演して、"一流芸能人"としての個人連勝記録を55に伸ばしています。

この番組、私は大好きで必ず視ています。
大物芸能人などが、
『安物のワインと超高級ワインの区別がつかない』
『安物のステーキと超高級ステーキの区別がつかない』
ことのほうが多いというのは衝撃ですが、
何となく安心しますね。

まあ、GACKTさん以外の芸能人は基本、全滅ですから
もはや恥には当たりませんが・・・。

ともあれ、GACKTさんが、あの体型と若さを保っていることの理由の一つは
糖質制限食と思われます。
今まで、漠然とGACKTさんが糖質制限というイメージは持っていましたが
【めざましテレビ】出演でご本人が語ったということで、はっきりして
私もスッキリしました。

〔デイリースポーツオンライン
https://www.daily.co.jp/gossip/2018/06/13/0011349442.shtml
GACKT「米は20年食べてない」 ソロ転向後に炭水化物断ち
 ミュージシャンのGACKTがインスタグラムに
「4年ぶり」にパンを食べた動画をアップし、「米は20年食べてない」と告白した。
 11日のツイッターでロンドンにいたことを明かしていたGACKT。
12日夜には「#リヨン #四年ぶりのパン」などとテロップを入れ、
パンを食べる動画をアップ。
「ソロになった時、一日一食にし炭水化物をやめた。パンはフランスに来た時のご褒美と決めた。
4年ぶりのパン。なんてことない事かもしれないが幸せだ」と書き込み、
「米は20年食べてない」と明かした。
動画ではパンを口にし、至福の表情を浮かべている。

 4年ぶりにパンを食べた後は、睡魔に襲われたそうで、
「パンを食べた後のあの睡魔は何だったんだろ。。。怖っ。」
「#4年ぶりのパン #からの異常な睡魔 #気を失うように落ちてしまった 
#怖すぎる」などと、体に表れた“変化”にも触れていた。〕


なるほど、久しぶりの糖質摂取による血糖値の急上昇により
以下のメカニズムなどで睡魔に襲われたのでしょう。
げに、糖質恐るべしです。

<糖質摂取により眠気が生じるメカニズム(仮説)>
『糖質摂取→インスリン多量分泌→
トリプトファン以外のアミノ酸の骨格筋への取り込みと蛋白質合成促進→
トリプトファン以外の血中アミノ酸濃度低下→相対的に血中トリプトファン濃度上昇→
血液脳関門を通過するトリプトファン増加→脳内トリプトファン量増加→
セロトニン増加→メラトニン増加→眠気出現』





江部康二



大腸憩室炎と糖質制限食。
【18/06/13 くっしー
大腸憩室炎の食事指導
江部先生

いつも、ブログや著書を読ませていただいて勉強させていただいております。
昨年の横浜ランドマークタワーでの講演会にも参加させていただきました。

さて本題ですが、
妻が大腸憩室炎になり一週間の入院から昨日退院してきたのですが、
入院中の食事内容とこの先1ヶ月の食事指導に疑問を感じる部分がありました。

まず入院中の食事内容ですが、
入院初期の三日間を絶食するのはなんとなく理解できたのですが、
入院末期の通常食に戻ったときの内容が、白米中心で一日の中で動物性蛋白質を摂取するのが昼食に白身魚一切れのみだったとのことです。

退院時に管理栄養士から食事指導があったのですが、
極力油脂での調理は避けて、蛋白質をとるならできるだけ脂身の少ないもので精製米やうどんなど消化に良いものを中心に、野菜も繊維質の少ない物を選んで柔らかくなるまで煮るように指導されました。

恐らく医師からの指示の元での指導だとは思いますが、江部先生はどう判断されますか?
また、大腸憩室炎にも糖質制限は効果があるのかも知りたいです。

宜しくお願い致します。】



18/06/13 ドクター江部
Re: 大腸憩室炎の食事指導
くっしー さん

横浜ランドマークタワーでの講演会への参加、ありがとうございました。
大腸憩室炎と糖質制限食に関しては、症例がないので、正直よくわかりません。

しかしながら、糖質ありの普通の食事で、大腸憩室炎を発症しておられるので、
同じような食事では、再発する可能性があると思います。

糖質制限食で全身の血流代謝が良くなることや
潰瘍性大腸炎が糖質制限食で良くなることを含めて
憩室炎予防にも糖質制限食を試す価値はあると思います。

6/14
以下、プーさんから、
大腸憩室炎と糖質制限食に関しても
体験を踏まえて、コメントを頂きました。
ありがとうございます。
私も、スーパー糖質制限食実践において、油脂はしっかり摂取してOKと思います。

管理栄養士の指導
『極力油脂での調理は避けて、蛋白質をとるならできるだけ脂身の少ないもので精製米やうどんなど消化に良いものを中心に、野菜も繊維質の少ない物』


これはどこの病院でも、こんなものと思いますが、
このような「糖質タップリの脂肪制限食」で
大腸憩室炎が予防できるとはとても思えません。
上記栄養指導のような食事をしていて、
結構、大腸憩室炎が再発を繰り返す患者さんも多いようです。

大腸憩室炎も、『糖質頻回過剰摂取病』の一つと思われます。
糖質摂取により、正常範囲内でも血糖値が乱高下しますし、
インスリンも大量に分泌されますので、血流・代謝が悪くなり
憩室炎も生じやすくなります。
糖質制限食なら、これらのリスクは生じませんのでお奨めです。

江部康二


【18/06/13 プーさん
大腸憩室炎について
江部先生

いつも著書等で勉強させていただいております。
以前、柏での講演会にも参加させていただきました。
さて、くっしーさんのコメントを拝見し、以下の経験者として投稿いたします。
・数年前、大腸憩室炎により1週間の絶食入院
・3年前、同部位の炎症が再発し、穿孔が起こり開腹・同部位の切除手術
・退院後くっしーさんと同じ思いの中、江部先生の著書を拝読し、糖質制限等を開始
・4か月程で12キロ減量、逆流性食道炎等の消化器疾患も消失

大腸憩室炎ですが、一度できた憩室が自然消失することはないため
最初の1~2年位は気をつけていても以前の食事内容に戻ると、私のように再発する率が高いです。
(しかも再発時はさらに悪化)
憩室炎は、高齢、肥満、男性、便秘などと関係があるようであり
私の感覚では、糖質及び食物繊維の過剰摂取がある方(加えて便秘)が多いように思います。
(もっというと、私はカレーや辛いラーメン等が好物であったこともあり
香辛料好きとも関係があるかもしれません)

江部先生がおっしゃいましたような理由から、私は、今後は糖質制限の一択だと考えております。
(胃(ピロリ)以外の消化器疾患には糖質制限が有効なようです。)

経験上、くっしーさんには以下を失礼ながらアドバイスさせていただきます。
・糖質制限
・食物繊維控えめ(特に手術後すぐは)
・ゴマや唐辛子フレーク、種があるものなど、これまで大便に直接排出されたものの完全排除
(憩室に留まることで炎症が起こるため)
・可能な限りの便秘下痢対策(ここは一人一人原因が異なるため、難しいですが)
・香辛料の制限(ここは不明ですが)

なお、脂質は小腸から吸収されるはずなので、糖質制限をしている限り
脂質を制限する理由など見つけられません。

糖質制限は不思議なことに糖質を食べたくなくなり、以前好きだった香辛料も
多くは受け付けなくなりました。
以上、一つの症例としてご参考になりましたら幸いです。】
三大栄養素と血糖値。直接影響を与えるのは糖質のみ。タンパク質は?
こんにちは。

三大栄養素と血糖値について、生理学的事実を整理しておきます。

これらの生理学的事実はEBM以前の基本的な事柄です。

手元に、以下の米国糖尿病学会の本(英文の原書)があります。
糖尿病患者さん教育用のテキストブックです。

American Diabetes Association
Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines 
by the Michigan Diabetes Research and Training Center ,
-4th Edition-,2009


57ページに

「Carbohydrate,protein,and fat contain calories.
Only Carbohydrates directly affect blood glucose levels. 」


という文章が記載してあります。

-3th Edition-2004年版から、継続してこの記載があります。

直訳すると

「炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有して
いる。
炭水化物のみが、血糖値に直接影響を及ぼす。」


炭水化物に関して未精製のもの(茶色)と精製されたもの(白)を区別していません。
<炭水化物=糖質+食物繊維>であり、血糖値を上昇させるのは糖質です。
つまりADAによれば、茶色だろうと白だろうと、血糖値を直接上昇させるのは、
炭水化物のみであり、
タンパク質と脂肪は血糖値に直接影響を及ぼすことはないのです。
これらは、エビデンス以前の生理学的事実です。


直接という言葉が意味深で、
下記2)のようなケースがあっても矛盾しない表現にしたのでしょうね。

ADA(米国糖尿病学会)、流石です。

<三大栄養素と血糖値上昇に関する考察>

さて「血糖に直接影響を与えるのは糖質のみ。」

というADA(米国糖尿病学会)の記載に関連する事柄を、1)~8)まで整理してまとめてみました。

1)「血糖値に直接影響を与えるのは糖質のみである」

2)「1型糖尿病で内因性インスリンが枯渇している場合や2型糖尿病でも内因性インスリンが枯渇に近いときは、グルカゴン分泌を介してタンパク質が間接的に血糖値を上昇させる」「タンパク質に含まれるアミノ酸がグルカゴンを分泌させるが、インスリンは分泌できない病態だからである」

3)「上記の2)を除く大多数の内因性インスリンが残っている糖尿病患者においては、摂取後血糖値を上昇させるのは糖質のみである。」「摂取したタンパク質によりグルカゴンが分泌されるが、同時にインスリンも分泌され効果が相殺されるからである」

4)「1)2)3)より、大多数の内因性インスリンが残っている糖尿病患者においては、糖質制限食が極めて有効である」

5)「脂質は直接的にも間接的にも血糖値を上昇させない」
  「脂質はインスリンもグルカゴンも分泌させない。」

6)「タンパク質はインスリンとグルカゴンを両方分泌させるので2)のケースを除いては効果は相殺されて、血糖値にほとんど影響を与えない。」

7)「2)のようなケースでも、糖質制限食を導入することで、インスリンの量を大幅に減らすことができる。」

8)「2)のようなケースでは糖質制限に加えてタンパク質のカウントもするとコントロールはさらに良くなる。」


<タンパク質と血糖値上昇に関する考察>

①健常人では、タンパク質摂取で臨床上意味のある血糖値上昇はない。
②ほとんどの2型糖尿人においても、タンパク質摂取で臨床上意味のある血糖値上昇はない。
③1型糖尿人で、内因性インスリンがゼロレベルの場合、臨床上意味のある血糖値上昇がみられる。個人差が大きく、1gのタンパク質がグルカゴンを介して間接的に1~4mg/dlくらい血糖値を上昇させる。
④2型糖尿人でも、罹病期間が長くて、一定レベル以上β細胞が傷害されて、インスリン分泌能力が低下していれば、臨床上意味のある血糖値上昇が見られる。勿論こちらもグルカゴンを介しての間接的な血糖値上昇である。個人差があるので、血糖自己測定器で確かめるのがよい。

*③④の場合の血糖上昇は、インスリン分泌能力が非常に低下しているので、グルカゴンの糖新生による間接的血糖値上昇を、内因性インスリンで相殺できないからである。

*タンパク質と血糖値に関して実験する場合は鳥のササミだけを摂取して、含有タンパク量を計算して、
 食前血糖値、30分後血糖値、1時間後血糖値、2時間後血糖値、3時間後血糖値・・・
 と測定すれば、それぞれの個人のデータがわかる。



江部康二
朝日カルチャーセンター立川教室のご案内。2018年6月30日(土)。
こんにちは。

朝日カルチャーセンター立川教室講座のご案内です。
立川では、ここしばらく毎年一回の講座を続けていますが、
結構、新しい話題がありますので、スライドも毎回更新しています。
今回もわかりやすくお話しますので、乞うご期待です。
東京、関東方面の糖尿人やメタボ人の方々やそのご家族、
奮ってご参加いただけば幸いです。

https://www.asahiculture.jp/tachikawa/course/cd2c7685-412f-0981-917f-5a55c90884b1
042-527-6511


糖質制限食による糖尿病の治療と予防
人類本来の食事・人類の健康食
朝日カルチャーセンター立川教室。
2018年6月30日(土)。


糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、合併症を予防できる唯一の食事療法として画期的な成果をあげてきました。米国糖尿病学会の患者用テキストブック(2004年)には「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみである。蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。」と記載されています。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が糖尿病合併症の最大のリスクとなりますが、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、必ずそれらを生じるので、糖尿病合併症の予防は困難です。現実に日本では、毎年新たに、人工透析16000人、失明3000人、足切断3000人と糖尿病合併症は減っていません。米国糖尿病学会は、2013年10月、5年ぶりに「栄養療法に関する声明」を発表し、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH 食を受容しました。このことは糖質制限食に大きな追い風となりました。


江部康二


☆☆☆
以下、朝日カルチャーセンター立川教室のサイトから抜粋。

日時・期間
土曜  15:30-17:00
日程 2018年 6/30
受講料(税込み)
6月(1回)
会員 3,024円
一般 3,672円


講師紹介 江部 康二 (エベ コウジ)
<プロフィール>
・1950年生まれ。
・1974年京都大学医学部卒業。
・1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)
にて呼吸器科を学ぶ。
・1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。
・1999年高雄病院に糖質制限食導入。
・2000年理事長就任。
・2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。
・ 2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。
内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長。

<著書>
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』2005年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編』2008年(東洋経済新報社)
『我ら糖尿人、元気なのにはわけがある』2009年(東洋経済新報社・作家宮本輝氏との対談本)
『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』2010年(ナツメ社)
『主食をやめると健康になる』2011年(ダイヤモンド社)
『食品別糖質量ハンドブック』2012年(洋泉社)監修
『糖質オフ!健康法』2012年(PHP文庫)
『糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド』2013年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!新版』2014年(東洋経済新報社)
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版』2014年(東洋経済新報社)
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』2014年(東洋経済新報社)
『なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか』2015年(ナツメ社)
『糖質制限の教科書』2015年(洋泉社)監修
『よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法 』2016年(PHP研究所)
『人類最強の「糖質制限」論~ケトン体を味方に して痩せる、健康になる』2016年(SB新書)
『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)
など多数。
ブログ『ドクター江部の糖尿病徒然日記( http://koujiebe.blog95.fc2.com/ )は日に数千件のアクセスがあり、糖尿病のかたやそのご家族から寄せられた質問への回答や、糖尿病・糖質制限食に関する 情報の発信に、日々尽力している。