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インフルエンザ、強毒性と弱毒性
こんにちは。

強毒性インスルエンザウィルス弱毒性インフルエンザウィルス、この言葉を何げなく使っていますが、本態はどこが違うのでしょう?

まず、インフルエンザウィルスが直接、毒を作って人体にばらまいているわけではありません。

インフルエンザの「毒性」というのは、限られた細胞内の増殖に止まっているのか?はたまた全身の細胞で増殖するのか?で決められます。

人型インフルエンザウィルス豚型インフルエンザウィルスは、現在までのところ弱毒性です。
今流行っている新型インフルエンザは豚型なので、やはり弱毒性です。

弱毒性の場合、ウィルスは鼻・咽頭・肺などの気道粘膜細胞と、消化管の粘膜細胞からしか体内に侵入できません。即ち、血中には侵入できないのです。従ってウイルスの増殖も、基本的に呼吸器か消化管以外ではありません。

一方、強毒性になると、呼吸器と消化管だけでなく、血中に侵入できるのです。血中に侵入されたら、血管・血液を介して脳をはじめ心臓や腎臓など、全身の臓器に速やかに感染し増殖します。そうなると重症化し、脳炎や多臓器不全で死亡する率が高くなります。

新型鳥インフルエンザ」が、非常に恐れられているのは、今までの人型や豚型と異なり、強毒性で血中に侵入する能力を獲得しているからです。

強毒性の新型鳥インフルエンザが、ヒトに感染すると血中に侵入し全身組織で増殖するので、弱毒性に比べて極めて危険なのです。

さて、現在流行中の新型インフルエンザは豚型で、ほとんどの人は軽症ですむようです。

10月現在、国内推定患者は300万人以上ですが、死亡者は30人です。従来の季節性インフルエンザの致死率は「0・1%未満」ですので、新型はこれをを大きく下回る「0.001%」くらいです。

ただし、従来の季節性インフルエンザとは異なる特徴があります。

例えば、当初、重症化リスクが高いのは、基礎疾患(持病)を持つ人とみられていましたが、実際は国内の入院患者の半数以上に持病がありませんでした。

さらに、5~14歳の重症肺炎や、脳症による入院が多いのも注意すべき点で、高齢者がほとんどの季節性とはパターンが全く違っています。

また、重症肺炎は理解できるのですが、

「弱毒性ウィルスは血中に侵入できないはずなのに、なぜ脳症になるのか?」

も原因不明です。

なお、インフルエンザに罹患したときに使用できる解熱剤は「アセトアミノフェン」のみであり、それ以外の解熱剤は、脳症誘発の危険性があるため禁忌です。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
Re: 1ヶ月
のんたろうさん。

食後血糖値が1日を通して、180mgを超えなくなると、
インスリンの効きがよくなります。

主治医と相談されて
しばらく、ノボラピッドミックス12単位×2/日で
上記をめざしてください。
うまく達成できるとまたインスリンの単位が減らせます。

体重が減ってますので、インスリン抵抗性も改善してくると思います。
下記をめざしてください。

【糖尿人の目標】
糖尿病合併症予防のために

① 空腹時血糖値140mg/dl未満→126mg/dl未満→さらには110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値180mg/dlmg/dl未満→さらには140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c6.5%未満→さらには5.8%未満
2009/10/29(Thu) 09:15 | URL | 江部康二 | 【編集
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