2009年09月28日 (月)
こんにちは。
朝から雨がしとしと降ってます。久しぶりの雨です。
今年は、松茸が数年ぶりの豊作らしいですね。
久しぶりに北朝鮮・中国・カナダ・スエーデン・モロッコとおさらばして、国産ゲットを密かに狙っている江部康二です。
さて今回は、1型糖尿人のIDDMランナー さんから、糖質制限食で血糖コントロール劇的改善という
嬉しいコメントをいただきました。
1型の皆さんに、おおいに参考になると思いますので記事にアップしました。
「09/09/27 IDDMランナー
はじめまして!
1型糖尿病歴4年目、50歳のIDDMランナーと申します。1型糖尿病を発症した時は絶望もしましたが、江部先生の本とその中で紹介されていた「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」に出会い、血糖コントロールは劇的に変わりました。本当に感謝しています。
1型糖尿病という病気は本当に恐ろしい病気ですが、入院中に絶望の中から「この病気に負けてたまるか!」という闘志が沸々と湧いてきました。まずは勉強と糖尿病関係の本を必死に読み漁り、江部先生の「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」に辿り着いたのはラッキーでした。
今では発病前の趣味だったマラソンを再開し、今年1月には「いぶすき菜の花マラソン」でフルマラソンカムバックを果たし、6月には「阿蘇カルデラスーパーマラソン」で50kmも完走出来ました。
低糖質ダイエットを始めてから、脂肪燃焼のメインエンジンの性能がアップしたようで、マラソンでの後半の失速が少なくなりました。また空腹状態で運動してもつらくありませんし、インスリン注射も少量で済むため低血糖になることもほとんどありません。
今日、先生の新著「我ら糖尿人…」を読み終えました。また新しい知識を得るとともに、時々くじけそうになる自分の意志を再度蘇えらせてくれるパワーをこの本から貰いました。
これからも糖質制限食のパイオニアとして、日本中の糖尿病患者を旧い治療法から救い出して下さい。私も「IDDMランナーの日記」というブログで少しでも、江部式・バーンスタイン式(勝手にネーミングしてすみません)血糖コントロール法をアナウンスしていきます!
今後ともご指導よろしくお願いします。」
IDDMランナーさん。
本のご購入、そして貴重な体験報告、ありがとうございます。
血糖コントロールの劇的改善、良かったですね。
またインスリンの注射量が少なくてすむため低血糖になることがほとんどないのも、素晴らしいアドバンテージです。
インスリンは人体に必要不可欠なものですが、注射量が少なくてすむほど代謝には優しいです。
「1型糖尿病は、血糖値の乱高下があり、コントロールが困難である。」というのが、日本の常識なのですが、これはカロリー計算をして、糖質の摂取量の計算をしないことからくる弊害です。
1gの糖質が体重64kgの1型糖尿人の血糖値を約5mg上昇させます。炊いた白ご飯茶碗1杯150g(約250キロカロリー)には55.3gの糖質が含まれており、血糖値をピーク276.5mg上昇させます。
一方、サーロインステーキ200g(約1000キロカロリー)には、糖質含有量は1gもありません。タンパク質は約46g含まれています。
2型糖尿人の場合、タンパク質は計算しなくていいのですが、1型糖尿人の場合、1gのタンパク質が血糖値を0.93mg上昇させます。
従って、サーロインステーキ200g(約1000キロカロリー)を1型糖尿人が食べたら、糖質分の上昇はほとんどありませんが、タンパク質分が約43mg血糖値を上昇させる計算です。
1型糖尿人は、余裕があるときは、タンパク質の計算もするとより正確に食後血糖値上昇の予測ができます。でも面倒くさいときは、糖質の計算だけでいいです。糖質の計算だけでも血糖値の乱高下はほぼ防ぐことができます。
一方、上述のご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算では食後血糖値の上昇は全く予測不能です。
そのため、従来の糖尿病食(カロリー制限が主)を摂取している場合、血糖値の乱高下が生じて、生活の質は低下する可能性が高いのです。
ADA(米国糖尿病協会)の2008年度実施臨床勧告で「糖質のモニタリングは血糖管理の鍵となる」とgradeAで推奨し、「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と低糖質食(糖質制限食)を支持する見解が初めてだされました。
ちなみに米国では、1型糖尿病患者さんには、糖質管理食はごく一般的に推奨されています。日本では、残念ながら糖尿病学会のガイドラインにおいて、糖質管理食でさえも見事に無視されています。
ただここ、数年一部の糖尿病専門医は、1型糖尿病に糖質管理食を積極的に導入されており、とても好ましいことと思います。
「低糖質ダイエットを始めてから、脂肪燃焼のメインエンジンの性能がアップしたようで、マラソンでの後半の失速が少なくなりました。また空腹状態で運動してもつらくありません。」
これも良かったですね。
糖質制限食で脂肪酸・ケトン体エネルギーシステムが活性化するので、その分筋肉中のグリコーゲンが節約できます。それで持続力が向上するわけですね。
持久力向上は、他の沢山のブログ読者の皆さんからもご報告いただいてますので、間違いなく糖質制限食の効果があるものと思います。
IDDMランナー さん、これからも美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続けくださいね。
☆☆☆参考
<糖質管理食と糖質制限食>
三大栄養素である、糖質・脂質・タンパク質のうち、血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。これは、カロリーとは無関係の、各栄養素の生理学的特質です。
このことに注目して、糖質摂取を制限して血糖コントロールするのが、高雄病院で推奨する「糖質制限食(carbohydrate restriction)」です。
一方、糖質だけが血糖値を上昇させることを前提に、一回の食事の糖質摂取量を計算して、血糖コントロールをめざすのが糖質管理食(carbohydrate counting)で、欧米では定着している食事療法です。
これには、1993年に発表された米国の1型糖尿病研究・DCCTにおいて、糖質管理食が成功を収めたことが、大きく関係しています。
また、1999年度ミス・アメリカのニコール・ジョンソンさん(1型糖尿病)の食事療法が糖質管理食であり、本も書かれたことも欧米での普及に役立ちました。
日本では、欧米では一般的な糖質管理食もそれほど普及していないのが現状です。しかし、2005年の日本糖尿病学会総会で、米国から糖質管理食の専門医が招聘されてシンポジウムが開催された後、徐々に糖質管理食を導入する糖尿病専門医療機関が増えてきています。
また、2006年3月に「かんたんカーボカウント」(医薬ジャーナル)という
糖質管理食の本が大阪市大の小児科グループにより出版されました。
2008年1月の米国糖尿病協会(ADA)の栄養勧告では、「炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である。」と、炭水化物(糖質)を日常的に継続的に点検することを、強く推奨しています。この中の、炭水化物を計算する方法が、糖質管理食です。
糖質管理食は、基本的に3食とも主食(糖質)を摂取することを前提に、その糖質の一回の摂取量を計算します。血糖値を上昇させるのはほとんど糖質だけなので、例えば血糖コントロールに必要なインスリンの量を決めるのにはとても役に立ちます。
糖尿病というと、甘いもの(砂糖)がよくないと誰でも思いがちですが、実は、特に砂糖だけが、血糖コントロールに悪影響を与えるという事実はありません。
「ご飯もパンもせんべいもうどんもラーメンもケーキも砂糖も、その中に含まれている糖質の量に比例して、血糖値を上昇させる」ということが生理学的事実です。
糖質管理食は、糖質だけをグラム計算するシンプルな方法です。従来のカロリー制限優先の糖尿病食に比し、カロリー計算や食品交換表は不要なので、楽に実践できると思います。
いつも述べてますように、1gの糖質が2型糖尿病の人の血糖値を約3mg、1型糖尿病の人の血糖値を約5g上昇させます。
「糖質→血糖値上昇」というシンプルな事柄に着目した糖尿病の食事療法という意味では、欧米の「糖質管理食」と高雄病院の「糖質制限食」は親戚筋といえます。
「糖質管理食」という考え方をさらに発展させ、3食とも主食を摂取しなくても良いと徹底したのが、高雄病院の「糖質制限食」という見方もできます。
1型糖尿病、2型糖尿病でもインスリン注射をしている糖尿人は、主治医とよく相談されて、糖質制限食が無理なら、せめて糖質管理食を実践されると、血糖値の乱高下がなくなり、コントロールしやすくなりますよ。 ヾ(^▽^)
朝から雨がしとしと降ってます。久しぶりの雨です。
今年は、松茸が数年ぶりの豊作らしいですね。
久しぶりに北朝鮮・中国・カナダ・スエーデン・モロッコとおさらばして、国産ゲットを密かに狙っている江部康二です。
さて今回は、1型糖尿人のIDDMランナー さんから、糖質制限食で血糖コントロール劇的改善という
嬉しいコメントをいただきました。
1型の皆さんに、おおいに参考になると思いますので記事にアップしました。
「09/09/27 IDDMランナー
はじめまして!
1型糖尿病歴4年目、50歳のIDDMランナーと申します。1型糖尿病を発症した時は絶望もしましたが、江部先生の本とその中で紹介されていた「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」に出会い、血糖コントロールは劇的に変わりました。本当に感謝しています。
1型糖尿病という病気は本当に恐ろしい病気ですが、入院中に絶望の中から「この病気に負けてたまるか!」という闘志が沸々と湧いてきました。まずは勉強と糖尿病関係の本を必死に読み漁り、江部先生の「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」に辿り着いたのはラッキーでした。
今では発病前の趣味だったマラソンを再開し、今年1月には「いぶすき菜の花マラソン」でフルマラソンカムバックを果たし、6月には「阿蘇カルデラスーパーマラソン」で50kmも完走出来ました。
低糖質ダイエットを始めてから、脂肪燃焼のメインエンジンの性能がアップしたようで、マラソンでの後半の失速が少なくなりました。また空腹状態で運動してもつらくありませんし、インスリン注射も少量で済むため低血糖になることもほとんどありません。
今日、先生の新著「我ら糖尿人…」を読み終えました。また新しい知識を得るとともに、時々くじけそうになる自分の意志を再度蘇えらせてくれるパワーをこの本から貰いました。
これからも糖質制限食のパイオニアとして、日本中の糖尿病患者を旧い治療法から救い出して下さい。私も「IDDMランナーの日記」というブログで少しでも、江部式・バーンスタイン式(勝手にネーミングしてすみません)血糖コントロール法をアナウンスしていきます!
今後ともご指導よろしくお願いします。」
IDDMランナーさん。
本のご購入、そして貴重な体験報告、ありがとうございます。
血糖コントロールの劇的改善、良かったですね。
またインスリンの注射量が少なくてすむため低血糖になることがほとんどないのも、素晴らしいアドバンテージです。
インスリンは人体に必要不可欠なものですが、注射量が少なくてすむほど代謝には優しいです。
「1型糖尿病は、血糖値の乱高下があり、コントロールが困難である。」というのが、日本の常識なのですが、これはカロリー計算をして、糖質の摂取量の計算をしないことからくる弊害です。
1gの糖質が体重64kgの1型糖尿人の血糖値を約5mg上昇させます。炊いた白ご飯茶碗1杯150g(約250キロカロリー)には55.3gの糖質が含まれており、血糖値をピーク276.5mg上昇させます。
一方、サーロインステーキ200g(約1000キロカロリー)には、糖質含有量は1gもありません。タンパク質は約46g含まれています。
2型糖尿人の場合、タンパク質は計算しなくていいのですが、1型糖尿人の場合、1gのタンパク質が血糖値を0.93mg上昇させます。
従って、サーロインステーキ200g(約1000キロカロリー)を1型糖尿人が食べたら、糖質分の上昇はほとんどありませんが、タンパク質分が約43mg血糖値を上昇させる計算です。
1型糖尿人は、余裕があるときは、タンパク質の計算もするとより正確に食後血糖値上昇の予測ができます。でも面倒くさいときは、糖質の計算だけでいいです。糖質の計算だけでも血糖値の乱高下はほぼ防ぐことができます。
一方、上述のご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算では食後血糖値の上昇は全く予測不能です。
そのため、従来の糖尿病食(カロリー制限が主)を摂取している場合、血糖値の乱高下が生じて、生活の質は低下する可能性が高いのです。
ADA(米国糖尿病協会)の2008年度実施臨床勧告で「糖質のモニタリングは血糖管理の鍵となる」とgradeAで推奨し、「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と低糖質食(糖質制限食)を支持する見解が初めてだされました。
ちなみに米国では、1型糖尿病患者さんには、糖質管理食はごく一般的に推奨されています。日本では、残念ながら糖尿病学会のガイドラインにおいて、糖質管理食でさえも見事に無視されています。
ただここ、数年一部の糖尿病専門医は、1型糖尿病に糖質管理食を積極的に導入されており、とても好ましいことと思います。
「低糖質ダイエットを始めてから、脂肪燃焼のメインエンジンの性能がアップしたようで、マラソンでの後半の失速が少なくなりました。また空腹状態で運動してもつらくありません。」
これも良かったですね。
糖質制限食で脂肪酸・ケトン体エネルギーシステムが活性化するので、その分筋肉中のグリコーゲンが節約できます。それで持続力が向上するわけですね。
持久力向上は、他の沢山のブログ読者の皆さんからもご報告いただいてますので、間違いなく糖質制限食の効果があるものと思います。
IDDMランナー さん、これからも美味しく楽しく末長く、糖質制限食をお続けくださいね。
☆☆☆参考
<糖質管理食と糖質制限食>
三大栄養素である、糖質・脂質・タンパク質のうち、血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。これは、カロリーとは無関係の、各栄養素の生理学的特質です。
このことに注目して、糖質摂取を制限して血糖コントロールするのが、高雄病院で推奨する「糖質制限食(carbohydrate restriction)」です。
一方、糖質だけが血糖値を上昇させることを前提に、一回の食事の糖質摂取量を計算して、血糖コントロールをめざすのが糖質管理食(carbohydrate counting)で、欧米では定着している食事療法です。
これには、1993年に発表された米国の1型糖尿病研究・DCCTにおいて、糖質管理食が成功を収めたことが、大きく関係しています。
また、1999年度ミス・アメリカのニコール・ジョンソンさん(1型糖尿病)の食事療法が糖質管理食であり、本も書かれたことも欧米での普及に役立ちました。
日本では、欧米では一般的な糖質管理食もそれほど普及していないのが現状です。しかし、2005年の日本糖尿病学会総会で、米国から糖質管理食の専門医が招聘されてシンポジウムが開催された後、徐々に糖質管理食を導入する糖尿病専門医療機関が増えてきています。
また、2006年3月に「かんたんカーボカウント」(医薬ジャーナル)という
糖質管理食の本が大阪市大の小児科グループにより出版されました。
2008年1月の米国糖尿病協会(ADA)の栄養勧告では、「炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である。」と、炭水化物(糖質)を日常的に継続的に点検することを、強く推奨しています。この中の、炭水化物を計算する方法が、糖質管理食です。
糖質管理食は、基本的に3食とも主食(糖質)を摂取することを前提に、その糖質の一回の摂取量を計算します。血糖値を上昇させるのはほとんど糖質だけなので、例えば血糖コントロールに必要なインスリンの量を決めるのにはとても役に立ちます。
糖尿病というと、甘いもの(砂糖)がよくないと誰でも思いがちですが、実は、特に砂糖だけが、血糖コントロールに悪影響を与えるという事実はありません。
「ご飯もパンもせんべいもうどんもラーメンもケーキも砂糖も、その中に含まれている糖質の量に比例して、血糖値を上昇させる」ということが生理学的事実です。
糖質管理食は、糖質だけをグラム計算するシンプルな方法です。従来のカロリー制限優先の糖尿病食に比し、カロリー計算や食品交換表は不要なので、楽に実践できると思います。
いつも述べてますように、1gの糖質が2型糖尿病の人の血糖値を約3mg、1型糖尿病の人の血糖値を約5g上昇させます。
「糖質→血糖値上昇」というシンプルな事柄に着目した糖尿病の食事療法という意味では、欧米の「糖質管理食」と高雄病院の「糖質制限食」は親戚筋といえます。
「糖質管理食」という考え方をさらに発展させ、3食とも主食を摂取しなくても良いと徹底したのが、高雄病院の「糖質制限食」という見方もできます。
1型糖尿病、2型糖尿病でもインスリン注射をしている糖尿人は、主治医とよく相談されて、糖質制限食が無理なら、せめて糖質管理食を実践されると、血糖値の乱高下がなくなり、コントロールしやすくなりますよ。 ヾ(^▽^)
今日からカーボカウントやってみようと思います(^O^)はじめからギチギチにやると疲れちゃうんでとりあえず朝やってみようかと・・・。ミ〇メ〇の新しいCSIIなんでインスリン降下値とインスリンカーボ比、それから目標血糖値をあらかじめセットしとけばいいんです!食事の時にボーラスをカーボカウントしてくれるやつをピッと押して、現在の血糖値と摂取するカーボ量を入力すると自動計算してくれます☆0.1U刻みなんでかなり厳密です!
カーボの量を間違えなければいいですが・・・そこが苦手です(>_<)頑張ってみますo(^-^)o
カーボの量を間違えなければいいですが・・・そこが苦手です(>_<)頑張ってみますo(^-^)o
2009/09/29(Tue) 00:27 | URL | 七海 | 【編集】
今、入院中なんですが、入院前、コントロールしてきてうまくいってたのに、逆にいま、旧糖尿病治療食で悪い状態を再現しているかのようです。
実験でしょうか。
実験でしょうか。
2009/09/29(Tue) 07:22 | URL | ちろおと | 【編集】
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