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脂肪悪玉説は間違いだった!②
こんばんは。

本日は、大阪で第52回日本糖尿病学会年次学術集会があり、東海大学医学部の、山門一平先生、大櫛陽一先生、金大成先生、そして共同演者の江部康二により、

「2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方」

という演題で学会発表が行われました。

日本糖尿病学会では、糖質制限食関係の学術発表は、おそらく初の快挙と思います。ヾ(^▽^)

私も当然、参加する予定でしたが、新型インフルエンザの蔓延地域ということで、誠に遺憾ながら自粛しました。楽しみにしていたのでとても残念でした。 (*_*)

さて、脂肪悪玉説は間違いだった!シリーズの第2弾です。

③メタ解析論文
ハーバート大学のMalik博士ら が2007年、権威ある医学雑誌に
「従来の脂肪制限食は減量における長期有用性および心臓血管病のリスク軽減に関して否定的である。」
とメタ解析論文で報告しました。(*)

この雑誌は、世界心臓連合(WHF)が発行する公式誌で、診断や治療法の研究成果を取り上げています。メタ解析というのは、過去の多数の論文のデータを集めて、改めて分析する手法です。

Malik博士の場合は過去の11の論文を集めて解析しました。
「肥満・心臓病→脂肪の摂りすぎ→脂肪悪玉説」という従来の常識を根底から覆す結論でした。

*V.S.Malik, F.B.Hu: Popular weight-loss diets: from evidence to practice, Nature Clinical Practice Cardiovascular Medicine(2007), 4:34-41 )

④全米健康栄養調査(NHANES)
全米健康栄養調査によれば
                              1971年       2000年
総カロリーのうち脂質の占める割合       36.9%          32.8%
総カロリーのうち糖質の占める割合        42.4%          49.0%
肥満率                          14.5%        30.9%

30年間で、米国における脂質の摂取率は順調に減り続けています。しかし、肥満率は倍増です。この間増え続けたのは、糖質の摂取率です。この調査でも、脂肪悪玉説は、はっきり否定されています。

⑤米国厚生省疾病管理・予防センター(CDC) 発表
                         1995年        2005年
米国の糖尿病有病数          800万人        2080万人
 
肥満と同様に、いやそれ以上に糖尿病も増加しています。この間、米国の脂質摂取率は、減り続けています。増えているのは糖質摂取率です。

③④⑤を併せて検討すると、従来の「脂肪悪玉説」は、はっきり否定できます。

メタ解析研究論文において、脂肪摂取を減らしても体重減少効果も無かったし、心臓血管病のリスクも減らないことが確認されました。

また現実の全米健康栄養調査においても、脂質摂取率は減り続けているにも関わらず、肥満倍増が確認され、CDCの発表でも糖尿病も増え続けています。

代わりに浮上するのが「糖質摂取過剰→肥満・糖尿病増加」という構造です。

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
江部先生、初めまして。

機能性低血糖症のため、玄米+低GI食を数年間続けていたのですが、効果が出ず、
2日前から、江部先生の著書を参考に糖質制限を始めた者です。
(きっとこれで健康になれるだろうと大きな期待を寄せております。)

1日3食のうち2食を主食抜きにしてみたのですが、
主食抜きにした食事の後は、なんだか、神経が高ぶって動悸もし、
夕食を主食抜きにした日の夜は熟睡出来ませんでした。
身体に何らかの変化が起きているのだろうと思うのですが、
このまま続けていれば、慣れるでしょうか?
また、いっそのこと3食とも糖質制限をした方が、早く適応出来るでしょうか?

お忙しい中、申し訳ないのですが、アドバイスを頂けると有り難いです。
2009/05/21(Thu) 20:55 | URL | ぴ | 【編集
機能性低血糖症
ぴさん。

機能性低血糖症はインスリン追加分泌が過剰でおこることが多いです。
従って糖質制限食ならインスリン追加分泌がごく少量ですむので低血糖になりにくい理屈です。
糖質制限食は、人類が農耕が始まるまで399万年間続けていた食事ですので安全です。タンパク質・脂質はしっかり摂取して低カロリーにならないよう気をつけてくださいね。
2009/05/22(Fri) 07:43 | URL | 江部康二 | 【編集
カロリー制限説信仰とは
糖尿病学会の発表ができて本当に何よりでした!(^-^)/

いまだにカロリー制限信仰があるのは

太ると確かに糖尿病を発症しやすいからで、摂取カロリーを制限すれば体重は減少し症状は改善します。

だけれども、症状が改善するのは体重減少によりインスリン抵抗性が下がりインスリンの効き目がよくなるからです。


同じカロリー制限するなら、低糖質食すなわち糖質制限食の方が、無駄にインスリンの追加分泌を避ける事ができ、膵臓内のβ細胞を休ませられますよね!かつ、食後の高血糖を防げるので血管に負担をかけません。

このブログを読まれてる方には解っている内容ですが、敢えて書きました。

2009/05/22(Fri) 13:38 | URL | 哲学者 | 【編集
PSA検診
 いつも貴重な情報を頂き、感謝してます。  糖質制限のお陰で、薬なしで良好な血糖値コントロールができています、ありがとうございます。   1.5AG検査で、糖質制限生活者の独特な値がでてしまい、主治医が薬を勧めましたが、先生の過去ログで説明して、なんとか薬なしできています。  今度PSA検査を受けようと思っています、糖質制限食による、例外的数値がでた事例を知っていましたら、お手数ですが、教えてください。
2009/05/22(Fri) 14:00 | URL | パルック | 【編集
Re: 糖質制限食実行中
ブルーローズさん

糖質制限食実践、1ヶ月後が楽しみですね。
私も期待してます。
2009/05/23(Sat) 18:00 | URL | 江部康二 | 【編集
お返事、有り難うございました。
江部先生、こんばんは。

お返事を有り難うございました。

妙な興奮状態はおさまりましたが今度は倦怠感が酷くて・・・。
きっとカロリー不足ですね。

身体に害のある食事法ではないでしょうから、
なんとか工夫して乗り越えたいと思います!
2009/05/24(Sun) 20:22 | URL | ぴ | 【編集
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