2007年06月18日 (月)
こんばんは、京都は梅雨中ですが、今日は雨は降りませんでした。
さて、今回はQ&Aです。
「野菜ではないけど、豆腐や納豆の大豆製品も以外と糖質量多いですよね?
2007/06/17(日) 22:15:41 | URL | スーパー名無し」
スーパー名無しさん、絹ごし豆腐で100gあたり3.4g、納豆は100gあたり5.4gの糖質を含有しています。ですから仰るとおり葉野菜に比べればやや多めですかね。
まあ、一人前の量としたら豆腐も納豆も50g程度なので、糖質制限食合格と思います。木綿豆腐は100gあたり1.2gの糖質でぐっと少なめで、全く問題ありません。
大豆は数ある豆類の中で、一番糖質含有量が少なくて、乾燥100gあたり約11gです。豆乳やおからも糖質制限食合格食品です。
「糖質制限食 夏のレシピ」でも大豆粉、豆乳、おからを使った手作りスイーツレシピを紹介しています。
小豆は乾燥100gあたり41g、インゲン豆は100gあたり39g、そら豆は100gあたり46.5gもあります。
従いまして糖質制限食では、大豆以外の豆は使用しません。
次のご質問です。
「江部先生。はじめまして。
ブログ、2月からすべてさかのぼって拝読させていただきました。共感、納得しながら読ませていただきましたが、1型ゆえでしょうか、分からないところがございます。
私は劇症1型です。以前から糖質が食後2H値BGの上昇に関与することは存じておりました。ですから、毎食事の糖質量を計算し、インスリン単位数を決めております。 先生のお説、納得、検証済みでございます。
「血糖値を上昇させるのは基本的に糖質です。糖質は15分~90分で100%血糖に変わります。蛋白質は3時間前後で50%が血糖に変わります。脂質は数時間~12時間で10%未満が血糖に変わります。このことは生理学の教科書に載っている厳然たる事実です。」
ですが、脂質に関してはいかがでしょうか?
個人差と言われればそれまでですが、脂質は必ずBGを上昇させています。私の場合、食後5H後がピークです。1割以下ではありません。
また、たんぱく質においては3時間で1/2がBG上昇に関与するとは思えません。もっと、緩やかで成分表のたんぱく質の1/10g程度と思います。(先生が仰るように1型は計算したほうがいいと言う記事も頷きつつ、拝読いたしました。)
最近、おからクッキーを主食代わりに頂いております。
恐ろしいほど、インスリンの単位数が減量できております。
ただ、高たんぱく食を続けることに対し、腎症などへの影響を危惧いたしております。
また、先生は脂肪を利用する代謝サイクルのなかでケトン体について述べられておられましたが、ケトン体による酸性血、ケトン尿症を引き起こしませんか?
脂質がBGを上昇させること、高たんぱく食の弊害、、ケトーシスについてのご見解をご教示いただけませんか?
ちなみに、ケトアシードシスの経験者でございます。
現在があるのは主治医先生のおかげと感謝しております。
私の主治医先生も糖尿病専門医ではなく、一般内科医です。
2007/06/17(日) 21:09:04 | URL | 9日を忘れない」
9日を忘れないさん、おからクッキーいいですね。インスリン減量できて良かったです。 糖質制限食を実践することで1型糖尿病の人でも、インスリンの量が、だいたい1/3以下になります。
1型糖尿病のことを、5.25のブログに書きましたが
「バ-ンスタイン医師の糖尿病の解決」(メディカルトリビュ-ン)は大変参考になるので是非お読みください。
1型糖尿病の場合、個人差も非常に大きいので、一人一人根拠となる計算がずれることが多いですね。入院していてもデータを落ち着かせるまでが結構大変です。1gの糖質が5g血糖値を上昇させるというのも、あくまで平均値で一人一人違いますから。
また、1単位の超速効型インスリンが、30から60mg程度血糖値を下げますがこれも個人差が大きいです。
しかも、同一個人においても、糖質制限食で血糖値の乱高下が無くなって200mg未満で安定してくると、いきなりインスリンの効きが良くなることも経験しました。ここらは、兎に角主治医とよくよく相談してください。
糖質、脂質、タンパク質がそれぞれどの程度血糖値を上昇させるかも、アメリカの教科書の一般論ですので、正常人や2型にはピッタリでも、1型でデータをとったものではありませんので、1型に関しては不確定な所があると思います。
その点、バ-ンスタイン医師は自身が1型の糖尿病で、糖質とタンパク質を計算して食事療法をしておられますので、高雄病院でも1型の人には、彼の本を参考に試行錯誤しています。
女性では、生理も血糖値にかなりの影響をあたえます。また、糖尿病で消化管の神経が障害されていると、食物の吸収速度が遅くなって血糖値の上昇のピークがずれてくることもあります。
それから、高タンパク食で腎機能が悪化するというデータはありませんので、安心してください。現在医学的には、既に腎機能障害が確定している人に高タンパク食は良くないということです。バ-ンスタイン医師は、40年近く糖質制限食を実践しておられ腎機能も正常です。
ケトン体は、脂肪が燃えたら血中に出現してきます。血糖値が200mg未満とか一定コントロールされいてケトン体が上昇しても、生理的なものでなんの心配もいりません。
例えば、江部康二もスーパ-糖質制限食実践中なので、血中ケトン体はたいてい高値(本当は正常値ですが、今の基準だと高値)ですが生理的な現象なので全く問題ありません。
一方、血糖値が300,400あってケトン体が出現してきたときは、インスリンの作用不足で細胞がブドウ糖を利用できていないことが前提になっているので危険です。
つまり、糖尿病性ケトアシドーシスは糖尿病のコントロールが極端に悪い時の病態です。インスリンを注射して、糖質制限食を実践していれば今までよりコントロールは良くなるのでそれはありません。
ケトン体に関しては4.23,24,25,26のブログも参照してください。
日常的に脂肪が燃えてケトン体が出ているのが、人間の本来の姿です。
江部康二
さて、今回はQ&Aです。
「野菜ではないけど、豆腐や納豆の大豆製品も以外と糖質量多いですよね?
2007/06/17(日) 22:15:41 | URL | スーパー名無し」
スーパー名無しさん、絹ごし豆腐で100gあたり3.4g、納豆は100gあたり5.4gの糖質を含有しています。ですから仰るとおり葉野菜に比べればやや多めですかね。
まあ、一人前の量としたら豆腐も納豆も50g程度なので、糖質制限食合格と思います。木綿豆腐は100gあたり1.2gの糖質でぐっと少なめで、全く問題ありません。
大豆は数ある豆類の中で、一番糖質含有量が少なくて、乾燥100gあたり約11gです。豆乳やおからも糖質制限食合格食品です。
「糖質制限食 夏のレシピ」でも大豆粉、豆乳、おからを使った手作りスイーツレシピを紹介しています。
小豆は乾燥100gあたり41g、インゲン豆は100gあたり39g、そら豆は100gあたり46.5gもあります。
従いまして糖質制限食では、大豆以外の豆は使用しません。
次のご質問です。
「江部先生。はじめまして。
ブログ、2月からすべてさかのぼって拝読させていただきました。共感、納得しながら読ませていただきましたが、1型ゆえでしょうか、分からないところがございます。
私は劇症1型です。以前から糖質が食後2H値BGの上昇に関与することは存じておりました。ですから、毎食事の糖質量を計算し、インスリン単位数を決めております。 先生のお説、納得、検証済みでございます。
「血糖値を上昇させるのは基本的に糖質です。糖質は15分~90分で100%血糖に変わります。蛋白質は3時間前後で50%が血糖に変わります。脂質は数時間~12時間で10%未満が血糖に変わります。このことは生理学の教科書に載っている厳然たる事実です。」
ですが、脂質に関してはいかがでしょうか?
個人差と言われればそれまでですが、脂質は必ずBGを上昇させています。私の場合、食後5H後がピークです。1割以下ではありません。
また、たんぱく質においては3時間で1/2がBG上昇に関与するとは思えません。もっと、緩やかで成分表のたんぱく質の1/10g程度と思います。(先生が仰るように1型は計算したほうがいいと言う記事も頷きつつ、拝読いたしました。)
最近、おからクッキーを主食代わりに頂いております。
恐ろしいほど、インスリンの単位数が減量できております。
ただ、高たんぱく食を続けることに対し、腎症などへの影響を危惧いたしております。
また、先生は脂肪を利用する代謝サイクルのなかでケトン体について述べられておられましたが、ケトン体による酸性血、ケトン尿症を引き起こしませんか?
脂質がBGを上昇させること、高たんぱく食の弊害、、ケトーシスについてのご見解をご教示いただけませんか?
ちなみに、ケトアシードシスの経験者でございます。
現在があるのは主治医先生のおかげと感謝しております。
私の主治医先生も糖尿病専門医ではなく、一般内科医です。
2007/06/17(日) 21:09:04 | URL | 9日を忘れない」
9日を忘れないさん、おからクッキーいいですね。インスリン減量できて良かったです。 糖質制限食を実践することで1型糖尿病の人でも、インスリンの量が、だいたい1/3以下になります。
1型糖尿病のことを、5.25のブログに書きましたが
「バ-ンスタイン医師の糖尿病の解決」(メディカルトリビュ-ン)は大変参考になるので是非お読みください。
1型糖尿病の場合、個人差も非常に大きいので、一人一人根拠となる計算がずれることが多いですね。入院していてもデータを落ち着かせるまでが結構大変です。1gの糖質が5g血糖値を上昇させるというのも、あくまで平均値で一人一人違いますから。
また、1単位の超速効型インスリンが、30から60mg程度血糖値を下げますがこれも個人差が大きいです。
しかも、同一個人においても、糖質制限食で血糖値の乱高下が無くなって200mg未満で安定してくると、いきなりインスリンの効きが良くなることも経験しました。ここらは、兎に角主治医とよくよく相談してください。
糖質、脂質、タンパク質がそれぞれどの程度血糖値を上昇させるかも、アメリカの教科書の一般論ですので、正常人や2型にはピッタリでも、1型でデータをとったものではありませんので、1型に関しては不確定な所があると思います。
その点、バ-ンスタイン医師は自身が1型の糖尿病で、糖質とタンパク質を計算して食事療法をしておられますので、高雄病院でも1型の人には、彼の本を参考に試行錯誤しています。
女性では、生理も血糖値にかなりの影響をあたえます。また、糖尿病で消化管の神経が障害されていると、食物の吸収速度が遅くなって血糖値の上昇のピークがずれてくることもあります。
それから、高タンパク食で腎機能が悪化するというデータはありませんので、安心してください。現在医学的には、既に腎機能障害が確定している人に高タンパク食は良くないということです。バ-ンスタイン医師は、40年近く糖質制限食を実践しておられ腎機能も正常です。
ケトン体は、脂肪が燃えたら血中に出現してきます。血糖値が200mg未満とか一定コントロールされいてケトン体が上昇しても、生理的なものでなんの心配もいりません。
例えば、江部康二もスーパ-糖質制限食実践中なので、血中ケトン体はたいてい高値(本当は正常値ですが、今の基準だと高値)ですが生理的な現象なので全く問題ありません。
一方、血糖値が300,400あってケトン体が出現してきたときは、インスリンの作用不足で細胞がブドウ糖を利用できていないことが前提になっているので危険です。
つまり、糖尿病性ケトアシドーシスは糖尿病のコントロールが極端に悪い時の病態です。インスリンを注射して、糖質制限食を実践していれば今までよりコントロールは良くなるのでそれはありません。
ケトン体に関しては4.23,24,25,26のブログも参照してください。
日常的に脂肪が燃えてケトン体が出ているのが、人間の本来の姿です。
江部康二
食品成分表で、おからは100g中、炭水化物9.7g、食物繊維9.7gということは
糖質0ですよね?
糖質0ですよね?
2007/06/19(Tue) 22:24 | URL | ひろ | 【編集】
江部先生、お忙しいなか、解り易いご回答をありがとうございました。
1型においての脂質のBG上昇は、やはり、個人差やデータ不足なんですね。仕方ないので、もう少し試行錯誤を続けます。
高タンパク食について心配はなくなりました。
ケトン体についてですが・・・。
安定コントロール下においてのケトン体は気にしなくて良いとの事ですが、それは理解できました。
ですが、脂肪を燃焼ということは中性脂肪の低下から皮下脂肪の減少と言う順番でよろしいでしょうか?
私はTG33、体脂肪率17.0%と痩せ型です。
糖質制限食でBGコントロールが安定するのを切望しておりますが、以前、中性脂肪が24だったこともあり、毎月、HDLは高値なので、不向きかとも感じております。
糖質制限食は(2型DM)に津梁となるもので、1型には条件付になるのでしょうか?
お勧めいただきましたバーンスタインDr.の著書、和訳本の取り寄せに時間がかかり、とりあえず、原文を入手いたしましたが。かなり、てこずって、和訳本到着のほうが早いかもしれません。
1型においての脂質のBG上昇は、やはり、個人差やデータ不足なんですね。仕方ないので、もう少し試行錯誤を続けます。
高タンパク食について心配はなくなりました。
ケトン体についてですが・・・。
安定コントロール下においてのケトン体は気にしなくて良いとの事ですが、それは理解できました。
ですが、脂肪を燃焼ということは中性脂肪の低下から皮下脂肪の減少と言う順番でよろしいでしょうか?
私はTG33、体脂肪率17.0%と痩せ型です。
糖質制限食でBGコントロールが安定するのを切望しておりますが、以前、中性脂肪が24だったこともあり、毎月、HDLは高値なので、不向きかとも感じております。
糖質制限食は(2型DM)に津梁となるもので、1型には条件付になるのでしょうか?
お勧めいただきましたバーンスタインDr.の著書、和訳本の取り寄せに時間がかかり、とりあえず、原文を入手いたしましたが。かなり、てこずって、和訳本到着のほうが早いかもしれません。
2007/06/19(Tue) 22:46 | URL | 9日を忘れない | 【編集】
ひろさん、旧製法のおからは、確かに計算上糖質ゼロですよね。
日本食品標準成分表によれば新製法のおからは、100g中2.3gの糖質が入っているみたいです。
江部康二
日本食品標準成分表によれば新製法のおからは、100g中2.3gの糖質が入っているみたいです。
江部康二
2007/06/19(Tue) 22:53 | URL | | 【編集】
お返事ありがとうございます。
売っているおからは新製法物が多いと思っていれば大丈夫ですね。
売っているおからは新製法物が多いと思っていれば大丈夫ですね。
2007/06/19(Tue) 23:05 | URL | ひろ | 【編集】
9日を忘れないさん、内臓脂肪と体脂肪を合わせて体脂肪です。
先に主として内臓脂肪が燃え、ついで皮下脂肪が燃えます。
血中の中性脂肪値が低いのは少し摂取量が低カロリー気味なのでしょうか?
HDL-コレステロールが多いのは全く問題はありません。
糖質管理食を徹底したものが 糖質制限食ですので、1型でも低血糖とインスリンの量に注意しながら実践してOKです。主治医ともよくご相談ください。
江部康二
先に主として内臓脂肪が燃え、ついで皮下脂肪が燃えます。
血中の中性脂肪値が低いのは少し摂取量が低カロリー気味なのでしょうか?
HDL-コレステロールが多いのは全く問題はありません。
糖質管理食を徹底したものが 糖質制限食ですので、1型でも低血糖とインスリンの量に注意しながら実践してOKです。主治医ともよくご相談ください。
江部康二
2007/06/20(Wed) 08:09 | URL | | 【編集】
糖質制限食で体重を上げるにはどうしたらいいのでしょうか?
今現在、BMIが20.7です、標準体重までもっていくのは難しいのでしょうか?
今現在、BMIが20.7です、標準体重までもっていくのは難しいのでしょうか?
2007/06/20(Wed) 18:10 | URL | ひろ | 【編集】
ひろさん、ボディ・ビルダーはほとんど糖質制限食ですので、
筋力アップで体重増加というパターンをめざしてください。
まあBMIが20.7で体調が良ければ、問題ないと思いますが・・・
江部康二
筋力アップで体重増加というパターンをめざしてください。
まあBMIが20.7で体調が良ければ、問題ないと思いますが・・・
江部康二
2007/06/20(Wed) 19:43 | URL | | 【編集】
お返事ありがとうございます。
頑張ります。
頑張ります。
2007/06/20(Wed) 20:58 | URL | ひろ | 【編集】
お尋ねします、私は負荷試験で境界型ですが、食後に眠くなり夜中に1時間眠ると目が覚めて 食べると少し眠気がきますのでまた食べるのです 睡眠は1時間が毎日続いてます 寝る前に食べるのは良くないのですが 寝られbないので。。。。
宜しくご意見を伺いたいと思います。
宜しくご意見を伺いたいと思います。
江部先生
はじめまして。
納豆や牛乳を食前に摂取すると血糖値の上昇を防いでくれるというお話を聞きました。
たしか、テレビでもとりあげられていたことがあったように思います。
しかし、納豆や牛乳事態に糖質は含まれています。
なぜ、糖質が含まれている食品にその後に食べる食事の血糖値の上昇を防ぐ効果があるのかが分かりません。
もしくは、本当はそのようなことはないのでしょうか。
ご回答いただけますと幸いです。
はじめまして。
納豆や牛乳を食前に摂取すると血糖値の上昇を防いでくれるというお話を聞きました。
たしか、テレビでもとりあげられていたことがあったように思います。
しかし、納豆や牛乳事態に糖質は含まれています。
なぜ、糖質が含まれている食品にその後に食べる食事の血糖値の上昇を防ぐ効果があるのかが分かりません。
もしくは、本当はそのようなことはないのでしょうか。
ご回答いただけますと幸いです。
ネル さん
先に、食物繊維や脂質を食べていると、単純に糖質の吸収がややゆっくりになるとされています。
つまり食後高血糖のピークが少し下がる可能性があります。
しかしトータルの吸収される糖質量は一緒です。
大事なのは食べる順番よりは、糖質の絶対量と思います。
先に、食物繊維や脂質を食べていると、単純に糖質の吸収がややゆっくりになるとされています。
つまり食後高血糖のピークが少し下がる可能性があります。
しかしトータルの吸収される糖質量は一緒です。
大事なのは食べる順番よりは、糖質の絶対量と思います。
2017/02/08(Wed) 22:38 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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