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発症初期でのインスリン治療、1型と2型糖尿病
こんにちは。

今日は、お彼岸の法要で妙心寺までいってきました。久しぶりの般若心経と蝉の声がほどよく調和してました。

さて今回は米国のusa さんから、発病初期でのインスリン治療についてコメント・質問をいただきました。


「09/09/23 usa
発病初期でのインスリン治療

いつもお世話になりありがとうございます。こちらではどうしても日本の情報が無いので、またご意見をお聞かせ下さい、お願いします。
先日、発病後初めてCペプチドの検査を行い結果がきました。といっても正確な数値は知らされないのですが、手紙曰く、「low normal pancreatic insulin secretion(すい臓の基礎分泌量低下?)
」なので、食事の際、インスリン注射を始める事が必要だ」との事。インスリンはすい臓を痛めないし、今のあなたの分泌能力を保ち、また向上させるための効果もある」と付け加えています。
この数ヶ月、江部先生の「糖尿人の目標 糖尿病合併症予防のために」の数値を全てクリアしていたので、なぜインスリン注射が必要なのかと疑問に思いました。
そこで、他の日本の文献を調べたところ、同じような見解がでてきました。「発病初期でインスリンを分泌する力が比較的残っていれば、注射をすることで、すい臓のβ細胞は再び十分なインスリン分泌ができるまでに回復してくることもある」また、
すい臓に分泌能力が残っているときに始めないと、拒否し続けたために全く分泌できなくなり、結果的には大量のインスリンを投与しなくてはならなくなると、綴っています。これは本当なのでしょうか?
私は低血糖の副作用もあるし、できれば投与無しでやって行きたいのですが、前記のような魅力的な意見に心が迷ってしまいます。こちらの医師の言うべく今の時期にインスリン投与するべきか、それとも投与する必要がないのか、どのようにお考えになりますか?

私はまだGADの検査もしていないのですが、先日薦められたスターリクスという薬については一切話がなく、インスリンということは、1型なのでしょうか?空腹時血糖値は2時間値が100前後なので、それほど高くないと思うのですが。
2型でも、基礎分泌能力だんだん低下しているという患者さんもこちらのブロ
グにもいらっしゃいますよね。ということは、(失礼な意見かもしれませんが)糖質制限食はハネムーン期間を延ばしますが、いずれ万人のすい臓も分泌能力が無くなるのでしょうか? 1型、2型の区別が今ひとつ難しいです。」


usaさん。

高血糖を放置すると、膵臓のβ細胞がダメージを受けて、インスリン分泌能力が低下していきます。
カロリー制限食では食後高血糖が防げないので、徐々に分泌能力が落ちる可能性が極めて高いのです。

従って、カロリー制限食(高糖質食)を食べている糖尿人は、初期からインスリンを注射する選択肢もあるでしょう。

一方、糖質制限食で血糖コントロール良好となれば、そのようなことはおきません。糖質制限食だと、インスリン追加分泌はごく少量ですみ、膵臓も休養できるので疲弊していたβ細胞の回復も期待できます。

usaさん、糖尿人の目標を達成しておられるなら、インスリン注射はいりません。

糖尿病は、血糖を下げるインスリンというホルモンの作用不足によって引 き起こされる病気で、大きく1型と2型に分類されます。

インスリンには常時、分泌されている基礎分泌と、食事で血糖値が上がった時に分泌される追加分泌があります。

1型糖尿病は、多くが自己免疫疾患です。インスリンを分泌する膵臓のβ-細胞が、ウィルス感染などをきっかけに免疫の誤作動で破壊され、インスリンが分泌されなくなります。小児期におこることが多いです。急速に進行することが多いですが、成人発症の場合徐々に進行する場合もあります。

一方、2型糖尿病は、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性の二つの要因により、結果としてインスリン作用不足となり、発症する糖尿病です。

インスリン分泌低下は長年の食生活習慣によるβ細胞の疲弊によることが多く、 インスリン抵抗性は肥満などによってインスリンの効きが悪くなることによります。

日本人の場合は、インスリン分泌不足が主、欧米人は、インスリン抵抗性が主のことが多いとされています。日本の糖尿病患者の95%は、2型糖尿病です。

usaさんも、糖質制限食で簡単に症状改善なのでまず2型糖尿病と考えられます。1型だと、糖質制限食でもインスリンなしでは、そう簡単には血糖コントロールはできませんので・・・


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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