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経口ブドウ糖負荷試験
こんばんは

経口ブドウ糖負荷試験について、のりさんから、コメント・質問をいただきました。

「負荷試験について
先生、いつもブログを参考にさせていただいております。
私も、10年ぶりの検診で先月初めに空腹時血糖地210(A1C7.3)が判明し、糖質制限食で、1ヶ月で140(A1C6.4)まで下がりました。(減量も緩やかに成功しています)
最初に測ったところと別のところでたまたま測ったもので、まだ「もう一度検査してインスリンの分泌も見てみましょう」といわれたまままだその検査をしていないのですが、その検査が「負荷試験」なのでしょうか。
となると、空腹時でもまだ140もある場合、先生のご意見ですと、危険なのでやらないほうがいい、という事になりますよね?

ただ、別の日の先生のブログを拝見すると、その試験によって、“インスリン追加分泌第一相反応”“第二相反応”がわかって、どのくらい機能が残っているかを見ることができる、と理解しているのですが、そこで質問です。

1.最初の病院に行って、その検査をしましょうと言われた場合、断った方がいいのでしょうか。

2.このまま糖質制限食を続けて、もっと空腹時血糖値が下がった場合、ある程度膵臓の機能が残っている、という事になりますか?
また、その先の膵臓の機能については、やはり負荷試験を行わないと、探ることはできないのでしょうか。

3.ブドウ糖を75g摂取する、ということは、225血糖値が上がってしまい、その日は高血糖になると思いますが、その高血糖は一日限りでも、危険なものなのでしょうか?また、どのくらい持続してしまうのでしょうか?
病院で350とかの値になっても、そのまま放っておかれるのでしょうか?

となると、少しでも血糖値が下がってから検査してみた方がいいのでしょうか・・・・

すいません、まだ未体験の検査に、不安が一杯です。

最後に、
4.先生が紹介なさっていた、『ひめのともみ先生』はご担当を見ると、心療内科なのですが、薬の処方などもして頂けるのでしょうか?
2009/07/16(Thu) 15:16 | URL | のり


のりさん。
コメントありがとうございます。

また血糖値、HbA1cの改善、良かったですね。

1.「最初の病院に行って、その検査をしましょうと言われた場合、断った方がいいのでしょうか。」

経口ブドウ糖負荷試験で、インスリン分泌能力を検査するということなのでしょう。検査してよいと思います。

2.「このまま糖質制限食を続けて、もっと空腹時血糖値が下がった場合、ある程度膵臓の機能が残っている、という事になりますか?
また、その先の膵臓の機能については、やはり負荷試験を行わないと、探ることはできないのでしょうか。」


空腹時血糖値が改善してきているので、糖質制限食により膵臓が休養できて、基礎分泌インスリンが回復してきていると考えられます。追加分泌第一相の能力は、75g経口ブドウ糖負荷試験により評価できます。

3.「ブドウ糖を75g摂取する、ということは、225血糖値が上がってしまい、その日は高血糖になると思いますが、その高血糖は一日限りでも、危険なものなのでしょうか?また、どのくらい持続してしまうのでしょうか?
病院で350とかの値になっても、そのまま放っておかれるのでしょうか?
となると、少しでも血糖値が下がってから検査してみた方がいいのでしょうか・・・・
すいません、まだ未体験の検査に、不安が一杯です。」


のりさんの場合は、糖尿病の確定診断がついていますので、診断のために負荷試験をする意味はありません。

一方、インスリン追加分泌第一相を評価しようと思えば、負荷試験をして空腹時血糖値とインスリン値、負荷30分後の血糖値とインスリン値を測定することが必要です。

インスリン分泌指数(II: insulinogenic index)は、
II=<30分インスリン値-空腹時インスリン値>÷<30分血糖値-空腹時血糖値
インスリン分泌指数(II: insulinogenic index)は04以上が正常です。

ブドウ糖負荷試験で数時間近く高血糖になりますが、そのていどは心配ないです。 高血糖が数年間続いて、動脈硬化のリスクが高まります。

4.「先生が紹介なさっていた、『ひめのともみ先生』はご担当を見ると、心療内科なのですが、薬の処方などもして頂けるのでしょうか?」
内科の担当の先生がおられて、薬の処方もされています。



江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
どうもありがとうございます
先生、ご丁寧な回答を頂き、感謝いたします。
それでは、インスリンの分泌を見るため、ということで、安心して、検査を受けてみます。

また主治医になってもらう病院も、検討します。

京都まで通えたらいいのですが・・・・。

なかなか、糖質制限を説明した上で、例えば旅行中や有事用に薬をもらう、しかも膵臓に優しい薬を・・というのを判ってもらうのは難しそうです。

皆さんの話を読んでいると、逆らわずに、お薬だけもらって、またこちらを参考にする、というのでもいいのかな、とも思ってしまいます。

このブログのようなページがあるのは、本当に心強いです。
2009/07/27(Mon) 09:09 | URL | のり | 【編集
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