2009年07月08日 (水)
2009年3月24日に、米国の糖尿病妊婦さんのことでコメントいただきましたうさぎさん。
とても参考になりました。ありがとうございます。
コメントの妊婦さんは、日本人の方?米国人の方?およその年齢は?出産されたのはおよそいつごろ?
ごく一般的な病院というのは、普通の産婦人科の病院で、妊娠糖尿病の場合、ただちに糖質制限食を指導されたということでしょうか?他の産婦人科の病院ではどうなのでしょうね?
お手数をおかけしますが、米国妊娠糖尿病の食事療法事情、うさぎさんのご存知の範囲、且つ、個人情報保護の範囲でいろいろ教えていただけば助かります。よろしくお願い申し上げます。
江部康二
☆☆☆うさぎさんのコメント
「・・・余談ですが、先々週から1週間ほど出張でアメリカに滞在したのですが、思いのほか糖質制限食がしやすかったです。メインディッシュの量がたっぷりなので、日本のように一皿余分にオーダーしなくてもよいですし、サラダの上にお肉やエビなど、好きなものを焼いてのせてくれるようなオプションがありました。もちろん、糖質の少ない葉野菜もたっぷりです。
また、米国ではカーボカウントが定着しているためだと思いますが、ごく普通の薬局で様々な種類の血糖測定器が販売されていましたし、本屋には食品別にカーボの量が一覧になっている本や料理本がたくさんありました。
一番印象的なお話としては、妊娠糖尿病になった方が、直ちに炭水化物(糖質)を制限するように指導され、無事に元気な赤ちゃんを出産されてました。ごく一般的な病院で指導されたそうです。米国では妊婦さんでも腎臓などに問題が無ければ糖質制限食は安全という認識なのだと理解しました。
日・米で大きな差を感じた出張になりました。
うさぎ | 2009.03.24(火) 11:29 」
とても参考になりました。ありがとうございます。
コメントの妊婦さんは、日本人の方?米国人の方?およその年齢は?出産されたのはおよそいつごろ?
ごく一般的な病院というのは、普通の産婦人科の病院で、妊娠糖尿病の場合、ただちに糖質制限食を指導されたということでしょうか?他の産婦人科の病院ではどうなのでしょうね?
お手数をおかけしますが、米国妊娠糖尿病の食事療法事情、うさぎさんのご存知の範囲、且つ、個人情報保護の範囲でいろいろ教えていただけば助かります。よろしくお願い申し上げます。
江部康二
☆☆☆うさぎさんのコメント
「・・・余談ですが、先々週から1週間ほど出張でアメリカに滞在したのですが、思いのほか糖質制限食がしやすかったです。メインディッシュの量がたっぷりなので、日本のように一皿余分にオーダーしなくてもよいですし、サラダの上にお肉やエビなど、好きなものを焼いてのせてくれるようなオプションがありました。もちろん、糖質の少ない葉野菜もたっぷりです。
また、米国ではカーボカウントが定着しているためだと思いますが、ごく普通の薬局で様々な種類の血糖測定器が販売されていましたし、本屋には食品別にカーボの量が一覧になっている本や料理本がたくさんありました。
一番印象的なお話としては、妊娠糖尿病になった方が、直ちに炭水化物(糖質)を制限するように指導され、無事に元気な赤ちゃんを出産されてました。ごく一般的な病院で指導されたそうです。米国では妊婦さんでも腎臓などに問題が無ければ糖質制限食は安全という認識なのだと理解しました。
日・米で大きな差を感じた出張になりました。
うさぎ | 2009.03.24(火) 11:29 」
江部先生
いつも質問にご丁寧にお答えいただきありがとうございます。
先ほど主人から「うさぎさんに、江部先生から質問があるようだよ」と知らされ、出張の時のメモを探してみました。(笑)
妊娠糖尿病の糖質制限食ということで、とても興味深くお話をうかがったのですが、たまたま、出張先で出会ってお話をしただけの方なので、病院名まではわかりませんが、覚えている範囲でお知らせいたします。連絡先をお聞きしておけばよかったのですが・・・。
まず、出産された方はカリフォルニア州在住の日本人女性です。出産時の年齢は29歳だったそうです。今年3月にお会いしたときに、お子さんは生後15ヶ月だということでしたので、出産されたのは2007年の12月頃だと思います。
通っていた病院については詳しくうかがいませんでしたが、もともと、カリフォルニアの総合病院のようなところにお勤めだったそうで、一般的な病院とおっしゃっていましたが、ある程度の設備が整った病院に通っていたようです。妊娠糖尿病が発覚してからは、産婦人科と妊娠糖尿病専門の先生に診ていただいていたとのことでした。
アメリカでは保健に加入している人は妊娠24週頃に糖尿病の検査を受けることになっているらしく、妊娠26週のときに受けたブドウ糖負荷試験(グルコース50グラムを摂って1時間値を見る検査だったそうです。)で、妊娠糖尿病が発覚し、薬は一切使わずに、栄養士の指導のもと食事制限を始めたそうです。検査の結果が出て、その日のうちに栄養指導を受けたと言っていました。
「○○%の病院で・・・」という具体的なお話ではないのですが、「妊娠糖尿病になったら、低炭水化物食」というのは、かなり浸透していると聞きました。また、妊娠糖尿病でも妊婦さんの健康状態や病院の方針によって、インスリン以外の薬を使用することもあり、腎臓に問題があれば「低炭水化物&低タンパク質食(高脂肪食でしょうか?)」などということもあるそうです。
栄養士からの指導の内容は、食事の時に「避けるもの」「好きなだけ食べてよいもの」「制限するもの」などの指導を受け、好きなだけ食べてよいと言われたのは、お肉類、お魚、野菜。ご飯、麺、パンなどは極力避け、フルーツも糖分が多いので、なるべく控えるように指導されたと言っていました。
大好きなご飯は、1回の食事で15グラムまでと指導され、とてもさみしい思いをしたと言っていました。もちろん、麺類やパンも、どうしても食べたければほんの一口だけにするようにと言われたそうです。
血糖値は食事制限に慣れるまでは、1日に8回測定。血糖値を上げないために体を動かすように、とも指導されたそうです。
出産直前はストレスのために、たまにはデザートなども食べてしまったそうですが、食事制限を頑張ったおかげで、生まれた時の赤ちゃんの体重は3,000グラムを少し上回ったくらいで、とても健康に育っているそうです。
妊娠中の食事制限には、アメリカ人のご主人も協力して、冷蔵庫の中の食材に、糖質の量を書いたメモを張っておいてくれたそうです。特に制限をしていたわけではありませんが、一緒に食事をしていたご主人も自然と糖質制限になっていたようで、2ヶ月間で10パウンドほど体重が減って、お腹がへこんだと言っていました。
なお、出産後は血糖値もすっかり正常になり、普通の食事をしているそうです。
以上が覚えている限りの内容です。お役に立てますかどうか・・・。
いつも質問にご丁寧にお答えいただきありがとうございます。
先ほど主人から「うさぎさんに、江部先生から質問があるようだよ」と知らされ、出張の時のメモを探してみました。(笑)
妊娠糖尿病の糖質制限食ということで、とても興味深くお話をうかがったのですが、たまたま、出張先で出会ってお話をしただけの方なので、病院名まではわかりませんが、覚えている範囲でお知らせいたします。連絡先をお聞きしておけばよかったのですが・・・。
まず、出産された方はカリフォルニア州在住の日本人女性です。出産時の年齢は29歳だったそうです。今年3月にお会いしたときに、お子さんは生後15ヶ月だということでしたので、出産されたのは2007年の12月頃だと思います。
通っていた病院については詳しくうかがいませんでしたが、もともと、カリフォルニアの総合病院のようなところにお勤めだったそうで、一般的な病院とおっしゃっていましたが、ある程度の設備が整った病院に通っていたようです。妊娠糖尿病が発覚してからは、産婦人科と妊娠糖尿病専門の先生に診ていただいていたとのことでした。
アメリカでは保健に加入している人は妊娠24週頃に糖尿病の検査を受けることになっているらしく、妊娠26週のときに受けたブドウ糖負荷試験(グルコース50グラムを摂って1時間値を見る検査だったそうです。)で、妊娠糖尿病が発覚し、薬は一切使わずに、栄養士の指導のもと食事制限を始めたそうです。検査の結果が出て、その日のうちに栄養指導を受けたと言っていました。
「○○%の病院で・・・」という具体的なお話ではないのですが、「妊娠糖尿病になったら、低炭水化物食」というのは、かなり浸透していると聞きました。また、妊娠糖尿病でも妊婦さんの健康状態や病院の方針によって、インスリン以外の薬を使用することもあり、腎臓に問題があれば「低炭水化物&低タンパク質食(高脂肪食でしょうか?)」などということもあるそうです。
栄養士からの指導の内容は、食事の時に「避けるもの」「好きなだけ食べてよいもの」「制限するもの」などの指導を受け、好きなだけ食べてよいと言われたのは、お肉類、お魚、野菜。ご飯、麺、パンなどは極力避け、フルーツも糖分が多いので、なるべく控えるように指導されたと言っていました。
大好きなご飯は、1回の食事で15グラムまでと指導され、とてもさみしい思いをしたと言っていました。もちろん、麺類やパンも、どうしても食べたければほんの一口だけにするようにと言われたそうです。
血糖値は食事制限に慣れるまでは、1日に8回測定。血糖値を上げないために体を動かすように、とも指導されたそうです。
出産直前はストレスのために、たまにはデザートなども食べてしまったそうですが、食事制限を頑張ったおかげで、生まれた時の赤ちゃんの体重は3,000グラムを少し上回ったくらいで、とても健康に育っているそうです。
妊娠中の食事制限には、アメリカ人のご主人も協力して、冷蔵庫の中の食材に、糖質の量を書いたメモを張っておいてくれたそうです。特に制限をしていたわけではありませんが、一緒に食事をしていたご主人も自然と糖質制限になっていたようで、2ヶ月間で10パウンドほど体重が減って、お腹がへこんだと言っていました。
なお、出産後は血糖値もすっかり正常になり、普通の食事をしているそうです。
以上が覚えている限りの内容です。お役に立てますかどうか・・・。
2009/07/08(Wed) 15:09 | URL | うさぎ | 【編集】
うさぎさん。
早速ありがとうございます。
とても参考になります。
7月31日に、日本産婦人科栄養・代謝研究会で
1時間糖質制限食の特別講演をします。
その時、米国の妊娠糖尿病の事情を一部にせよ話しできればと思いましたので・・・
とても助かります。学術ジャンルではなく話題提供というパターンで
紹介したいと思います。
早速ありがとうございます。
とても参考になります。
7月31日に、日本産婦人科栄養・代謝研究会で
1時間糖質制限食の特別講演をします。
その時、米国の妊娠糖尿病の事情を一部にせよ話しできればと思いましたので・・・
とても助かります。学術ジャンルではなく話題提供というパターンで
紹介したいと思います。
2009/07/08(Wed) 23:05 | URL | 江部康二 | 【編集】
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