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コレステロールと糖質制限食について。
【15/12/01 そらママ

コレステロールについて

いつもお世話になります。甲状腺機能低下で血糖値が予備軍の者です。

糖質制限をはじめて、7ヶ月がたちます。

本日、定期検診を受けて、総コレステロール244 LDLコレステロール158 HDLコレステロール80 で医師からは、やっぱり糖質制限はよくないと言われ困惑です。

中性脂肪は32です。

3ヶ月前は総コレステロール190
LDLコレステロール121
HDlコレステロール61

でした。

先生のブログを拝見してますと、中性脂肪が低めならば、そこまで問題じゃないと思ったのですが、次回さらに悪化してたらコレステロールの薬を飲まされそうで、糖質制限は脂質の取り過ぎだからダメ!と念をおされます。

今までコレステロールが高くなった事がなく、また痩せすぎなため、バター、チーズ、アーモンド、豚肉バラ肉を多く食べてます。ヘモグロビンa1cはずっと5.3です。

やはり卵や肉類、炒めもの、揚げ物は避けた方が良いでしょうか?】



こんにちは。

そらママさんから、コレステロールと糖質制限食についてコメント・質問を頂きました。


A)
2015年5月1日
日本動脈硬化学会が、「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」との声明を発表しました。

B)
厚生労働省は、5年おきに改定する「食事摂取基準」の2015年版で、科学的根拠が得られなかったとしてコレステロールの摂取基準を撤廃しました。

C)
米農務省は「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」として、摂取量を1日300ミリグラム未満に抑えていた食事指針を2015年見直す方向です。



A)B)C)のいずれもコレステロール摂取基準撤廃です。

これらを考慮すると今まで、日米共に長い間、コレステロールの摂取基準を設定して摂取制限を推奨してきたことが、無意味だったと認めたわけです。

米国ではずっと

「1日あたりのコレスレテロール摂取量上限は300mg。棒状のバター1本、または小さい卵2個、ステーキ300グラムに含まれる量」

を推奨し続けていましたが撤廃です。

日本の厚生労働省もこれまでは、コレステロール摂取量に関して

「18歳以上の男性は1日当たり750mgム未満、女性は600mg未満の摂取基準値」

を推奨でしたが撤廃です。


厚生労働省は

「食事からのコレステロールは一部に過ぎず、食事から多く取れば、体内で作る量を減らすなどの調整する仕組みがある」

と解説しています。

こんなことは、とっくにわかっていたこととなのですが、いまさらでも、厚生労働省がお墨付きを出してくれたのは良いことです。

卵や肉類、炒めもの、揚げ物など、コレステロールの多い食材も大丈夫ということですね。

そらママ さんの検査データですが

総コレステロール244
LDLコレステロール158
HDLコレステロール80
中性脂肪は32


なら、まったく問題ないデータです。

糖質制限食を続けていけば、いずれ基準値に戻ると思います。

さて、人体はタンパク質、脂質、無機質、水分等の主要成分により構成されています。
男と女で比べると、一般に女性は少し脂肪の割合が多いです。
人体全体の体組成はおよそですが以下のようです。

水分:55~65%
タンパク質:14~18%
脂肪:15~30%
ミネラル:5~6%
糖質は:1%以下・・・

つまり糖質は人体の構成成分としては極微量。


その中で、脳は脂質に富み、ヒト脳の乾燥重量の65%が脂質です。

脳脂質の半分がリン脂質、コレステロールが1/4、糖脂質が1/4です。

コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。

このように、コレステロールは、人体にとって必要不可欠な、重要な構成成分の一つです。

ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。

そのため血清コレステロール値は、摂取された食物のコレステロールが少ない場合は肝臓での合成が高まり、一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、一定量を必ず確保するよう調整しています。

一般にLDLコレステロールは悪玉でHDLコレステロールは善玉という言い方をしますが、これは正確ではありません。

正常サイズのLDLは、中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。

HDLは末梢組織の細胞で原料として使用されたあと余ったコレステロールを回収して肝臓に運んでいます。 

即ち、LDLもHDLも人体に必要なものであり、日々良い仕事をしており逆に少なすぎたら困るわけです。

LDLコレステロールの中で本当に問題となるのは、小粒子LDLコレステロール(小さくて高密度のLDL)と酸化LDLコレステロールです。

小粒子LDLは、真の悪玉である酸化LDLに変化しやすく危険な存在です。

酸化LDLは血液中で異物と見なされて大食細胞という免疫系の細胞に取り込まれていき、血管内皮細胞内でコレステロールを蓄積させ、動脈硬化を起こし心筋梗塞のリスクとなります。

酸化していない普通のLDLは、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。
 
中性脂肪が多くて、HDLコレステロールが少ない人は、小粒子LDLがたくさんある可能性が高いので要注意です。

HDLコレステロールが多くて中性脂肪が少ない人は、小粒子LDLコレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安全です。

そして糖質制限食実践中の人は、HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が少ないです。

つまり糖質制限食実践中であれば、少々LDLコレステロールが高値でも問題ないわけです。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食を始めてLDL-Cが増えたが・・・。
【15/11/07 キース

LDLコレステロールについて

こんばんは、春には質問にお答えいただき有難うございました。    
      
さて今月61歳になりますが、2014年9月より糖質制限食を始め、一年数ヶ月後の現在、週2日はスーパー、
他はスタンダード~プチ(時々はめをはずし暴食しますが)といった食生活です。  
健康に大きな問題はありません。

ところが今年10月に受けた健康診断の多くの項目の内、ただ一つLDLコレステロールのみが204で、脂質異常症、要治療と判定されました。
HDLコレステロール、トリグリセライドは正常でした。

2014 5月21日の先生の御説明では、菜食中心の人が糖質制限した場合のパターンとのことですが、私の糖質制限以前は、食事に少しは気配りしておりましたが、時々暴食するなどし、菜食や何らかの健康食を取ったことはありません。  
      
今回の質問は、糖質制限前の食事が、菜食の人のようにコレステロールが少なくない場合も、LDLコレステロールの値は高くなるのでしょうか。
また、1~3年で肝臓の調整によって元に戻るのでしょうか。
ご多忙のところ、宜しくお願い致します。】



おはようございます。

キースさんから、「糖質制限食を始めてLDL-Cが増えたが・・・」というコメント・質問をいただきました。

キース さん、スーパー糖質制限食実践者は、ほとんどの場合、1~3年で、全ての検査データが基準値となります。
私の外来の患者さんも同様です。

2015年10月20日 (火)の本ブログ記事
「江部康二の検査データ及び糖質制限食実践時の検査データの推移。」

をご参照いただけば幸いです。

それから、多くの人において、糖質制限前と糖質制限後では、当然糖質制限後の方が食材からのコレステロール摂取は増えると思います。

その場合は、一旦LDL-Cが増えると思います。
菜食主義の場合は、その差が顕著という意味です。

HDL-Cと中性脂肪が正常なら、LDL-Cが高値でも、それは善玉の良いLDL-Cであり、悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは少ないので、動脈硬化へのリスクの心配はないと思います。

普通の大きさのLDL-Cは、肝臓から末梢組織に細胞膜の原料であるコレステロールを運んで行きます。

HDL-Cは、末梢組織で細胞膜の原料となったあと余ったコレステロールを肝臓まで回収しています。

つまり、小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは身体には要らない悪玉ですが、普通の大きさのLDL-Cは人体に必要不可欠な大切な物質なので善玉なのです。

「HDL-Cが運び、LDL-Cが回収する」ということで、両者とも人体に必要なのです。

このまま、できればスーパー糖質制限症を続ければ、徐々に基準値になると思います。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
LH比。LDLコレステロール/HDLコレステロール。
こんにちは。

LDLコレステロール/HDLコレステロール(LDLコレステロール÷HDLコレステロール) 

LH比が、注目を浴びているようです。

糖質制限食実践で、HDLコレステロ-ルが増加するので、LH比は低下することが多く、大変好ましい変化です。

例えば、

DIRECT (*)後の4年間のフォローアップ研究報告
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc1204792

では、LH比を指標の一つに取り上げていて、糖質制限食だけが、LH比を優位に改善しました。

LH比は、動脈硬化予防には、2.0以下が望ましく、高血圧や糖尿病など複数の生活習慣病を持っている人、心筋梗塞や脳梗塞の再発予防には1.5以下が望ましいと、されています。

LH比が注目されてきたのは、LDLコレステロールとHDLコレステロールが共に基準値内なのに、虚血性心疾患を発症する例があり、その場合LH比が高値だったのです。

例えば、日本大学板橋病院の心臓外科の報告によれば虚血性心疾患のため冠動脈バイパス手術が必要な症例において、平均LDL‐cは119.2mg/dL、HDL‐cは43.2mg/dLと基準値内でしたが、LH比の平均は2.98でした。
さらに動脈硬化が重症の場合、LH比は3.0を超えていました。(**)

単純に、LDLコレステロール値、HDLコレステロール値をみるのではなく、LH比も考慮することが必要ですね。

ちなみに、私のLH比を経年的に見てみました。

糖質制限開始前
1999年2月 L123 H69 LH比:1.78

2002年6月糖質制限開始
糖質制限開始後
2004年8月 L97 H99 LH比:0.98
2007年12月 L138 H101 LH比:1.37
2008年4月 L109 H104 LH比:1.05
2010年1月 L123 H124 LH比:0.99
2012年12月 L122 H116 LH比:1.05
2013年11月 L128 H106 LH比:1.21
2014年3月 L129 H107 LH比:1.20
2014年9月 L147 H102 LH比:1.44
2015年3月 L111 H114 LH比:0.97
2015年6月 L153 H87 LH比:1.75


糖質制限食開始後、LH比は見事に改善しています。

2015年6月の検査で、糖質制限食開始後13年間で、初めてLH比が1.75と1.5を超えてびっくりです。

すぐに戻ると思いますが、こういうこともあるのですね。(∵)?

LH比を1.5以下に管理することで、動脈硬化を予防するばかりか、すでに出来上がった動脈硬化を治し、赤ちゃん並みの若々しい血管を取り戻す可能性があるようですので、ますます、糖質制限食の出番ですね。(^^)


江部康二


(*)
ニューイングランド・ジャーナルに掲載された有名な論文。2008年。
低脂肪食、地中海食、低炭水化物食の3群で322名を比較検討

低炭水化物食群において、
HbA1cが有意に改善
体重は最も減少
HDLコレステロールは最も増加
総コレステロール/HDLコレステロール比も改善
中性脂肪も低脂肪食群に比し有意に改善

Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)



以下、週刊ダイヤモンドのウェブサイトから転載
(**)
http://diamond.jp/articles/-/11117

第31回】 2011年2月14日
井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-

LDLよりHDLに注目!!
動脈硬化性疾患の予防とLH比
監修 秦 光賢
(日本大学医学部附属板橋病院心臓血管・呼吸器・総合外科講師、心臓外科科長)

急性心筋梗塞で病院搬送、緊急手術を受けたAさん、49歳。

健康診断で血圧は若干高いが、脂質は「正常」と言われたばかりだった──。

最近、LDLコレステロール(LDL‐c)の基準値をめぐる議論喧しいが、じつは議論の方向が偏っている。最新の研究で心筋梗塞などの動脈硬化性疾患は、高LDL‐c値だけではなく、LDL‐c値とHDLコレステロール(HDL‐c)値のバランス異常が主な原因だとわかっているからだ。

脂質バランスの指標は、LDL‐c÷HDL‐c=「LH比」。

動脈硬化性疾患を防ぐには、LH比2.0以下、高血圧や糖尿病など複数の生活習慣病を持っている人、心筋梗塞や脳梗塞の再発予防にはLH比1.5以下が望ましい。

実際、2004年1月から08年12月に日本大学板橋病院の心臓外科で、冠動脈バイパス手術を受けた重症患者(245例)の平均LDL‐cは119.2mg/dL、HDL‐cは43.2mg/dLと、どちらも基準内だった。ところがLH比の平均は2.98。さらに、「コテコテの動脈硬化のため全身の血管がボロボロの患者」は、LDL‐cが正常でもHDL‐cが低く、LH比が3.0を上回っていたのである。また全身の動脈硬化の状態を反映する頸動脈の血管壁の性状が、動脈硬化で分厚くコブ状になっていた人も、LH比2.0以上の患者ではるかに多かった。


そもそもHDL‐cは、血管壁にたまったコレステロールをキレイにさらってくれるお掃除屋さん。この「掃除力」が悪玉LDL‐cの「ゴミため力」を上回り、LH比が2.0から、限りなく1.0に近づくほど脂質異常症から動脈硬化、そして突然死の流れを阻止できる。たとえ、LDL‐cが基準値を上回る160mg/dLでもHDL‐cが80mg/dL以上なら、あわてずに生活習慣の改善を図り、LDL‐cを基準値内にすればLH比2.0以下を達成できるのだ。

その点で今、注目されているのが動脈硬化進展阻止・退縮治療。LH比を1.5以下に管理することで、動脈硬化を予防するばかりか、すでに出来上がった動脈硬化を治し、赤ちゃん並みの若々しい血管を取り戻す方法だ。

基本は運動療法と薬物治療。HDL‐cは運動療法によく反応し、朝夕2回、30分程度のパワー・ウオーキングを数ヵ月続けるだけで数値が劇的に改善される。必要に応じ、脂質バランスを改善する治療薬が処方されることもある。一見、これまでの脂質治療と変わらないようだが、主役はあくまでHDL‐c。健康診断ではHDL‐cとLH比に注目してみよう。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ルセフィ(SGLT2阻害薬)と糖質制限食。コレステロール値。
【15/08/13 あむよん

ルセフィと糖質制限

江部先生 初めまして
あむよんと申します。

41歳 女性
2年前に2型糖尿病になりました。

6月の記事に投稿してすみません。

2013. 5. 31
血糖値 180
HbA1c 8.6
中性脂肪 245
LDLコレステロール 201
体重 69kg

発覚した当初は目の前が真っ白になり、どうやって病院から帰宅したかも覚えてなく、夫に言うのも恥ずかしく トイレで泣いていました。

処方された薬はメトグルコを朝昼夕に一錠ずつでした。

キチンとしなくてはと思い、カロリー制限と運動を頑張りました。(糖質制限の事を知りませんでした)

玄米や肉、魚、野菜、全てを計りながら食べて 有酸素運動も毎日ではないですが、頑張りました。

もともと太っていたので、体重が減ったおかげで 数値も良くなりました。

2014. 5. 28
血糖値 80
HbA1c 5.1
中性脂肪 207
LDLコレステロール 163
体重 58kg

ただ、とてもしんどく、お腹が空いてひもじく 空腹で眠れないし、顔色も青白い時がありました。
この頃、糖尿病の新薬が出まして メトグルコからルセフィに変更になりました。
摂取した糖分を尿から出してしまうので、水分を多めに摂ることを医師から言われました。
ルセフィにしてからは、体重管理がとても楽になり 顔色も良くなりました。

今年の3月頃から糖質制限を取り入れるようにしました。

2015. 5. 22
血糖値 82
HbA1c 4.8
中性脂肪 106
LDLコレステロール 168
体重 58kg

SGLT2阻害薬は 長期服用はやめた方がいい、半年〜1年位との事ですが 私はもう1年2ヶ月ほど服用していますが、主治医からは
毎回同じ量を処方されます。

LDLコレステロールも高いときで190もあるものですから コレステロールの薬も出そうとしています。

コレステロールはそんなに気にする必要もないとも記載されておりましたので、できたら飲みたくありません。

なので、主治医に『コレステロールの薬は様子を見させて下さい』と言いましたところ とてもムッとされました。
なので、私が糖質制限をしている事は伝えていません。
怒られるのが分かっているので。

長くなってスミマセン。
ここからがご質問したいところなのですが、 2年間 良い数値をキープ出来ているので、これからもスーパー糖質制限をキチンとするという事で薬を止めてしまっても大丈夫でしょうか?

本当は主治医に相談するのが筋だと分かっておりますが、ど〜も流れ作業のように患者の目も見ずに事務的に対応されて『1時間待ちの1分診察』なので話しづらいのです。

あと、私のように2型糖尿病でコレステロールも多い時で200近くある人でも 糖質の少ない お肉やチーズ、バターなどを摂取していて大丈夫でしょうか?

ご相談したく、こちらをお借りしました。
大変お忙しいところ申し訳ございません。
宜しくお願いいたします。】


こんにちは。

あむよんさんから、ルセフィと糖質制限、コレステロールについてコメント・質問を頂きました。

2013. 5. 31
血糖値 180
HbA1c 8.6
中性脂肪 245
LDLコレステロール 201
体重 69kg

2014. 5. 28
血糖値 80
HbA1c 5.1
中性脂肪 207
LDLコレステロール 163
体重 58kg



カロリー制限食と運動で頑張って体重が11kg減少して、HbA1cも8.6→5.1%に改善してますね。

メトグルコとカロリー制限と運動で、こんなに良くなる人もいるとは私としてはびっくりです。

まあ、ほとんどの人はカロリー制限食では良くなりませんので・・・。

ただし、とてもしんどくて、ひもじくて空腹で眠れない時があったとは、つらかったでしょう。

メトグルコをルセフィに変更して、体重管理が楽になり顔色も良くなったとのことですので、あむよん さんにはよく合った薬だったのでしょうね。

2015年3月頃から糖質制限食にして

2015. 5. 22
血糖値 82
HbA1c 4.8
中性脂肪 106
LDLコレステロール 168
体重 58kg


HbA1c4.8%は素晴らしいですし、中性脂肪も見事に改善しましたね。

すでに1年2ヶ月、ルセフィ(SGLT2阻害薬)を内服しておられるということは、そろそろ体重減少効果がなくなり、徐々に体重増加傾向に向かう時期です。

今がやめ時ですので、スーパー糖質制限食をキッチリ実践されてルセフィは中止しましょう。

これ以上ルセフィを続けると、基礎代謝が低下してきて、太りやすくなる可能性があります。


「私のように2型糖尿病でコレステロールも多い時で200近くある人でも 糖質の少ない お肉やチーズ、バターなどを摂取していて大丈夫でしょうか?」

ほとんどの場合、大丈夫です。

食材から摂取されるコレステロールの量が増加すると肝臓がコレステロール産生を減らして調整するようになります。

調整される速度には個人差がありますが、半年~1年~2年、3年で基準値になることが多いです。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
LDLコレステロール値、75gブドウ糖負荷試験の血糖値、インスリン値。
【15/06/23 整備士さん

コレステロールについて

初めまして江部先生。昨年10月に境界型と発覚した172cm54Kg男です。

その時の負荷試験では
空腹時77 インスリン2.4
二時間後125 インスリン76.3
という結果でした。

医者には典型的な日本人の糖尿型だねと言われ食事指導を受けましたが、あまり納得のいく説明がなく先生との相性も悪く困り果てていたところインターネットで糖質制限と出会いました。

それから8ヶ月たった5月の健康診断でHba1c5.7と安定していたもののコレステロールHDL 71 LDL 227 中性脂肪 35 で見事に要精検となってしまいました。

今の担当の医者には薬を飲めと言われましたが薬嫌いな私は未だにプラバスタチンを飲めずにいますが、この場合は様子を見た方がよろしいのでしょうか?】


こんにちは。
整備士さんから
75gブドウ糖負荷試験の血糖値、インスリン値とLDLコレステロールとスタチン剤(プラバスタチン)について、コメント・質問をいただきました。

まず、75g経口ブドウ糖負荷試験の結果ですが、

空腹時77 インスリン2.4
二時間後125 インスリン76.3


なら、2時間値が140mg/dl未満なので、診断基準では境界型ではなくて、正常型です。

基礎分泌インスリン値が2.4μU/mL
正常値: 2~10 μU/mL とか 5~15μU/mL 
検査機関により、正常値が異なります。

整備士さんは、2.4 μU/mLですので、正常低値あるいはやや低値かもしれません。

しかし、空腹時血糖値が77mg/dlと正常なので、低めのインスリンで、血糖コントロール良好であり、とても好ましいパターンです。

インスリンは人体に絶対に必要なホルモンですが、インスリン値は低くてすめばすむほど、身体には優しいのです。

言い換えれば、インスリンが必要最低限ですむような食生活を実践していれば、過剰インスリンの弊害である<老化、がん、動脈硬化、アルツハイマー病などのリスク>が予防できるということです。

そして、インスリンが必要最低限ですむような食生活こそが、スーパー糖質制限食なのです。

負荷試験の2時間値が125mg/dlで、 インスリン76.3μU/mLです。

これは、すでに血糖値がかなり低下してきているのに、インスリンは結構多めにまだ分泌されていることになります。

インスリン追加分泌が出遅れて遷延するのが2型糖尿病の特徴なので、担当医はそのことを指摘したのだと思います。

しかし、現時点では正常型なので心配はありません。

今後、糖質制限食を続けていけば、インスリン追加分泌は少量で済むので<老化、がん、動脈硬化、アルツハイマー病などのリスク>はありませんし、糖尿病の発症も予防できます。


糖質制限8ヶ月後
HDLコレステロール71
LDLコレステロール 227
中性脂肪 35


整備士さんのデータは、HDLコレステロールがしっかりあり、中性脂肪が低いので、小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは少なく、普通のLDLコレステロールが主です。

すなわち、真の悪玉の小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは少ないので、LDLコレステロール 227mg/dlと高値でも心配ないと思います。

現在のLDLコレステロール高値は、

「糖質制限食実践により食事由来のコレステロールが増加したが、肝臓でのコレステロール合成量の低下がまだ追いついていない」

状態に加え、

「糖質制限食により小粒子LDLが減り、大粒子LDL(通常のLDL)が増えることで(LDLの粒子数は不変だが)LDLの質量が増えた」

結果だと考えられますので、心配ないのです。

上記仮説は、きよすクリニックの伊藤喜亮先生からご教示いただきました。

伊藤先生ありがとうございます。

このように糖質制限食後にLDLコレステロールが上昇することがありますが、悪いLDLコレステロールが減少して、良いLDLコレステロールが増えて生じる現象なのでOKなのです。

整備士さんも、このまま、スタチンなしで、経過を見られてよいと思います。


江部康二



【15/06/25 整備士さん
タイトルなし
丁寧なご返答ありがとうございます。
少し記入が足りなかったのが、負荷試験30分 168 インスリン21.8 60分 177 インスリン61.5 90分 177 インスリン60.6
インスリンでるのが遅いと言われてました。
しかし、今回の健康診断で脂質が心配だったものの肝臓の数値がすべて基準値ギリギリだったのが驚くほど改善しました!
さらに仕事中の眠気がなくなり、仕事上細かい作業が多いのですが、集中力があがり作業効率が良くなりました。
昨年の診断をキッカケに暴飲暴食をやめられ、素敵な糖質制限にも出会え、これからも油断せず頑張ってまいります。】

テーマ:糖質制限食
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