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ADAなどが新診断基準を発表・HbA1C 6.5%以上を糖尿病に
こんにちは。

皆さん、お祝いメールありがとうございます。m(_ _)mV

とても嬉しいけど何となく気恥ずかしいので、次の記事を書きます。

MTpro という医師向けのサイトに、
「米国糖尿病学会(ADA)などが糖尿病の新診断基準を発表・・・」
という記事が2009年6月8日掲載されました。

以下MTpro 記事からの抜粋です。

HbA1C 6.5%以上を糖尿病に,6~6.5%は高リスク群
ADAなどが新診断基準を発表
米国糖尿病学会(ADA),国際糖尿病連合(IDF),欧州糖尿病学会(EASD)による国際専門家委員会は,HbA1Cに基づいた新しい糖尿病診断基準を米ニューオリンズで開催中の第69回米国糖尿病学会(ADA2009)で発表し,糖尿病と診断するカットオフ値は6.5%,6%以上6.5%未満を高リスク群とした。新診断基準の詳細は Diabetes Care(2009; 32: 7: 1-8)に掲載されている。」

「何や、何を今更・・・」と仰有る方もおられそうですが、実はHbA1Cは今まで、主として糖尿病コントロールの評価の基準として用いられてきて、診断基準としては採用されていなかったのです。

糖尿病診断の基準としては、過去空腹時血糖値または75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間後血糖値が採用されてきました。

今回の発表は、空腹時血糖値75g経口ブドウ糖負荷試験よりも、HbA1C の方が診断基準として優れているので、切り替えようということです。

この背景には、

1、血糖検査の精度がこれまで考えられていたほど高くないということ
2、HbA1Cは検査時の誤差が血糖検査に比べて少ないこと
3、HbA1C検査法の国際標準化が最近達成されてきたこと

があります。

以下もMTpro 記事からの抜粋です。

同委員会の委員長を務めたハーバード大学教授のDavid M. Nathan氏は、

「HbA1C値は空腹時血糖値よりも測定値の変動が少なく,HbA1C検査は血糖検査よりも技術的に優れている。HbA1C検査は容易であり、空腹時血糖値またはOGTT検査を受ける必要がなくなる」

と述べたそうです。

米国糖尿病学会(ADA)は、この発表を受けて、糖尿病診断に原則HbA1C検査を適用するとしました。

日本糖尿病学会は、どのように対応するのでしょうね。

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
先生、教えてください。

糖質制限食(糖質12%、脂質56%、タンパク質32%)とありましたが、私が先日から始めたメニュー(野菜の糖質も計算しています)で計算してみたところ、糖質10% 脂質40% たんぱく質50% くらいなのですが、たんぱく質の摂りすぎですか? 問題ありませんか?

たんぱく質を減らして脂質を増やすには、食べる肉や魚を脂の多いものにしたり、使うオイルの量を増やしたり、ということなのでしょうか。

なかなか、適度にカロリーがあって、食べ応えがあって、高たんぱく過ぎないもの というのは難しいですね。

アボカドにでも頼るしかないか・・・・

でも、減量しなさい と言われ、体重も減らしている最中なんですよね・・・・。
2009/06/16(Tue) 17:25 | URL | ほ★し | 【編集
たんぱく質の量について
先生
お忙しいなか、いつも、色々な情報をありがとうございます!

私もたんぱく質の量が気になっていました。

あるところで、
「アミノ酸は体の中で代謝され、分解されてアンモニアになり、肝臓で解毒されて尿素として排出されます。タンパク質を摂り過ぎると、肝臓や腎臓に負担がかかります。また、尿素の排泄がスムーズに行われないと尿酸に変わり、痛風起こしやすくなります。カルシウムの代謝にも関係し、カルシウム不足を引き起こします。牛乳などでカルシウム補給が必要です。

タンパク質の適量は
・1日に男性で60g、女性50gです。」

とあったのですが、昼に主食代わりに厚揚げを食べ、夜は納豆と肉・魚・・・と食べていると、すごいたくさんのたんぱく質を摂ってしまいます。

高たんぱくは、肝臓・腎臓に負担をかけ、痛風になりやすいのでしょうか?

牛乳の代わりにチーズを摂っていますが、そうするとさらにたんぱく質が増えてますよね。。。

たんぱく質が少なくて、カロリーがあって、お腹もいっぱいになる、そんな食品があるといいのですが。

2009/06/16(Tue) 19:07 | URL | ゆか | 【編集
たんぱく質の摂り過ぎ
なぜ、そこまでたんぱく質の摂り過ぎを気にされるのかさっぱりわかりません。

まず痛風との因果関係はありません。

あと、食品に含まれるたんぱく質の含有量は、通常20~30%なので、たべた食物の目方そのままたんぱく質になるわけではありません。

つまり思ったより摂ってないんです。
私はスポーツをしているので、自分の体重g x 2倍のたんぱく質摂取を目指していますが、通常食品だけでは難しいため、プロテインを摂取しています。

ほ★し さんの、50%といのは、にわかには信じがたい値です。総摂取カロリー、いくらに対しての50%でしょうか?

2009/06/17(Wed) 13:50 | URL | ままん | 【編集
重量%とエネルギー%の違い
江部先生、お孫さんのお誕生 おめでとうございます。

ほ★し さんへ(横レス失礼)

もしかすると重量%で糖質:脂質:タンパク質=10:40:50と計算されていらしゃるのでは?
正しくは次の換算式を使ってエネルギー(カロリー)%を求めます。
 糖質1g=4kcal
 脂質1g=9kcal
 タンパク質1g=4kcal
2009/06/17(Wed) 19:03 | URL | tomo | 【編集
タンパク質
ほ★しさん。

> 糖質制限食(糖質12%、脂質56%、タンパク質32%)とありましたが、私が先日から始めたメニュー(野菜の糖質も計算しています)で計算してみたところ、糖質10% 脂質40% たんぱく質50% くらいなのですが、たんぱく質の摂りすぎですか? 問題ありませんか?

具体的に1回に、どのような食材をどの程度の量、摂取されたのでしょう?
2009/06/18(Thu) 07:28 | URL | 江部康二 | 【編集
たんぱく質
先生、コメントをありがとうございます。

糖質制限食を始めるまで、成分表など見たことがなかったので、成分のg数をそのまま足したものの比率を比べていました。
以下に、ある日の夕食に食べたものを記載いたします。


tomoさん
ままんさん

コメントをありがとうございます。

もちろん、食べたものの重量そのままでは計算していませんが、
成分のg数を足したものの比率が (糖質12%、脂質56%、タンパク質32%)が望ましいのかと思っていましたので、びっくりしてしまいました・・・・

糖質1g=4kcal
脂質1g=9kcal
タンパク質1g=4kcal

で計算した比率で%を見れば良い、ということなのですね。
知りませんでした。


【ある日の夕食】
●ブロッコリーと絹さやのサラダ
ブロッコリー35g/絹さや24g/オリーブオイル大さじ1/4
ブロッコリーたんぱく質1.5 脂質0.17 糖質0.23
絹さや たんぱく質0.744 脂質0.048 糖質0.9
オリーブオイル 脂質6.5

●めかぶ70g(たんぱく質0.63 脂質0.42 糖質0.18)
●納豆50g (たんぱく質8.25 脂質5 糖質2.7)
●鶏ソテー 鶏もも肉110g/オリーブオイル大さじ1/4
(鶏もも たんぱく質16 脂質7 オイル脂質6.5)
●レバーと白滝のワイン煮
鶏レバー100g/白滝(たんぱく質18.9 脂質3 糖質3.89)

●焼き鯖75g(たんぱく質12.9 脂質20.25)
●クレソンサラダ クレソン25g/オリーブオイル大さじ0.5/
クレソン:たんぱく質1 オイル:脂質13

●ナチュラルチーズ 30g(たんぱく質5.03g 脂質9.13g 糖質0.48g)
 セミハード系・クリーム系・白カビ系の三種


合計:糖質8.38g 脂質64.518g たんぱく質64.9544g 

たまたまこの日は、糖質が少ない(はず)のですが、だいたい夕食1回の糖質は14g前後で、肉と魚、納豆、野菜、めかぶ、は必ず入ります。


糖質1g=4kcal
脂質1g=9kcal
タンパク質1g=4kcal

で計算すると、

糖質約33.5kcal 脂質約580kcal たんぱく質約260kcal

つまりこの日は、【糖質3.8% 脂質66.4% たんぱく質30%】という事になるのでしょうか。

いつもは夕食一回の糖質は14gですので、もう少しバランスが整うかもしれません。

となると、「タンパク質の適量は 1日に女性50gです。」は一食でゆうに超えていますが、たんぱく質の割合は悩むようなものではありませんでした!

皆さんの暖かいコメントのおかげで、安心しました。
2009/06/18(Thu) 18:29 | URL | ほ★し | 【編集
タンパク質の比率
ほ★し さん。

カロリー比率だと、スーパー糖質制限食でよくあるパターンで、一安心ですね。

tomoさん
ままんさん
コメントありがとうございました。

2009/06/18(Thu) 19:14 | URL | 江部康二 | 【編集
手術について教えて下さい.
アメリカなどで肥満の人に行われるバイパス手術が糖尿病に対してものすごく効果があるとどこかで読んだのですが,これって,日本人の糖尿病の治療にも使えるのでしょうか?先生,教えて下さい.
2009/06/25(Thu) 03:10 | URL | はな | 【編集
肥満
はなさん。

日本では肥満に対して手術すること自体がまれです。
米国の肥満は200kg以上がざらで日本とは桁違いです。
肥満が解消すればインスリン抵抗性が改善しますから糖尿病にもいいですね。
しかし日本人の肥満レベルでは手術対象はほとんどいないと思います。
2009/06/25(Thu) 07:49 | URL | 江部康二 | 【編集
HbA1cの基準
 ADAの診断基準がHbA1c6.5%を糖尿病、6.0~6.5%を高リスク群とした、とのことで、医者から「私は糖尿病です」というカードを渡された私はどうなるの?とふと思いました。
 昨年4~5月の入院時には14%までいったHbA1cも糖質制限食のおかげで昨年7月以降4~5%で落ち着いており、体重は増えているものの、医者からも「ここまで戻るとは思わなかった」と言われています。
 現在も投薬は続いていますが、現実問題として、一度発症した以上、「糖尿病がある」との意識を持つ必要はあると思いますが、診断としてはどうなるんでしょうか? 
2009/06/30(Tue) 12:17 | URL | すかんぴん | 【編集
診断基準
すかんぴんさん。

食事療法単独で、HbA1c4~5%
なら ADAの診断基準では正常人ですね。
すかんぴんさん、主治医と相談されて、薬やめることができるかもしれませんね。

日本の診断基準は、
空腹時血糖値、
75gブドウ糖負荷試験、
随時血糖値で
判断しますので今までと一緒です。

2009/06/30(Tue) 14:35 | URL | 江部康二 | 【編集
診断基準について
ADAの診断基準がHbA1c6.5%を糖尿病、6.0~6.5%を高リスク群とした場合のHbA1cは、国際基準値であり、現在日本でのHbA1cは、JDS値であり、国際基準より0.4%少なく評価しなければなりません。すなわちADAの診断基準がHbA1c6.1%を糖尿病、5.6~6.0%を高リスク群としたということになります。江部先生は、HbA1cをより評価していますが、血糖値の評価も同様に重要です。HbA1cに現れにくい、食後高血糖という病態があります。HbA1cが6.1%以上をHbA1cの糖尿病型とし、血糖値が高い状態(空腹時126以上、75gOGTT2時間値200以上、随時血糖200以上)を血糖値の糖尿病型といい、HbA1cと血糖値の両方が糖尿病型であれば、糖尿病の診断がつきます。
2010/08/08(Sun) 11:21 | URL | 札幌の糖尿病専門医KT | 【編集
Re: 診断基準について
札幌の糖尿病専門医KTさん。

ありがとうございます。

私も食後高血糖のコントロールが、優先順位の1番と考えています。

そして食後高血糖を改善するのが糖質制限食です。

カロリー制限食では食後高血糖を改善することは、理論的にも不可能です。

HbA1cにだけ頼って、食後高血糖を考慮しなければ、
ACCORDのような悲惨な結果が待っていると思います。
2010/08/08(Sun) 11:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
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