2009年11月09日 (月)
こんばんは。
山梨医科大学名誉教授、佐藤章夫先生のホームページ拝見しました。ご高説の中で、牛乳の項とかは基本的に賛成です。
私自身、1984年から高雄病院給食に玄米魚菜食を導入しています。玄米の給食、病院としては日本で初だったかもしれません。
1999年に、兄の江部洋一郎院長が、高雄病院に糖質制限食を導入するまでは、佐藤先生の主張しておられるような食生活を、アトピーや喘息などアレルギー疾患、慢性関節リウマチなど膠原病、腎疾患、消化器疾患、高血圧・・・そして糖尿病、多くの患者さんに、玄米魚菜食を奨めていました。
当時は「粗食のすすめ」の幕内先生と一緒に「学校給食と子どもの健康を考える会」で米飯給食をすすめる運動をしており、米ばっかり食べてました。
まあ、私自身、
「玄米を主食として、おかずはお魚中心に野菜たっぷりで、肉や脂は控えめにして週2回はテニスをする→糖質が総摂取カロリーの60%」
普通のおじさんに比べれば、はるかにヘルシー?なライフスタイルを実践していたにもかかわらず、
40才過ぎから徐々にメタボになり、2002年には糖尿病が発覚しました。
つまり、私が推奨していた、そして佐藤先生の推奨されている「玄米魚菜食(糖質たっぷり食)で脂質は控える食生活」では、自分自身のメタボリック・シンドロームや糖尿病を防ぐことができなかったのは、皮肉なことでした。( ̄_ ̄|||)
玄米魚菜食時代には、メタボや糖尿病になった理由がわからなかったのですが、糖質制限食を研究してから、はっきり理解できました。
そして現在、糖質摂取と糖尿病に関しては江部康二と佐藤先生と基本的に正反対ですね。
<佐藤章夫先生のホームページから抜粋>
『健康なひとがグルコース負荷試験の前日に糖質の少ない食事を摂ると、耐糖能が著しく悪化する。この現象は著者らの研究で観察されたものである。特記すべきは、糖負荷試験の前日の朝食と昼食には普通の食事(たんぱく質15%;脂肪25%;糖質60%)を摂り、夕食だけ糖質の少ない食事(たんぱく質30%;脂肪60%;糖質10%)を与えたところ、全例において耐糖能が悪化したことである。被験者12名中4名が「耐糖能異常」と判定されてしまった(図2)(1,2)。夕食に糖質の多い食事を摂ったときには被験者の耐糖能は正常であったから、検査の15-16時間前の糖質摂取量が耐糖能に大きな影響をもたらすのである。』
<佐藤章夫先生のホームページから抜粋>
『このことはわたくし達の新しい発見ではない。検査前の低糖質食が耐糖能を悪化することは古くから知られていた。今から60年も前にロンドン大学病院のヒムスワース(Himsworth)が正常(糖尿病ではない)の健康人に糖質の少ない食事を1週間与えて糖負荷試験を行った(3)。高糖質食を与えたときには耐糖能は正常であったのに、低糖質食によって糖尿病と判定されるほどに耐糖能が悪化した。しかも、糖質と脂肪の比率を一定に保ちながら総エネルギーを増減させたり、総エネルギーを一定にして糖質と脂肪の比率を変えたりして、耐糖能が検査前の糖質摂取量によって変動することを確認した。この報告を契機にして、糖負荷試験の前少なくとも3日間は1日300グラム以上の糖質摂取が必要であるといわれるようになった(4)。
しかし、1960年、ウィルカーソン(Wilkerson)らが受刑者を被験者として低糖質食が耐糖能に与える影響を再検討して、糖質の摂取量を1日50グラムに制限しても耐糖能には大きな影響を及ぼさないという報告を行った(5)。この報告がNew England Journal of Medicineという影響力の大きな医学誌に掲載されたために、米国糖尿病協会は1日300 gという糖質はアメリカ人には多すぎるとし、1日150グラムの糖質で十分であるという判断を下した。WHOもこれにならい、糖負荷試験の前には1日150グラム以上の糖質を摂ることを被験者に指示することを勧告して、現在にいたっている。』
ウィルカーソン氏の実験では、低糖質食にしても耐糖能に影響なかったようですね。追試した結果がNew England Journal of Medicineに載ったわけですから、EBM的にはやはりヒムスワースの論文よりこちらのほうが説得力ありますね。
私達の症例でも、糖尿病の人が糖質制限食を続けて、一ヶ月、三ヶ月、半年経過していくと、糖質を食べても食後高血糖の改善が見られることがほとんどです。
即ち中・長期的には膵臓のβ細胞の機能が休養により回復し耐糖能の改善がみられます。
例えば2009年11月07日 (土) のブログ「スーパー糖質制限食で糖尿病が治った!?」の蝶々さんも、明らかに耐糖能が改善して正常化しています。
結論としては、直前の低糖質食がGTTにおける耐糖能を低下させるか否かは、異なる結論の二つの文献があり、はっきり断定できません。
しかし、極めて重要な事実は、糖質だけが血糖を上昇させるということです。タンパク質・脂質は血糖値を上昇させません。(*)これは普遍的な生理学的事実です。
佐藤先生はホームペ-ジで
『糖質(澱粉)をたくさん摂るとインスリンの分泌が少なくて済む』
と断定しておられますが、これは生理学的な事実と反しています。
糖質だけが血糖値を上昇させますので、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。しかし、脂質を摂取してもインスリン追加分泌はありません。タンパク質を摂取したときはごく少量のインスリンの追加分泌があります。
つまり人(糖尿人も正常人も)において、インスリンの追加分泌が大量に必要となるのは、糖質を摂取した時だけです。これも論争の余地など全くない生理学的事実です。
現代の日本人の食生活は、精製糖質の過剰摂取と運動不足により、毎日3~5回以上ブドウ糖ミニスパイク(**)が生じ、その度にインスリンが大量に追加分泌され、10年、20年、30年と働き続けた膵臓が疲弊し、とうとう40代、50代で糖尿病を発症するわけです。これが日本の糖尿病激増の実態です。
なお今日の記事のテーマに関して、
2009年6月11日のブログ<糖質制限食>VS<高糖質食>①②③
もご参照いただけば幸いです。
江部康二
(*)
ADA(米国糖尿病協会)2004年版の
Life With Diabetes
A Series of Teaching Outlines
by the Michigan Diabetes Research and Training Center
(**)グルコーススパイクとミニスパイク
グルコーススパイク(ブドウ糖スパイク)のお話です。
近年の糖尿病関係の話題として、『空腹時血糖値と食後高血糖値の差(ブドウ糖スパイク)が大きいほど、リアルタイムに大血管の内皮が傷害されて動脈硬化になりやすく、将来心筋梗塞の危険性が高まる』という説が有力となっています。
糖尿病の人は、当然、ブドウ糖スパイクが大きいわけです。例えば、空腹時血糖値が100~120mgとかでも、糖質摂取後の血糖値は200、300mgとなってしまいます。(脂質やタンパク質を食べても、ブドウ糖スパイクは起こりませんので、念のため。)
一方、糖尿病がない人でも、精製された糖質(高GI食品)を食べれば、糖尿病の人に比べれば小さいとはいえ、ブドウ糖スパイクが生じますから、代謝全般に乱れが生じてアレルギー疾患や高脂血症・肥満など様々な生活習慣病にも悪影響がでる可能性があります。私は、この小さなブドウ糖スパイクを、『ミニスパイク』と呼んでいます。
精製された糖質は、特に血糖を上昇させやすい食品です。中でも白パン、ケーキなどの精製小麦粉製品は血糖上昇指数(GI)が100もあります。ちなみに白米は70、玄米は50です。
糖尿病が無ければ、玄米などGIの低いものを主食としていれば、ミニスパイクもほとんど起こらず、血管内皮の障害のリスクも無くなりますし代謝も安定します。
過去経験的に、「玄米魚菜食がいろんな病気の改善に良い」と言われ、高雄病院でも1984年から玄米魚菜食を給食で提供してきました。
なぜ良いのか、理論的根拠に長年悩んでいましたが、「ブドウ糖スパイク理論」でやっと説明がつきました。
世界中に、今まで様々な食事療法があり、それぞれ治療効果を謳っていますが、やはり「ブドウ糖スパイクが少ない」という一点で共通していることが多いようです。
なお、糖質制限食ならミニスパイクも全く起こらず、血糖値は勿論、代謝全てが安定します。
山梨医科大学名誉教授、佐藤章夫先生のホームページ拝見しました。ご高説の中で、牛乳の項とかは基本的に賛成です。
私自身、1984年から高雄病院給食に玄米魚菜食を導入しています。玄米の給食、病院としては日本で初だったかもしれません。
1999年に、兄の江部洋一郎院長が、高雄病院に糖質制限食を導入するまでは、佐藤先生の主張しておられるような食生活を、アトピーや喘息などアレルギー疾患、慢性関節リウマチなど膠原病、腎疾患、消化器疾患、高血圧・・・そして糖尿病、多くの患者さんに、玄米魚菜食を奨めていました。
当時は「粗食のすすめ」の幕内先生と一緒に「学校給食と子どもの健康を考える会」で米飯給食をすすめる運動をしており、米ばっかり食べてました。
まあ、私自身、
「玄米を主食として、おかずはお魚中心に野菜たっぷりで、肉や脂は控えめにして週2回はテニスをする→糖質が総摂取カロリーの60%」
普通のおじさんに比べれば、はるかにヘルシー?なライフスタイルを実践していたにもかかわらず、
40才過ぎから徐々にメタボになり、2002年には糖尿病が発覚しました。
つまり、私が推奨していた、そして佐藤先生の推奨されている「玄米魚菜食(糖質たっぷり食)で脂質は控える食生活」では、自分自身のメタボリック・シンドロームや糖尿病を防ぐことができなかったのは、皮肉なことでした。( ̄_ ̄|||)
玄米魚菜食時代には、メタボや糖尿病になった理由がわからなかったのですが、糖質制限食を研究してから、はっきり理解できました。
そして現在、糖質摂取と糖尿病に関しては江部康二と佐藤先生と基本的に正反対ですね。
<佐藤章夫先生のホームページから抜粋>
『健康なひとがグルコース負荷試験の前日に糖質の少ない食事を摂ると、耐糖能が著しく悪化する。この現象は著者らの研究で観察されたものである。特記すべきは、糖負荷試験の前日の朝食と昼食には普通の食事(たんぱく質15%;脂肪25%;糖質60%)を摂り、夕食だけ糖質の少ない食事(たんぱく質30%;脂肪60%;糖質10%)を与えたところ、全例において耐糖能が悪化したことである。被験者12名中4名が「耐糖能異常」と判定されてしまった(図2)(1,2)。夕食に糖質の多い食事を摂ったときには被験者の耐糖能は正常であったから、検査の15-16時間前の糖質摂取量が耐糖能に大きな影響をもたらすのである。』
<佐藤章夫先生のホームページから抜粋>
『このことはわたくし達の新しい発見ではない。検査前の低糖質食が耐糖能を悪化することは古くから知られていた。今から60年も前にロンドン大学病院のヒムスワース(Himsworth)が正常(糖尿病ではない)の健康人に糖質の少ない食事を1週間与えて糖負荷試験を行った(3)。高糖質食を与えたときには耐糖能は正常であったのに、低糖質食によって糖尿病と判定されるほどに耐糖能が悪化した。しかも、糖質と脂肪の比率を一定に保ちながら総エネルギーを増減させたり、総エネルギーを一定にして糖質と脂肪の比率を変えたりして、耐糖能が検査前の糖質摂取量によって変動することを確認した。この報告を契機にして、糖負荷試験の前少なくとも3日間は1日300グラム以上の糖質摂取が必要であるといわれるようになった(4)。
しかし、1960年、ウィルカーソン(Wilkerson)らが受刑者を被験者として低糖質食が耐糖能に与える影響を再検討して、糖質の摂取量を1日50グラムに制限しても耐糖能には大きな影響を及ぼさないという報告を行った(5)。この報告がNew England Journal of Medicineという影響力の大きな医学誌に掲載されたために、米国糖尿病協会は1日300 gという糖質はアメリカ人には多すぎるとし、1日150グラムの糖質で十分であるという判断を下した。WHOもこれにならい、糖負荷試験の前には1日150グラム以上の糖質を摂ることを被験者に指示することを勧告して、現在にいたっている。』
ウィルカーソン氏の実験では、低糖質食にしても耐糖能に影響なかったようですね。追試した結果がNew England Journal of Medicineに載ったわけですから、EBM的にはやはりヒムスワースの論文よりこちらのほうが説得力ありますね。
私達の症例でも、糖尿病の人が糖質制限食を続けて、一ヶ月、三ヶ月、半年経過していくと、糖質を食べても食後高血糖の改善が見られることがほとんどです。
即ち中・長期的には膵臓のβ細胞の機能が休養により回復し耐糖能の改善がみられます。
例えば2009年11月07日 (土) のブログ「スーパー糖質制限食で糖尿病が治った!?」の蝶々さんも、明らかに耐糖能が改善して正常化しています。
結論としては、直前の低糖質食がGTTにおける耐糖能を低下させるか否かは、異なる結論の二つの文献があり、はっきり断定できません。
しかし、極めて重要な事実は、糖質だけが血糖を上昇させるということです。タンパク質・脂質は血糖値を上昇させません。(*)これは普遍的な生理学的事実です。
佐藤先生はホームペ-ジで
『糖質(澱粉)をたくさん摂るとインスリンの分泌が少なくて済む』
と断定しておられますが、これは生理学的な事実と反しています。
糖質だけが血糖値を上昇させますので、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。しかし、脂質を摂取してもインスリン追加分泌はありません。タンパク質を摂取したときはごく少量のインスリンの追加分泌があります。
つまり人(糖尿人も正常人も)において、インスリンの追加分泌が大量に必要となるのは、糖質を摂取した時だけです。これも論争の余地など全くない生理学的事実です。
現代の日本人の食生活は、精製糖質の過剰摂取と運動不足により、毎日3~5回以上ブドウ糖ミニスパイク(**)が生じ、その度にインスリンが大量に追加分泌され、10年、20年、30年と働き続けた膵臓が疲弊し、とうとう40代、50代で糖尿病を発症するわけです。これが日本の糖尿病激増の実態です。
なお今日の記事のテーマに関して、
2009年6月11日のブログ<糖質制限食>VS<高糖質食>①②③
もご参照いただけば幸いです。
江部康二
(*)
ADA(米国糖尿病協会)2004年版の
Life With Diabetes
A Series of Teaching Outlines
by the Michigan Diabetes Research and Training Center
(**)グルコーススパイクとミニスパイク
グルコーススパイク(ブドウ糖スパイク)のお話です。
近年の糖尿病関係の話題として、『空腹時血糖値と食後高血糖値の差(ブドウ糖スパイク)が大きいほど、リアルタイムに大血管の内皮が傷害されて動脈硬化になりやすく、将来心筋梗塞の危険性が高まる』という説が有力となっています。
糖尿病の人は、当然、ブドウ糖スパイクが大きいわけです。例えば、空腹時血糖値が100~120mgとかでも、糖質摂取後の血糖値は200、300mgとなってしまいます。(脂質やタンパク質を食べても、ブドウ糖スパイクは起こりませんので、念のため。)
一方、糖尿病がない人でも、精製された糖質(高GI食品)を食べれば、糖尿病の人に比べれば小さいとはいえ、ブドウ糖スパイクが生じますから、代謝全般に乱れが生じてアレルギー疾患や高脂血症・肥満など様々な生活習慣病にも悪影響がでる可能性があります。私は、この小さなブドウ糖スパイクを、『ミニスパイク』と呼んでいます。
精製された糖質は、特に血糖を上昇させやすい食品です。中でも白パン、ケーキなどの精製小麦粉製品は血糖上昇指数(GI)が100もあります。ちなみに白米は70、玄米は50です。
糖尿病が無ければ、玄米などGIの低いものを主食としていれば、ミニスパイクもほとんど起こらず、血管内皮の障害のリスクも無くなりますし代謝も安定します。
過去経験的に、「玄米魚菜食がいろんな病気の改善に良い」と言われ、高雄病院でも1984年から玄米魚菜食を給食で提供してきました。
なぜ良いのか、理論的根拠に長年悩んでいましたが、「ブドウ糖スパイク理論」でやっと説明がつきました。
世界中に、今まで様々な食事療法があり、それぞれ治療効果を謳っていますが、やはり「ブドウ糖スパイクが少ない」という一点で共通していることが多いようです。
なお、糖質制限食ならミニスパイクも全く起こらず、血糖値は勿論、代謝全てが安定します。
先生のブログを拝見する事が私の人生で日々の勉強と楽しみです。糖質制限を先生の本を何度も読んで勉強しました。今.糖質制限を実行してやっと本当の健康になるための方法に出会えた気がしています。先日.血液検査で気になる項目がありました。血液検査や尿検査など他の項目は問題がなく以前より良くなってました。アレルギー体質やすぐ風邪をひいたりなどの虚弱体質も改善された気がします。ただ.尿素窒素という項目が基準よりも高く22でした。ブログでクレアチニンが高い時には糖質制限には不向きとのお話も拝見しました。クレアチニンは0.56でした。尿素窒素が高いと糖質制限は向いてないのでしょうか。私はこのまま一生糖質制限を続けたいと思っています。お忙しい先生に大変申し訳ありませんが.教えてください。
2009/11/09(Mon) 21:24 | URL | | 【編集】
クレアチニンが正常ですので
腎機能は全く問題はありません。
糖質制限食実践で、相対的に高タンパク食になるので
生理的に尿素窒素(BUN)が上昇します。
これは異常ではありません。
クレアチニンもほうが、尿素窒素より正確に腎機能を反映しています。
安心して美味しく楽しく糖質制限食をお続け下さいね。
腎機能は全く問題はありません。
糖質制限食実践で、相対的に高タンパク食になるので
生理的に尿素窒素(BUN)が上昇します。
これは異常ではありません。
クレアチニンもほうが、尿素窒素より正確に腎機能を反映しています。
安心して美味しく楽しく糖質制限食をお続け下さいね。
2009/11/09(Mon) 22:29 | URL | 江部康二 | 【編集】
初めまして。一昨日から低糖質食に励んでいる者です。
早々質問をしてもいいですか?
エリスリムとパルスイートカロリー0ではどちらのほうが血糖値を上昇させますか?
先生の本をすべて読み尽くし、釜池先生や他の先生の本も読んでみたらもう何がなんだかわからずパニックです。。
このブログでもっと勉強させてください!
早々質問をしてもいいですか?
エリスリムとパルスイートカロリー0ではどちらのほうが血糖値を上昇させますか?
先生の本をすべて読み尽くし、釜池先生や他の先生の本も読んでみたらもう何がなんだかわからずパニックです。。
このブログでもっと勉強させてください!
2009/11/09(Mon) 22:49 | URL | 初心者 | 【編集】
江部先生、毎日のお仕事、ブログの更新ご苦労様です。
今日の記事、非常に興味深く読ませて頂きました。
耐糖能に関しては、人それぞれなので、自分自身ではいまだに結論が出せずにいますが、
『糖質(澱粉)をたくさん摂るとインスリンの分泌が少なくて済む』
これについては、全く江部先生のおっしゃる通りだと思います。
自分自身の結論としては、薬に頼らない生活を今後一生続けていくならば、やはり糖質を制限していくしかないなと思いました。
話は変わりますが、最近は主食が豚肉に落ち着きつつあります。
といっても、朝抜きの1週間の14回の食事のうちで6回程度しか食べません。
釜池先生はもっと頻繁に肉を食べているようですが・・・
実は最近、友人(50代)が膀胱ガン&大腸ガンになりました。
彼のこの8年間の食生活を見ていると、
朝、昼、晩とおにぎりばかり食べていて、野菜や肉の摂取量は非常に少ないようでした。
彼の血糖値は今年も含めて過去3年とも80前後でした。
米どころでは胃ガンの発症率が非常に高いらしいですが、同じ米どころでも大豆を同時に作っている場所では胃ガンの発症率は下がる。という報告もありますよね。
また、大腸ガンと豚肉の関係について調べてみると、豚肉を多くとると大腸ガンになる可能性は高くなるという臨床実験の結果もあるし、同時に、数年間の数千人規模の追跡で豚肉の大量摂取は、大腸ガンの発症比率を上昇させなかったという臨床実験もあります。(ちょっとURLは分からなくなりました)
友人の健康診断の結果においては中性脂肪が200を越えていたものの、他の項目は全て正常でした。
大腸ガンについて調べると、中性脂肪の増大は大きな要因になるとのことでした。
糖質制限を続けていくにあたって、炭水化物以外の食べ物のバランスは凄く大事だということは分かっていますが、「豚肉を主食にする」ということについてはどうお考えでしょうか?
もちろん毎日大量に野菜は食べていますし、魚も週に6回は食べています。(鮭、アジ、サバ、ししゃもなどなど)
今日の記事、非常に興味深く読ませて頂きました。
耐糖能に関しては、人それぞれなので、自分自身ではいまだに結論が出せずにいますが、
『糖質(澱粉)をたくさん摂るとインスリンの分泌が少なくて済む』
これについては、全く江部先生のおっしゃる通りだと思います。
自分自身の結論としては、薬に頼らない生活を今後一生続けていくならば、やはり糖質を制限していくしかないなと思いました。
話は変わりますが、最近は主食が豚肉に落ち着きつつあります。
といっても、朝抜きの1週間の14回の食事のうちで6回程度しか食べません。
釜池先生はもっと頻繁に肉を食べているようですが・・・
実は最近、友人(50代)が膀胱ガン&大腸ガンになりました。
彼のこの8年間の食生活を見ていると、
朝、昼、晩とおにぎりばかり食べていて、野菜や肉の摂取量は非常に少ないようでした。
彼の血糖値は今年も含めて過去3年とも80前後でした。
米どころでは胃ガンの発症率が非常に高いらしいですが、同じ米どころでも大豆を同時に作っている場所では胃ガンの発症率は下がる。という報告もありますよね。
また、大腸ガンと豚肉の関係について調べてみると、豚肉を多くとると大腸ガンになる可能性は高くなるという臨床実験の結果もあるし、同時に、数年間の数千人規模の追跡で豚肉の大量摂取は、大腸ガンの発症比率を上昇させなかったという臨床実験もあります。(ちょっとURLは分からなくなりました)
友人の健康診断の結果においては中性脂肪が200を越えていたものの、他の項目は全て正常でした。
大腸ガンについて調べると、中性脂肪の増大は大きな要因になるとのことでした。
糖質制限を続けていくにあたって、炭水化物以外の食べ物のバランスは凄く大事だということは分かっていますが、「豚肉を主食にする」ということについてはどうお考えでしょうか?
もちろん毎日大量に野菜は食べていますし、魚も週に6回は食べています。(鮭、アジ、サバ、ししゃもなどなど)
2009/11/09(Mon) 23:35 | URL | さわ | 【編集】
夜中に起きて、さらに大腸ガンについて調べていたところ、国別の大腸ガンの発祥比率と原因(アメリカ、日本、ニュージーランド、デンマーク、フィンランドなど)を読み、さらに理解不能に陥っていましたが、ある回答を見つけました。
江部先生の2009年08月24日 (月)の記事でした。
糖質制限食という視点から見ると、イヌイットが伝統的食生活(スーパー糖質制限食)を守っていたときは、少なくとも欧米型のガンはほとんど見られませんでした。
一方、小麦が入ってきて、バノクが主食として定着して、40~50年経過したら今までイヌイット社会にはほとんんど無かった、欧米型の癌(肺癌、大腸癌、乳癌)が増加しています。即ち、糖質を摂取するようになってから、欧米型のガンが増えています。
ありがとうございました。
江部先生の2009年08月24日 (月)の記事でした。
糖質制限食という視点から見ると、イヌイットが伝統的食生活(スーパー糖質制限食)を守っていたときは、少なくとも欧米型のガンはほとんど見られませんでした。
一方、小麦が入ってきて、バノクが主食として定着して、40~50年経過したら今までイヌイット社会にはほとんんど無かった、欧米型の癌(肺癌、大腸癌、乳癌)が増加しています。即ち、糖質を摂取するようになってから、欧米型のガンが増えています。
ありがとうございました。
2009/11/10(Tue) 04:37 | URL | さわ | 【編集】
さわさん。
いつもコメントありがとうござます。
米国の大規模介入試験(5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡)において、
「脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げない」
ことが、アメリカ医学会雑誌2006年2月8日号で報告されました。(JAMA. 2006;295:629-642. 643-654. 655-666.)
この論文により、少なくとも乳癌と大腸癌に関しては、脂肪は発症リスクとはならないことが証明されました。
そして、イヌイットがスーパー糖質制限食だったころは、乳癌や大腸癌はほとんどありませんでした。
イヌイットが糖質を摂取し始めて、乳癌や大腸癌が増えています。
これらを合わせて考慮すれば、脂肪ではなく、糖質の過剰摂取こそが、欧米型の癌の大きなリスクである可能性が考えられます。そして糖質制限食なら、その予防ができる可能性がありますね。
いつもコメントありがとうござます。
米国の大規模介入試験(5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡)において、
「脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げない」
ことが、アメリカ医学会雑誌2006年2月8日号で報告されました。(JAMA. 2006;295:629-642. 643-654. 655-666.)
この論文により、少なくとも乳癌と大腸癌に関しては、脂肪は発症リスクとはならないことが証明されました。
そして、イヌイットがスーパー糖質制限食だったころは、乳癌や大腸癌はほとんどありませんでした。
イヌイットが糖質を摂取し始めて、乳癌や大腸癌が増えています。
これらを合わせて考慮すれば、脂肪ではなく、糖質の過剰摂取こそが、欧米型の癌の大きなリスクである可能性が考えられます。そして糖質制限食なら、その予防ができる可能性がありますね。
2009/11/10(Tue) 15:43 | URL | 江部康二 | 【編集】
問題は、糖質(とくに精製されたものや小麦)と動物性タンパク質の同時摂取かもしれませんよ。消化器官が混乱を起こすそうです。ナチュラルハイジーンなどでは基本の禁止ルールです。イヌイットのような特殊な環境はどうか知りませんが、人類の多くは果物や木の実などを中心に食べてきました。なんでもかんでも糖質のせいにしてはいけないと思います。
2010/01/26(Tue) 11:43 | URL | ぷーい | 【編集】
初めまして
糖質制限食に興味を持ち、実践する為に情報を集めているところです
イヌイットの例が出されていますが、パプアニューギニア人やピマインディアンのこともあわせて考えると、糖質の多い少ないよりもその民族にとって伝統的な食生活であるかどうかの方が影響が大きいように思うのです
適切な運動は行うとして、ならば日本人は穀物が多い方が合ってるのかな?という疑問が湧きます
だけど糖質が血糖値を上げるという理屈もわかるんです
どう考えたらふに落ちるんでしょうか
もし私の理解が足りないのあれば、お教え頂ければ幸いです
糖質制限食に興味を持ち、実践する為に情報を集めているところです
イヌイットの例が出されていますが、パプアニューギニア人やピマインディアンのこともあわせて考えると、糖質の多い少ないよりもその民族にとって伝統的な食生活であるかどうかの方が影響が大きいように思うのです
適切な運動は行うとして、ならば日本人は穀物が多い方が合ってるのかな?という疑問が湧きます
だけど糖質が血糖値を上げるという理屈もわかるんです
どう考えたらふに落ちるんでしょうか
もし私の理解が足りないのあれば、お教え頂ければ幸いです
2011/06/28(Tue) 17:07 | URL | むぅ | 【編集】
むぅ さん。
2011/06/22のブログ「人類の主食は穀物ではない、インスリンとGLUT4、インクレチンとDPP-4」
をご参照ください。
2011/06/22のブログ「人類の主食は穀物ではない、インスリンとGLUT4、インクレチンとDPP-4」
をご参照ください。
2011/06/28(Tue) 22:12 | URL | ドクター江部 | 【編集】
22歳 女 糖尿病のきらいはおそらくない状態でしたが健康のためと半ば人体実験といった気持ちで糖質制限食を始め、1年程になります。家族にも糖尿病の者はおりません。糖質の機会摂取が月に1~2度あります。
今回も機会摂取となり、血糖値を測ってみました(自己入手)。
パンを3個ほど摂取したところ(総糖質量80gくらい?)、
30分後 130
60分後 202
となりびっくりしました。このときは運動をして血糖値を90分後152、120分後122
まで下げました。
しかし、その後もだらだらと血糖値が下がらず、120~130前後を行き来し、4時間後に141に再び上昇。6時間半後にはさすがに99までさがっていました。
耐糖能が一時的に悪化したせいかと思いつつ、こわくなりました。今までも機会摂取の際に何度か血糖値を測ったことはあるのですが最高でも170くらいまででしたので。
この血糖値となってから糖質制限を再び行い4日後に再び寿司を10貫ほど食べたので血糖値を測定しました。このときはなるべく安静を保ちました。
30分後140
60分後196
90分後211
120分後198
150分後151
180分後122
と、再び血糖値が200を超え糖尿病型の結果となりました。
これは一時的な耐糖能の悪化でしょうか。OGTTの際も3日間は150gの糖質摂取をすすめられておりますし、実験的にこれから3日ほど高糖質の食事を摂り血糖値を測ろうか、糖尿病になったのだと再び糖質制限生活しようか悩み中です。しかし、糖尿病でない状態で始めたためこの結果はショックです。先生のご意見では糖質制限で耐糖能は改善こそすれ、悪化はしないとのことでしたので。もちろん、今後糖質を摂らなければ良いことなのですが、避けられない機会摂取の度にこのような異常な血糖値となるのもおそろしいです。
ちなみに、渡辺先生よりの糖質制限をしており、肉卵チーズ中心で野菜も必要最低限でした。
ご見解を伺えればと思います。よろしくお願いします。
今回も機会摂取となり、血糖値を測ってみました(自己入手)。
パンを3個ほど摂取したところ(総糖質量80gくらい?)、
30分後 130
60分後 202
となりびっくりしました。このときは運動をして血糖値を90分後152、120分後122
まで下げました。
しかし、その後もだらだらと血糖値が下がらず、120~130前後を行き来し、4時間後に141に再び上昇。6時間半後にはさすがに99までさがっていました。
耐糖能が一時的に悪化したせいかと思いつつ、こわくなりました。今までも機会摂取の際に何度か血糖値を測ったことはあるのですが最高でも170くらいまででしたので。
この血糖値となってから糖質制限を再び行い4日後に再び寿司を10貫ほど食べたので血糖値を測定しました。このときはなるべく安静を保ちました。
30分後140
60分後196
90分後211
120分後198
150分後151
180分後122
と、再び血糖値が200を超え糖尿病型の結果となりました。
これは一時的な耐糖能の悪化でしょうか。OGTTの際も3日間は150gの糖質摂取をすすめられておりますし、実験的にこれから3日ほど高糖質の食事を摂り血糖値を測ろうか、糖尿病になったのだと再び糖質制限生活しようか悩み中です。しかし、糖尿病でない状態で始めたためこの結果はショックです。先生のご意見では糖質制限で耐糖能は改善こそすれ、悪化はしないとのことでしたので。もちろん、今後糖質を摂らなければ良いことなのですが、避けられない機会摂取の度にこのような異常な血糖値となるのもおそろしいです。
ちなみに、渡辺先生よりの糖質制限をしており、肉卵チーズ中心で野菜も必要最低限でした。
ご見解を伺えればと思います。よろしくお願いします。
2014/07/26(Sat) 22:36 | URL | osm | 【編集】
osm さん
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生のご研究は、
120g/日以下の糖質制限食です。
120g/日以下の糖質制限食を12ヶ月で
境界型糖尿病の過半数が正常型に改善したということです。
この研究は、osm さんの場合とは違うと思います。
非常に厳しい糖質制限食の場合は、
正常人において、前もって1週間、糖質制限食を実施した後、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行うと、耐糖能が悪化するというヒムスワースの研究と耐糖能は悪化しないというウィルカーソンの研究があります。
どちらが、正解か断定はできません。
個人差がある可能性もあります。
新潟労災病院消化器内科部長前川智先生のご研究は、
120g/日以下の糖質制限食です。
120g/日以下の糖質制限食を12ヶ月で
境界型糖尿病の過半数が正常型に改善したということです。
この研究は、osm さんの場合とは違うと思います。
非常に厳しい糖質制限食の場合は、
正常人において、前もって1週間、糖質制限食を実施した後、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行うと、耐糖能が悪化するというヒムスワースの研究と耐糖能は悪化しないというウィルカーソンの研究があります。
どちらが、正解か断定はできません。
個人差がある可能性もあります。
2014/07/27(Sun) 15:13 | URL | ドクター江部 | 【編集】
お忙しい所ありがとうございます。
食後高血糖が生じない程度に少し糖質量を増やした食事を続けたのち、多めの糖質摂取の際の血糖値を再びはかってみようとおもいます。自分の中では人体実験の気分です。n数=1ですが。
日常は厳しい糖質制限をした上での月に一、二度の糖尿病患者にならぶ高血糖はどのくらい問題がありますでしょうか。これがあまり問題ないなら今のままで良いかと考えているのですが。今後の食生活をどのようにすべきでしょうか。
図々しいかとは存じますが、江部先生の健康人の糖質制限に対する考え(健康人もスーパーのが良いのか、むしろマイルドのが良い等)も合わせてお聞かせ願えればと思います。
食後高血糖が生じない程度に少し糖質量を増やした食事を続けたのち、多めの糖質摂取の際の血糖値を再びはかってみようとおもいます。自分の中では人体実験の気分です。n数=1ですが。
日常は厳しい糖質制限をした上での月に一、二度の糖尿病患者にならぶ高血糖はどのくらい問題がありますでしょうか。これがあまり問題ないなら今のままで良いかと考えているのですが。今後の食生活をどのようにすべきでしょうか。
図々しいかとは存じますが、江部先生の健康人の糖質制限に対する考え(健康人もスーパーのが良いのか、むしろマイルドのが良い等)も合わせてお聞かせ願えればと思います。
2014/07/27(Sun) 16:35 | URL | osm | 【編集】
osm さん
日常は厳しい糖質制限をした上での月に一、二度の糖尿病患者にならぶ高血糖はどのくらい問題がありますでしょうか。
さして問題ないと思います。
ただ、寿司とかカレーライスとか「ダブル炭水化物」は、さすがに推奨できません。
糖尿病でない人にとっても、人類本来の食生活がスーパー糖質制限食です。
その中で、日頃の運動量に応じて、糖質摂取量を決めればいいと思います。
日常は厳しい糖質制限をした上での月に一、二度の糖尿病患者にならぶ高血糖はどのくらい問題がありますでしょうか。
さして問題ないと思います。
ただ、寿司とかカレーライスとか「ダブル炭水化物」は、さすがに推奨できません。
糖尿病でない人にとっても、人類本来の食生活がスーパー糖質制限食です。
その中で、日頃の運動量に応じて、糖質摂取量を決めればいいと思います。
2014/07/30(Wed) 10:36 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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