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糖質制限食と満腹感
おはようございます。

今回は糖質制限食と満腹感について、れいこさんから、コメント・質問をいただきました。

【09/06/08 れいこ
糖質制限と満腹感
江部先生こんにちわ。
江部先生ファンのれいこです。いつも充実した楽しいブログ&アドバイスをありがとうございます。
今日も先生に質問があり、コメントをさせていただきました。今日先生にお伺いしたいことは、糖質制限と満腹感についてです。
わたくし、糖質制限をはじめてから、一般的な食事に比べて、高蛋白、高脂質の糖質制限食では、「おなかにガツーンと、しっかり、しかも長時間持続する満腹感」を実感しています。これはとってもうれしいことで、喜んでいるのですが、一つの疑問が浮かんできました。
従来、「満腹感」がおこるメカニズムとして主に三つの要因があるといわれてきたと思います。
以下、他サイトからの拝借です。

1、咀嚼刺激
2、血糖値の上昇
3、胃壁の拡張(迷走神経を刺激)

中でも2の血糖値の上昇が重要なようで、
食事で体内にエネルギーが補給されると血糖値が上昇し、血液中のブドウ糖の濃度が上がるが、この情報はただちに満腹中枢に伝えられる。
この情報を受けて、中枢からは「エネルギーの摂取は十分である!」という情報が体にフィードバックされ、私達は満腹感を覚えることになる。)

通常、食事により血液中のブドウ糖濃度が上昇し、血糖値が130mg/dlに達すると、満腹中枢が刺激され、食欲が抑えられますが、ストレスのある人や、太っている人は、この満腹中枢を刺激する血糖値のセットポイントがずれてしまい、満腹感を感じなくなります。食べ続けることによって血糖値は、どんどん上昇し、それにともないインスリンも、たくさん分泌されます。インスリンには食欲増進作用があるため、ダブルパンチで食欲にブレーキがかからなくなります。)

とあります。
また、

(食後に増えた血液中のブドウ糖を肝臓がグリコー
ゲンに変えるまでの間、血液中のブドウ糖濃度が高
くなるときがあります。この状態を脳の満腹中枢がキ
ャッチして、満腹感を感じるわけです。
 満腹感は、ブドウ糖濃度以外に、コレシストキニン
などのホルモンや阻嚼回数、食の満足度なども関係
しますが、血液中のブドウ糖が上がることが大きな
条件です。

血糖値の上昇は食事を始めてから20分ほどかかるので、この間に必要以上に食べてしまうと、満腹中枢から満腹感の信号が出される前に多量のエネルギーを摂ることになってしまう。早食いの人が太りやすいのはこのため。
ダイエットをしている人はなるべくゆっくり食べた方がよい。)

とも。


http://www.tmin.ac.jp/medical/12/feeding1.html

江部先生が推奨され、私たちが実践している糖質制限食では、私たちの身体はいったいどのようにして満腹感を得ているのでしょうか?
従来では血糖値の上昇(グルコーススパアイク)が満腹感を感じるのに必須であると言われていて、現在も定説となっていると思います。
先生はこの点について何かお気づきになったことはありますか?】


れいこさん。コメントありがとうございます。
http://www.tmin.ac.jp/medical/12/feeding1.html
は、東京都神経科学総合研究所のホームページですね。医学上の定説としては、信頼できるページです。

そのページによると古典的な説では

①血糖値の上昇
②胃壁の拡張による迷走神経刺激

①②が視床下部の満腹中枢に伝わって満腹感が生じるとされてきました。

最近はこれに加えて、
「脂肪細胞の分泌するレプチンや摂取したアミノ酸も満腹中枢に影響をあたえる。」とか
「視床下部に摂食に関連する神経ペプチドが多種存在する。」とか
いろいろ複雑になってきているそうです。

要するに案外、満腹感に関して、きっちり理論的に説明できているわけではないようです。

さて、まあ人間はともかくとして、ライオンなどの肉食獣は、血糖値が上昇しなくても満腹になりますよね。また牛や馬といった草食獣も、血糖値が上昇することはありませんが、満腹になります。

人類も農耕前の399万年間は、血糖値の上昇はほとんどなくて満腹しています。伝統的食生活だったころのイヌイットも4000年間、血糖値の上昇はなくても満腹しています。

そうすると、あくまでも、仮説ですが、糖質制限食実践中の人、農耕前の人類、イヌイットにおいては、
「胃壁の拡張による迷走神経刺激」と「脂肪細胞の分泌するレプチンや摂取したアミノ酸」
「視床下部に摂食に関連する神経ペプチド」などが、満腹中枢に影響を与えていたと考えられます。

「血糖値の上昇」による満腹中枢の刺激というのは、人類においては農耕以後の比較的新しいシステムと考えられます。糖質制限食実践中の人は、農耕前の399万年間のシステムにより、満腹感を得ていると考えられます。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
満腹感より適量
満腹感について書かれていましたので、久しぶりに投稿させていただきます。

多くの著書等で、血糖値が高くなれば満腹中枢が刺激され満腹を感じると書かれています。
それ自体は正しいと思いますし、満腹感を感じるまでには20分ぐらいかかるので、ゆっくり「よく噛んで食べましょう」と言うのは適切な教えだと思います。

でも、実際には20分もかけずに食事を済ませる人もいるわけですし、20分以上かけて一杯食べている人もいます。

ですから、満腹感を感じるのは脳の働きでしょうが、単純に満腹中枢だけの話ではなく、今後、解明されていくものだと思います。

満腹感が得られるまで食べるというのは摂りすぎにつながりますし、やはり大事なことは「適量」を摂るでしょうね。

それも、一般的に言われるようにカロリーだけを見るのではなく、栄養素の量、特に糖質の量を気にしないといけないと思います。
(先生のブログから一杯勉強させていただきました)

糖質の摂りすぎは糖尿病人だけでなく、非糖尿病人にとっても膵臓や血管などに負担をかけ、良くないです。
休肝日があるように、休膵日もあって良いと思います。
糖質を摂らないのは問題ですが、非糖尿病人も時々減らして膵臓を休ませてあげた方が良いですよね。
2009/06/10(Wed) 13:23 | URL | 優介(Yusuke) | 【編集
江部先生。質問主のれいこです。わかりやすいご回答をありがとうございました。
先生がおっしゃるように ライオン等の肉食動物がなぜ満腹感を得ているのか不思議ですね。
インスリンシステムに頼らなかった、人類の長い歴史の中で 人を含めた動物が得ていた「本来の満腹感」はもともと このようなもの(血糖値の上昇を伴わない、または)だった可能性があるとおもいました。
だとすると また現在の定説をくつがえす大きな発見ですね。
今朝は突然の誘惑に負けて、久々に白米を食べてしまいました(*_*)
食後から早速強い眠気と頭痛があり 食後2時間ほど寝てしまいました(*_*)
昼になって目は覚めましたがまだ頭痛と顔の浮腫がのこっています。
最近トピックにも上がっていましたが 糖質制限実践者にとって久々の糖質摂取はダメージになるようです(ーー;)
実際の糖の害もあるかと思いますが、NG食品を摂ってしまったという罪悪感からの精神的なものもあるかと思うので 自分を攻め過ぎないように 地道にがんばろうとおもいます。
2009/06/11(Thu) 12:19 | URL | れいこ | 【編集
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