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人体のエネルギー源と糖質制限食
こんにちは。

今日は、朝から「朝日カルチャーセンター京都」で<食事で治すアトピー・糖尿病・メタボ>と題して
講演してきました。お陰様で満員御礼でした。

「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」の宣伝もたっぷりしてきましたよ。 (^_^)

さて今回は、ナナモリさんから、人体のエネルギー源に関するコメント・質問をいただきました。ジュニアさんからも同様の質問をいただきました。「炭水化物を極端に減らして大丈夫なの?」ということですね。

実は、めんぼうさんがコメント欄でご指摘の如く、大抵の質問の答えは過去のブログ(結構膨大な量です)に書いてあります。

ところが、江部康二自身が、自分のブログでどこに何を書いたか、定かに覚えているわけではありません。 (∵)?

それで自分で検索をしてみるのですが、なかなかサクサクと目的のブログに辿り着けません。

従いまして、繰り返しになることもありますが、多くのブログ読者の皆さんが興味をお持ちのことなど、復習を兼ねて、過去記事にしたテーマも時々取り上げようと思います。

【迷います
江部先生

リボーンの会員で、何度かセミナーに出席させていただいています。いまのところは糖尿人ではありませんが、以前低血糖症状などに悩まされ、現在は糖質制限食を実践しよい状態を保っています。

先生の著書もブログも熟読し納得しているつもりなのですが、時々迷いが生じます。
先日、岡本裕医師の著書「9割の病気は自分で治せる」を読み、ほとんどの部分では共感できるのですが、これはどう解釈したらよいのだろう?と考えてしまった部分がありますので転記いたしますね。
お忙しい中恐縮ですが、コメントいただけましたら幸いです。

以下
『肥満を解消するポイント
・・・同じものばかり食べ続けたり、炭水化物を極端に減らしたりすると、確かに体重は減ります。しかし・・・
さて、炭水化物を極端に減らすとどうなるのでしょうか。
炭水化物はもちろんエネルギー源ですので、当然の結果としてエネルギー不足に陥ります。そのため、炭水化物のかわりにタンパク質にエネルギー源としての動員がかかります。つまり炭水化物(糖質)がエネルギー源として利用できないので、タンパク質(アミノ酸)からわざわざ糖(炭水化物)を作ってエネルギー源を確保しようとするのです。もちろん生体は、タンパク質をほとんど筋肉として備蓄しているわけですから、タンパク質がエネルギー源として必要となれば、筋肉が解けていき、もちろん自己治癒力も著明に低下していきます。
いずれの手法も体調を損ね、その結果として体重が減っているのです。言い換えれば、命がけのダイエットなのです。早い話が、病気になって痩せていくるという当たり前の原理なのです。』

エネルギー源は糖だけではないということは理解しています。
よろしくお願いいたします。
2009/08/18(Tue) 11:44 | URL | ナナモリ | 】


ナナモリさん。
コメントそして本のご購入ありがとうございます。機能性低血糖も改善して良かったですね。

さて、細胞が生きていくにはエネルギー源が必要です。
人体にはエネルギー源として
1)「脂肪酸ケトン体のシステム」と
2)「ブドウ糖-グリコーゲンのシステム」があります。

タンパク質は、エネルギー源として使われることはありますが、基本的に少ないです。タンパク質は主として人体の組織の材料として使われています。

適切なエネルギー源が確保されていれば、食事から摂取したタンパク質(アミノ酸)は、人体に吸収されて組織のタンパク質合成に使われます。

タンパク質が主たるエネルギー源として使われざるを得ないときは、例えば「飢餓→絶食」が続いたときなどです。

体内の糖質、脂質をエネルギー源として使い果たした後は、やむを得ず筋肉細胞のタンパク質をエネルギー源として使いますが、これは死の一歩手前です。

次に「脂肪酸ケトン体のシステム」と「ブドウ糖-グリコーゲンのシステム」の役割を考えてみます。

<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸ケトン体システム>
①脳はケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など多くの体細胞は日常生活では脂肪酸ケトン体が主エネルギー源であり、人体を
  自動車に例えるならガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球、網膜、角膜、水晶体を除く全ての細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸ケトン体
  エネルギーシステムを利用できる。
糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており生理的なもので
  病的ではない。農耕開始前の人類は皆そうであった。

<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で赤血球、網膜、角膜、水晶体だけはミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できない。
②日常生活でブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
 「常に赤血球、網膜、角膜、水晶体の、唯一のエネルギー源」
 「筋肉が収縮したときのエネルギー源」→緊急時のターボエンジン
 「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
 「日常生活では脳・網膜・角膜・水晶体・生殖腺胚上皮の主エネルギー源」

ここで大切なことは、日常生活では、骨格筋・心筋を始めほとんどの体細胞は、主エネルギー源として備蓄がたっぷりある「脂肪酸-ケトン体システム」を利用しているということです。

即ち、人体を自動車に例えれば、ガソリンの代わりは脂肪酸-ケトン体であり、決してブドウ糖-グリコーゲンではありません。

例えば、心筋がブドウ糖を主たるエネルギー源として利用したりしたら、グリコーゲンの備蓄は約250gしかなく、いつ枯渇して止まるかもしれませんね。

日常生活で、ブドウ糖をエネルギー源としているのは、「脳・網膜・角膜・水晶体・生殖腺胚上皮」といった特殊な部位だけです。

糖質制限食実践中は脂肪酸-ケトン体が主たるエネルギー源として、しっかり利用しているので、エネルギー不足には決してなりません。人類400万年の歴史の内、399万年間は、糖質制限食だったことをお忘れなく。

肝臓の糖新生は、ブドウ糖しか利用できない「赤血球、網膜、角膜、水晶体」のために、最低限の血糖値を確保するために日常的に行われています。

糖質を摂取したときは、血糖値が上昇し追加分泌のインスリンが出て、筋肉でブドウ糖を利用させます。食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。

食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。

肝臓の糖新生は、脂肪酸の代謝産物のグリセロールや筋肉から供給されるアミノ酸などから行われます。糖質制限食の場合は、食事中でもある程度、肝臓の糖新生は行われています。

400万年間の人類の歴史の中で399万年間は、糖質制限食を摂取しているか、空腹や絶食や飢餓が日常的でしたので、肝臓は毎日今以上に糖新生を行い、よく働いてきたしそれだけのキャパシティーを持っているということですね。

最後に岡本裕先生の説

『さて、炭水化物を極端に減らすとどうなるのでしょうか。
炭水化物はもちろんエネルギー源ですので、当然の結果としてエネルギー不足に陥ります。そのため、炭水化物のかわりにタンパク質にエネルギー源としての動員がかかります。つまり炭水化物(糖質)がエネルギー源として利用できないので、タンパク質(アミノ酸)からわざわざ糖(炭水化物)を作ってエネルギー源を確保しようとするのです。もちろん生体は、タンパク質をほとんど筋肉として備蓄しているわけですから、タンパク質がエネルギー源として必要となれば、筋肉が解けていき、もちろん自己治癒力も著明に低下していきます。』

ですが、

そもそも、人体の主たるエネルギー源は、上述の如く「脂肪酸-ケトン体システム」であることを、岡本先生はご存じないのだと思います。

糖質制限食実践中は、脂肪酸-ケトン体エネルギーがたっぷりで、決して不足にはなりませんし、筋肉が溶けることもありません。

また、肝臓の糖新生は、人体全体のエネルギー源を確保しているのではありません。ブドウ糖しか利用できない「赤血球、網膜、角膜、水晶体」という特殊な細胞と脳のために最低限の血糖値を確保しているのです。

糖質制限食実践により、血糖値は勿論、中性脂肪、HDL-コレステロールなど動脈硬化のリスク要因の改善、代謝全ての改善、全身の血流の改善などが得られるので、自然治癒力は高まります。

江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
糖質制限と乾癬と牛肉
江部先生、おはようございます。
連日の投稿ですみません。
最近は皆さん質問、コメントが多く、ずっと読み逃げ状態だったのですが、今回はコメントがなく寂しく思っていたので、レスさせていただきます。
たぶん、先生のあまりにも完璧な理論に皆さんグーの音も出なかったのだと思います。

筋肉についてですが、糖質制限を始めてから無駄な脂肪がほとんどなくなった私ですが、先日18歳の息子と腕相撲をしてみたところ、楽勝でこちらの勝ちでした。

糖尿病になる以前は5回しかできなかった腕立て伏せも50回は余裕でできるようになりました。

本でいろいろな方の理論を読むとついつい信用してしまいがちですが、はやり大切なのはまず自分でそれを実践してみて自分自身で判断することなのかな。と思いました。

この2ヶ月ですが、6月に血糖測定器を購入後、より厳密な血糖管理ができるようになり、まるで5~10年前にもどったようなハツラツとした体調を維持できています。

乾癬についてですが、自分のことが「我ら糖尿人、元気なのには理由(ワケ)がある。」に数ページにわたって取り上げられていることにかなり感動しました。

その後いろいろ考えたのですが、生物の進化上において、カンブリア紀の大爆発というものがありますよね。
地球上の環境が生物の進化に最も適した状態になり、ミトコンドリアのDNAの助けを借りて、生物が一気に多種多様化した時期です。

乾癬が一気に悪化する時は、この時代に似ていると思いました。

炭水化物の摂取とグルコーススパイクによる血管の内部がカンブリア紀の環境、気候にあたり、牛肉の脂がミトコンドリアになるのではないか?と。私独自の理論ですが・・・

昨年春から乾癬がほとんど良くなり、本当に嬉しかったのですが、調子に乗って1ヶ月に10回以上も牛肉を食べると、流石に乾癬も少しは悪化してきます。
でも、そのスピードは凄く緩やかで、また即座に反省し、脂たっぷりの牛肉の摂取をやめると、これまた緩やかですが、即座に快方に向かいます。

もし炭水化物を大量に摂取し、乾癬の悪化に最適な血液環境を自分自身で作っていたならば、少量の牛肉の摂取でも悪化はすさまじいものになっていただろうと思われました。

またこういう状態の時の改善は最低でも1~2ヶ月はかかります。

今はほんの少しの悪化に1~2週間、改善に1~2週間という感じですごく上手くコントロールできています。

今年も10月~2月はほぼ完全に牛肉断ちをする予定です。
ただし、完全な赤身のモモや脂肪のほとんどないヒレのステーキは、どちらかを月に1度くらいは食べる予定です。
焼肉屋はこの期間は絶対に行かないつもりです。
そし、春~秋は毎月1回は焼肉屋で脂たっぷりのカルビ、ホルモンなど堪能する予定にしています。

以上とりとめのない話になって申し訳ありませんでした。

これからも益々のご活躍を願っています。

2009/08/19(Wed) 08:14 | URL | さわ | 【編集
カンブリア紀
さわさん。

いつもコメントそして本のご購入ありがとうございます。
また本にも取り上げさせて頂いてこちらこそ
感謝しております。

カンブリア紀とミトコンドリア・・・
生命と進化のことも興味深いですね。

例の南関揚げ、注文しましたので、自分でも試してみます。
2009/08/19(Wed) 08:24 | URL | 江部康二 | 【編集
書き忘れです。
チーズなどの脂肪分、オリーブオイルなどの植物油は乾癬を全く悪化させないこともこの1年でわかりました。

これも人それぞれだと思うので、あくまで私の場合だと考えて欲しいのですが・・・

一応参考まで。
2009/08/19(Wed) 08:29 | URL | さわ | 【編集
こんにちは。
江部先生、レスありがとうございます。
南関揚げ購入されたのですね。
気に入ってもらえれば嬉しいのですが、好みの差もありますし・・・
自分も今日我慢できずに再度購入してしまいました。
前回の反省から今日は2枚までとしました。
(一度に4枚食べるとウップとなります。)

1枚目は焼かずに、スライスしたバターを乗せて。
こうすると、バターのしつこさが消えて、また南関揚げの油濃さも消えて。
油濃いものどうしが合わさると油濃さが2倍になりそうですが、実際はしつこさが半分になった感じで凄く不思議です。脂と油だと良いのかもしれません。

2枚目は南関揚げを包丁であらかじめ6等分して、スライスしたチーズを乗せて、オーブンで3分間チンです。

2枚だけだとやっぱり美味しかったです。
鼻をつまんで食べると食パンそのものの食感、ただし、鼻から指を離すと、油揚げの風味がぷ~んとします。

スタイルフリーでの晩酌のつまみにも良いと思います。

なにより奥様の手を煩わせることがないのが良いですよね。

駄文失礼しました。
2009/08/21(Fri) 15:20 | URL | さわ | 【編集
南関あげ
さわさん。

ありがとうございます。
今度こそ自分でできそうです。
東京から帰ってきたら試してみます。
2009/08/21(Fri) 16:13 | URL | 江部康二 | 【編集
京都講演 8/18
8/18の江部先生の京都での講演拝聴しました。

大盛況でしたがご婦人方ばかりで、会場には江部先生と私を含めて男性は3名のみで、会場に入るときは緊張しました。講演終了後エレベータ前で「久山町」について質問をさせて頂いた者です。私は先生のご著書「主食を抜けば・・・」を前もって拝読していたので理解出来たのですが、「ケトン体」については、講演を聞きに来た方にとっては初めての言葉でわからない方が多かったと思います。今後の講演においては先生の方から詳しい説明をされる方が聞いていてよりわかりやすいのでは、と思いました。その他は大変わかりやすい説明でしたので、1時間半の講演時間があっという間に過ぎました。

その帰りに早速会場近くのジュンク堂という本屋で5冊前向きに展示してあった「我ら糖尿人・・・」の内1冊を手にして他の本も物色していると、同じ講演を聞きに来られたと思われるご婦人方が4人来られ、「ここにあった!」などと言いつつ、あっという間にそれぞれ手にされていましたので、講演の効果が顕著で店頭の計5冊が即完売でした。

私は「主食を抜けば・・・」を7月11日に近所の本屋で見つけ熟読し、これは正しいと感じて、「主治医の許可を得ないまま」投薬(アマリール0.5mg×2、クレストール2.5mg×1)を中止し、その日からスーパー糖質制限食を実行しています。

その結果7/9に空腹時血糖134、HbA1c6.5だったのが、7/30に空腹時血糖109、HbA1c6.2になりました。この時点で主治医に糖質制限食を実施していることと投薬を中止したことを説明しました。3週間で良い結果が出ているので主治医に投薬なしの糖質制限食の継続を認めてもらいましたが、一方主治医は個人的には糖質制限食には反対の考えを持っておられ、糖質が身体に入ってこない(30%以下)になると肝臓のグリコーゲンが不足するので解毒などの肝機能に悪影響が出てくるので、患者さんの健康を考えると勧められないとも言われていました。

江部先生のご著書によると肝臓はグリコーゲンを自分で作り出すということを書かれていますので、糖質を取らなくても心配ないものと思うのですがいかがでしょうか。確かにスーパー糖質制限食の場合は糖質は全体の12%程度になり30%を大きく下回りますが、30%以下という数字に何か根拠でもあるのでしょうか。

どうぞ宜しくお願いします。
2009/08/21(Fri) 21:24 | URL | ラブピ  (松田 研二) | 【編集
Re: 京都講演 8/18
ラブピさん。

久山町の誤字のご指摘ありがとうございました。
早速次の講演から直します。
またケトン体のこともありがとうございます。
宮本輝先生との対談本でもケトン体がわかりにくいということで
詳しく説明しています。

「糖質が30%以下になると・・・」特に根拠のない近年の常識だと思います。
米国でも、1940年ころまでは、糖尿病食の主流は糖質20%で糖質制限食でした。

イヌイットも4000年間、糖質12%ていどの、スーパー糖質制限食でした。
人類も、400万年の歴史の内、399万年間は糖質制限食でした。
ということで、糖質制限食で肝機能には何の問題もありません。
2009/08/22(Sat) 07:28 | URL | 江部康二 | 【編集
糖新生と筋肉
「糖質制限食実践中は、脂肪酸-ケトン体エネルギーがたっぷりで、決して不足にはなりませんし、筋肉が溶けることもありません。肝臓の糖新生は、人体全体のエネルギー源を確保しているのではありません。ブドウ糖しか利用できない「赤血球、網膜、角膜、水晶体」という特殊な細胞と脳のために最低限の血糖値を確保しているのです」

 私の場合、毎日低血糖的症状が現れ、血糖値が安定している(100㎎/dlぐらい)午前中は快調なのですが、午後からはとてもつらい日々を送っています。釜池先生の1日1食方式ですが、夕食前には70そそこそこぐらいに落ち込むこともしばしばあります。補食程度の昼食を摂ることもやってみましたが、糖質ゼロではしばらくしてやや持ち直す程度でしかなく、すぐにまた低血糖症状になります。もともと、釜池先生の言われる「糖中毒」そのものでしたが、禁断症状を乗り切って、ケトン体システムを利用できるようになりました。とはいえ、糖依存がまだ他人より高いのかもしれません、
「肝臓の糖新生は、脂肪酸の代謝産物のグリセロールや筋肉から供給されるアミノ酸などから行われます」と先生は筋肉組織を使用して糖新生が行われていることを否定はしていないわけですから、筋肉が「溶ける」という表現はさておき、放っておけば筋肉が減衰することに違いはないのでしょうか。釜池先生も、筋肉トレーニングを指示しなかった患者が、歩行困難になった例を述べておられます。私は血糖コントロールが改善する過程で、腰や背中の痛みを覚えるようになりました。しかも低血糖になった時に強く痛みます。お年寄りの腰痛は筋肉の減退が原因というので、小山内宏先生方式の体幹筋トレーニングをはじめて、強い痛みは解消しましたが、完全に直ったわけではありません。筋肉の落ち込みを何とか凌いでいるというような感じがするのです。
先生は摂取した蛋白質の50%が糖になると言っておられますが、それは糖新生とは関係ないのでしょうか。糖新生とは別に糖を供給するシステムがあるのでしょうか。それとも、絶食でなく、糖質制限なら摂取した蛋白質から糖新生が行われるという意味でしょうか。そこのところがはっきりわかりません。
2009/08/24(Mon) 16:22 | URL | takaharada | 【編集
Re: 糖新生と筋肉
takaharada さん。

糖新生は、普通に糖質を摂取している人においても、空腹時や就寝時には
日常的に行われています。
厳密に言うと筋肉の一部は、糖質制限食に関係なく
日夜分解されてはまた再生されているわけですね。

糖新生というのは、食事摂取とは無関係に、肝臓で新たに、
乳酸やアミノ酸やグリセロールからブドウ糖を作ることをいいます。

摂取した食物由来のブドウ糖(血糖値)とは異なるシステムです。
摂取した
糖質の100%が血糖値に変わり、
タンパク質の50%が血糖値に変わり、
脂質の10%未満が血糖値に変わります。



詳しくは
2009年05月08日 (金)のブログ「糖質制限食と空腹時血糖値」
をご参照ください。
2009/08/24(Mon) 19:07 | URL | 江部康二 | 【編集
Re: こんにちは。
さわさん。

ありがとうございます。
昨夜、
「南関揚げを包丁であらかじめ6等分して、スライスしたチーズを乗せて、オーブンで3分間チンです。」

自分で作って、成功しました。美味しかったです。ありがとうございました。 (^_^)

もっとも1回目は、電子レンジでチンして真っ黒焦げになりましたけれど・・・。(=_=;) 
2009/08/24(Mon) 19:34 | URL | 江部康二 | 【編集
糖質制限と筋トレ
お答いただきありがとうございます。
だがまたひとつ疑問が湧いてきました。
『糖新生は、普通に糖質を摂取している人においても、空腹時や就寝時には 日常的に行われています。』ということですが、先生はこうも言っておられます。
『糖質を摂取したときは、血糖値が上昇し追加分泌のインスリンが出て、筋肉でブドウ糖を利用させます。食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。』
 グリコーゲン分解から糖新生に切り替わるタイミングを食後数時間としていますが、それはどのくらいなのか、肝臓のグリコーゲン残量に関係しているのか、体内時計のようなもので時間が来るとチェンジするものなのでしょうか。ある低炭水化物食に批判的な人は、グリコーゲンの蓄積量から計算すると、糖新生の始まる時間を13時間後ぐらいとして、普通の食生活をしている場合は糖新生が起こることはないとしています。このことの真偽は別としても
『糖質制限食の場合は、食事中でもある程度、肝臓の糖新生は行われています。400万年間の人類の歴史の中で399万年間は、糖質制限食を摂取しているか、空腹や絶食や飢餓が日常的でしたので、肝臓は毎日今以上に糖新生を行い、よく働いてきたしそれだけのキャパシティーを持っているということですね。』
 つまり、糖質制限やっていれば糖新生の頻度・程度は、糖質摂取者より大きいということです。したがって筋肉からアミノ酸に分解される量もより多いと考えざるを得ません。
 筋肉が破壊と再生を繰り返していることは承知しています。筋力トレーニングは筋肉を一旦破壊して再構築することだとスポーツ医学の本で読んだことがあります。スクラップアンドビルドで、たまに運動をして筋肉痛になるのは筋肉が一旦破壊された証拠ということです。しかし、再生されるのは運動して筋肉を動かした場合で、糖新生による分解が再生を伴うかは疑問です。批判的筋は再生不能と論じています。糖質制限への批判の焦点はいつも「筋肉が溶ける」にあるのです。
 私は糖質制限食を否定する者ではありません。今の私には糖質を摂取するなど怖くてできません。私のようなかなり重い糖尿病人(A1c10%超暦10年以上。網膜症中期。手足の神経症あり。幸い腎臓無事)にとって生きる道は二つにひとつ。糖質制限を続けるか、一生インスリン注射を打ち続けるかしかないと考えています。だから言いたいのは、糖質制限には筋力トレーニングが不可欠ではないかということです。アクアクリニックではプールでトレーニングできるそうで羨ましく思います。
2009/08/24(Mon) 21:52 | URL | takaharada | 【編集
お疲れ様でした。
江部先生、出張、講演会お疲れ様でした。
とろけるスライスチーズをご使用ならば、2枚重ねにしてダブルチーズにするとさらに美味しくなります♪
ドイツワインのアウスレーゼ、シュペトレーゼあたりとの相性もぴったりかと。
もちろん赤ワインとも合いますね。
2009/08/25(Tue) 05:00 | URL | さわ | 【編集
南関あげとチーズ
さわさん。

ありがとうございます。
とろけるスライスチーズ、2枚で
早速試してみます。
2009/08/25(Tue) 09:19 | URL | 江部康二 | 【編集
Re: 糖質制限と筋トレ
takaharadaさん。

『糖質を摂取したときは、血糖値が上昇し追加分泌のインスリンが出て、筋肉でブドウ糖を利用させます。食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。』
この記載は、糖尿病専門医研修ガイドブックから引用です。
現時点の教科書の知識ということです。

筋肉のタンパク質は90日ていどで、半分が入れ替わります。
筋肉のタンパク質をつくるアミノ酸は、食物からえられます。
このように、一方通行ではなくて、サイクルになっています。

糖新生は、乳酸、アミノ酸、グリセロールなどから肝臓で行われます。
筋肉中のグリコーゲンは乳酸にかわって血中にはいり、心筋などのエネルギー源にもなります。

肝臓と筋肉と脂肪細胞は日常的に基質を交換し合ってサイクルして助け合って活動しています。
例えば、脂肪細胞からグリセロールが肝臓へ、筋肉からアミノ酸が肝臓へ、
一方肝臓からブドウ糖が筋肉や脂肪細胞へ・・・

これらは運動とは関係なく日常的に行われています。
糖新生はごく日常的な生理活動です。
もちろん、トレーニングは良いことと思います。

確かに糖質制限食を実践すれば、糖質たっぷり摂取の人より、糖新生は活発となります。
この活発な生理現象は、農耕前の、399万年間人類の体内で日常的に行われてきたものですね。
2009/08/25(Tue) 09:59 | URL | 江部康二 | 【編集
マラソンにおけるカーボローディングとアミノ酸摂取
私はランニングに関するブログを書いて情報を発信しています.

先生のブログを読んで,一般ランナーにとってカーボローディングが無意味なことは分かりました.

アミノ酸飲料などでアミノ酸を摂取することはどうでしょう?

私はフルマラソンを4時間も5時間もかけて走るランナーなので,このレベルであれば水だけ飲んでれば完走できました.

レース中の給水内容や補食についてどう考えればいいでしょうか?
2016/01/20(Wed) 05:09 | URL | 木村 | 【編集
Re: マラソンにおけるカーボローディングとアミノ酸摂取
木村 さん

私は、マラソンをせず門外漢となりますので
アミノ酸についてはよくわかりません。

一般論として理論的には

スーパー糖質制限食あるいはケトン食を摂取すると
「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムが活性化されます。
それにより、少々心拍数が上昇するレベルの運動強度でも
筋肉は効率よく「脂肪酸-ケトン体」をエネルギー源とできるので
筋肉中のグリコーゲンを節約できます。
それにより、ラストスパートの時に「ブドウ糖-グリコーゲン」エネルギーシステムで
全力疾走が可能となると思います。

従いまして、糖質セイゲニストなら、水分と少量の塩分補給だけで、
フルマラソンが理論的には可能と思われます。

2014年07月16日 (水)
「ケトン食で、オフロード自転車競技者の運動能力が向上」
をご参照いただけば幸いです。
2016/01/20(Wed) 13:27 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: マラソンにおけるカーボローディングとアミノ酸摂取
お返事ありがとうございます.

私はマフェトン理論というのがあります.

マフェトン理論では,糖質を制限して脂質をよく燃やせる体質にすることで,運動パフォーマンスの向上も得られると言っています.

糖質を制限することでの成人病予防などのメリットの他にも,運動パフォーマンス向上について調査結果が出てくることを期待してます.
2016/01/21(Thu) 11:07 | URL | 木村 | 【編集
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