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医師のサイトm3.com・糖質制限食の長期継続は安全か・アンケート
おはようございます。

医療従事者専門のサイトm3.com、医師の会員が10万人以上のようです。

このm3.comにおいて、

糖質制限食の長期継続は安全か(2012/03/26-2012/04/08)

というアンケート調査が行われました。

Q. 1.
【医師限定】糖質制限食の長期継続は安全か(「臨床賛否両論」の記事を読み、ご回答ください)

医師の回答(投票者数:1,154)
推進・長期継続も安全 25%
慎重・長期継続で合併症リスク高める 32%
どちらとも言えない 43%

アンケート以外にも、個々の医師の意見が数十件、投稿されました。

賛成、反対半々くらいでしたが、賛成派の医師は、ほぼ全員ご自分が糖質制限食を実践中であり、その体験も踏まえての糖質制限食肯定ということでした。

これに対して反対派は、自分で糖質制限食を実践している医師は皆無で、根拠も従来の常識論に終始していて、勿論エビデンスレベルの高いRCT研究論文などはまったく登場しませんでした。

予想通りといえば予想通りでしたね。

一方、アンケートのほうは3月26日から4月8日まで14日間に1154人の医師から回答があり、推進が25%、慎重が32%、どちらとも言えないが43%で、意外なほど、推進派が多かったですね。

医師の4人に1人が、糖質制限食に賛成とこのアンケートでは出たのですが、臨床現場ではまだまだそこまで普及はしていませんね。

m3.comのアンケートに推進派の医師が、より積極的に応じたということでしょう。

ともあれ、医師の間に確実に糖質制限食が浸透してきてはいます。

☆☆☆
「臨床賛否両論」m3.com
から、イントロのみを抜粋
http://www.m3.com/sanpiRyouron/article/150631/

糖質制限食の長期継続は安全か

糖尿病の新たな食事療法「糖質制限食」、長期継続に問題は?

2012年3月26日 山田留奈(m3.com編集部)
カテゴリ:一般内科疾患・内分泌・代謝疾患・その他

糖質をできる限り排除した食事療法「糖質制限食」は、短・中期効果が報告されている。
糖尿病は一生付き合う病気なだけに、糖質制限食を選択するなら自ずと長期継続となる。
糖尿病患者が糖質制限食を長期継続しても安全か。弊害が出てくる可能性はあるか。

「臨床賛否両論」をご覧いただき、ご意見を こちらから投稿ください。
投票はこちらから。
記事の末尾にも投稿と投票へのリンクを設けています。

--------------------------------------------------------------------------------
<推進>
長期継続も安全

自ら10年にわたり糖質が約12%の「スーパー糖質制限食」を継続している江部康二氏。長期に継続しても何ら問題なく、得られるベネフィットは多いと語る。

高雄病院理事長の江部康二氏は、「糖尿病患者が糖質制限食を長期継続しても、安全性には全く問題はない。それより、血糖値、HbA1cに加え、中性脂肪やLDL-C、肥満が改善するため、長期予後は良好だ」と主張する。

<慎重>
長期継続で合併症リスク高める

久保明氏は、「糖尿病患者は様々なリスクを抱えている。糖質制限食を長期継続しても問題ないと判断するのは時期尚早ではないか」と釘を刺した。

高輪メディカルクリニック院長の久保明氏は、「糖尿病患者は腎症、心血管障害、癌、認知症など、多数の合併症リスクを抱えている。それらをきちんと評価できない現状では、糖質制限食の長期継続を一概に勧めるべきでない」と考える。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食の効果と長期予後
おはようございます。

糖質制限食実践者においては、血糖値HbA1c中性脂肪は速やかに改善します。
HDL-コレステロールは個人差があり、しっかり上昇する人と軽度に上昇する人がいます。

糖質制限食実践者の総コレステロール、LDLコレステロール値、尿酸値に関しては、個人差があり一定しません。

しかし、HDL-コレステロールが上昇し、中性脂肪が減少するので、真の悪玉である、小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは減ります。

糖質制限食の短期的効果に関しては、このように全ての指標が良い方に向かいます。

ちなみに私の場合は、2型糖尿病で2002年からスーパー糖質制限食実践中ですが、HDL-コレステロールが上昇し、中性脂肪が減少し、LDLコレステロールも少し減りました。血糖コントロールは、正常レベルです。


<江部康二の血液検査:スーパー糖質制限食7年間実践中>
2009年6月
空腹時採血血糖値93mg
HbA1c:5.3%
ケトン体:945μM/L(26~122) *糖質制限食中は生理的で正常
尿酸:3.6(3.4~7.0)
TC:238
TG:55
HDL-C:113.5
LDL-C:113
BUN:18.7(8~20)
クレアチニン:0.64(0.6~1.1)
シスタチンC:0.57(0.53~0.95)
IRI:2.2(3~15μU/ml) *インスリン基礎分泌がやや低下
NT-ProBNP:15pg/ml(125以下)
γGTP:39


高雄病院では、1999年から糖質制限食による糖尿病治療を開始しています。その結果、糖質制限食を実践する限りにおいては、99%の人が著明に血糖値が改善することを確認しています。

基本的に体重も減少し肥満が改善しますので、血圧も下がることが多いです。

それでは10年、20年後の長期的予後はどうなのでしょう?同級生の糖尿病専門医にいつも相談しているのですが、必ずこの話題がでてきます。

一つの答えは、イヌイットです。

生肉と生魚が主食という完全無欠の糖質制限食を四千年以上続けてきた民族ですが、有名なダイアベルグ博士の研究によると、心筋梗塞や脳梗塞が極めて少なかったことが報告されています。(^-^)v(^-^)v

二つ目の答えは最近流行の代謝症候群(メタボリック シンドローム)です。

一つ一つは些細な所見でも、二重・三重に重なってくると危険という警鐘です。
 
*腹囲基準:男性85cm、女性90cm以上、
①高血圧:130/85以上、
②空腹時血糖:110mg以上、
中性脂肪高値:150mg以上  HDL-コレステロール:40mg未満

具体的には、腹囲基準を満たしていて、①②③の三項目中二項目を満たせば、何もない人に比べて、将来冠動脈疾患になる確率が、約31倍にもなるとされています。

糖質制限食の実践により、代謝症候群の指標が全て改善します。
逆に言えば糖質の過剰摂取こそが代謝症候群の根本要因といえます。

ともあれ西洋医学的に現在まで明らかにされている動脈硬化の危険因子が 糖質制限食の実践により全て改善するので、長期的予後も悪かろうはずがありません。

さらに三つ目として、米国の大きな疫学的研究を2つご紹介しましょう。

<米国医師会雑誌2006年2月8日号>

米国の大規模介入試験において脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して意外なことに心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げないことが米国医師会雑誌2006年2月8日号で報告されました。総コレステロール値に関しても、両群に優位な差はありませんでした。

この研究は、5万人弱の閉経女性を対象に対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した大がかりなもので、所謂EBM(科学的根拠に基づいた医療)的にはトップランクに位置する権威あるものです。
権威ある研究により、従来の常識(脂肪悪玉説)が根底から覆ったわけですね。


<New England Journal of Medicine、2006年11月9日>
『米国の女性看護師82,802人を20年間追跡したところ、炭水化物が少なく脂肪とたんぱく質が多い食事でも、冠動脈疾患のリスクは上昇しなかった』

このような内容の研究が、New England Journal of Medicine、
2006年11月9日号にハーバード大学のグループにより報告されました。

今まで、 糖質制限食(即ち高脂肪・高タンパク食)の長期的な予後に関する本格的な研究がなかったのですが、とうとう出たという感じですね。

論文を要約すると

『1980年、米国の女性看護師82,802人に対して、質問票を使った食事調査を行い、研究を開始した。
1980年から1998年までのあいだに、2~4年間隔で食事調査を6回実施し、一人一人の低炭水化物食の度合を得点化。
2000年まで20年間の追跡調査を行ったところ、1994人が心筋梗塞などの冠動脈疾患に罹患した。
解析の結果、「低炭水化物食得点」が上位10%のグループの冠動脈疾患の発生率は、下位10%のグループの0.94倍で有意差なし。

つまり、脂肪とたんぱく質が多く炭水化物が少ない食事をしているグループでも、心臓病のリスクは上昇しなかった。
**Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.』

低炭水化物食を長期に続けた場合、心臓病リスクの上昇などの害が生じるのではないかという批判が、従来の医学界おいてありました。

今回の研究は、低炭水化物食の長期的な安全性を調べる目的で、20年間、82,802人の女性の分析が行われました。

その結果、少なくとも心臓病に関しては、高タンパク・高脂肪食の長期的安全性があるていど保証されたということになります。

このように、理論的にも短期データ的にも、長期の疫学的データでも 、糖質制限食(高タンパク・高脂肪食)の有効性と安全性が、確立されつつあるといえるでしょう。ヾ(^▽^)


江部康二

糖質制限食の効果と長期的予後、総コレステロールは?
こんばんは。

町田のボンちゃんから情報をいただきましたが、日刊ゲンダイの8月21日号に“ご飯抜きダイエット”本当にいいのか?という記事が掲載されたそうです。

糖質制限食実践で総コレステロール値が上昇するので動脈硬化になる。」
糖質制限食実践でケトン体が血液中に増えて酸性となり意識を失うこともある。」

という内容ですが、糖質制限食に対してかなりの誤解があるようです。

まずは結論です。

町田のボンちゃん、安心して糖質制限食をお続けください。 (^_^)

以下に根拠を述べます。


糖質制限食の効果と長期予後>一部再掲

糖質制限食実践者においては、血糖値・HbA1c・中性脂肪は速やかに改善します。HDL-コレステロールは個人差があり、しっかり上昇する人と軽度に上昇する人がいます。

糖質制限食実践者の総コレステロール、LDLコレステロール値に関しては、個人差があり一定しません。

しかし、HDL-コレステロールが上昇し、中性脂肪が減少するので、真の悪玉である、小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは減ります。

糖質制限食の短期的効果に関しては、このように全ての指標が良い方に向かいます。

ちなみに私の場合は、2型糖尿病でスーパー糖質制限食実践中ですが、HDL-コレステロールが上昇し、中性脂肪が減少し、LDLコレステロールも少し減りました。血糖コントロールは、正常レベルです。

<江部康二の血液検査:スーパー糖質制限食実践中>
1.5AG:5.8μg/ml(12~43)  糖質制限食により生理的に減少
空腹時血糖値:104mg/dl
HbA1c:5.3%
ケトン体:498μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
尿酸:2.9(3.4~7.0)
TC:229
TG:73
HDL-C:104.6
LDL-C:109
BUN:21.4(8~20)
クレアチニン:0.62(0.6~1.1)


高雄病院でも、1999年から糖質制限食による糖尿病治療を開始して、実践する限りにおいては、99%の人が著明に血糖値が改善をすることを確認しています。

基本的に体重も減少し肥満が改善しますので、血圧も下がることが多いです。

それでは10年、20年後の長期的予後はどうなのでしょう?

同級生の糖尿病専門医にいつも相談しているのですが、必ずこの話題がでてきます。

一つの答えは、イヌイットです。 生肉と生魚が主食という完全無欠の糖質制限食を数千年以上続けてきた民族ですが、有名なダイアベルグ博士の研究によると、心筋梗塞や脳梗塞が極めて少なかったことが報告されています。(^-^)v(^-^)v

二つ目の答えは最近流行の代謝症候群(メタボリック シンドローム)です。

一つ一つは些細な所見でも、二重・三重に重なってくると危険という警鐘です。
 
*腹囲基準:男性85cm、女性90cm以上、
①高血圧:130/85以上、
②空腹時血糖:110mg以上、
③中性脂肪高値:150mg以上  HDL-コレステロール:40mg未満

具体的には、腹囲基準を満たしていて、①②③の三項目中二項目を満たせば、何もない人に比べて、将来冠動脈疾患になる確率が、約31倍にもなるとされています。

糖質制限食の実践により、代謝症候群の指標が全て改善します。逆に言えば糖質の過剰摂取こそが代謝症候群の根本要因といえます。

ともあれ西洋医学的に現在まで明らかにされている動脈硬化の危険因子が 糖質制限食の実践により全て改善するので、長期的予後も悪かろうはずがありません。

さらに三つ目として、米国の大きな疫学的研究を2つご紹介しましょう。

<米国医師会雑誌2006年2月8日号>
米国の大規模介入試験において脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して意外なことに心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げないことが米国医師会雑誌2006年2月8日号で報告されました。総コレステロール値に関しても、両群に優位な差はありませんでした。

この研究は、5万人弱の閉経女性を対象に対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した大がかりなもので、所謂EBM(科学的根拠に基づいた医療)的にはトップランクに位置する権威あるものです。
権威ある研究により、従来の常識(脂肪犯人説)が根底から覆ったわけですね。


<New England Journal of Medicine、2006年11月9日>
『米国の女性看護師82,802人を20年間追跡したところ、炭水化物が少なく脂肪とたんぱく質が多い食事でも、冠動脈疾患のリスクは上昇しなかった』

このような内容の研究が、New England Journal of Medicine、2006年11月9日号にハーバード大学のグループにより報告されました。

今まで、 糖質制限食(即ち高脂肪・高タンパク食)の長期的な予後に関する本格的な研究がなかったのですが、とうとう出たという感じですね。

論文を要約すると

『1980年、米国の女性看護師82,802人に対して、質問票を使った食事調査を行い、研究を開始した。
1980年から1998年までのあいだに、2~4年間隔で食事調査を6回実施し、一人一人の低炭水化物食の度合を得点化。
2000年まで20年間の追跡調査を行ったところ、1994人が心筋梗塞などの冠動脈疾患に罹患した。
解析の結果、「低炭水化物食得点」が上位10%のグループの冠動脈疾患の発生率は、下位10%のグループの0.94倍で有意差なし。
つまり、脂肪とたんぱく質が多く炭水化物が少ない食事をしているグループでも、心臓病のリスクは上昇しなかった。
**Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.』

低炭水化物食を長期に続けた場合、心臓病リスクの上昇などの害が生じるのではないかという批判が、従来の医学界おいてありました。

今回の研究は、低炭水化物食の長期的な安全性を調べる目的で、20年間、82,802人の女性の分析が行われました。

その結果、少なくとも心臓病に関しては、高タンパク・高脂肪食の長期的安全性があるていど保証されたということになります。

このように、理論的にも短期データ的にも、長期の疫学的データでも 、糖質制限食(高タンパク・高脂肪食)の有効性と安全性が、確立されつつあるといえるでしょう。ヾ(^▽^)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食の効果と長期予後
こんばんは。
昨日の土曜日は、江部診療所の外来が終わった後、神戸の三宮に出かけました。同級生のS先生が開業5周年記念のパーティーを開いたので私も参加したわけです。

アカペラあり、ピアノあり、トランペットあり・・・さらには大道芸のジャグリングありで賑やかで楽しいパーティーを堪能しました。

私はといえば、声帯ポリープでいよいよ声が出なくなり、もっぱら聞き役に専念してました。 (~∧~)

神戸ポートピアホテルの講演会に来てくれた人もたくさんいて、糖質制限食の話題で盛り上がりました。

こういう時、医療関係の方からは、たいてい長期予後の質問があります。

それで今日は、糖質制限食の効果と長期予後のお話です。

糖質制限食実践者においては、血糖値・HbA1c・中性脂肪は速やかに改善します。HDL-コレステロールは個人差があり、しっかり上昇する人と軽度に上昇する人がいます。

糖質制限食実践者の総コレステロール、LDLコレステロール値に関しては、個人差があり一定しません。

しかし、HDL-コレステロールが上昇し、中性脂肪が減少するので、真の悪玉である、小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは減ります。

糖質制限食の短期的効果に関しては、このように全ての指標が良い方に向かいます。

高雄病院でも、1999年から糖質制限食による糖尿病治療を開始して、実践する限りにおいては、99%の人が著明に改善をすることを確認しています。

基本的に体重も減少し肥満が改善しますので、血圧も下がることが多いです。

それでは10年、20年後の長期的予後はどうなのでしょう?

同級生の糖尿病専門医にいつも相談しているのですが、必ずこの話題がでてきます。

一つの答えは、イヌイットさんです。 生肉と生魚が主食という完全無欠の糖質制限食を数千年以上続けてきた民族ですが、有名なダイアベルグ博士の研究によると、心筋梗塞脳梗塞が極めて少なかったことが報告されています。

二つ目の答えは最近流行の代謝症候群(メタボリック シンドローム)です。

一つ一つは些細な所見でも二重・三重に重なってくると危険という警鐘です。
 
*腹囲基準:男性85cm、女性90cm以上、
①高血圧:130/85以上、
②空腹時血糖:110mg以上、
③中性脂肪高値:150mg以上  HDL-コレステロール:40mg未満

具体的には、腹囲基準を満たしていて、①②③の三項目中二項目を満たせば、何もない人に比べて、将来冠動脈疾患になる確率が、約31倍にもなるとされています。

糖質制限食の実践により、代謝症候群の指標が全て改善します。逆に言えば糖質の過剰摂取こそが代謝症候群の根本要因といえます。

ともあれ西洋医学的に現在まで明らかにされている動脈硬化の危険因子が 糖質制限食の実践により全て改善するので、長期的予後も悪かろうはずがありません。

近年の米国の5万人、8年間の閉経女性の疫学的研究で、低脂肪食(従来のヘルシー食)が心筋梗塞や乳ガン、大腸ガンのリスクを減らさないことが確認されました。

また20年間、82,802人の女性の追跡で高タンパク・高脂肪食が、心筋梗塞を増やさないことも証明されました。

このように、理論的にも短期データ的にも、長期の疫学的データでも 糖質制限食(高タンパク・高脂肪食)の有効性と安全性が確立されつつあるといえるでしょう。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食(低炭水化物食)の長期的安全性
おはようございます。
京都漢方シンポジウム、活発な論議を経て無事終了しました。

シンポジウムに出席されていたお医者さんに以下の論文のことを教えていただき、早速調べてみました。

『米国の女性看護師82,802人を20年間追跡したところ、炭水化物が少なく脂肪とたんぱく質が多い食事でも、冠動脈疾患のリスクは上昇しなかった』

このような内容の研究が、New England Journal of Medicine、2006年11月9日号にハーバード大学のグループにより報告されました。

今まで、 糖質制限食(即ち高脂肪・高タンパク食)の長期的な予後に関する本格的な研究がなかったのですが、とうとう出たという感じですね。

論文を要約すると

『1980年、米国の女性看護師82,802人に対して、質問票を使った食事調査を行い、研究を開始した。
1980年から1998年までのあいだに、2~4年間隔で食事調査を6回実施し、一人一人の低炭水化物食の度合を得点化。
2000年まで20年間の追跡調査を行ったところ、1994人が心筋梗塞などの冠動脈疾患に罹患した。
解析の結果、「低炭水化物食得点」が上位10%のグループの冠動脈疾患の発生率は、下位10%のグループの0.94倍で有意差なし。
つまり、脂肪とたんぱく質が多く炭水化物が少ない食事をしているグループでも、心臓病のリスクは上昇しなかった。』
**Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.

低炭水化物食を長期に続けた場合、心臓病リスクの上昇などの害が生じるのではないかという批判が、従来の医学界おいてありました。

今回の研究は、低炭水化物食の長期的な安全性を調べる目的で、20年間、82,802人の女性の分析が行われました。

その結果、少なくとも心臓病に関しては、高タンパク・高脂肪食の長期的安全性があるていど保証されたということになります。

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『米国の大規模介入試験(5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡)において、脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して心血管疾患乳がん大腸がんリスクを下げないことがアメリカ医学会雑誌2006年2月8日号で報告』

のように、低脂肪食が心血管疾患乳がん大腸がんリスクを下げないことも合わせて、とても興味深い研究報告でした。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット