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糖尿病の分類
おはようございます。京都は「本日は晴天なり」です。

さて、1型糖尿病2型糖尿病、皆さん言葉は聞いたことはあるでしょうが、その実態はというと案外誤解されていることも多いので今回は整理整頓してみます。実は、私江部康二も調べてみるまで知らなかったことが恥ずかしながら結構ありました。

糖尿病の分類ですが最近は、従来のインスリン依存型糖尿病(IDDM)、インスリン非依存型糖尿病(NIDDM) という言い方はしなくなりました。糖尿病を病因による分類と、現在の状態を表す分類に整理した方が、すっきりするからです。

■病因による分類
1型糖尿病(従来のIDDMとほぼ一致)
1型糖尿病は、膵β細胞の破壊によりインスリン分泌が枯渇し、発症します。小児期に起こることが多いため小児糖尿病とも呼ばれます。近年、1型糖尿病の多くは、自己免疫機序(免疫の誤作動)により数ヶ月~数年にわたってβ細胞が破壊され、発症することが明らかになってきました(自己免疫性1型糖尿病)。

ここが誤解の多いところなのですが、1型糖尿病は、生活習慣病でも先天性の病気でもありません。過去の何らかのウイルス感染が免疫の誤作動のきっかけになっている場合が多いのですが、ウイルス感染はとっくに治った後の出来事ですから、1型糖尿病が感染することはありません。

2型糖尿病ほど色濃い遺伝は関与しませんが、何らかのウィルスに感染しやすい遺伝的体質はあるようです。欧米のデータでは1型糖尿病と診断された小児の10~12%のみに1型糖尿病の一親等の血縁者がいるとされており、一卵性双生児の1型糖尿病同時発生率は50%以下です。

1型糖尿病の頻度は、日本人では欧米の白人に比べて明らかに低く、 10~20分の一と言われています。例えば日本の小児の1型糖尿病はノルウェーの20分の1、米国の約15分の1です。

なお自己免疫異常の明らかでない1型糖尿病も存在します(特発性1型糖尿病)。


2型糖尿病(従来のNIDDMとほぼ一致)
インスリン分泌低下とインスリン抵抗性の二つの要因により結果としてインスリン作用不足となり発症する糖尿病です。

インスリン抵抗性とは、肥満などの要因によりインスリンの効きが悪くなることです。例えば今までは5μU/ml ていどの量のインスリンで筋肉細胞が血糖値を取り込めていたのが、抵抗性があると10とか20μU/mlの量がないと取り込めなくなるのです。

欧米ではインスリン抵抗性が高い状態のほうが原因として多いのですが、日本では膵臓のインスリン分泌能低下も重要な原因となります。これはインスリン分泌能力が日本人やアジア人は欧米白人より弱いことによります。

遺伝的因子と生活習慣がからみあって発症する生活習慣病です。日本の糖尿病の95%以上は2型糖尿病です。

欧米人に比べ、日本人は肥満者も少ないのに 2型糖尿病が多いのは、日本人が民族的に2型糖尿病になりやすい体質(遺伝的素因)を 持っているためと考えられます。

遺伝的素因が日本人と同じ日系2世米国人で、 日本人よりも2~3倍、米国の白人と比べると数倍以上の差で糖尿病が多いといわれています。

親や肉親が糖尿病だと、糖尿病の家族歴がない人に比べて 糖尿病になりやすいことは間違いありません。しかし遺伝するのは糖尿病そのものではなく、「糖尿病になりやすい体質」です。 この体質を持った人に、食べ過ぎ、運動不足、肥満、加齢、ストレス、など様々な環境因子が加わってはじめて2型糖尿病が発症すると考えられています。

私、江部康二のように両親が2型糖尿病だったら40~50%の確率で2型糖尿病を発症します。

*上記は医学界の共通認識ですが、食べ過ぎに関しては、私は特に精製された糖質の過剰摂取が問題と考えています。
江部康二も糖質制限食を実践する限りは、糖尿人ではなく正常人です。

■糖尿病の状態の表現
①インスリン依存状態
②インスリン非依存状態

普通は1型糖尿病はインスリン依存状態で、2型糖尿病はインスリン非依存状態かなと誰でも思いますよね。でも事はそれほどシンプルではありません。

例えば1型糖尿病でも、数年かけてゆっくり膵臓のβ細胞が破壊されるタイプであれば発症後数年は、インスリン非依存状態でコントロールできることもあるわけです。まあさすがに10年以上、非依存状態というのは困難とは思いますが・・・。

一方、2型糖尿病でも、糖毒状態で悪循環していれば徐々に膵臓のβ細胞が壊れていくわけですから、10年・20年・30年レベルの年期の入った糖尿病だったら、自前のインスリン分泌がほとんどない患者さんもでてきます。こうなると2型糖尿病でもインスリン依存状態となるわけです。

また2型糖尿病の人が感染症、外科的処置などによりインスリン需要が増大する場合もインスリン注射を必要としますので、一時的なインスリン依存状態といえます。

糖質制限食は、1型糖尿病、2型糖尿病ともに効果があります。1型糖尿病ではインスリンの量を減らすことが可能になります。2型糖尿病では経口薬の減量や離脱が可能です。

江部康二 

☆☆☆お知らせ
  2007年6月10日(日)
  食事で治す糖尿病・肥満・メタボリックシンドローム
<講師> 江部康二(京都・高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
<時間> 10時~11時50分
 9時半より会場で、糖尿病の人でも食べられる低糖質のおいしいお菓子などの販売もします。おたのしみに!!

<会場> なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて、中野通りを徒歩2分)
<会費> 1000円(定員100名/申し込み先着順)
詳しくはリボーンのホームページで   http://www.big.or.jp/~reborn/contents.html
関東方面の方、是非参加してみてくださいね。
<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp

主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部 
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ヒムスワース
先生「ヒムスワースの研究」という学説はご存知ですか。先生の「糖質制限」とは真っ向から異なる学説です。どう思われますか。私は少し不安になりました。
2007/06/04(Mon) 22:37 | URL | kenji | 【編集
kenjiさん、コメントありがとうございます。
「ヒムスワースは、1930年代に糖尿病の発生要因としての低糖質/高脂肪食の重要性を指摘していた。」ということですね。
ヒムワースさんの時代から、70年間の医学の進歩はめざましいものがあり、生理学的な事実も沢山解き明かされました。(6.5のブログも参照していただけば幸いです)
また疫学的にも、この30数年米国で脂肪の摂取率は減り続けているにも関わらず、糖尿病・肥満は倍増しています。摂取率が増えたのは糖質です。
このため欧米でも最先端では、低糖質食がポピュラーとなりつつあります。
糖質制限食は短期的には勿論、長期的にも糖尿病・メタボリック症候群に最適の食事療法です。詳しくはまたブログに書きたいと思います。
江部康二
2007/06/05(Tue) 08:53 | URL |  | 【編集
先生ご返事ありがとうございました。ほっとしました。これからもがんばります。
2007/06/05(Tue) 19:18 | URL | kenji | 【編集
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