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久山町研究、アルツハイマー型認知症激増。
おはようございます。

精神科医師Aさんから、久山町(ひさやままち)研究の情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
週刊ポストの記事です。


A)
久山町研究において、1988年から2002年まで、14年間も運動療法と食事療法(従来の糖尿病食)をしっかり指導したにも関わらず、糖尿病発症予防に失敗して、かえって激増させてしまったことは、過去本ブログ記事で再三、述べてきました。

端的に言って、従来の糖尿病食(高糖質食)が、糖尿発症を激増させたという信頼度の高い結論がでたということです。

男性
        1988         2002
糖尿病    15.0        23.6%
IGT      19.2        21.6%
IFG      8.0         14.7%
合計      42.2        59.9%


女性 
        1988         2002
糖尿病     9.9         13.4%
IGT       18.8         21.3%
IFG       4.9          6.6%
合計      33.6         41.3%



B)
「久山町では1985年から2012年まで5回にわたり65歳以上の全住民を対象にした認知症に関する調査を実施。
過去5回で高齢者認知症の有病率が6.7%から17.9%まで急増。
認知症患者の6割を占めるアルツハイマー型に限れば、約9倍に増えていた。」


今回は、認知症が増加して、アルツハイマー病は、実に27年間で9倍に増加です。

1985年から2012年までの調査結果ですが、A)の1988~2002年の、従来の糖尿病食での食事療法介入期間もしっかり含まれています。

糖尿病患者のアルツハイマー型発症リスクはそうでない人の2.1倍ですから、従来の糖尿病食で、久山町の糖尿病を激増させたことが、久山町のアルツハイマー病激増に、おおいに関わっていると考えられます。

「従来の糖尿病食は、糖質摂取比率60%で、しっかりご飯を摂取する」というものです。


C)
「米の摂取量を減らして、大豆、緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類、牛乳・乳製品を多く摂るというパターンで認知症のリスクが下がる」

その通りだと思います。

このパターンに、魚と肉と卵を加えたら、何とそのまま『糖質制限食』ではありませんか。

しかし、清原裕氏、米の摂取を減らして『野菜の多い和食+牛乳・乳製品』が望ましい食事・・・

米を減らして乳製品?・・・これのどこが和食なのでしょうね。

かなり苦しいコメントです。

スーパー糖質制限食なら、そもそも糖尿病発症予防ができますし、すでに糖尿病を発症した人も、コントロール良好が維持できます。

糖尿病患者において『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』という酸化ストレスリスクを予防できるのは、糖質制限食だけです。

糖尿病患者における酸化ストレスが、糖尿病合併症だけでなく、アルツハイマー病、がん、動脈硬化、老化・・・様々な生活習慣病の元凶です。

血糖コントロール良好なら、酸化ストレスリスクは生じず、合併症は発生せず、アルツハイマー病などのリスクもありません。

私は、現在66歳、糖尿病歴が足かけ15年の前期高齢者です。

スーパー糖質制限食で、血糖コントロール良好で、認知症とも合併症とも無縁です。

歯は全部残っていますし、前立腺肥大もありません。

ブログ読者の皆さんも、久山町のように、アルツハイマー病が激増しないように美味しく楽しく末長く糖質制限食に取り組みましょう。


江部康二



☆☆☆

以下 週刊ポストのサイトから抜粋

http://www.news-postseven.com/archives/20160915_445476.html?PAGE=1#container

50年以上続くヒサヤマ・スタディから判明 認知症を防ぐ食事
2016.09.15 07:00


認知症を防ぐメニューは?
【認知症を防ぐメニューは?】


 50年以上にわたる疫学研究として国際的にも評価が高い「久山町研究(ヒサヤマ・スタディ)」のリーダーを務めてきた清原裕氏はこの春、
九州大学大学院第二内科での研究の舵取りのバトンを40代の二宮利治教授に渡し、サポート役へと退いた。プロジェクトは進化を遂げながら、新たな課題に挑戦している。

「現在の最大のターゲットは認知症です。患者の爆発的な増加は国の将来を左右する危機と考えており、チームの主力を割いています」(清原氏)

 厚労省は2012年時点の認知症患者数を462万人と推計しているが、「この推計値は低すぎる」と清原氏はいう。

「久山町の認知症発症の割合を全国に適用すると、国の推計より約90万人多い551万人に上る」

 久山町では1985年から2012年まで5回にわたり65歳以上の全住民を対象にした認知症に関する調査を実施しており、
受診率は92~99%と驚異的なレベルに達している(国推計の根拠となる調査の受診率は69%)。

 過去5回で高齢者認知症の有病率が6.7%から17.9%まで急増している。認知症患者の6割を占めるアルツハイマー型に限れば、約9倍に増えていた。

「脳卒中が減っていくのと反対に急激に増えたのが認知症でした。調査ごとの年齢構成の違いを考慮しても増えており、認知症の発生率は高齢化のスピードを上回っているといえます。
そこで、認知症増加の要因は、高齢化以外にもあると考えたのです」

 その要因は追跡調査によって明らかになった。これも「糖尿病」だ。
15年間の糖負荷試験の結果と認知症発症の関係をみると、糖尿病患者のアルツハイマー型発症リスクはそうでない人の2.1倍に上ったのだ。




http://www.news-postseven.com/archives/20160915_445476.html?PAGE=2

久山での研究結果をきっかけに、病理の研究も進みつつある。
東京医科大学病院の羽生春夫・副院長が説明する。

「糖尿病はアルツハイマー型の原因物質であるアミロイドβというたんぱく質を増やし、それが神経細胞を死滅させ記憶障害を引き起こします。
また、高血糖が続くことで糖を燃やしてできる有害物質が処理しきれなくなり、神経細胞にダメージを与えることもある」

 清原氏は大規模疫学調査の意義を改めて訴える。

「疫学の強みは、病気が発症するメカニズムが完全に解明されていない段階から、危険因子を取り除く予防につなげられる点です。
久山町研究は1995年、世界に先駆けて『運動がアルツハイマー型認知症発症のリスクを引き下げる』と報告しました。
さらにその後の追跡調査では、そのリスク引き下げ効果が40%もあると明らかにしています。
どのような運動をどれだけやるのが効果的かは、今も追跡中です」

 認知症予防に関しては、久山町では食事パターンの追跡例もある。
1988年の健診で食事調査を受けた認知症を発症していない高齢者をその後17年間追跡。
その結果を踏まえ、清原氏はこういう。

「望ましい食事のイメージは『野菜の多い和食+牛乳・乳製品』です。

 住民の皆さんの食生活の中に見られるいくつかのパターンのうち、
米の摂取量を減らして、大豆、緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類、牛乳・乳製品を多く摂るというパターンで認知症のリスクが下がることがわかってきた。
だからといって、米の摂取量を単独で見ても認知症のリスクとは相関はありません」

 あくまでバランスのよい食事がリスクを減らすとの考えだ。

※週刊ポスト2016年9月16・23日号
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
NHKクローズアップ現代と糖質制限食
おはようございます。

2016/7/20(水)22:00~22:25まで、NHKクローズアップ現代で糖質制限食が特集されました。

私も江部診療所の夜診が終了したあと、帰宅してしっかり見ました。

まずは、糖質制限食が空前のブームだそうで、関連の市場は¥3184億円とのことでした。

どういう試算で、そうなるのかはよくわかりませんが、糖質制限食が現実に巨大な市場となったのは確かなことであり、それに私が一役か二役は関わっていると思うとまあ悪い気はしませんね。

安倍首相、景気対策に貢献ということで、表彰してくれないかな? (^^)

で、放送内容ですが、自己流で極端な糖質制限食をすると落とし穴がということで、男性と女性が一名ずつ登場しました。

男性は、自己流糖質制限食、例えば「キャベツの千切りと蒸し鶏」とかで減量成功、しばらくはよかったのですが、ある日通勤電車で意識不明となり救急車で運ばれたというエピソードでした。

この男性、平均約500kcal/日しか食べていなかったそうです。

これって、『糖質制限』ではなくて、まさしく『カロリー制限』ではないですか!

「極端なカロリー制限で、体調不良となり救急車騒ぎとなった」

というのが事実であり、糖質制限は何の関係もありません。

それをまるで糖質制限で体調を崩したというような展開で説明していて、かなり意図的な論理のすり替えあり、
視聴者を騙すに等しい行為でアンフェアです。.(ノ`A´)ノ

女性のケースも同様です。

自己流糖質制限食開始、1ヶ月後、ふらつきがでて体調不良になり病院を受診したということですが、こちらも実態は「極端なカロリー制限で、体調不良となり病院受診」であり、糖質制限食は何の関係もありません。

本ブログで、いつも強調しているように、高雄病院のスーパー糖質制限食は、カロリー制限食ではありません。

厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を目安に脂質とタンパク質は充分量摂取します。

魚介類、肉類、卵、卵製品、乳製品、野菜、海草、茸、大豆製品・・・まんべんなく摂取するので、「必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維」これらが不足することはまずありません。

なお、必須糖質はありません。

従いまして、スーパー糖質制限食をきっちり実践するならば、決してクローズアップ現代の症例のようなことにはなりません。

危険なのは「極端なカロリー制限」であり「スーパー糖質制限食」は人類本来の食事であり人類の健康食なのです。


ともあれ、
ご飯をブロッコリーに代えたカツ丼、
パンなしのレタスバーガー、
麺抜きの野菜ちゃんぽん、
などなど、糖質制限メニューが、日本においてどんどん増えているのはとても良いことで、嬉しい限りです。

番組出演の群馬大学名誉教授の栄養学者の高橋久仁子さんが、

「ダイエットブームは、たいてい1~2ヶ月、長くても半年で終わるが糖質制限食は年単位で続いているのが不気味です。」

と述べておられました。

私の回答は、不気味でも何でもなく、糖質制限食はブームではなく真実であるということです。

すなわち、糖質制限食は生理学的事実に基づく基礎理論と、RCT研究論文・コホート研究により裏付けられたエビデンスがある科学的な食事療法なのです。



江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
鳩山邦夫氏の死去及び糖質制限食の有効性・安全性に関して。
【16/06/23 まちこ

鳩山邦夫氏の死去に関して

今朝の「羽鳥モーニングショー」で、鳩山由紀夫氏の死去を伝える中で、氏が亡くなられる前まで糖質制限をされていて、死因は十二指腸潰瘍との事ですが、悪化させたのは糖質制限で脂質・蛋白質の摂取過多が一因であるかの様なコメントを繰り返していました。

以前に一年半糖質制限をして失敗したというまだ若い医者でしたが、自分も糖質制限中に脳血管が詰まりかけたので脂質の取り過ぎは体に良くないという趣旨の発言でした。

マスコミの根拠の乏しい報道は聞き流す様にしているのですが、少々気になってしまいました。

高雄病院のご指導を得てもう9ヶ月になりますが、お陰様で今年の人間ドックで始めてほぼ異常無しになりました。ので、このまま糖質制限を続けて行く決心は固いのですが… つい弱気になってしまいまして…f^_^;)

どうにかならないのですかね、
マスコミの根拠の無い報道の垂れ流しは(♯`∧´)】


おはようございます。
鳩山邦夫氏の死去に関して、まちこさんからコメントをいただきました。

まちこさん 、糖質制限食実践で人間ドックで、初めて全て異常なしとは良かったですね。

鳩山邦夫氏の死去に関しては、私が憶測でどうこう言う立場にありませんので言及は控えます。

一方、「羽鳥モーニングショー」でコメントしたのは、「糖質制限ダイエットで一過性の脳虚血発作になった」という女性医師ですね。

彼女自身が、野菜摂取が少なかったせいでそうなったとネットで述べていますが、それは糖質制限のせいではありませんね。

高雄病院のスーパー糖質制限食なら、葉野菜やブロッコリやゴーヤなどしっかり摂取してビタミンCと食物繊維を確保します。


1)
脳梗塞になった人の約半数、心筋梗塞になった人の約3分の1に糖尿病がみられます。

これらは、ほとんどにおいて日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食を食べているか、あるいは普通に糖質はしっかり摂取している方々です。

2)
毎年、新たに、 16000人が糖尿病腎症から透析、3000人が糖尿病網膜症から失明、3000人が糖尿病足病変から切断です。

これらは、ほとんどにおいて日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食を食べているか、あるいは普通に糖質はしっかり摂取している方々です。

3)
①米国糖尿病学会は、2007年まで
 糖尿病の食事療法において 糖質制限食は推奨しないとしていました。
②2008年、「食事療法に関する声明2008」において、「減量が望まれる糖尿病患者には
 低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、
 1年の期限付きで、糖質制限食の有効性を認める見解を記載しました。
③2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで
 糖質制限食の有効性を容認しました。
④2013年、「食事療法に関する声明2013」において期限や限定なしで、
 糖質制限食を容認しました。


1)2)により、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)や普通の高糖質食がいかに危険かがわかります。

従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)摂取では、食後高血糖と平均血糖変動幅増大という酸化ストレスリスクが必ず生じます。

これでは合併症製造食と命名されても仕方ありません。

3)により、米国糖尿病学会が、6年間をかけて、肯定・否定含めて、様々な多数の研究論文を検証して、 糖質制限食を容認したプロセスがわかります。

つまり、米国糖尿病学会は、2013年、糖質制限食の有効性と安全性を正式に容認しました。

ここにおいて、日本糖尿病学会がどのような見解を出そうと世界的には、糖質制限食の有効性・安全性は担保されたと言え、この論争に関しては勝負はついたということです。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
第59回日本糖尿病学会年次学術集会の感想。糖尿病学会の変化。


【16/05/20 しらねのぞるば

第59回日本糖尿病学会年次学術集会の感想

スケジュールの都合で 2日目からの参加になりましたが,その感想です.

■午前

午前は2つのDebateを聴きました.

1.「糖尿病の第1選択薬はメトホルミンかDPP-4阻害薬か」
メトホルミンである:NTT 東日本札幌病院 吉岡先生
DPP-4阻害薬である:東京女子医科大学 佐倉先生

2.「糖尿病の大血管障害抑制はSGLT2阻害薬(SGLT2i)か従来治療薬か」
SGLT2iである:佐賀大学医学部 野出先生
従来治療薬である:東京医科大学 小田原先生

それぞれの発表は 内容的にも聴きごたえのあるものでした.

Debate-1の方は,座長自らの発言は控えめで,Debatorの追加意見や,会場からの質問に時間を割くなど,非常にFairな運営でした.
しかしDebate-2でそれぞれのDebatorが発表を終えた後のDiscussion,これがひどいものでした.

座長の河盛先生は,ほとんどSGLT2i賛成の野出先生ばかりに発言させ(野出先生も迷惑だったでしょう),しかもそれだけでは生ぬるいと思ったのか,自らの意見開陳を延々とやりました.

河盛:『SGLT2iは腎臓への負荷を軽くする.これが何らかの機序で心不全を防止したかもしれない』

河盛:『心筋にはSGLT2はないが,SGLT2iはSGLT1にも若干の阻害作用がある.これが何らかの効果を生み出している可能性も否定できない』

河盛:『SGLT2は膵臓α細胞にも発現している.これがグルカゴンの分泌を高めているのだが,SGLT2iはこれも防いでいる』

河盛:『SGLT2iの副作用として血中ケトン体濃度の上昇が言われているが,実はケトン体は心筋に対するとても大事な,いわばSafetyなエネルギー源だ.SGLT2iが投与直後にケトン体を増やし,これが心臓を元気づけたのではないか』

『可能性を否定できない』ものまで動員して,なりふり構わずSGLT2iを持ち上げていましたが,最後の発言は傑作ですね.河盛先生,あなたは 『糖質制限食はケトン体が上昇するから危険だ』と言い続けてきたではないですか. SGLT2iがケトン体を増やして心臓を力づけるというのであれば,糖質制限食は心疾患予防になるのですね. これほどの手のひら返しを行って,なお平然としていられるその神経には脱帽です.

Discussionの最後の方で,アリバイ作りのためか小田原先生にも意見を求め,これで辻褄を合わせたつもりなのでしょうが,そこで時間切れとなり,会場からの質問はまったくシャットアウト.これではまるで河盛先生の独演会.こうなると発表者だけでなく,今後は 座長のCOIも事前に開示すべきでしょうね.

■午後

シンポジウム17「食事療法の新たなエビデンスを求めて」を聴いてみました.

座長が 石田均/宇都宮一典 両先生で,Speaker トップバッターが 能登洋先生,2番手が 府立医大 福井道明先生ときては,これはもう いつもの 糖質制限ネガキャンに終始するのだろうなと 予想したのですが,意外にも内容は穏やかなものでした. もちろん お二方も「糖質制限賛成」とまでは言わないのですが,かなりトーンダウンした印象です.

例えば;
能登先生は,「PlosOneに発表した,[糖質制限で死亡リスクが上がる]というメタ解析結果は,観察研究が多いのでエビデンスレベルは低い」と認めていました.

また,2~3年前までは 二言目には 『肉と油でギトギトの糖質制限食』と言っていた 福井先生が,今回は
『糖質制限食を実行すると,必然的に 高蛋白・高脂質になる. しかし,実行するのであれば,蛋白質と脂質の中身が問題. 動物性蛋白・脂肪に偏るとリスクは増大するが,植物性蛋白・脂肪を取り入れれば,むしろメリットが大きい』と,これがあの福井先生かと耳を疑う変身ぶりでした.

ついに糖尿病学会も,そっと方向転換するための助走を始めたのかな?と感じました.

しかし、もしそうしたら 梯子を外された人は怒るでしょうね.

以上 】


こんにちは。

しらねのぞるばさんから、第59回日本糖尿病学会年次学術集会の感想をコメント頂きました。
詳細なご報告をありがとうございます。

Debate-2の座長の河盛先生、SGLT2阻害剤を積極的に売り出したい立場なのでしょうね。

座長のCOI(利益相反)も事前に開示、私も大賛成です。

日本糖尿病学会も「リコメンデーション」を最近出して、SGLT2阻害剤は高齢でも使用できるという方針に変えてました。

まあ、脱水さえ注意すれば、短期的には切れ味のいい薬ですが、長期的には、SGLT2阻害剤は基礎代謝を低下させる可能性があります。


河盛:『SGLT2iの副作用として血中ケトン体濃度の上昇が言われているが,実はケトン体は心筋に対するとても大事な,
いわばSafetyなエネルギー源だ.SGLT2iが投与直後にケトン体を増やし,これが心臓を元気づけたのではないか』

河盛先生,あなたは 『糖質制限食はケトン体が上昇するから危険だ』と言い続けてきたではないですか.
SGLT2iがケトン体を増やして心臓を力づけるというのであれば,糖質制限食は心疾患予防になるのですね.
これほどの手のひら返しを行って,なお平然としていられるその神経には脱帽です.


しらねのぞるばさん、まったく、同感です。

ただただ呆れかえるばかりです。


能登先生は,「PlosOneに発表した,[糖質制限で死亡リスクが上がる]というメタ解析結果は,観察研究が多いのでエビデンスレベルは低い」と認めていました

元々、能登医師の論文、発表された時からエビデンスレベルが低いことは明確でしたので、その旨を説明するのがフェアな科学者です。

しかし、能登医師および日本糖尿病学会は、大新聞各社に対してエビデンスレベルが高い論文のように説明し、順番にプレスリリースしていき、世論操作をするというアンフェアな非科学的態度に終始しました。
困ったものです。


2~3年前までは 二言目には 『肉と油でギトギトの糖質制限食』と言っていた 福井先生が,今回は
『糖質制限食を実行すると,必然的に 高蛋白・高脂質になる. しかし,実行するのであれば,蛋白質と脂質の中身が問題. 動物性蛋白・脂肪に偏るとリスクは増大するが,植物性蛋白・脂肪を取り入れれば,むしろメリットが大きい』と,これがあの福井先生かと耳を疑う変身ぶりでした.


これに対しては、米国糖尿病学会の糖質制限食に対する立場の変遷を確認しましょう。

1)2007年までは、糖質制限食を否定です。
2)2008年に、肥満を伴う糖尿病患者に1年間の期限つきで有効性を認めました。
3)2011年に、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限つきで有効性を認めました。
4)2013年10月、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明を2008年以来5年ぶりに改訂し、
  適切な三大栄養素比率は確立されていないことを明言しました。
  そして「糖質130g/日が平均的な最小必要量」という文言を削除し、
  肥満の有無は関係なく、期限なしで、正式に糖質制限食を容認しました。

つまり、米国糖尿病学会は2008年以降、数々のエビデンスに基づいて糖質制限を容認の方向に踏み出しました。

その後、5年間のエビデンスの蓄積(糖質制限食肯定も否定も含めて)を経て糖質制限食を正式容認です。

2型糖尿病に対する食事療法として、米国では今や糖質制限食は重要な位置を占めるようなってきています。

結局、糖質制限食を日本糖尿病学会として、批判し続ければ、米国糖尿病学会に喧嘩を売っているようなものですから、かなりトーンダウンしてきたものと思われます。

日本糖尿病学会さんも、時の流れには逆らえませんね。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
第59回日本糖尿病学会年次学術集会に参加。
こんばんは。

今日は、江部診療所の診察が終了したあと、第59回日本糖尿病学会年次学術集会に参加しました。

1型糖尿病で管理栄養士の山本心さんも、江部診療所で栄養指導を終えたあと、一緒に参加です。

山本心さんは、2016年5月19日(木)、20日(金)、21日(土)と糖尿病学会に参加予定で皆勤賞です。

江部診療所から会場の国立京都国際会館まで、車で、5~6分です。

どのシンポジウムに参加するか迷いましたが、成り行きでシンポジウム14
「2型糖尿病のメカニズムを理解するためのオミックスアプローチ」
を選びました。

入口で、同時通訳用のヘッドホンを借りて、講演を聴きました。

外人さんが英語で講演していて、しかも
「microRNA function in pancreatic βcell」
-膵臓のβ細胞におけるミクロRNAの機能-
という、基礎理論の話で、とても難しかったです。

まあそれでも
1)
数種のミクロRNAが、発現し活動すると、β細胞がダメージを受けて糖尿病を発症するようなメカニズムがある。
2)
メタボリックシンドロームがあると酸化ストレスなどで
数種のミクロRNAが、発現し活動するので糖尿病発症となりえる。
3)
これらのミクロRNAは、狩猟・採集時代には、
過剰なインスリンの分泌をコントロールして、ポジティブに役立っていた。
4)
現代のメタボを発症するような食生活が、
善玉だったミクロRNAを悪玉にしてしまった。

というような講演要旨だったように思います。

特に、3)4)は興味深かったですね。

狩猟・採集時代の食生活(糖質制限食)に戻せば、これらのミクロRNAは善玉になるということです。

その後は、SGLT2阻害剤の研究発表を集中的に聞きました。

SGLT2阻害剤の投与で、
a)小粒子LDL-Cが減る。
b)脂肪肝が改善する。
c)中性脂肪が減る。
d)インスリン抵抗性が改善する。
e)体重が減少する。

という内容が、ほとんどでした。

a)b)c)d)e)はいずれも、糖質制限食でも改善する項目です。

SGLT2阻害剤は薬ではありますが、毎日約100gのブドウ糖を尿中に排泄するわけですから、食事療法みたいなものですね。

つまり200g/日の糖質を普通に食べていた人が、SGLT2阻害剤を内服したら、100g/日の糖質制限食をしたこととなります。

ですから、a)b)c)d)e)有効というのは当たり前といえば当たり前です。

でも、それなら最初からスーパー糖質制限食を実践すれば、40~60g/日の糖質摂取量で済むので効果はもっとあるし、医療費も削減です。

それとほとんどの発表が、6ヶ月間の研究でした。

これは、6ヶ月間経過すると、再び体重が増加し始めるのでそこで打ち切った可能性があります。

以前から言っているように、体重が増え始めるということは、人体が基礎代謝を減らして適応している可能性があるので、問題があり得るのです。

なお、北里研究所病院糖尿病センター長・山田悟先生と会場でバッタリお会いしました。

糖質制限食の立ち話を4~5分間して、旧交を温めることができました。
良かったです。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット