2009年07月30日 (木)
こんばんは。
「先生は医師であり玄米を食べ運動もしていたのに、何故糖尿病になったのですか?」
このような質問をたまにされることがあります。
私自身も、当初は何故自分が糖尿病になってしまったのか解っていませんでした。恥ずかしながら、糖質制限食理論に辿り着いて初めて理解したというわけです。(=_=;)
もともと父も母も糖尿病で、父は77歳の時糖尿病による血流傷害のため右大腿切断手術をし、その後心筋梗塞や肺炎にもなり、80歳で永眠しました。家族歴は完璧なので、私もそこそこ警戒はしていたのですが2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂にHbA1Cが6.3%と糖尿病の域に達しており、慌てて食後2時間の血糖値を測定してみると260mg/dlもあり愕然としました。血糖値を上昇させにくいはずの玄米で実験してみても食後血糖値は260前後で変わりませんでした。
通常健康診断で調べる朝一番の空腹時血糖値は、十数年間ずっと108mg以下で安心していました。しかし、1998年には、115mgで初めて糖尿病と正常の境界領域になっていたのに、油断して放置していたのです。もっとも、玄米は食べているし魚中心で肉や脂は控えめで、週に1.2回テニスはしているし一般的にみれば健康的なライフスタイルのはず?でしたが・・・。
40歳過ぎから「酒をやるなら純米大吟醸、ビール飲むなら恵比寿ビール、愛読書並びに推薦書は夏子の酒・・・」てなキャッチコピーで、それまでのウィスキーやブランデーから純米酒と恵比寿ビールに切り替えて、当時浴びるように飲んでいたのも今から思えば敗因でした。
通常食後高血糖が数年間続いたあとに、空腹時血糖値が上昇すると言われているので、実は1990年代の初めごろから、とっくに食後高血糖が存在した可能性が高かったのです。(読者の皆さんも糖尿病の早期チェックには、空腹時血糖値ではなく主食摂取後1時間血糖値を調べてくださいね。)
玄米といえども糖質、42~43歳ごろから毎日食事の度に軽度の食後高血糖を繰り返し、だめ押しに毎晩毎晩、雨の日も風の日も雪の日も晴れの日も曇りの日も、律儀に純米酒と恵比寿ビールで飲酒後高血糖を生じていたのでしょう。σ(=_=;)ヾ
当時は、テニスの帰りにスポーツジムにもよって、自転車こぎや腹筋・背筋運動もやってましたが、なぜか体重は徐々に増加し、腹回りも順調に育っていきました。
所詮この程度の運動では、主食摂取後の高血糖に対抗できるはずもなく、インスリン過剰分泌で肥満していったのだ思います。しっかり摘めるお肉なので、筋肉増強ではなく脂肪増強に間違いありません。
肥満すればインスリン抵抗性が増して効きが悪くなるので、益々過剰のインスリンを分泌せざるを得ません。しかしこのような状況では膵臓が徐々に疲弊していきますから、インスリンを過剰に分泌できなくなって不足し、とうとう糖尿病発症ですね。
江部康二のケースは、日本人の糖尿病発症の典型的なパターンといえます。
52歳、糖尿病発覚時には、とうとう体重67kgになって、学生時代より10kg増えてしまいました。
血圧は160/100、腹囲は86cmと、メタボリック・シンドロームの診断基準を見事に満たしていました。身長は167cmです。
ここに至り、一念発起して、2002年6月から糖質制限食を開始しました。高雄病院では1999年から院長・江部洋一郎が糖質制限食を実践し画期的な成果をあげていました。
当初、半信半疑だった私も、2001年に糖尿病の患者さんに初めて実施し劇的改善を得ていたので、うまくいく確信はありました。肉・魚・野菜・豆腐などおかずは食べ放題で、主食(糖質)だけはなしです。酒は日本酒、ビールなどの糖質を含んでいる醸造酒は中止し、もっぱら焼酎(蒸留酒)としました。赤ワインだけは、醸造酒の中でも血糖値を上昇させないので適宜飲んでいます。
その結果1年間の糖質制限食で、体重は56kgにおち、血圧も120/70、HbA1Cも4.9%と改善しました。メタボリック・シンドロームも解消しました。
純米大吟醸・恵比寿ビール時代を知る友人達からは、非難囂々、ブーイング続出でしたが、糖尿病とおさらばするために、背に腹は代えられません。
その後は、2009年現在に至るまで、身長、体重はほぼ一定で、血圧も120~130/70~80ていど、HbA1cは5.1~5.3%ていどです。
今は、主食(糖質)を食べなければ正常人、主食(糖質)を食べれば糖尿人です。4%台を目指すのは、美味しく楽しく糖質制限食が困難となるので、今ぐらいにしときます。 (^^)
江部康二
「先生は医師であり玄米を食べ運動もしていたのに、何故糖尿病になったのですか?」
このような質問をたまにされることがあります。
私自身も、当初は何故自分が糖尿病になってしまったのか解っていませんでした。恥ずかしながら、糖質制限食理論に辿り着いて初めて理解したというわけです。(=_=;)
もともと父も母も糖尿病で、父は77歳の時糖尿病による血流傷害のため右大腿切断手術をし、その後心筋梗塞や肺炎にもなり、80歳で永眠しました。家族歴は完璧なので、私もそこそこ警戒はしていたのですが2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂にHbA1Cが6.3%と糖尿病の域に達しており、慌てて食後2時間の血糖値を測定してみると260mg/dlもあり愕然としました。血糖値を上昇させにくいはずの玄米で実験してみても食後血糖値は260前後で変わりませんでした。
通常健康診断で調べる朝一番の空腹時血糖値は、十数年間ずっと108mg以下で安心していました。しかし、1998年には、115mgで初めて糖尿病と正常の境界領域になっていたのに、油断して放置していたのです。もっとも、玄米は食べているし魚中心で肉や脂は控えめで、週に1.2回テニスはしているし一般的にみれば健康的なライフスタイルのはず?でしたが・・・。
40歳過ぎから「酒をやるなら純米大吟醸、ビール飲むなら恵比寿ビール、愛読書並びに推薦書は夏子の酒・・・」てなキャッチコピーで、それまでのウィスキーやブランデーから純米酒と恵比寿ビールに切り替えて、当時浴びるように飲んでいたのも今から思えば敗因でした。
通常食後高血糖が数年間続いたあとに、空腹時血糖値が上昇すると言われているので、実は1990年代の初めごろから、とっくに食後高血糖が存在した可能性が高かったのです。(読者の皆さんも糖尿病の早期チェックには、空腹時血糖値ではなく主食摂取後1時間血糖値を調べてくださいね。)
玄米といえども糖質、42~43歳ごろから毎日食事の度に軽度の食後高血糖を繰り返し、だめ押しに毎晩毎晩、雨の日も風の日も雪の日も晴れの日も曇りの日も、律儀に純米酒と恵比寿ビールで飲酒後高血糖を生じていたのでしょう。σ(=_=;)ヾ
当時は、テニスの帰りにスポーツジムにもよって、自転車こぎや腹筋・背筋運動もやってましたが、なぜか体重は徐々に増加し、腹回りも順調に育っていきました。
所詮この程度の運動では、主食摂取後の高血糖に対抗できるはずもなく、インスリン過剰分泌で肥満していったのだ思います。しっかり摘めるお肉なので、筋肉増強ではなく脂肪増強に間違いありません。
肥満すればインスリン抵抗性が増して効きが悪くなるので、益々過剰のインスリンを分泌せざるを得ません。しかしこのような状況では膵臓が徐々に疲弊していきますから、インスリンを過剰に分泌できなくなって不足し、とうとう糖尿病発症ですね。
江部康二のケースは、日本人の糖尿病発症の典型的なパターンといえます。
52歳、糖尿病発覚時には、とうとう体重67kgになって、学生時代より10kg増えてしまいました。
血圧は160/100、腹囲は86cmと、メタボリック・シンドロームの診断基準を見事に満たしていました。身長は167cmです。
ここに至り、一念発起して、2002年6月から糖質制限食を開始しました。高雄病院では1999年から院長・江部洋一郎が糖質制限食を実践し画期的な成果をあげていました。
当初、半信半疑だった私も、2001年に糖尿病の患者さんに初めて実施し劇的改善を得ていたので、うまくいく確信はありました。肉・魚・野菜・豆腐などおかずは食べ放題で、主食(糖質)だけはなしです。酒は日本酒、ビールなどの糖質を含んでいる醸造酒は中止し、もっぱら焼酎(蒸留酒)としました。赤ワインだけは、醸造酒の中でも血糖値を上昇させないので適宜飲んでいます。
その結果1年間の糖質制限食で、体重は56kgにおち、血圧も120/70、HbA1Cも4.9%と改善しました。メタボリック・シンドロームも解消しました。
純米大吟醸・恵比寿ビール時代を知る友人達からは、非難囂々、ブーイング続出でしたが、糖尿病とおさらばするために、背に腹は代えられません。
その後は、2009年現在に至るまで、身長、体重はほぼ一定で、血圧も120~130/70~80ていど、HbA1cは5.1~5.3%ていどです。
今は、主食(糖質)を食べなければ正常人、主食(糖質)を食べれば糖尿人です。4%台を目指すのは、美味しく楽しく糖質制限食が困難となるので、今ぐらいにしときます。 (^^)
江部康二
本の出版おめでとうございます。
糖質制限が糖尿の方だけでなく、いろいろな症状に有効だとわかってもらえたらいいですね。
私は糖質制限を始めて3か月経ちました。
自分では、やってるつもりでも、やり切れている感じがしないこともしばしばあります。体重も減らないので^^;
これは、カロリーの取りすぎと運動なしの生活だからだと思います・・・。
でも、本日の検診でドクターが「体重は落とさなきゃいけないけど、この数値は120点満点だね」と言うので「え?」と驚きました。
A1cは、5月 12.3→6月 9.5→7月 6.8 と
順調に下がり、朝食後5時間の血糖値87でした。薬のんでませ・・・ん。何日も前から。
先生はすごく驚いていました。
アクトスとベイスンを処方されているのですが、結構飲まない日も多いのです。
飲んでも飲まなくても制限食の時は変わらない気がします。食事会などでイレギュラーの場合は心配なのでベイスンを飲んでいます。
薬をどうしようかとちょっと迷っていた様子でしたが、やはりA1cが、もうちょっといかなかったせいか、「お薬やっぱり飲んでください」とのことでした。
そこで出た話しですが、
エラーイ先生が診断基準を厳しくしようとしているらしくて、A1c5.1までが正常値になるかもしれないと言っていました。正常な人は4%代だからと。4%なんて考えたこともないのでびっくりしました。私が5.1になるには、今の3倍は努力しないと無理かもしれないな・・・と言っていました。
診ているコントロールの良い人で5.4が最高だそうです。
薬をもらうときに、薬剤師さんも「すごい改善ですがどう頑張ったんですか」と聞くので「糖質と炭水化物を減らしたんです」と言うと、「先生の指示ですか?」って聞かれたので「違います」と笑ってこたえてきました(*^_^*)
そのあとに、「バランスよく食べてくださいね~!」と言われました・・・・。
あと3倍どう頑張ればいいのか・・・。ムリかもです(笑)。
糖質制限が糖尿の方だけでなく、いろいろな症状に有効だとわかってもらえたらいいですね。
私は糖質制限を始めて3か月経ちました。
自分では、やってるつもりでも、やり切れている感じがしないこともしばしばあります。体重も減らないので^^;
これは、カロリーの取りすぎと運動なしの生活だからだと思います・・・。
でも、本日の検診でドクターが「体重は落とさなきゃいけないけど、この数値は120点満点だね」と言うので「え?」と驚きました。
A1cは、5月 12.3→6月 9.5→7月 6.8 と
順調に下がり、朝食後5時間の血糖値87でした。薬のんでませ・・・ん。何日も前から。
先生はすごく驚いていました。
アクトスとベイスンを処方されているのですが、結構飲まない日も多いのです。
飲んでも飲まなくても制限食の時は変わらない気がします。食事会などでイレギュラーの場合は心配なのでベイスンを飲んでいます。
薬をどうしようかとちょっと迷っていた様子でしたが、やはりA1cが、もうちょっといかなかったせいか、「お薬やっぱり飲んでください」とのことでした。
そこで出た話しですが、
エラーイ先生が診断基準を厳しくしようとしているらしくて、A1c5.1までが正常値になるかもしれないと言っていました。正常な人は4%代だからと。4%なんて考えたこともないのでびっくりしました。私が5.1になるには、今の3倍は努力しないと無理かもしれないな・・・と言っていました。
診ているコントロールの良い人で5.4が最高だそうです。
薬をもらうときに、薬剤師さんも「すごい改善ですがどう頑張ったんですか」と聞くので「糖質と炭水化物を減らしたんです」と言うと、「先生の指示ですか?」って聞かれたので「違います」と笑ってこたえてきました(*^_^*)
そのあとに、「バランスよく食べてくださいね~!」と言われました・・・・。
あと3倍どう頑張ればいいのか・・・。ムリかもです(笑)。
2009/07/31(Fri) 00:39 | URL | noriko | 【編集】
norikoさん。
HbA1cの劇的改善良かったですね。
今のたまにベイスンで通常は薬なしのパターンでよいと思いますよ。
HbA1cの劇的改善良かったですね。
今のたまにベイスンで通常は薬なしのパターンでよいと思いますよ。
2009/07/31(Fri) 07:35 | URL | 江部康二 | 【編集】
英吉さん。
HbA1cが7年前から高値ですので、食後高血糖があったことは間違いありません。
今後できればスーパー糖質制限食で、血糖コントロールし
主治医と相談されて、SU剤減量・離脱をめざしてください。
本日の記事も参考にしていただけば幸いです。
HbA1cが7年前から高値ですので、食後高血糖があったことは間違いありません。
今後できればスーパー糖質制限食で、血糖コントロールし
主治医と相談されて、SU剤減量・離脱をめざしてください。
本日の記事も参考にしていただけば幸いです。
2009/07/31(Fri) 07:40 | URL | 江部康二 | 【編集】
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