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糖質制限食と運動と筋肉中のグリコーゲン
こんにちは。

今回は、すぎなっこさんから、糖質制限食中の運動について、コメント・質問をいただきました。

「09/06/20 すぎなっこ
タイトルなし
江部先生、こんにちは。
この5月の末に糖質制限のことを知り、早速本屋に注文して先生の著書を手に入れ、ブログを読ませていただいたり、本を読ませていただいたりして、糖質制限を始めたばかりです。
が、4月に7.0あったA1cがこの1ヶ月たらずで6.3まで下がっていました。
とても、うれしいです。
ありがとうございます。
 ところで、初心者ゆえに教えて頂きたい事があります。
私は仕事の帰りに週3回くらい、スポーツクラブに通いエアロやジムをしているのですが、エアロでは最後くらいには足がだるくてだるくて思ったようにあがらなくなり、足踏みをしているのが精一杯になってしまいました。ジムでのクロストレーナーも負荷を今までより軽くしています。終わって階段をあがるのも、しんどい状態です。
これは、脂肪酸をエネルギー源としてうまく使えてないからなのでしょうか。
糖質の代謝から脂質の代謝への移行が、まだスムーズに行えていないからなのでしょうか。
個人差はあると思いますが、どのくらいでうまく移行ができますか。
スポーツクラブへは、夕方いくので昼食後から6-7時間たっており、完璧に空腹状態です。
 お忙しい中申し訳ありませんが、お答えいただければ幸いです。
「夏のレシピ」のおからマドレーヌ、おいしかったです。」


すぎなっこさん。
コメントそして本のお買い上げありがとうございます。

「4月に7.0あったA1cがこの1ヶ月たらずで6.3%」

スーパー糖質制限食で、1~2%/月、HbA1cが改善します。6.5%未満ですでにコントロール良好レベル達成ですね。 (^^)さらに5.8%未満を目指して下さい。


「仕事の帰りに週3回くらい、スポーツクラブに通いエアロやジムをしているのですが、エアロでは最後くらいには足がだるくてだるくて思ったようにあがらなくなり、足踏みをしているのが精一杯になってしまいました。ジムでのクロストレーナーも負荷を今までより軽くしています。終わって階段をあがるのも、しんどい状態です。
これは、脂肪酸をエネルギー源としてうまく使えてないからなのでしょうか。」


これは、筋肉中のグリコーゲンが、一定レベル以下になったためと思われます。

長距離を走ったり泳いだりとか、持久力が必要なスポーツは、脂肪酸をエネルギー源として上手に使わなければ1~2時間で、筋肉中のグリコーゲンが枯渇して足が棒のようになり、動けなくなります。

筋肉中に蓄えられているグリコーゲンは、体重60kg、体脂肪率20%の標準的な男性で、約300g、1200キロカロリーしかありませんから、これをメインに利用してしまえば1~2時間しかもたないわけです。

心筋や骨格筋は、安静時や歩行時は、主として脂肪酸をエネルギー源として利用していて、ブドウ糖はあまり利用していません。

しかし、一般人は、あるていど心拍数が上昇するような運動になると、筋肉中のグリコーゲンを、手っ取り早くブドウ糖に変えてエネルギー源にしてしまい、脂肪酸をあまり利用しなくなりますから、すぐに上述のようなエネルギー切れになってしまい、スタミナが続かないわけです。

一方、鍛えてある一流スポーツ選手は、少々心拍数が上昇しても脂肪酸をエネルギー源として利用し続けることができますから、筋肉中のグリコーゲンを節約できて、最後のラストスパートでしっかり利用できるわけです。

ラストスパートのような、全力疾走とか瞬発力が必要な時は、筋肉はブドウ糖を利用します。

スポーツ選手は、一般人に比べれば体脂肪率は低いですが、筋肉中の脂肪は増えています。筋肉中の脂肪は、総体脂肪量に対する割合はごく小さいですが、これがどうやら持久力の向上にあるていど関係しているようです。

持久運動の後には、筋肉内の脂肪蓄積が減少していることが示されています。筋肉細胞では、脂肪はミトコンドリア近くに局在する小さな脂肪滴中に、トリグリセリドとして蓄積されているそうです。

一流スポーツ選手ほどは鍛えてなくても、糖質制限食を実践していると、脂肪酸-ケトン体のシステムを日常的に利用するようになるので、運動中にも効率よく脂肪をエネルギー源として利用できます。これにより、筋肉中のグリコーゲンを節約できて、持久力増強につながると考えられます。

しかし、さらに高強度の運動になると、筋肉中のグリコーゲンは急速に分解され利用されます。そして筋肉中のグリコーゲン量が一定以下になると、筋肉は収縮できなくなります。一番単純には、鉄棒での懸垂運動がわかりやすいですね。

すぎなっこさんのエアロビクスは、持久力と共に、高強度の運動もあります。それで、筋肉中のグリコーゲンが一定レベル以下なると、足が上がらなくなるのだと思います。

以前に行った運動で筋肉中のグリコーゲンが減少したとき、補充するには糖質摂取が一番てっとり早いです。糖尿病でなければ糖質摂取が簡単ですね。

一方、糖尿病があり、食後高血糖を防ぐため、高タンパク・高脂質の糖質制限食実践中の場合、減少したグリコーゲン補充にはやや時間がかかります。

従いまして、糖尿人で高強度の運動を1~2時間するとわかっているなら、運動開始2時間くらい前にナッツ類を、通常より多めに50gくらい摂取すれば、糖質分の血糖値上昇が1~2時間、タンパク質分が少なめですが3~4時間あります。

そうすると、筋肉はそれらの血糖値をまず利用し終わってから、筋肉中ののグリコーゲン分解に移行するので、グリコーゲンはその分節約できて、足が最後まで上がると思います。

これなら食後高血糖を生じることなく、エアロビクスを最後まで全うできると思いますよ。 (^_^)


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
こんにちは。てぃむです。
日々糖質制限で頑張っております。
最近はスーパー糖質制限に変えてHBA1Cも初の5%切り、49,がでました。とても喜んでおります。

ところで、上の数字は糖尿内科ではなく別にかかっております泌尿器の方での検査なのですが、そこの先生に気になる事を聞きました。
と、いいますのも以前から2年近くにわたり蛋白尿+-~+が続いておりますことは前にお話しした通りなのですが、今回精密に血液を調べたところ、補体活性?の数値が基準より低く、そういうタイプの腎炎かもしれない、とのことでした。数字はCH50が23、C3が81、C4が19です。調べてみると膜性増殖性腎炎というのがあるようで、糖尿病性では補体は下がらないとのことから恐らくはこっちのほうが確立は高い気がします。クレアチニンは0,67で、BUNはさすがに高たんぱく食だけあって18でした。
タンパク尿を減らすにはステロイドという手段もあるが、副作用と効果とが今のところつりあわないのでやめたほうがいい、とのこと。

以前申し上げたように年齢30代ということもあり、神経質すぎるかもしれませんが膵臓、腎臓を長く維持していきたいと思っておりまして、糖尿以外の腎炎と確定してしまったらクレ0,67という数字であっても塩分制限とタンパクと炭水化物制限食、つまり糖腎食というところをある程度考えなくてはいけないのでしょうか?糖質制限食が希望の光なだけに腎臓に負担をかけるとなるとやめなくてはならないのか?と気になって仕方がありません。どの選択肢がベストか悩んでいます。
腎臓は先生の専門分野外かもしれませんが、どうかお手すきの時でもお教えください。
よろしくお願いいたします。
2009/06/26(Fri) 20:29 | URL | てぃむ | 【編集
膜性増殖性腎炎
てぃむさん。

クレアチニン0.67ですので、蛋白尿(+)でも腎機能は正常の段階です。
糖質制限食で問題ないと思います。

クレアチンが異常値になってしまった段階で高タンパク食を摂取すれば、クレアチニン値が上昇する可能性はあります。
しかし正常の腎機能の人が高蛋白食のために腎機能障害になることはありません。

なお蛋白尿には漢方薬も効果があることがありますよ。
2009/06/26(Fri) 21:36 | URL | 江部康二 | 【編集
現在20代でそこそこ若いのですが
やはり若いうちから糖尿予防および体重維持
糖質(特に炭水化物)は大幅に減らした方が
いいと思いますか?今は若い人の糖尿病も
かなり多いと聞いたので・・・。
私も最近はパン・(朝は豆腐や大豆)間食(菓子類)なしジュースなしジャンクフード
ラーメンは食べないようにしています。(つらいですが)
若いうちからの対策が必要なんでしょうかね?
江部先生がもし20代に戻れたら糖質
制限を実行しようと思いますか?

2009/06/26(Fri) 22:12 | URL |  | 【編集
Re: ご連絡
ブルーローズさん。

ナッツ類でまれに胃が痛くなる方がおられますね。
チーズとか、
糖質制限ドットコムhttp://www.toushitsuseigen.com/
の大豆クッキーは如何でしょう。
2009/06/29(Mon) 15:59 | URL | 江部康二 | 【編集
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