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糖質制限食とメンタルの安定
こんにちは。

今日は薄曇りの京都です。

さて今回はしょうぞうさんから、糖質制限食とメンタルの安定についてコメント・質問をいただきました。


「09/10/15 しょうぞう
はじめまして
先日、先生のご本をはじめて読み、糖質制限食をはじめてみた41歳の男です。糖尿病ではないのですが、ご本の中で血糖値の安定によるメンタルの安定という点に興味をひかれはじめました。なぜなら私は長年、気分にムラがあり、また疲労感がいつもあり、仕事への集中力が欠ける点がありました。またお米がとても好きで食べすぎる傾向がありました。ご本を読んで、もしかすると糖質のとりすぎが原因だったのかもかと思いつきました。そこで一週間ほど前からはじめてみると劇的な変化があらわれました。それは朝の目覚めが異様によいことです。いつもいくら寝ても寝たりない感じがあり、しかも朝から疲れているようだったのが、目がさめた瞬間に頭が立ち上がるような感じで、しかも4時や5時に目ざめるのです。目の奥に感じていた何かつまっている感じもなくなりました。日中の気分の軽さもかつてないほどです。糖質を消化するのにこれほど体に負担があったのかと恐ろしくなるほどです。糖尿病対策、ダイエット対策として以外に現在の日本人の漠然とした疲労感、陰鬱感軽減対策として、先生の理論と実践は救世主となるのではないかと思いました。こういった観点での症例がありましたら、教えていただければと思います。」


しょうぞうさん。
コメント、本のご購入そして貴重な体験報告ありがとうございます。

また、長年の「気分のムラ、疲労感、仕事への集中力が欠ける」といった症状が糖質制限食により改善し、目覚めもよく日中の気分も軽いとのこと、良かったです。

「気分のムラ、疲労感、仕事への集中力が欠ける」といった症状は、グルコースミニスパイクが原因の可能性があります。(*)

現代人に日常的に生じているグルコースミニスパイクが、糖質制限食を実践すれば起こりません。このことがメンタルの安定にかなり関与していると思います。

もっとも解りやすい例は、機能性低血糖症です。

機能性低血糖症は、1924年アメリカのSeale Harrisによって指摘された疾患で、血糖値の低下に伴ない、精神的・身体的症状を来たす疾患です。

易疲労感、気力低下、眠気、集中力低下、物忘れ、不安、いらいら、頭痛、めまい、発汗、震え、心悸亢進、筋肉痛、甘いものに対する異常な欲求・・・ などの症状がみられます。

診断は、75g経口ブドウ糖負荷試験で行います。通常糖尿病の診断のためには空腹時に開始して、ブドウ糖を服用後2時間までの血糖値を測定します。機能性低血糖症の場合は、ブドウ糖服用後5時間まで血糖値を検査します。

機能性低血糖症の場合、負荷後30分で120~140mg程度に上昇した血糖値が60分で60mgになったりします。これだと眠気も来そうですね。さらに4時間後とかに40mgとかまで下がることもあります。

血糖値が40mgなら明らかな低血糖ですが、60mg以上あっても、血糖値が1時間で50mg以上下がると眠気などの症状も出やすいようです。

また、空腹時の検査開始時血糖値より20%以上、負荷後血糖値が下がる時点があることが多いようです。
 
糖質・タンパク質・脂質のうち、血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけですので、機能性低血糖症は基本的には精製された炭水化物を摂取したときに、インスリンが過剰分泌されて発症することが一番多いと思います。「炭水化物=糖質+食物繊維」です。

玄米は、白いパンや白米に比べれば、血糖値の上昇は少ないのですが、タンパク質や脂質に比べれば当然かなり上昇させます。

機能性低血糖症の確定診断はつかなくても、その予備軍のような人は結構おられると思います。

そのような方が精製炭水化物や清涼飲料水を常食すれば「気分のムラ、疲労感、仕事への集中力が欠ける」などの症状が起こるのでしょう。

糖質を摂取しなければ、眠気などの低血糖症状は起こらないので、しょうぞうさん、基本線は今の 糖質制限食を続けていかれたらよいと思いますよ。

(*)
糖尿病の人が糖質を摂取すると、未精製の穀物でさえも、食後血糖値は軽く200mgを超えてきます。この急峻な食後高血糖のことを「グルコーススパイク」とよび、糖尿病の人で動脈硬化が生じる元凶となります。

精製炭水化物を摂取した時に正常の人でも生じる食後血糖値が160mg、170mgという状態を、私は「グルコースミニスパイク」と名付けました。

このグルコースミニスパイクが、生体の恒常性をかく乱してアレルギー疾患を悪化させたり、将来の生活習慣病のもととなります。

過去世界中にいろんな食事療法がありましたが、経験的に有効とされているものは、玄米菜食、ゲルソン療法、甲田療法など基本的にグルコースミニスパイクが少ないという一点で一致しています。

私は現在、世界の文明国に氾濫する生活習慣病の元凶は、精製炭水化物やジャンクフードや清涼飲料水によるグルコースミニスパイクとインスリン過剰分泌と考えています。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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