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1型糖尿病。スーパー糖質制限食。インスリンフリー。
【15/12/26 ひろ

ステージ2で発覚

江部先生、初めまして。

今から1年8ヶ月前に糖尿病が発覚しました。
バンコク出張から帰国直後より体調不良が2週間続き、病院にかかったところ血糖値が300を越えていていました。
GAD抗体は3.8でしたので1型の陽性でした。

それから藁にもすがる気持ちでネットで色々調べ先生のブログにたどり着きました。
もちろん先生の著書も購入しました。
これだ!と思い、スーパー糖質制限を1年8ヶ月続けています。

現在はGAD抗体は8まで上がりましたが、薬も飲んでいませんし、インシュリンフリーです。
HbA1cは5.5、空腹時の血糖値は116で移行しています。

どこまでインシュリンが温存出来るかわかりませんが、このままスーパー糖質制限を続けていこうと思っています。】



ひろさん。
拙著のご購入ありがとうございます。

米国糖尿病学会提唱のステージ2の1型糖尿病は、日本でいう緩徐進行型1型糖尿病に相当する場合もあると思います。

「HbA1c:5.5%、空腹時血糖値:116mg/dl」なら、日本糖尿病学会の「合併症予防のための目標」は充分クリアしていますので、1年8ヶ月インスリンフリーなら素晴らしいです。

早朝空腹時のインスリン値を時々測定しておくといいですね。

スーパー糖質制限食は、藁(わら)ではなくて救命ボート?
・・・いやいやクルーザーくらいのパワーと値打ちがあると思いますよ。

このまま、美味しく楽しく糖質制限食をお続けくださいね。


江部康二


【15/12/26 オハナ

娘は1型糖尿病です

先生こんばんは。
いつも興味深くブログを読んでます。
さて、娘は中学校の尿検査で1型糖尿病が判明しました。

そして、先生のブログと偶然に出会い、現在は糖質セイゲニストとして6ヶ月目を迎えました。

暖かい頃は朝の空腹時血糖値が平均的に110を下回っていましたが、寒くなった現在では110〜140の間を推移していて、暁現象がみられます。
食後1時間は140を超えることはありません。
食後2時間は110を超えることはありません。
もちろんインスリンフリーの生活をしています。

心配なのは暁現象のみです。

先生の過去のブログには、軽い運動をすると良いと書いてあったのですが、中々実践出来ていません。

ところで、この暁現象は、日中の血糖値コントロールが良でも朝の空腹時血糖値が110以上だと合併症の心配があるのでしょうか。

今、娘は受験生で学校の部活も引退し、運動をする機会は学校の体育の授業程度です。

高校進学すれば、また運動部に入部する予定のようですが、それまで何も運動しないで暁現象が起こる毎日を送ることはリスクが高いのでしょうか。

どうぞ、ご教授ください。】



オハナさん。

日本糖尿病学会の「合併症予防のための目標」は

HbA1c:7.0%未満
空腹時血糖値:130mg/dl未満
食後2時間血糖値:180mg/dl未満


です。

娘さんは、HbA1cと食後2時間血糖値は、クリアできていると思います。

早朝空腹時血糖値だけが、時に130mg/dlを超えているのですが、130mg/dl未満を目指したいところです。

暁現象の改善には、1型糖尿病には保険外となりますが、メトグルコの夕食後と眠前の内服も選択肢の一つと思います。

メトグルコ錠250mgが、10.20円
メトグルコ錠500mgが、19円

ですので、安価な藥です。

なかなか早朝空腹時血糖値が130mg/dl未満にならないときは、主治医と相談していただけば幸いです。



江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
「1型DMの新分類」学会が公表【米国糖尿病学会】
こんにちは。

米国糖尿病学会が、2015年10月8日 (木)、1型糖尿病の新分類を公表しました。

1型糖尿病をステージ1、ステージ2、ステージ3に分けるという画期的な分類です。

ステージ1:複数の膵島関連自己抗体が陽性の状態
ステージ2:ブドウ糖不耐症や高血糖状態
ステージ3:を症候性1型糖尿病


と規定するものです。

最近の研究において、ステージ1、2のほとんどがステージ3に進行することが明らかになっているそうです。

ステージ1は、自己抗体は陽性であるけれど、インスリン分泌は残存していて症状はない段階です。

ステージ2は、ブドウ糖不耐症や高血糖が出現する段階です。この時点でインスリン分泌能力は低下してきています。

ステージ3が、多飲多尿や体重減少などの症状が出る症候性の段階で、インスリン分泌能力はほとんどなくなっています。インスリン補充が必須の段階です。

ステージ1や2の段階で発見できれば、内因性インスリンがまだ残存しているので、治療的には意味が大きいのです。

しかし、米国では、1型糖尿病のほとんどが、ステージ3の段階で発見されています。

患者の3分の1は急性糖尿病性ケトアシドーシスで救急を受診した際に初めて、1型糖尿病と診断されるそうです。

日本の1型糖尿病の現状でも、小児の場合ほとんどがステージ3で初めて診断されるので、ほぼインスリン依存状態です。

ところが、日本では健康診断が浸透しているので、ステージ2の1型糖尿病がそこそこ発見されているのが現状です。

正確には、健診で糖尿病を指摘されて医療機関を受診して、念のために抗GAD抗体を調べたら陽性で、1型糖尿病ということが判明というケースです。

この場合、耐糖能は少し低下していますが、自分自身の内因性インスリンはまだ残存しています。

そしてステージ2の段階なら、血糖コントロール良好を保つことで、β細胞を休養・保護することができて、内因性インスリン分泌が長期間にわたり維持できる可能性があるのです。

実際、私が今までみてきた抗GAD抗体が陽性の1型の患者さんで、インスリンフリーの人が数名はおられます。

ステージ2の段階で、血糖コントロール良好が保たれないならば、高血糖によりβ細胞は障害されて、短期間でステージ3に陥ってしまいます。

ステージ2の段階で、血糖コントロール良好を保ちβ細胞を保護するには、スーパー糖質制限食が最適です。

スーパー糖質制限食なら薬なしで、血糖コントロール良好を保ち、無症候の状態を維持することも可能です。

内因性インスリン分泌が長期間にわたり保たれることが期待できます。

一方、糖質が多い従来の糖尿病食では、食後高血糖は必発であり、高血糖によりβ細胞は障害されていき早晩インスリン注射は不可欠となります。

インスリン注射で、血糖コントロール良好を厳格に保てなければ、その内ステージ3になっていきます。

江部康二



☆☆☆
以下、m3.com 臨床ダイジェストから、引用。

『m3.com 臨床ダイジェスト

https://www.m3.com/clinical/news/364670?portalId=mailmag&mmp=EX151223&mc.l=136342308&eml=66a125ab88e373cf62f07e138cff140d

臨床ニュース
「1型DMの新分類」学会が公表【米国糖尿病学会】
発症前段階をステージに加え、治験を容易に
米国学会短信2015年10月8日 (木)配信 一般内科疾患内分泌・代謝疾患
 米国糖尿病学会(ADA)は9月24日、1型糖尿病(T1D)のステージングに発症前ステージを導入した新たな分類を若年性糖尿病研究財団(JDRF)と共同で発表した。米国臨床内分泌学会など3団体の支持を得て、Diabetes Care誌オンライン版に掲載されている。

 新しい分類は、T1Dが症状出現前から始まり、インスリン補充が必須になる状態に進行するとの概念を取り入れ、ステージ1を複数の膵島関連自己抗体が陽性の状態、ステージ2をブドウ糖不耐症や高血糖状態、ステージ3を症候性T1Dと分類。最近の研究において、ステージ1、2のほとんどがステージ3に進行することが明らかになっている。患者によって各ステージ間の進行度は異なるが、進行リスクをそれぞれ定めることができるため、β細胞機能維持を目的とする治験が容易になる可能性があるという。

 また、現状ではT1Dは多飲多尿や体重減少などの症状が出るまで診断されることが少なく、患者の3分の1は急性糖尿病性ケトアシドーシスで救急を受診した際に初めてT1Dと診断される。今回のステージングは、こうした進行してからの診断を防ぐと期待されている。

関連リンク
JDRF and the American Diabetes Association, in Collaboration with Multiple Diabetes Organizations Publish New Classification and Staging Approach for Presymptomatic Type 1 』


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
1型糖尿人の糖尿病治療情報。
こんにちは。

劇症1型糖尿人のちくてつさんから、1型糖尿人の糖尿病治療情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。

1型糖尿人の懇親会に参加されてのご報告です。

ちくてつさんの主治医も仰っていた如く、血糖コントロールが良くない1型糖尿人がほとんどなのですね。

1型糖尿人の場合

1)糖質が血糖値に与える影響が一番大きい
2)内因性インスリンがでてないときはタンパク質もあるていど影響がある
3)脂質は血糖値に影響を与えない

といった基本情報を知識として持っていなければ、糖質制限食に思い至ることもありません。

従来の糖尿病食(高糖質食)で、カーボカウントさえもせずにインスリン注射の単位を決めているとすれば、血糖値の乱高下や低血糖も頻発ですし、当然「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを生じ、合併症発症も予防困難です。

1型糖尿人に対して

1)2)3)の基本知識と「従来の糖尿病食」以外に「カーボカウント」や「糖質制限食」といった選択肢もあるということを、糖尿人に教えるのは、医師の仕事と思います。

しかし、ちくてつさんもご指摘のように、これらの知識を得て、自分自身で考えて選択して、食事療法やインスリン注射に関して自己責任で自己管理をしていくのは、糖尿人自身がやらなくてはいけないお仕事です。

「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲むかどうかは馬次第である」

馬を例に出してすいませんが、アドラーはこのように述べています。

医師の仕事と患者さんの仕事と峻別できるということと思います。


江部康二


【15/07/04 ちくてつです

1型糖尿人の食生活に驚き!

昨年11月はじめ、劇症1型糖尿病を発症し、血糖値1800mg/dlをはるかに超える状態から、生還しました。

それまで、糖尿病の「と」の字も意識したことはありませんでした。

が、インスリンが出ないために、一生インスリンを打たなければならない重篤な病気だと知って、生き延びるための努力を始めました。
幸いに江部先生の著書に出会い、血糖値を正常人並にすれば、合併症は起きないし、健康に、元気に「暮らせそうだ」と納得しました。

そして、自分の体で人体実験を始めて7か月。
主治医も、ナースもいい人ばかりです。
1型糖尿人の懇親会を年に2度、開いていると聞いていました。
そして、誘われて、今日、参加しました。

5つのサークルにわかれて、情報交換しました。
私はインスリンポンプの使用者&使用希望者のサークル。
使用者は、私も含めて4人。
ポンプの針をお尻に置いている私以外の人は、トラブルに悩んでおられるようでした。
というか、「トラブル、ふつうに、あります」という感じです。
 
それ以前に、血糖値がコントロールできないことが当たり前のようでした。
皆さん、口を揃えて「血糖値のコントロールがむずかしい」と言われていました。

つまり、糖質制限をされていないのです。

インスリンの注入によって、食欲が増進し、美味しいものをどんどん食べているとか!

また、それらを食べるために、インスリンを多目に注入し、多目ですから誤差が大きくて、低血糖になったりしているとか!

血糖値20くらいになって失神し、

「気分よく目覚めたら、病院でした。あのまま死んだら幸せだったです。その日の食事は完食しました」

こんな風に、隣の74歳の1型糖尿人の先輩が話されていました。

1型糖尿人は、血糖のコントロールが難しいです。
でも、私は注射よりインスリンポンプのほうがコントロールしやすいと体験からわかりました。
コントロールしやすいという意味は、バーンスタイン先生のような「超厳格な糖質制限食」でなくていい、という意味です。

バーンスタイン先生は1型糖尿人であり、HbA1c4.5くらいの、平均血糖値85mg/dlのレベルに長年自分を保ち、患者さんたちにもそれを求めておられます。

私にはできません。

が、インスリンポンプを使えば、トラブルがなくなって1か月半で、HgA1c5.7以下が維持できると確信できるようになりましたから、そのうちに5.0を達成できると思います。

それも、毎日、糖質ゼロビールや焼酎、つまみをいただいたり、その他の好きなものをいただいたりし、ストレスのないかたちの糖質制限でです。

私ができているのに、今日、はじめて1型糖尿人の方々に会って、「血糖値が下がらない」、「コントロールできない」という話を聞いて不思議に思いました。

なぜ、下がらないのでしょうか?
なぜ、下げようしないのでしょうか?

つまりは、「下げようとされていない」これが真実のようでした。

それに300mg/dl超えでも全然、体に支障はでませんから、慣れてしまうようでした。

ところで、アドラー心理学では、たとえば、喫茶店でウエイトレスが、お客さんである「あなたに水をかけた」直後、あなたがウエイトレスに激怒した、という事例が紹介されています。

アドラーさんは、「あなたはウエイトレスに怒りをぶつけたくて全力でそうしている」
こう説明します。

そして、怒りをぶつけるのは、「怒りたいというあなたの欲求に全力で応えているということだ」と言うのです。
あなたのなかに怒りのマグマが溜まっていて、それを爆発されるきっかけを待っている、という説明です。
あなたは、全力で、怒りたくて怒っている。

これ、わかります。
私もそうでしたから。
気分障害に悩んでいました。
それはそれはひどく、人を傷つけました。
人をひどく傷つけ、自分はひどく落ち込みました。
それがどうやら、血糖値の乱高下せいだとわかり、コントロールができるようになってはじめて、「ジキル博士とハイド氏」の状態から脱却できました。

いまは、レストランでも、「いいんですよ。全然平気。気にしないで」とウエイトレスに言います。
怒るなんで考えられません。
そして最近、懇意のパブで、顔なじみの女性店員が「お客さん、怒ったこと、あるんですか?」と真顔で聞いてくれました。
「ありません」と答えながら、かつての自分を思い出しました。

この事例を、つまり、アドラー心理学を、今日の1型の皆さんの「血糖値がコントロールできない」という状況に当てはめましょう。

隣の74歳の男性が、「4回も低血糖で入院しました」と言われていました。
後で考えると、自慢のようでした。
「私は特別なんだ」と聞こえました。

かくいう私も、劇症1型糖尿病を発症し、血糖値1800mg/dlを超えました、と言って自慢しています。もしも自慢に聞こえるようでしたら、愚かです。
「ちくてつさん、愚かですね」と言ってください。
「その通りです」と答えます。

しかし、ほとんど死にかけていたところから生還し、それでも正常人なみの血糖値を維持したいと努力しているというスタンスなら、「頑張っている」と評価されるでしょうね。

話がそれました。

そこで、隣の男性に話しかけました。
好物がカツだと耳に入ったので、
「トンカツの衣をはがすと、血糖値を抑えられますよ」
その返事は、
「衣が美味しからトンカツを食べるんでしょ」
 
まさしく、その通りです。

「血糖値のコントロールができない」と嘆く、1型糖尿人&インスリンポンプ人に同情するのは、無駄であり、意味のないことだとわかりました。

求められていないのにするアドバイスは、「小さな親切、大きなお世話」だともわかりました。

しかし、糖尿病の真実とは、「血糖値はコントロールできる」です。
ところが、「血糖値をコントロールできない人は、全力でコントロールしないようにしている」のです。

トンカツの衣、美味しいですよね。
神田「まつや」のもりそば、かき揚げ天丼、超オイシイですよね。
キッチン南海のカツカレー、極うまっです。
築地のお寿司屋さんの寿司も、本当に美味しいですね。
それに、日本酒、地酒の数々。
数え上げればキリがないです。

血糖値をコントロールするためには、これらを捨てざるをえません。
私がいちばんさいしょに捨てたのは、43年間、毎日1箱以上吸ってきたタバコでした。
私のいちばんの好物でした。
が、江部先生の「血管を傷つける」という説明で納得し、捨てました。
以来、一度も吸いたくなく、夢でも吸っていません。
糖尿人の喫煙は大きなリスクです。

そして、問題のある患者のケアをするのは主治医の課題=仕事です。

血糖値のコントロールができないと嘆く人のケアも、主治医の課題ですが、本人が全力で血糖値を上げようとしているので、「馬の耳に念仏」のようです。

「1型糖尿国」は命懸けの世界ですから、私にとっては、人間観察の最前線であり、興味津々の世界です。 】



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
1型糖尿人の血糖コントロール改善報告
【15/07/01 ちくてつ

1型糖尿人の血糖コントロール改善報告です

 江部先生、ありがとうございます。
 おかげさまで、糖質制限食によって、血糖のコントロールが上手にできるようになってきました。
 インスリンの量も減ってきました。
 この調子で、やってゆきたいと思います。

 最近の血糖コントロールの調子は口中の感覚でわかります。
 目覚めた時に、口中の感覚が「正常人」のそれに近づいています。それまでは乾いていたり、ざらついていたり、若干の違和感がありました。

 もうひとつは気分の落ち着きです。血糖の乱高下は、気分障害を引き起こします。「ジキル博士とハイド氏」のようになります。
 低血糖は感情を爆発させることも知られます。
 このような症状はまったく出ていないので、血糖のコントロールが大事だとわかります。

 そして、血糖のコントロールがなかなか難しいと言われる1型の方にお伝えしたいのは、毎日4、5回血糖値を測り、血糖log=記録をつけましょう、ということです。
 その記録を読み返し、「ここはもう少しインスリンを入れほうが良かった」とか、「ここではインスリンが多かった」とか、記入します。
 ◎◎◎◎という料理をいただくと、血糖値が食後1時間で◎◎◎mg/dl上がった、このような事例が積み重なり、血糖のコントロールが上手にできるようになります。

 私の記録です、ご参考まで。
【血糖値log】 mg/dl
      朝イチ   昼前  午後3時頃 夕方   就寝前
6月26日 103  102  149   120  130
     (ベーサル7.5+ボーラス8.0=合計15.5単位)
6月27日 123   71  106    92  151  
     (ベーサル7.5+ボーラス6.8=合計14.3単位)  
6月28日 102  108        122  134
     (ベーサル7.5+ボーラス6.5=合計14.0単位)
6月29日 118  136   65   128  166
     (ベーサル7.5+ボーラス9.5=合計17.0単位)
6月30日  72  138   99   126   84
     (ベーサル7.5+ボーラス5.0=合計12.5単位)
 主治医の定めてくれたインスリン量は1日20単位ですから、7〜8割くらいに減らせました。
 
 これと対照的なのが、インスリンポンプが不調だったころです。
5月19日 290  292  186   145  194
    (ベーサル7.5+ボーラス12.5=合計20.0単位)

 心配な数値が並んでいました。
 でも、いま、コントロールできるようになりました。
 1型の方の励みになれば、うれしいです。】


こんにちは。

劇症1型糖尿人のちくてつさんから
「1型糖尿人の血糖コントロール改善報告」
をコメントいただきました。

いつも貴重な体験報告をありがとうございます。
とても参考になります。

ちくてつさんは1型ですが、HbA1cが5.7%くらいで、
      朝イチ  昼前  午後3時頃  夕方    就寝前
6月26日 103  102  149   120  130mg/dl
など血糖変動幅も大変少ないですし、食後高血糖もありません。

「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクがないので、合併症発症も予防できます。
今の血糖コントロールなら、健常人と変わりませんね。

糖質制限食とインスリンポンプの併用ということで、これだけの素晴らしい成果がでているのだと思います。


 【もうひとつは気分の落ち着きです。血糖の乱高下は、気分障害を引き起こします。
「ジキル博士とハイド氏」のようになります。
 低血糖は感情を爆発させることも知られます。
 このような症状はまったく出ていないので、
血糖のコントロールが大事だとわかります。】


そうですね。

血糖値の乱高下がかなり心理的な不安定さを起こします。

血糖値が急上昇すると、ぼーっとしたり眠たくなったりします。

同様に血糖値が急下降しても同様の症状が出ます。

低血糖では、イライラしたり怒りやすくなったり不安になったりと、心理的な症状が出ますし、易疲労感、気力低下、集中力低下、物忘れ、頭痛、めまい、発汗、震え、心悸亢進などがでることもあります。

血糖コントロールがよくなり、心理的に安定するということは、他者との交流など生活の質(QOL)を保つ上では、非常に大きな意味があります。

これからも美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続けくださいね。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
1型糖尿病とインスリンポンプ、糖質制限食と血糖コントロール
おはようございます。

劇症1型糖尿病のちくてつさんから、インスリンポンプと糖質制限食と血糖コントロールについて、詳細なコメントをいただきました。
貴重な体験報告をありがとうございます。
おおいに、参考になります。

人のインスリン分泌には、2種類あります。
1)基礎分泌インスリン(Basal insulin、 ベーサル インスリン)
2)追加分泌インスリン(Bolus insulin、 ボーラス インスリン)

基礎分泌インスリンは、24時間少量出続けているインスリンです。
追加分泌インスリンは、食事の時に分泌されるインスリンです。
追加分泌インスリンは、糖質摂取時に大量にでて、脂質摂取時はでません。

1型糖尿病で自分のインスリン分泌がない場合は、ベーサルインスリンとボーラスインスリンを、注射する必要があります。

このインスリン治療法が、基礎・追加インスリン療法(Basal-Bolus療法)と呼ばれています。


A)基礎・追加インスリン療法(Basal-Bolus療法)
トレシーバやランタスを、1日に1回注射して、ベーサル インスリンの代わりとし、朝・昼・夕の食事前に、超速効型インスリン(ヒューマログミリオペン、ノボラピッド、アピドラ)を一日3回注射して、ボーラス インスリンの代わりとします。

B)インスリンポンプ
「インスリンポンプ療法」(CSII)は、携帯型インスリン注入ポンプを用いて、インスリンを皮下に持続的に注入する治療法です。

ちくてつさんは、主治医とよく相談されて、メリット・デメリットもしっかり把握したうえで、インスリンポンプを使用しておられます。

江部康二



【15/06/27 ちくてつです
ラスさま、良かったら参考にしてください
 らすおやじさま、1型の先輩ですね。
 15年、長い年月ですね。
 しかし、糖質制限によって、「糖尿国」に希望の光を灯していただきたいですね。
 私もそう思って努力しています。
 1型糖尿病の方は、インスリンがでませんから、1921年にインスリンが発明されるまでは「死病」でした。
 インスリンもイーライリリーの良い製品が発明されて、副作用のない、50年以上打ち続けても生きられる人が多くなりました。
 
 でも、いちばん大事なことは血糖値のコントロールです。
 私の7か月の体験から、バーンスタイン先生が5.0くらいでコントロールされている、それで80歳になられているということは信じられませんでした。
 そもそも、「血糖値はコントロールできない」と、ほぼすべての医者が考えていたのに、技術者のバーンスタイン先生は、科学的思考で、「できる」と思いつき、実践し、実現されました。その方法を、1型の患者さんに教えています。
 
 ひけつは何でしょうか?

 1も2も3も4も5も、糖質制限に尽きます。
 糖質制限以外に、血糖をコントロールすることはできません。

 しかし、ラスおやじさんのように、血糖値のコントロールが難しい人が大勢います。
 
 私のコントロール方法が参考になりましたら、幸いです。できるだけわかりやすく紹介します。

 まず、劇症1型で意識不明となり大学病院へ運ばれ、死にかけました。その時、うちの奥ちゃんは「ダメかもしれない」と覚悟したそうです。そう実の姉、姉の夫に話しました。
 ところが、幸運にも生還。
 入院した直後に、本当に幸運にも、大学病院のローソンの本棚で「糖質オフ健康法」を発見し、その日から始めました。
 朝食のパンは8分の1くらい、ご飯も4分の1とかにしました。
 ナースは「どれくらい食べました?」と聞いてきます。
 周りの糖尿病患者たちは、「完食しました」と元気よく答えていましたが、血糖値は200超え、300超えでした。
 私も200超えが長く続きました。
 そして、退院してもいいと許され、「あなたならインスリポンプを使えるでしょう」と、習熟訓練を数日間した後で、インスリンポンプ生活の退院になりました。

 インスリンの量は、私は当時、体重60〜61キロでした。
 主治医が定めてくれた基礎インスリンの量は毎時0.35単位の24時間分ですから、8.4単位です。
 現在は、多少いじって、暁現象に対処するために、7.5単位にしています。
 インスリンポンプに使うインスリンはリスプロ(速攻型)のヒューマログというインスリンです。
 基礎インスリンは、毎時、0.35とかが入るようになっているので、「注射よりはるかに楽で、コントロールが容易です」
 ボーサルという注入は、食事の前に行います。
 たとえば、私は毎朝、奥ちゃんが用意してくれる「野菜サラダ」(各種の野菜とココナッツオイル、納豆など)を1皿、それに味噌汁をいただきます。
 たまぁに、パンを頂く時は、江部先生監修の糖質制限パンを1切れバターをつけていただきます。
 奥ちゃんも付き合ってくれていますが、この糖質制限パンと糖質制限食のおかげで10キロ減量し、理想体重に近づいています。スタイルが良くなった、若返ったとほめられるので、私の糖質制限にしっかり協力してくれています。

 ボーサルの量は、その時で違います。

 コントロールが容易だと、ボーサル量も本当に容易で、「血糖の予測」ができるのです。
 
 朝イチの血糖値を測り、ボーサルのインスリン投入量を計算し、昼前の血糖値を測定すると、予定した範囲内に収まっている。
 1型糖尿人には、想像できないコントールかもしれませんが、「できます」。

 そのためには、
 1)朝食のメニューを固定する。
 2)昼食もできるだけ固定する。私は野菜スープですが、週に何度か浮気します。ハンバーグ定食(ごはんはいただきません)、モスバーガーのハンバーグをレタスで挟んだもの+コーンスープ。
 コーンスープはほんとうはNG食品ですが、モスバーガーのコーンスープは炭水化物18グラム相当で、私の血糖値を80〜90mg/dlもあげますが、その分2単位のインスリンを入れて、相殺します。
 コーンスープの美味しさに、糖質制限を緩めているわけです^^;
 
 では具体的に、1型糖尿人のインスリン投入量を算定する方法を紹介します。

 私の6月26日の0640時の血糖値は103mg/dlでした。
 これに対し、いつもの決まった朝食をいただきますから、午前中の自然な血糖値の上昇も加味し、また午前中には毎時0.3単位がポンプかた供給されていることも考慮し、インスリン1.5単位を朝食前に入れました。
 昼前の1044時の血糖値は102mg/dlでした。
 きちんとコントールできています。
 インスリン投入量を決定する方法は、
1)食前の血糖値を測定する
2)食後2時間の血糖値を測定する
 試行錯誤でしか、わかりません。
 ですから、朝食は毎日、同じものをいただく必要があるのです。
 
 食前の測定、食後の測定。
 これを繰り返すことによって、「何をどう食べれば、血糖値がどうなるのか?」、体験的にわかってきます。
 そして、「これはちょっと控えよう」と量を減らせるので、血糖値のコントロールができやすいのです。

 私の場合、バターピーナッツは大好物ですから、血糖値があがるとわかってもやめられません。が、量や食べる時間帯、食べ方を工夫し、「血糖値が跳ねない」ようにしました。
 まだまだコントロールが難しく、試行錯誤の状況ですが、インスリンポンプを使い、こんな具合のコントロール状況です。
          基礎インスリン  ボーサル   合計       血糖値の合計÷回数
 6月23日    7.5単位   5.2単位   12.7単位  126mg/dl
 6月24日    7.5単位   6.5単位   14.0単位  111同
 6月25日    7.5単位   9.5単位   17.0単位  129同
 6月26日    7.5単位   8.0単位   15.0単位  120同

 かなり良好なコントールができるようになりました。目標はHbA1c5.0前後です。
 低血糖を起こさず、この状態を維持することが課題です。
 その一方で、できるだけ工夫して、コーンスープ、お寿司(親指大のものを懇意な板前さんに握ってもらっています)、天ぷら(衣は剥がします)、糖質制限パン、糖質制限チョコ、同シュークリム、同ケーキなども、たまぁにいただいています。
 そして毎日、焼酎、糖質ゼロ&プリン体ゼロのビールや、赤ワインもいただいています。
 つまり、食べることにストレスなく、血糖値をコントロールしたいと願い、工夫を重ねてきたわけです。

 結論です。
 ラスおやじさん、
 1)糖質制限は絶対です。
 でも、私たちおやじには料理その他で、難しいです。
 どうしても、家族の協力が必要です。
 糖尿病は私たちの課題ですから、家族に料理その他で協力してもらうには、「私は糖尿病合併症になりたくない。失明したくない、下肢切断したくない、血液透析したくない」と詳しく説明しましょう。
 とくに糖尿病由来の血液透析は、5年生存率が50%。2人に1人が死ぬ、死のロシアンルーレットになってしまうということを家族に説明しましょう。
 「そして、どうか、私のために協力してほしい」とお願いします。
 家族の協力なしに、糖質制限はできません。
 男性は無理です。

 2)血糖の測定が絶対に必要です。
 私は毎日4,5回、指に針を刺して測定しています。
 「痛いですか?」と聞かれます。
 もちろん、「痛いです」
 が、この痛みは「生き延びるための痛み」だと思えばどうということはなく、耐えられます。
 測定の工夫も大事ですね。
 測定する指を、血糖値ログに記入しておきます。
 6月27日でしたら、
 朝イチ1a  昼前1b 午後2a 夕食前2b 就寝前3c
 1は親指、aは手前で、bは向こう側です。指の両面に、a、bと記号をつけておけば順番に針を打つことができます。

 以上ですが、1型糖尿人21万人の方の参考になることを、私は希望します。】
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット