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人類の進化と食生活⑥ なぜいきなり文化が出現?
おはようございます。江部康二です。京都は今日も良い天気です。
今日は、昼から大阪のいんやん倶楽部さんで「人類の食生活とテーラーメードダイエット」と題して、糖質制限食や農耕以前の人類のお話などをしてきます。


それで今回のテーマは、久しぶりに人類の進化と食生活シリーズで、
「今から約15万年前(20万年?)、アフリカのある地域に住む人類に大きな突然変異(分裂病遺伝子を含む)が発生し、現生人類が誕生した」というデビット・ホロビン氏の説を紹介します。

(*ホロビン氏は英国の著明な精神科医で、オックスフォード大学医学部を卒業し500を超える科学論文があります。つまり、決して怪しい人ではありませんのでご心配なく)

この突然変異により、大きいだけで250万年進化していなかった脳の機能が飛躍的に向上しました。神経細胞間の接続(シナプス)が質・量ともに極めて豊かになったのです。例えていうなら、無駄に容量(ハード)だけ大きかったコンピュータに、いきなり優れたソフトが組み込まれたようなものです。

このソフト(進化した脳)がきっちり機能するためには、エイコサペンタエン酸(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)ω3系脂肪酸と、ω6系の脂肪酸であるアラキドン酸の摂取が極めて重要でした。

EPA、DHA、アラキドン酸は穀物や野菜・果物・ナッツなど植物性食品にはほとんど含まれていません。一部の海草や苔や肉、微小藻類には含まれています。具体的には、水棲小動物や地虫・水鳥・魚・は虫類・両生類・昆虫・肉・臓器・脳・骨髄などの動物性食品に含まれているわけです。従って、この脳の大変化の時、人類は動物性食品をしっかり摂取していたと考えられます。

この現生人類の特徴は“分裂病気質”です。分裂病の遺伝子がシナプスの機能を向上させたとホロビンは述べています。

史上初めて、宗教などの抽象的思考や絵画や音楽など芸術、高度技術などが生まれ、「均一から多様化へ」「安定から変化へ」「平等主義から差別化へ」といった、極めて創造的かつ破壊的な人類社会が形成されていきました。

その後、この現生人類は世界各地に移動し、その結果、数万年後にはそれまでの先行人類が地球上から絶滅しました。但し、この突然変異が起こった原因や先行人類が絶滅した理由ははっきりわかっているわけではありません。

参考:「天才と分裂病の進化論」(デビット・ホロビン著、新潮社)


☆☆☆お知らせ
  2007年6月10日(日)
  食事で治す糖尿病・肥満・メタボリックシンドローム
<講師> 江部康二(京都・高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
<時間> 午前10時~11時50分
 9時半より会場で、糖尿病の人でも食べられる低糖質のおいしいお菓子などの販売もします。おたのしみに!!
 講演が約90分で、質疑応答が約20分です。

<会場> なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて、中野通りを徒歩2分)
<会費> 1000円(定員100名/申し込み先着順)
詳しくはリボーンのホームページで   http://www.big.or.jp/~reborn/contents.html
東京・関東方面の方、是非参加してみてくださいね。
<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp

主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部 
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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