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牛乳とヨーグルトと糖尿病
こんばんは。京都は朝から雨がしとしと降り続いています。

昨日のブログで、グリセミック・インデックス(GI)はまだ確定的なものではないということを述べました。
日本では、医療機関で取り入れているところはかなり少数ですが、欧米の医療機関ではある程度参考にする流れになっているようです。

しかし、GIが低い食品でも糖質含有量に比例して、糖尿人が食べれば高血糖になることはしっかり覚えておく必要があります。

さてbossさんから、下記のコメント・質問がありました。

「江部先生、いつもブログで勉強させていただいております。m(_ _)m
コレステロールの話面白いですね。
私は気を抜くと総コレステロールが100を切ってしまいましたが、最近は糖質制限食のおかげか、総コレステロール140から160で安定してきております(^_^)v
25kgのダイエットに成功してから3年ほどHbA1cは5.0前後を保っています。
一つ質問ですが、先生の著書の中で、牛乳は乳糖が含まれるので血糖値が上がるようなことが書いてありました。
私は現在朝は自家製ヨーグルト(カスピ海)250gにりんご半分を小さく切って入れて朝食にしています。りんごがないときは大豆の粉をまぶして、砂糖やジャムは使いません。
今年に入ってから糖質制限と便秘解消のため朝はそのメニューを続けています。それまでは朝食に玄米225g(4.5単位)を食べていました。
玄米のGI値が55に対し、プレーンヨーグルトや牛乳は25です。りんごは炭水化物は含まれますがGI値は35です。
糖質制限食的には玄米より自家製ヨーグルトの方が理にかなっている気がしますが、乳糖が血糖値をあげるとなるとどうなのだろうと心配になります。
2007/06/11(月) 13:03:31 | URL | boss 」

bossさん、細胞膜やホルモンの原料であるコレステロールが低すぎるのは困りものなので、 糖質制限食で140~160となって良かったです。また、HbA1cが5.0前後というのも完全な正常値ですから素晴らしいですね。

さて、ご質問の答えですが、牛乳もヨーグルトも100gあたり、約5gの乳糖を含んでいますので実は一緒です。

まあ、牛乳はガブガブ簡単に飲めて1回に500mlくらい飲む人もいるので、量的に多くなりがちかと思い最初の本「主食を抜けば糖尿病は良くなる」では、要注意食品に分類し、ヨーグルトはさすがに500g食べる人はいないだろうと、食べて良い食品に分類しました。

しかし、ヨーグルトも大量に食べればその乳糖分、血糖値が上昇するので、レシピ集では△の食品にしました。
結局、1gの糖質が2型糖尿病患者の血糖値を約3mg上昇させるというのが公式です。

250gのヨーグルトなら12.5gの糖質ですから、玄米225g(糖質含有量が159g)に比べれば随分少ないですね。bossさんはかなりハードな運動(自転車)をしておられるので、全く問題はないと思います。

なお、リンゴ含まれる糖質には果糖、ブドウ糖、ショ糖、ソルビトールがあります。果糖が一番多いので、GIは35と玄米よりもかなり低いです。従って糖尿人においても食後のブドウ糖スパイクは、果物は穀物に比べれば急峻ではありません。しかし、急峻ではありませんがトータルに吸収される糖質は一緒のことです。急激な食後高血糖が少ないので血管内皮への影響は穀物よりましですが、やはり少量にしておくのが良いですね。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ありがとうございます
江部先生、早速ブログで取り上げていただきありがとうございます。

確かに若い頃は身長を延ばしたくて、牛乳を1リットル近く飲んでいました(^_^;)

「糖質1gでⅡ型DMの血糖値を3mg/dl上昇」

これ頭の中に叩き込んでおきます。
ヨーグルト250gだと37.5mg/dlの血糖値を上昇させるとと言うことですね。
それまで食べていた玄米225gよりは血糖値が上がりにくいということですね!
頭の中のもやもやが解消しました。
しばらくこの食事を続けてみたいと思います。

ありがとうございます!
2007/06/15(Fri) 06:56 | URL | boss | 【編集
はじめまして
江部先生。はじめまして。
ブログ、2月からすべてさかのぼって拝読させていただきました。
共感、納得しながら読ませていただきましたが、1型ゆえでしょうか、分からないところがございます。
 
 私は劇症1型です。以前から糖質が食後2H値BGの上昇に関与することは存じておりました。ですから、毎食事の糖質量を計算し、インスリン単位数を決めております。 先生のお説、納得、検証済みでございます。

「血糖値を上昇させるのは基本的に糖質です。糖質は15分~90分で100%血糖に変わります。蛋白質は3時間前後で50%が血糖に変わります。脂質は数時間~12時間で10%未満が血糖に変わります。このことは生理学の教科書に載っている厳然たる事実です。」
ですが、脂質に関してはいかがでしょうか?
個人差と言われればそれまでですが、脂質は必ずBGを上昇させています。私の場合、食後5H後がピークです。1割以下ではありません。

また、たんぱく質においては
3時間で1/2がBG上昇に関与するとは思えません。もっと、緩やかで成分表のたんぱく質の1/10g程度と思います。(先生が仰るように1型は計算したほうがいいと言う記事も頷きつつ、拝読いたしました。)

最近、おからクッキーを主食代わりに頂いております。
恐ろしいほど、インスリンの単位数が減量できております。
ただ、高たんぱく食を続けることに対し、腎症などへの影響を危惧いたしております。

 また、先生は脂肪を利用する代謝サイクルのなかでケトン体について述べられておられましたが、ケトン体による酸性血、ケトン尿症を引き起こしませんか?

 脂質がBGを上昇させること、高たんぱく食の弊害、、ケトーシスについてのご見解をご教示いただけませんか?

ちなみに、ケトアシードシスの経験者でございます。
現在があるのは主治医先生のおかげと感謝しております。
私の主治医先生も糖尿病専門医ではなく、一般内科医です。
2007/06/17(Sun) 21:09 | URL | 9日を忘れない | 【編集
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