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糖尿病とグレープフルーツ・バナナ
おはようございます。
今回は、糖尿病とグレープフルーツ・バナナについてなつめさんからコメント・質問をいただきました。

糖尿病とグレープフルーツ

はじめまして。
今年一月の健康診断で糖尿病が発覚し、いろいろ調べて糖質制限食
知りました。以来、プチ糖質制限で、空腹時血糖126mg/dl→100前後、
HbA1c6.7→6.2になりました。
ダイエットにも効果が高く、8㎏の減量に成功しています。効果がすぐに
出るので、非常に励みになっています。
大好きだった甘いものについては、ノンシュガーのキャンディや
チョコレートを決められた範囲内で採るように心がけています。果物では
りんご半個、いちご5粒程度を時々食べていますが、グレープフルーツや
バナナに糖尿病への健康効果があるという話を聞きました。でも両方とも
結構甘いので、果糖は大丈夫なのか、またグレープフルーツは薬に影響
しないのかなど気にかかっています。
薬は毎食直前にセイブルを一錠ずつ飲んでいます。
お忙しいとは思いますが、お時間ありましたら、江部先生のお考えを
お聞かせ下さい。
なつめ | 2009.05.06(水) 」


なつめさん。コメントありがとうございます。


「プチ糖質制限で、空腹時血糖126mg/dl→100前後、
HbA1c6.7→6.2になりました。
ダイエットにも効果が高く、8㎏の減量に成功」


素晴らしい成果ですね。良かったです。(^-^)v(^-^)v

ノンシュガーのキャンディですが、唯一本当にカロリーゼロ、糖質ゼロなのは、ラカントカロリーゼロ飴だけで、私もよくいただいてます。

それ以外の糖尿病に良いと効能がうたってあるキャンディは、甘味料としてマルチトールが入っていますので、砂糖の半分くらいは血糖値を上昇させます。

次にノンシュガーの甘いチョコレートですがロッスチョコレートやロッテのゼロがあります。
ロッスチョコレートは、純粋なベルギーチョコレートで作られており、とりあえず甘くておいしいのです。

普通のチョコレートと同等、或いはそれ以上の味です。甘味料にマルチトールを使用していて、砂糖の半分から1/3程度が血糖になるので、一回の摂取量は半分、もしくは1/3くらいがいいですね。
販売元の都合により、内容が同じでベリーチョコレートとなるようです。

ロッテのゼロは、甘味料としてラクチトールともう一種類、人工甘味料が含まれています。ラクチトールも難消化性ですが、一部分解消化されれば血糖値を上昇させる可能性があるし、人工甘味料もあるのでやはり、半分か1/3個ですね。

果物ですが、バナナはデンプンが多いので、糖尿人には良くありません。 (*_*)

また、グレープフルーツが特に糖尿病に良い、ということもないと思います。

バナナ以外の果物の糖質は、果糖・ブドウ糖・ショ糖・ソルビトールなどです。このうち果糖は、ほとんど血糖値を上昇させません。

従いまして、果物に含まれる糖質は、穀物の糖質に比べて約半分くらい血糖値を上げると考えればいいと思います。

例えばグレープフルーツ1/4個が100gで9gの糖質を含んでいます。穀物の糖質1gが2糖尿人の血糖値を3mg上昇させるとしたら、グレープフルーツ1/4個は、9g×1.5mg=13.5mg、血糖値を上げる計算ですね。

なお、グレープフルーツと相互作用を起こす薬剤として、降圧剤であるカルシウム拮抗剤が有名で、薬の血中濃度が上昇するため副作用がでやすくなります。その他、トリアゾラムなど睡眠剤とも相互作用があり、やはり血中濃度が上昇しやすいようです。

江部康二

☆☆☆
果物糖質含有量

             果物100gあたりの糖質含有量 
アボカド              0.9g     1個
いちご              7.06     7粒
パパイア             7.28     1/2個
レモン               7.6     1個
夏みかん             8.8     1/4個
もも                 8.9     2/3個
びわ                9.0     2.5個
グレープフルーツ         9.0     1/4個
すいか               9.2    1/58個
メロン                9.9     1/8個
はっさく              10.0     1/3個

なし                10.4
いよかん             10.6
うんしゅうみかん        11.0
ネーブル             10.8
パインアップル         11.9
いちじく              12.4
西洋なし             12.5
りんご               13.1
キウイフルーツ         13.2
さくらんぼ             14
柿                 14.3
ぶどう               15.1
バナナ               21.4

上記は、果物100gあたりの糖質含有量です。
果物の糖質は果糖、ショ糖、ブドウ糖、糖アルコールなどです。

例えば、リンゴ1個(約240g)のカロリーは約150kcalであり、ビタミンC含量は8mg、遊離糖含有量は35.6g(果糖:18g、ブドウ糖:6g、ショ糖:9.6g、ソルビトール:2g)、水溶性食物繊維含量は0.95g、不溶性食物繊維含量は2.95gくらいだそうです。

勿論、果物の種類により果糖・ブドウ糖・ショ糖・糖アルコールの比率は異なると思いますが、このうち果糖は10%くらいしかブドウ糖に変わらないので、ほとんど血糖値を上昇させません。(2008年05月20日 ブログご参照ください)

従いまして、かなりおおざっぱですが、果物の糖質のうち約半分くらいが果糖と仮定すれば、穀物の糖質に比べれば血糖値は少し上昇させにくいといえます。

穀物のデンプン1gが、血糖値を3mg上昇させるとすれば、果物の糖質1gは、約半分の1.5mg上昇させると考えられます。

まあ細かいことを言えば、ソルビトール(糖アルコール)はブドウ糖の半分くらい血糖値を上昇させますし、ショ糖は<ブドウ糖+果糖>です。でもおおむねは、上記の計算で良いと思います。

厚生労働省の低糖質食の定義が、100g中糖質5g以下です。そうすると100g中糖質含有量が10以下の果物は、血糖値上昇に関してはそこそこいけるかと思います。つまり、果物の糖質摂取が1回に10g程度なら、血糖値の上昇は約15mgですむ計算ですね。 (^_^)

100g中の糖質含有量が、13gや14gのりんごやさくらんぼも、食べるとき糖質の計算だけしておけば、どの程度血糖値が上昇するか予測できますので、承知の上で適宜摂取してもらえばいいと思います。

なおバナナには、上述の糖質に加えて、デンプンも含まれているので、特に糖質含有量が多いのです。デンプン分は、他の果物より血糖値を上昇させますね。



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ありがとうございました
お忙しい中、とても丁寧なお返事をいただけて感激しました。
本当にありがとうございました。
バナナにはデンプンもあったのですね、失念してました。
果物大好きなので、含有量とても参考になります。
今後も江部先生のブログや御著書を参考に、上手に糖尿病と
付き合って行きたいと思います。
2009/05/14(Thu) 00:38 | URL | なつめ | 【編集
糖尿病とバセドウ病の関係
はじめまして。
私は今から約8年前に原田病を発症しました。そして、発症してから2年後に風邪を引いてしまったので、原田病を治療した病院に行きました。

診察している間に、カルテがチラッと見えたので、何気に見てみたら、バセドウ病と記載されていました。

「バセドウ病があるんですね。」

と先生に言われて

「はい。」

とその時は答えてしまいました。

そして、今から2年前に風邪をまた引いてしまったので、同じ病院に行ったら、今度はバセドウ病の隣に糖尿病と記載されていました。

確かに私は肥満です。

身長142cm
体重 78kg

なので・・・。

それで、バセドウ病は一番最初に、カルテを見て知った病名だったので、ネットで自分なりに調べてみました。
それで、自分に当てはまる症状は

*汗をかく
*だるい・疲れやすい
*体重増加
*月経不順
*イライラ
*不眠

でした。

そして、糖尿病についても自分なりに調べてみて、当てはまったのが

*だるい・疲れやすい
*水分をよくとる
*食後眠くなる

でした。

とにかく、体重を減らさなくてはいけない事は重々分かっているのですが、糖尿病などの病気の治療も気になるのです。

それは、もし、治療をはじめるのならば、バセドウ病を先に治療した方が良いのか、糖尿病を先に治療した方が良いのかが気になります。

無知な質問で、恥ずかしいのと申し訳ないのとでいっぱいなのですが、ぜひ教えていただけないでしょうか?

お忙しいところ
本当に申し訳ありません。
よろしくお願い致します。
2009/05/14(Thu) 01:29 | URL | Kei | 【編集
バセドウ病、糖尿病
Kei さん。

バセドウ病の薬物療法をしながら、
糖尿病の食事療法として糖質制限食を実践されたらよいと思います。

糖質制限食には血糖コントロールと共に
体重減少効果もあるので、一石二鳥ですね。

2009/05/14(Thu) 07:55 | URL | 江部康二 | 【編集
ありがとうございました。
ありがとうございました。
早速バセドウ病の完治を目指すと共に
糖質制限食をやってみたいと思います。

お忙しい中、本当にありがとうございました。
2009/05/14(Thu) 11:05 | URL | Kei | 【編集
甘い物をずっと控えていたので、すごく参考になりました!

市販されてるノンシュガーキャンディーはやっぱり良くなかったんですね。

ラカントカロリーゼロ飴試してみます。

チョコも暫く口にしてなかったので、ロッスチョコレートとロッテのゼロも見かけたら少量だけ頂くようにしてみます。

大変参考になりました。

更新楽しみにしてます^^
2009/05/14(Thu) 17:57 | URL | 血糖値と戦うパパ | 【編集
江部先生、こんにちは。
この5月の末に糖質制限のことを知り、早速本屋に注文して先生の著書を手に入れ、ブログを読ませていただいたり、本を読ませていただいたりして、糖質制限を始めたばかりです。
が、4月に7.0あったA1cがこの1ヶ月たらずで6.3まで下がっていました。
とても、うれしいです。
ありがとうございます。
 ところで、初心者ゆえに教えて頂きたい事があります。
私は仕事の帰りに週3回くらい、スポーツクラブに通いエアロやジムをしているのですが、エアロでは最後くらいには足がだるくてだるくて思ったようにあがらなくなり、足踏みをしているのが精一杯になってしまいました。ジムでのクロストレーナーも負荷を今までより軽くしています。終わって階段をあがるのも、しんどい状態です。
これは、脂肪酸をエネルギー源としてうまく使えてないからなのでしょうか。
糖質の代謝から脂質の代謝への移行が、まだスムーズに行えていないからなのでしょうか。
個人差はあると思いますが、どのくらいでうまく移行ができますか。
スポーツクラブへは、夕方いくので昼食後から6-7時間たっており、完璧に空腹状態です。
 お忙しい中申し訳ありませんが、お答えいただければ幸いです。
「夏のレシピ」のおからマドレーヌ、おいしかったです。
2009/06/20(Sat) 14:10 | URL | すぎなっこ | 【編集
はじめまして。
いつも参考にブログを拝見させて頂いています。
もしよろしければ、理想の朝食、昼食、晩御飯の例の写真をアップして頂いたら大変参考になると思うのですが。
こんなかんじですよ~~みたいなかんじで。いかがでしょうか?
2009/07/10(Fri) 22:35 | URL | 小倉っこ | 【編集
写真
小倉っこさん。

実は写真アップ苦手です。
人に頼まないとできません。
すいませんが写真は
レシピ本など参考にしていただけば幸いです。
2009/07/11(Sat) 07:55 | URL | 江部康二 | 【編集
ナチュラルハイジーンについて
こんにちは。
いつも拝見させて頂いております。
ひとつ質問させて下さい。

フィットフォーライフと言う書籍に紹介されておりますナチュラルハイジーンと言う「生の果物を中心に摂る」と言う療法の中に、
朝起きて、果物のみを食べても、血糖値は上昇しませんとあるのですが、
先生のご見解をお聞かせ願えないでしょうか?
どうかよろしくお願いします。
2009/10/21(Wed) 10:31 | URL | 山田 | 【編集
果物
山田さん。

果物に含まれる糖質は
果糖、ショ糖、ブドウ糖、糖アルコールなどです。

果糖は10%しかブドウ糖に変わらないので
血糖値上昇は少なく、糖アルコールもショ糖の半分くらいです。

一方、ショ糖、ブドウ糖は普通に血糖値を上昇させます。

従って果物はデンプンの半分程度、血糖値を上昇させます。
2009/10/21(Wed) 12:35 | URL | 江部康二 | 【編集
糖質制限食の可否
江部先生、始めまして。

糖尿病治療中の68歳の男性です。
現在身長170cm、体重53kg。

最近自身のHbA1c値の上昇が気になり、改善方法を探すべくネットで検索しこちらのブログにたどり着き、早速先生の書籍を購入して糖質制限食をやってみようと考えていますが、不明な点がありお尋ねいたします。

35歳で糖尿病と診断された当時の体重は70kgでした。以後食事療法と運動療法を続け、12年前の平成9年より経口血糖降下薬ブタマイド1/2錠を1日1回服用開始、当時HbA1c 5.1~5.5。
平成13年よりアマリール1錠1日1回、平成18年より同薬2錠1回に増量、以後HbA1c 6.0~6.2で推移。
本年4月よりアクトス15の1錠1日1回とスターシス90の1錠1日3回に服用変更、現在HbA1c 6.2~6.3となっています。

1600~1700キロカロリーの食事療法と45分程度の速歩の運動を連日続けていますが、朝の空腹時血糖値は95~125と変化が大きい。朝食後2時間の血糖値は150前後だが、昼夕食後2時間の血糖値は200~230と高めとなっています。
又、体重は53kgで平成9年当時の58kgより5kg減で、これ以上の減量はしたくないと考えています。
尚、血清クレアチニン値は0.9~1.03とやや高め状態ですが、糖質制限食を実践しての病状改善は可能ですか。

以上アドバイスを願いします。
2009/10/21(Wed) 16:14 | URL | 南国中年 | 【編集
お返事ありがとうございました。
江部先生、こんにちは。
お返事ありがとうございます。

果物は、デンプンの半分程度、血糖値を上昇させるのですね。
私は、境界型糖尿病から、何とか脱出するまでに至っているのですが、5時間糖負荷で反応性低血糖症と2年前に診断されてしまいました。

朝、ハイジーン的な朝フルーツのみ生活は、低血糖持ちには、止めた方がよろしいでしょうか?
お忙しい中、申し訳ございませんが、
今一度、ご見解をお願いいたします。
2009/10/22(Thu) 11:26 | URL | 山田 | 【編集
Re: 糖質制限食の可否
南国中年さん。

現在でもコントロール良好ですね。

これなら糖質制限食のもっとも軽いパターンでいけそうです。
三度の主食の量を半分にへらして、その分、脂質・タンパク質のおかずをたっぷり摂取しましょう。
それで食後高血糖が180mgを超えることはなくなり
HbA1cは5.8%くらいになると思いますよ。
2009/10/22(Thu) 18:30 | URL | 江部康二 | 【編集
Re: お返事ありがとうございました。
山田 さん

機能性低血糖症に最も適しているのは糖質制限食です。

果物は少量にとどめるのが安全ですね。
2009/10/22(Thu) 18:46 | URL | 江部康二 | 【編集
江部先生、
ありがとうございます。
糖質制限食の実践を続けます。
脱、低血糖がんばります。
2009/10/22(Thu) 19:08 | URL | 山田 | 【編集
Re: ウェートコントロール
リエ さん

一回の食事の糖質量を、20g以下とするのが
スーパー糖質制限食です。
その範囲内なら、バナナもOKです。
2013/08/14(Wed) 13:56 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ウェートコントロール
リエ さん

講座への参加、ありがとうございます。

インスリンが多く出る食生活が肥満につながります。
インスリンは三重の肥満ホルモンです。
2013/08/21(Wed) 11:21 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ウェートコントロール
リエ さん

Total Carbohydrate 11 g 炭水化物
Dietary Fiber 3 g 食物繊維
Sugars 0 g  糖類(単糖類と二糖類)

単糖類:ブドウ糖、果糖など
二糖類:ショ糖、乳糖など

糖質=炭水化物-食物繊維
ですので糖質は8gで、糖類は含まれていないということだと思います。
2013/08/25(Sun) 09:30 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ウェートコントロール
リエ さん

リエさんは、糖尿病ではないので、
週末だけ糖質制限を解除、OKと思います。
2013/08/27(Tue) 20:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖尿病と、果物
初めまして。私も糖尿病何ですけど、今の文章を読むと、糖尿病の人も、バナナ以外の果物は、少しなら食べても大丈夫って事ですね。
どれくらいのひんどでたべたらいいんでしょうか?毎日少しづつ、朝食の時に食べても大丈夫でしょうか?
2017/11/05(Sun) 07:39 | URL | りよりん | 【編集
Re: 糖尿病と、果物
りよりん さん

高雄病院のスーパー糖質制限食では、
1回の食事の糖質量、20g以下を目指します。
その範囲なら、OKなので、バナナも1/2本(糖質10g)なら他の食材を工夫すればいいですね。

工夫次第なので、ふぐのフルコースの雑炊も、茶碗1/3杯くらいなら、
てっさ、てっぴ、焼き河豚、から揚げ、てっちりと合計で糖質20g以下でいけます。




2017/11/05(Sun) 12:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
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