糖質ゼロ、カロリーゼロ

おはようございます。

昨朝、虫の音と気温が合わないと愚痴をこぼしてましたが、昨夜から急に涼しくなりました。
いよいよ秋到来ですね。

いったん涼しくなって、また急に夏の暑さが戻っていたので、体調を崩した人もおられましたが、これで一安心です。 (^_^)

さて今回はでぃあべーちゃさんから、糖質ゼロ、カロリーゼロの商品に関して、コメント・質問をいただきました。

『08/09/01 でぃあべーちゃ
世間の糖質ゼロは???
ウチの相方は、糖質ゼロを謳っている製品でも 血糖値があがります。
完全糖質制限食実行中ですので、 直近数ヶ月の最高値になったりします(つまり150ぐらい)
血糖値が150をマークしたときに食べたものは 夕食前にロッテ、ゼロチョコ1本
この直後夕食前の血糖値とってみたら150超え。

昨日は低カロリーアイス、コーヒースプーン3口で151

どうもアスパルテーム系がむしろ砂糖以上に
反応するような感触です。

もともとアスパルテームは血糖値に影響することは知ってましたのでまあ少しなら、と控えめにしてたんですがね。それでも砂糖の1/2ぐらいだろうと 踏んでたんですが、どうも実測値は違ってます。

それ以上に、アスパルテームをとると どうも体調が崩れているような。。。
本当はもっとデータを取りたいところです。
糖質ゼロを謳っていて、甘味料にアスパルテームが使われているものが結構あるので、相当用心深くなっています。』



でぃあべーちゃあさん、お久しぶりですね。コメントありがとうございます。

甘味料には、大きく分けて『天然甘味料』と『人工甘味料』があります。天然甘味料には、ショ糖、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖、などがあります。天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のことです。 人工甘味料は、合成甘味料と糖アルコールに分類されます。

合成甘味料は、人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)です。砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴があります。狭義の意味の人工甘味料は、合成甘味料と同義で使われることがあります。

FDA(米国食料医薬品庁)が食品への使用を許可している合成甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースの4種です。これらの合成甘味料は、「フリーフード」と呼ばれ、米国心臓病協会や米国糖尿病協会も肯定的ではあります。摂取総量規制はありますが、ゼロカロリーで血糖値は上昇させません。

かの糖質ゼロ食の求道者・釜池師匠も、パルスイート(エリスリトール+アスパルテーム)はOK食品としておられます。

カロリーゼロということは、100mlあたり5kcal未満なので血糖値もほとんど上昇させません。

また糖質ゼロ表示なら、栄養表示基準に基づき「100ml中糖質0.5g未満を、糖質0(ゼロ)で表示してOK」です。

例えば糖質ゼロ発泡酒は、カロリーはありますが、糖質は100ml中0.5g未満です。Asahiスタイルフリーなら糖質ゼロで、カロリーは350mlで24kcalです。

もし、100ml中に、0.4g糖質が含まれていても糖質ゼロ表示OKですから、1リットル飲んだら、4gの糖質摂取になりますね。

それから甘味料ですが、エリスリトール以外の糖アルコール(マルチトール、キシリトール、ソルビトールなど)は血糖値を砂糖の半分くらい上昇させます。

ロッテゼロ<マイルド>というチョコレートも、砂糖と乳糖は使用していませんが、甘味料としてキシリトールが含まれています。キシリトールは難消化性ですが、一部分解消化され血糖値を上昇させます。(=_=;) 

低カロリーアイスは、カロリーもありますし、糖質も含まれているので血糖値が上昇すると思います。低カロリーという表現は、栄養表示基準の規制外なので、かなりいいかげんといえます。σ(=_=;)ヾ

糖質ゼロ、カロリーゼロ、低糖、カロリー控えめもそれぞれ基準が違います。
やや、面倒くさいですが、でぃあべーちゃさんラベルをよく確認してくださいね。


健康増進法に基づく基準は下記のごとしです。

☆☆☆栄養表示基準 (飲料100mlあたり)

   ◎ 飲料100mlあたりのカロリーが5kcal未満なら、
    ⇒「ノンカロリー」「カロリーゼロ」

   ◎ 飲料100mlあたり20kcal以下なら、
    ⇒「カロリー控えめ」「カロリーオフ」と表示できます。

   ◎ 飲料100mlあたりの糖類が0.5g未満なら、
    ⇒「無糖」「ノンシュガー」「シュガーレス」「糖分ダイエット」

   ◎ 飲料100mlあたりの糖類が2.5g以下なら、
    ⇒「低糖」「糖分控えめ」と表示できます。


江部康二

テーマ: 糖質制限食 -  ジャンル: ヘルス・ダイエット
by ドクター江部  at 08:40 |  甘味料 |  comment (2)  |  trackback (0)  |  page top ↑

羅漢果について

おはようございます。

今回は、moto さん、mokomoko さんから、羅漢果について、コメント・質問をいただきました。
釜池豊秋先生の「糖質ゼロの食事術」に<羅漢果は使用しないように>との記載があるのでそれに関する質問です。

羅漢果について
はじめまして
先生の「糖質制限食」関連の本は春・夏レシピを含めて拝読させていただき、実践しております。
一年前の健康診断での糖尿人デビュー時にはヘモグロビンA1c=8.30でしたが、2月には5.60となりました。
わたしもお酒が好きで、週1〜2日の休肝日を除いて毎日規則正しくキチンと呑んでおります。(^_^;)

さて「羅漢果」について教えていただきたいのですが、先生の本やサイトではラカントSを推奨されており、わたしも利用しております。
ラカントSを使い、久しぶりに食べたスキヤキは美味しかった。(スキヤキが久しぶりなのは糖尿人であることが理由ではなく、経済的な事情の方が大きいような(笑))

先日、釜池豊秋医師の「糖質ゼロの食事術」を読みました。
これを実践するのは個人的には無理だなとの思いと同時に、生化学の知識に乏しいわたしなどにも難しすぎない程度に生理メカニズムが解説してあり参考になると感じる内容でした。

この本では「パルスイート・カロリー0」が推奨されており、「羅漢果(商品名ではなく)」は間違っても使わないようにしましょうとの記述がありました。
その理由については一切触れられていないので、なぜそう書かれているのか理由がわかりませんでした。
ネットを検索をすると、「ラカントS」ではない「羅漢果」製品が数多くありますので、何を指して「間違っても使わないように」とおっしゃっているのか明確ではありませんが、何を理由にそうおっしゃっているのか推測できますでしょうか。
また「ラカントS」は今まで通り使い続けても安全でしょうか。』
2008/04/06(日) 17:28:10 | URL | moto


『わたしもです。
再びmokomokoです。
釜池先生の本拝読しました。 わたしのその文面にちょっと@@でした。
また 同じようにラカント、焼酎、醤油ですき焼きを何回も頂いています。家族はなんにも 気づきません。エンゲル係数がその日だけびょ〜んと上がるだけです。 先日は豆乳プリンなども・・・・ラカント無しの生活は?です。 ラカントめっちゃ買いだめしてるんですが・・・・
2008/04/06(日) 20:05:42 | URL | mokomoko 』



moto さん。 私の本のご購入ありがとうございます。
一年前の健康診断での糖尿人デビュー時にはヘモグロビンA1c=8.30でしたが、2月には5.60」HbA1c5.8%以下は正常ですから素晴らしい改善ですね。おめでとうございます。 (^-^)w

mokomoko さんもいつもコメントありがとうございます。mokomokoさんは、コントロール極めて良好で、いまや糖尿人脱却ですよね。

お二人とも、釜池先生の「糖質ゼロの食事術」に、羅漢果がよくないと記載してあるのをごらんになって戸惑っておられるのですね。

実は、私も一瞬戸惑いましたので、よくよく読み直してみました。

確かに「糖質ゼロの食事術」の227ページに甘味料として「パルスイート・カロリー0」がお勧めで
オリゴ糖や羅漢果は使わないようにと書いてありました。

パルスイートは、糖アルコールであるエリスリトールが主成分で、少量の人工甘味料アスパルテームとアセスルファムKが混ぜてあり、カロリーゼロで血糖値も全く上昇させません。

ラカントSもエリスリトールが主成分で、ごく少量の羅漢果エキスが含まれていますが、基本的にカロリーゼロで血糖値上昇もゼロです。

「パルスイート・カロリー0」も「ラカントS」も厚生労働大臣に許可された特別用途食品(*)かつ特定保健用食品(**)です。

オリゴ糖は、天然の動植物中にもともと含まれていてスクロース、ラクトース、トレハロース、マルトースなどがあり、いずれも血糖値を上昇させます。

明治製菓で発売さているフラクトオリゴ糖は、ヒトの消化管では吸収されにくく、そのまま大腸まで到達し、一部醗酵され酢酸などになり吸収され、部分的にエネルギーとなります。約1.3kcal/gであり、通常の糖質が4kcal/gであるのに比べれば低カロリーですが、ゼロではありません。

さて、いよいよ羅漢果です。

羅漢果は、中国広東省、広西チアン族自治区の高冷地に栽培されるウリ科の多年生草本です。中国の一部の地域でしか生育していない貴重な植物で、その果実は、砂糖の約300倍の甘さがあります。甘味が強いので、中国では古くから乾燥させて料理の調味料、甘味飲料の原料として使っていました。

近年の研究で、羅漢果の甘味成分はMongroside Vなどのククルビタン型トリテルペン配糖体であることがわかりました。トリテルペン配糖体は、小腸で吸収されることなく大腸まで達するため、食物繊維の一つに分類されます。従って血糖値を上昇させませんし、吸収されるカロリーはほぼゼロと考えてよいようです。

羅漢果の甘味成分には、トリテルペン配糖体以外にもほんの少量の果糖が加わっているそうです。果糖分のカロリーは吸収されますがごく少量と考えてよいでしょう。

通常販売している「羅漢果顆粒」は顆粒状にして使い勝手を良くするために甜菜糖が約2%含まれています。甜菜糖は勿論吸収されて血糖値を上昇させます。

釜池師匠は求道者的に糖質ゼロを目指しておられるので、極微量の果糖とごく少量の甜菜糖でも、うわにわざわざ摂取する必要はないという厳しい見解なのだと愚考します。

まあ、白菜や菜っぱにも天然のショ糖が少量は含まれていますので、羅漢果顆粒を甘味料として少量使う程度は一般市民の糖質制限食実践者なら、血糖値上昇に関しては許容範囲とは思いますが・・・。

一方、ラカントSや「パルスイート・カロリー0」なら、血糖値上昇ゼロであることは確かです。


特別用途食品
特別用途食品とは、エネルギー制限を必要とする糖尿病の人のためにカロリーを抑えた食品や、腎臓疾患の人のためにたんぱく質を低減させた食品など、特別の用途に適するという表示を厚生労働大臣が許可した食品をいう。

**
特定保健用食品
国が食品に健康表示(健康への効用をしめす表現)を許可する制度で、平成3年に発足。厚生労働省から、生活習慣の改善に役立つと認められた食品で、「保健の用途・効果」を具体的に表示することが許可されている。


江部康二
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by ドクター江部  at 09:01 |  甘味料 |  comment (2)  |  trackback (1)  |  page top ↑

ゼロカロリー飲料と血糖値

おはようございます。京都は、昨日朝から雨が連続的に降り続いています。

「春雨じゃ、濡れていこう」

という雰囲気ではなくて結構たっぷり降ってます。

さて今回は、みやびさんからゼロカロリー飲料について質問いただきました。


『ゼロカロリー飲料について
こんばんゎ
2型病歴1年、インスリン治療をしている みやびといいます。先生のブログ、いつも楽しく拝見させていただいています。『主食を抜けば糖尿病は良くなる 糖質制限食のすすめ』『実践編』両方とも読ませていただきました。とてもわかりやすく、しばらく読書離れしていた私でも、サクッと読めました♪先月半ばあたりから、主治医には内緒で自分流ではありますが糖質制限しています。ヘモ値がどれくらい変化しているか、まだわからないですが、日々の値はかなり落ち着いてきて いぃ感じです。次の外来が楽しみです。

私が発病したきっかけは、実践編にもかかれてあった 若者に急増中の『ペットボトル症候群』です。発病前は一食に1.5リットルの炭酸飲料を飲み干すほどでした。今考えれば、病気としかいいようがない飲みっぷりでした(笑)

発病をきっかけに、大好きなビールは一滴も飲まなくて平気になったのに、やはり あの炭酸のスカッとさ(笑)が忘れられません。最近暖かくなってきたので余計に飲みたくなります。今 ペプシネックスとかコカ・コーラゼロといった ゼロカロリー飲料が出ていますが、先生はどう思われますか?飲んだことがありますか?表示を見ると、カロリー・炭水化物ともにゼロなんですけど。

記事とは異なる内容ですみません。
2008/03/13(木) 19:59:13 | URL | みやび』


みやびさん。本のご購入、コメント・質問ありがとうございます。本の内容、解りやすかったとのこと嬉しいですね。(^o^)v

HbA1cきっと良くなっていて、主治医と相談されてインスリンも減量できると思いますよ。SMBGしておられると思いますが低血糖に注意してくださいね。

ご質問の件ですが、ペプシネックスとかコカ・コーラゼロといったゼロカロリー飲料に関しては、カロリー、糖質共にゼロなら血糖値を上昇させることはありません。

ペプシネックスは、<レモン果汁、酸味料、カラメル色素、香料、甘味料(アスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム)、保存料(安息香酸Na)、カフェイン>が含まれていて、甘味料は<アスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物、アセスルファムカリウム>ですね。

コカ・コーラゼロは、<カラメル色素、酸味料、甘味料(アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース)、香料、保存料(安息香酸Na)、カフェイン >が含まれていて、
甘味料は、<アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース>ですね。

アスパルテームは、FDA(米国食料医薬品庁)により人工甘味料として1981年に使用が許可されています。現在、製法特許は味の素が持っており、国内ではアスパルテームを使った食卓用甘味料がPAL SWEETとして販売されています。

アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンという2つの天然アミノ酸が結合したものです。体内に吸収されると速やかに二つのアミノ酸とごく微量のメタノールに分解されます。欠点は、添加物として比較的不安定であることです。

メタノール(メチルアルコール)は、大量だと失明を起こすなど毒性が強いですが、本来ひと、動物、植物に天然に存在するもので血液中の常成分です。

現在、FDA(米国食料医薬品庁)が食品への使用を許可している人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースの4種です。これらの人工甘味料は「フリーフード」と呼ばれ、米国心臓病協会や米国糖尿病協会も肯定的ではあります。

カロリーはないのでダイエットにはよいし、血糖値を上昇させないという意味では糖尿病にもOKですが、一日摂取許容量が決められているので、合成甘味料をわざわざ大量に摂取する必要もないと思います。

アセスルファムカリウムは、アスパルテームと違って酸性・高温条件でも変化しにくいので、炭酸飲料のほかクッキーなどの焼き菓子にも利用できます。

欧米では、近年アスパルテーム・アセスルファムカリウム混合甘味料がダイエットコーラの主流となっているようです。2005年には、スクラロースを使用したダイエットコーラも登場しました。スクラロースは水に溶けやすく、酸や熱にも安定しています。

みやびさんも、血糖値を上げないからといって、「ペットボトル症候群」のように大量に飲めば、一日許容量をオーバーしますのでご用心、ご用心。

それから、ビールはだめですが、糖質ゼロの発泡酒がアサヒ、キリン、サントリーから発売されていますので、ビールの代わりに試してみてくださいね。私も糖質ゼロの発泡酒飲んでますよ。

江部康二

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by ドクター江部  at 10:17 |  甘味料 |  comment (5)  |  trackback (0)  |  page top ↑

キシリトールなど糖アルコールと血糖値

再びこんにちは。

甘味料は、糖尿人やダイエットを目指す人において、とても関心が高いものです。今回、FUMIO OTSUKIさんから、甘味料の一種の糖アルコールに関する質問があったのでお答えします。

「■キシリトールなどについて
江部先生へ
キシリトールいりのガムにつきまして以前一日2から3個食べていたぐらいですが、ヘモグロビンA1Cが上昇してしまいました。それ以来食べないようにしていたのですが、今回歯科医の処方で口臭予防などの目的でエリスリトール、キシリトール、マルチトールなどが入っているガムやうがい剤をもらい使っていましたところ、約1ケ月でヘモグロビンA1Cが0.3ポイント上昇してしまいました。ほかに原因が考えられないので、エリスルトールでも血糖値が上昇する体質なのか、ほかのうがい剤やデンタルタブレットなどに入っているキシリトール、マルチトールが影響したのかどちらでしょうか
FUMIO OTSUKI | 2007.11.05(月) 16:10 | 」


FUMIO OTSUKIさん、コメント・質問ありがとうございます。

甘味料には、大きく分けて『天然甘味料』と『人工甘味料』があります。天然甘味料には、ショ糖、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖、などがあります。天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のことです。

人工甘味料は、合成甘味料と糖アルコールに分類されます。
合成甘味料は人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)です。砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴があります。狭義の意味の人工甘味料は合成甘味料と同義で使われることがあります。

米国食料医薬品庁で認められているのはサッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースの4種です。

この4種はカロリーはなく、血糖値も上昇させませんが、一日摂取許容量が決められています。

糖アルコール には、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。

キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれていますが、商品としては人工的に作っています。

マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料として人工的に合成しています。

糖アルコールは糖類に水素を付加したもので、人工的に作っていますが、いわゆる合成甘味料には分類されません。糖アルコールの安全性は確立しています。

肝腎の血糖値を上昇させるか否かですが、エリスリトール以外の糖アルコールは、砂糖の約半分程度血糖値を上昇させます。

よく、「糖アルコールは血糖値を上昇させない」との記載がみられますが間違いです。

また、エリスリトール以外の糖アルコールは、難消化性で吸収されにくいのが特徴です。吸収されにくい分腸内に残っているので、大量に摂取すれば下痢を起こしやすいです。
 
エリスリトールは、糖アルコールの中で例外的に体内に9割以上吸収されますが、全く代謝されずにそのまま尿中に排泄されます。ですから厚生労働省お墨付きのゼロカロリーで、かつ全く血糖値を上昇させません。ほとんどが体内に吸収されるので、糖アルコールの中で最も下痢も起こしにくいです。

結論です。

KFUMIO OTSUKIさんのヘモグロビンA1cが上昇したのは、糖アルコールの内、キシリトールやマルチトールのせいです。エリスリトールは大丈夫です。

**
甘味料や糖アルコールに関しては
5.29、5.30のブログも参照していただけば幸いです。

江部康二
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by ドクター江部  at 16:11 |  甘味料 |  comment (4)  |  trackback (0)  |  page top ↑

甘味と人類と糖尿病

甘みシリーズの最後は、甘味料の歴史を振り返ってみつつ、砂糖の意外に知られていないことも簡単に説明です。

紀元前6000年頃に描かれた、スペインのアラーニャの洞窟の壁画に、はちみつを採集する人の姿が描かれています。このように、人類が初めて口にした甘味は、天然の蜂蜜といわれています。

その後、サトウキビの搾り汁を煮詰めて精製結晶「白砂糖」を作り出すのに成功したのは、紀元前のインド人です。インド砂糖は、アレクサンダー東征により西方へも伝わりましたが、庶民には高嶺の花、かなりの貴重品だったと考えられます。長らく西洋では、日常の甘味料としては、蜂蜜が唯一のものでした。

中国では玄奘(三蔵法師)のインド行きがきっかけで、製糖法が伝わり、7世紀以降砂糖生産が始まったとされています。
砂糖が日本に伝わったのは、奈良時代後期に鑑真和尚が唐から渡来した折りと言われています。

ずっと貴重品だった砂糖は、産業革命を経て多量にかつ安価に生産できるようになり、現在では、その過剰摂取が肥満や糖尿病のもとと問題になっています。
 
砂糖の主成分がショ糖(スクロース)です。砂糖きび(甘蔗)と砂糖大根(甜菜)を原料として作ります。ショ糖はブドウ糖と果糖が結合したものです。ショ糖の純度の高いのがグラニュー糖(99.95%)や氷砂糖(99.98%)です。

家庭で最もポピュラーな上白糖は、独特のしっとりした感じを持たせるために、ショ糖の結晶に濃厚な転化糖液(ビスコといいます)を少量ふりかけてありますので純度は97.80%です。「転化糖」とは、ショ糖の分解(加水分解)によってできたブドウ糖と果糖の混合物で、ショ糖より甘みが強いです。

ちなみに蜂蜜の糖分(糖質)は、果糖(約40%)とブドウ糖(約35%)とショ糖(数%)で構成されています。またビタミンやミネラルも多く、その中には18種を越える有機酸が含まれ、pH値は約3.7前後です。

蜂が集めてきた花蜜(主にショ糖)は、働き蜂の唾液腺から分泌される転化酵素の働きによってショ糖からブドウ糖及び果糖へと変化するので、蜂蜜は水分20%までに濃縮された天然の転化糖(ビスコ)でもあります。

なお意外かもしれませんが、ショ糖は大豆にも少量含まれているのです。大豆フィナンシェの成分分析表に、砂糖は一切使用していないのに、1本30gあたり約0.5gのショ糖があって、アレレと思ったのですが、実は原材料由来だったのです。( ̄△ ̄)

「ショ糖含有率が高い大豆がおいしい大豆」と言われたりしているようです。ウーム!

ショ糖が多い大豆に夏場のえだまめ品種があり、茶かおりや紫ダダチャマメはショ糖を4.3g / 100gも含んでるので、茹でたえだまめはかなり甘いのですね。

まあ、えだまめ200gまとめて食べる人はあまりいませんから 糖質制限食的には枝豆はOK食品にしていますが・・・。

また大根、白菜、ねぎ、ほうれん草などにも少量のショ糖は含まれています。

江部康二
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by ドクター江部  at 19:23 |  甘味料 |  comment (1)  |  trackback (0)  |  page top ↑
プロフィール

ドクター江部

Author:ドクター江部
江部康二です。京都の高雄病院で勤務しています。漢方やアトピー治療でご存知の方もおられるかと思いますが、最近、自分が糖尿病だということが発覚し、糖尿病の新しい食事療法『糖質制限食』に力を入れてます。これからも宜しくお願いしますね。

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