2009年03月29日 (日)
こんにちは。
今日は、天気の良い日曜日ですが、テニスに行かずにブログを書いています。実は、テニスコートが工事中なのです。
ビジターで来たプレイヤーに、
「今どきハードコートなんて特別天然記念物みたいや!♪(・∀・) 」
などと陰口をたたかれていた我がテニスクラブのコート、とうとうオムニ・コートに生まれ変わることとなったのです。来週が楽しみです。
さて今回は、れいこさんから糖質制限食と体重減少について、コメント・質問をいただきました。
【09/03/26 れいこ
先生と皆様との出会いに感謝。
江部先生はじめまして。
私は30代女性で、先生のブログを発見して以来、安全な減量の為に糖質制限を始めました。
きっかけは、2007.10.18 (Thu) のブログの記事、糖質制限食と満腹感 でコメントなさっていた女性とほぼ同じ理由からでした。
(以下抜粋)
>>「私は糖尿病の診断はされておりませんが、最近ここ3ヶ月で食べている総量はかわらず、運動も週3回1回1時間を行っているにもかかわらず、大幅な体重増加(5kg)があり、色々と調べていったとこと、江部先生の糖質制限食にたどりつき、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を購入させていただきました。仕事などのストレスからか甘い物や炭水化物の摂取量の比率が増えたことが急激な増加の原因ではないかと考えています。」
実はもともと私はボディビルディングを行なっていたことと、若い頃は食べても太らなかったので自分のスタイルには自信があった方なのですが、運動をやめた頃からぶくぶく太り始め、あせってカロリー制限によるダイエットを始め、最初は急速に体重が減った(7キロ減)のですが、カロリー制限による減量の半年後からのひどいリバウンドにより以前よりも増して太ってしまうという経過をたどってしまいました。
今日に至るまで私はストレスからくる食べすぎ(今から思えばほとんどがクッキー、チョコレート、ケーキ、パンなどの炭水化物、糖質)が毎日毎日続き、食べても食べても満足感が得られず、一度にお菓子を大量に摂取したりして、食後、低血糖で身体がだるくなったり、ひどくむくんだり・・・を半年ほど続けてしまい、4ヶ月間ほどの短期間で8キロ太ってしまいました。
このままでは私は糖尿病になってしまうという恐怖・不安はあるものの、異常な空腹感から悪循環ループを抜け出せずにいました。
そんな時に江部先生のブログを拝見し、思い切って食事を糖質制限食(スーパー)へ切り替えることにしました。
まだ始めて一週間と少しですが、身体の感覚がすこぶる良くなって、体重減少こそ未だですが、身体のむくみや、食べても食べても収まらない空腹感からは解放されつつあります。
私が江部先生の推奨なさる糖質制限食に思いきって切り替えたのには以下の理由があります。
① 先生が糖質制限食のメリットを実に理論的にわかりやすくご説明なさっていて、十分納得ができたこと。
② じつはボディビル時代の仲間や選手の間で、減量期に筋肉量を落とすことなく脂肪を大幅にカットしたいとき、「普段の食事から炭水化物をカットする」方法を慣習的に行なっていたことを思い出したこと。(彼らは短期間で筋肉を落とすことなく、体脂肪のすばらしいカットをするのです。今から思えば彼らの食事はまさにスーパー糖質制限食でした。)
③ カロリー制限による方法ではストレスがたまり、結局リバウンドしてしまったこと。
などです。
巷ではやはり、穀物を中心としたバランスの良い食事を。とうるさく言われてしまいますし、炭水化物の欠乏がいわゆるドカ食いの原因であるとまで言われているようなので、そんな風になるのが怖くて、わざわざ白米を食べたり、パンを食べたりしていました。
正直↑のような脅しがかなり効いてしまっていて、糖質を削ることでドカ食いに走ったりしないか。という不安は正直残ってしまうのですが、江部先生を信じて糖質制限を続けます!
先生そこでいくつか教えていただけませんでしょうか?疑問がわいてきました。まず糖質制限と減量についてです。
先生のご説明の中で、
通常のカロリー制限食なら
<消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生>です。
糖質制限食なら
<消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生> に加えて、
<肝臓の糖新生でエネルギーを消費し、尿中ケトン体でエネルギーを消失>が追加です。
従って、
糖質制限食実践中は
1 肥満ホルモン(追加分泌インスリン)がほとんどでない。
2 体脂肪が常に燃えている。
3 血中ケトン体が 上昇し、尿・呼気中にカロリーと共に生理的に排泄される。
4 肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われるがそれに高エネルギーが消費される。
とあるのですが、項目3の血中ケトン体が 上昇し、尿・呼気中にカロリーと共に生理的に排泄される。
この時のケトン体排出によるカロリーの喪失はどのくらいのカロリー数でしょうか?
つまり普通食の人の一日の基礎代謝量に対して何%ぐらい消費カロリーは+アルファされるのでしょうか?
二つ目の質問です。
糖質制限中に、仮に
糖質を摂取すれば インスリン・スイッチが入る
A 血糖値が上昇し追加インスリンを分泌。
B 脂肪は燃えず、血糖が中性脂肪に変わる。
C ケトン体は出なくなる
D 糖新生はストップする。
とありますが、この意味するところは、糖質制限食は毎日継続しないと効果が期待できないという理解でよろしいのでしょうか?
つまり、糖質制限食(スーパー)を開始した私が、(継続3ヶ月後にケトン体を利用したエネルギーシステムが確立され、安定するのでしたよね。)週に一度、ストレス解消のためにケーキを食べたり、また会食などで炭水化物を多量に取ることを避けられない場合など、たまに起こるアクシデンタルな糖質の摂取によって、またふりだしに戻ってしまうのでしょうか?すこし心配です。
三つ目の質問です。
糖質制限食のルールの中に、
食事のタイミングに関するルールは今まで見当たらなかったのですが、効果的な食事摂取時間、または摂取しないほうが良い時間帯などについて、先生の見解を教えていただけませんでしょうか?
一般的に言われるのは、夜は控えめに、とくに夜6時を過ぎての食事(甘いものなどはもちろんもっての外だと理解しております)は太る元だと言われますが。先生は食事タイミングについて、これまでのご経験等からどのように感じておられますでしょうか?
勉強不足のうえ、たくさん質問してしまい申し訳ございません。
ご回答いただければ幸いです。
糖質制限について知りたいことがたくさんあります。
私自身がスーパー糖質制限食を実践し始めて早速、まるで憑き物が取れたかのように、身体の調子がよいので、その速効性への驚きを隠せません。
江部先生との出会い、糖尿病と闘われているこのブログの皆さんとの出会いに心から感謝いたしております。】
れいこさん。コメントありがとうございます。
<② じつはボディビル時代の仲間や選手の間で、減量期に筋肉量を落とすことなく脂肪を大幅にカットしたいとき、「普段の食事から炭水化物をカットする」方法を慣習的に行なっていたことを思い出したこと。(彼らは短期間で筋肉を落とすことなく、体脂肪のすばらしいカットをするのです。今から思えば彼らの食事はまさにスーパー糖質制限食でした。)>
ボディビルダーの方々が、体脂肪を落とすとき、スーパー糖質制限食を実践されるというのは、とても興味深いですね。しかも実際に体験をつまれ、脂肪カットに成功されているのですから、素晴らしいです。(⌒o⌒)v
さてご質問の件です。
「項目3の血中ケトン体が 上昇し、尿・呼気中にカロリーと共に生理的に排泄される。
この時のケトン体排出によるカロリーの喪失はどのくらいのカロリー数でしょうか?
つまり普通食の人の一日の基礎代謝量に対して何%ぐらい消費カロリーは+アルファされるのでしょうか? 」
「ハーパー・生化学」(原著27版)の訳本157ページ、左側38行には、
「ケトン体は、骨格筋と心筋の主要な代謝エネルギー源であり、脳のエネルギーの必要性を部分的に満たす。」
とありますので、ケトン体(アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸)がかなりのカロリーをもっていることは間違いありません。
どれぐらいのカロリーを有すのかと、いろいろ調べたのですが、残念ながら具体的な数字が載っているサイトに辿り着けませんでした。( ̄_ ̄|||)
従いまして、あくまで私見ですが、
「脂肪酸→分解→アセチル-CoA→ケトン体」という流れでケトン体が産生されますので、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸を合わせたら元の脂肪酸に匹敵するカロリーを持っている可能性が高いですね。実際「ケトン体→アセチル-CoA→TCA回路」という流れもありますので。
なお、尿中や呼気中のケトン体は、消費カロリーというより、排泄カロリーでしょうか。
「二つ目の質問です。
糖質制限中に、仮に
糖質を摂取すれば インスリン・スイッチが入る
A 血糖値が上昇し追加インスリンを分泌。
B 脂肪は燃えず、血糖が中性脂肪に変わる。
C ケトン体は出なくなる
D 糖新生はストップする。
とありますが、この意味するところは、糖質制限食は毎日継続しないと効果が期待できないという理解でよろしいのでしょうか?
つまり、糖質制限食(スーパー)を開始した私が、(継続3ヶ月後にケトン体を利用したエネルギーシステムが確立され、安定するのでしたよね。)週に一度、ストレス解消のためにケーキを食べたり、また会食などで炭水化物を多量に取ることを避けられない場合など、たまに起こるアクシデンタルな糖質の摂取によって、またふりだしに戻ってしまうのでしょうか?すこし心配です。」
糖質制限食を実践すれば、2.3日~数日でケトン体がどんどん産生されます。
ケトン体が今の基準値より高値となりますが、半年くらいで尿中には排泄されなくなります。この時点でケトン体分の体重減少効果はなくなります。
一方、糖質を摂取すれば、その時はインスリン・スイッチが入って、脂肪を蓄える方にシステムが変わりますので、一時的には体重増加します。
しかし、振り出しに戻るわけではありません。また翌日糖質制限食に戻せば、効果は勿論あります。 (^_^)
「三つ目の質問です。
糖質制限食のルールの中に、
食事のタイミングに関するルールは今まで見当たらなかったのですが、効果的な食事摂取時間、または摂取しないほうが良い時間帯などについて、先生の見解を教えていただけませんでしょうか?
一般的に言われるのは、夜は控えめに、とくに夜6時を過ぎての食事(甘いものなどはもちろんもっての外だと理解しております)は太る元だと言われますが。先生は食事タイミングについて、これまでのご経験等からどのように感じておられますでしょうか?」
夜遅い食事は、運動もないし脳も寝るので、血糖値が上昇したあと、下がりにくいと思います。
インスリンも沢山分泌され、つまり太りやすいです。従って、可能ならば夜6時~7時くらいまでの食事が好ましいです。
私の場合糖尿病で、インスリン基礎分泌がやや低下しています。職業柄夜診などでやむを得ず、午後9時、10時に食事のこともあるのですが、明らかに翌日早朝の血糖値が高めになります。
例えば午後6時頃の夕食なら翌日早朝空腹時血糖値は90~100mg/dl、午後9時、10時の夕食なら、翌朝早朝空腹時血糖値は110~120mg/dlくらいの差がありますね。
江部康二
今日は、天気の良い日曜日ですが、テニスに行かずにブログを書いています。実は、テニスコートが工事中なのです。
ビジターで来たプレイヤーに、
「今どきハードコートなんて特別天然記念物みたいや!♪(・∀・) 」
などと陰口をたたかれていた我がテニスクラブのコート、とうとうオムニ・コートに生まれ変わることとなったのです。来週が楽しみです。
さて今回は、れいこさんから糖質制限食と体重減少について、コメント・質問をいただきました。
【09/03/26 れいこ
先生と皆様との出会いに感謝。
江部先生はじめまして。
私は30代女性で、先生のブログを発見して以来、安全な減量の為に糖質制限を始めました。
きっかけは、2007.10.18 (Thu) のブログの記事、糖質制限食と満腹感 でコメントなさっていた女性とほぼ同じ理由からでした。
(以下抜粋)
>>「私は糖尿病の診断はされておりませんが、最近ここ3ヶ月で食べている総量はかわらず、運動も週3回1回1時間を行っているにもかかわらず、大幅な体重増加(5kg)があり、色々と調べていったとこと、江部先生の糖質制限食にたどりつき、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を購入させていただきました。仕事などのストレスからか甘い物や炭水化物の摂取量の比率が増えたことが急激な増加の原因ではないかと考えています。」
実はもともと私はボディビルディングを行なっていたことと、若い頃は食べても太らなかったので自分のスタイルには自信があった方なのですが、運動をやめた頃からぶくぶく太り始め、あせってカロリー制限によるダイエットを始め、最初は急速に体重が減った(7キロ減)のですが、カロリー制限による減量の半年後からのひどいリバウンドにより以前よりも増して太ってしまうという経過をたどってしまいました。
今日に至るまで私はストレスからくる食べすぎ(今から思えばほとんどがクッキー、チョコレート、ケーキ、パンなどの炭水化物、糖質)が毎日毎日続き、食べても食べても満足感が得られず、一度にお菓子を大量に摂取したりして、食後、低血糖で身体がだるくなったり、ひどくむくんだり・・・を半年ほど続けてしまい、4ヶ月間ほどの短期間で8キロ太ってしまいました。
このままでは私は糖尿病になってしまうという恐怖・不安はあるものの、異常な空腹感から悪循環ループを抜け出せずにいました。
そんな時に江部先生のブログを拝見し、思い切って食事を糖質制限食(スーパー)へ切り替えることにしました。
まだ始めて一週間と少しですが、身体の感覚がすこぶる良くなって、体重減少こそ未だですが、身体のむくみや、食べても食べても収まらない空腹感からは解放されつつあります。
私が江部先生の推奨なさる糖質制限食に思いきって切り替えたのには以下の理由があります。
① 先生が糖質制限食のメリットを実に理論的にわかりやすくご説明なさっていて、十分納得ができたこと。
② じつはボディビル時代の仲間や選手の間で、減量期に筋肉量を落とすことなく脂肪を大幅にカットしたいとき、「普段の食事から炭水化物をカットする」方法を慣習的に行なっていたことを思い出したこと。(彼らは短期間で筋肉を落とすことなく、体脂肪のすばらしいカットをするのです。今から思えば彼らの食事はまさにスーパー糖質制限食でした。)
③ カロリー制限による方法ではストレスがたまり、結局リバウンドしてしまったこと。
などです。
巷ではやはり、穀物を中心としたバランスの良い食事を。とうるさく言われてしまいますし、炭水化物の欠乏がいわゆるドカ食いの原因であるとまで言われているようなので、そんな風になるのが怖くて、わざわざ白米を食べたり、パンを食べたりしていました。
正直↑のような脅しがかなり効いてしまっていて、糖質を削ることでドカ食いに走ったりしないか。という不安は正直残ってしまうのですが、江部先生を信じて糖質制限を続けます!
先生そこでいくつか教えていただけませんでしょうか?疑問がわいてきました。まず糖質制限と減量についてです。
先生のご説明の中で、
通常のカロリー制限食なら
<消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生>です。
糖質制限食なら
<消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生> に加えて、
<肝臓の糖新生でエネルギーを消費し、尿中ケトン体でエネルギーを消失>が追加です。
従って、
糖質制限食実践中は
1 肥満ホルモン(追加分泌インスリン)がほとんどでない。
2 体脂肪が常に燃えている。
3 血中ケトン体が 上昇し、尿・呼気中にカロリーと共に生理的に排泄される。
4 肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われるがそれに高エネルギーが消費される。
とあるのですが、項目3の血中ケトン体が 上昇し、尿・呼気中にカロリーと共に生理的に排泄される。
この時のケトン体排出によるカロリーの喪失はどのくらいのカロリー数でしょうか?
つまり普通食の人の一日の基礎代謝量に対して何%ぐらい消費カロリーは+アルファされるのでしょうか?
二つ目の質問です。
糖質制限中に、仮に
糖質を摂取すれば インスリン・スイッチが入る
A 血糖値が上昇し追加インスリンを分泌。
B 脂肪は燃えず、血糖が中性脂肪に変わる。
C ケトン体は出なくなる
D 糖新生はストップする。
とありますが、この意味するところは、糖質制限食は毎日継続しないと効果が期待できないという理解でよろしいのでしょうか?
つまり、糖質制限食(スーパー)を開始した私が、(継続3ヶ月後にケトン体を利用したエネルギーシステムが確立され、安定するのでしたよね。)週に一度、ストレス解消のためにケーキを食べたり、また会食などで炭水化物を多量に取ることを避けられない場合など、たまに起こるアクシデンタルな糖質の摂取によって、またふりだしに戻ってしまうのでしょうか?すこし心配です。
三つ目の質問です。
糖質制限食のルールの中に、
食事のタイミングに関するルールは今まで見当たらなかったのですが、効果的な食事摂取時間、または摂取しないほうが良い時間帯などについて、先生の見解を教えていただけませんでしょうか?
一般的に言われるのは、夜は控えめに、とくに夜6時を過ぎての食事(甘いものなどはもちろんもっての外だと理解しております)は太る元だと言われますが。先生は食事タイミングについて、これまでのご経験等からどのように感じておられますでしょうか?
勉強不足のうえ、たくさん質問してしまい申し訳ございません。
ご回答いただければ幸いです。
糖質制限について知りたいことがたくさんあります。
私自身がスーパー糖質制限食を実践し始めて早速、まるで憑き物が取れたかのように、身体の調子がよいので、その速効性への驚きを隠せません。
江部先生との出会い、糖尿病と闘われているこのブログの皆さんとの出会いに心から感謝いたしております。】
れいこさん。コメントありがとうございます。
<② じつはボディビル時代の仲間や選手の間で、減量期に筋肉量を落とすことなく脂肪を大幅にカットしたいとき、「普段の食事から炭水化物をカットする」方法を慣習的に行なっていたことを思い出したこと。(彼らは短期間で筋肉を落とすことなく、体脂肪のすばらしいカットをするのです。今から思えば彼らの食事はまさにスーパー糖質制限食でした。)>
ボディビルダーの方々が、体脂肪を落とすとき、スーパー糖質制限食を実践されるというのは、とても興味深いですね。しかも実際に体験をつまれ、脂肪カットに成功されているのですから、素晴らしいです。(⌒o⌒)v
さてご質問の件です。
「項目3の血中ケトン体が 上昇し、尿・呼気中にカロリーと共に生理的に排泄される。
この時のケトン体排出によるカロリーの喪失はどのくらいのカロリー数でしょうか?
つまり普通食の人の一日の基礎代謝量に対して何%ぐらい消費カロリーは+アルファされるのでしょうか? 」
「ハーパー・生化学」(原著27版)の訳本157ページ、左側38行には、
「ケトン体は、骨格筋と心筋の主要な代謝エネルギー源であり、脳のエネルギーの必要性を部分的に満たす。」
とありますので、ケトン体(アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸)がかなりのカロリーをもっていることは間違いありません。
どれぐらいのカロリーを有すのかと、いろいろ調べたのですが、残念ながら具体的な数字が載っているサイトに辿り着けませんでした。( ̄_ ̄|||)
従いまして、あくまで私見ですが、
「脂肪酸→分解→アセチル-CoA→ケトン体」という流れでケトン体が産生されますので、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸を合わせたら元の脂肪酸に匹敵するカロリーを持っている可能性が高いですね。実際「ケトン体→アセチル-CoA→TCA回路」という流れもありますので。
なお、尿中や呼気中のケトン体は、消費カロリーというより、排泄カロリーでしょうか。
「二つ目の質問です。
糖質制限中に、仮に
糖質を摂取すれば インスリン・スイッチが入る
A 血糖値が上昇し追加インスリンを分泌。
B 脂肪は燃えず、血糖が中性脂肪に変わる。
C ケトン体は出なくなる
D 糖新生はストップする。
とありますが、この意味するところは、糖質制限食は毎日継続しないと効果が期待できないという理解でよろしいのでしょうか?
つまり、糖質制限食(スーパー)を開始した私が、(継続3ヶ月後にケトン体を利用したエネルギーシステムが確立され、安定するのでしたよね。)週に一度、ストレス解消のためにケーキを食べたり、また会食などで炭水化物を多量に取ることを避けられない場合など、たまに起こるアクシデンタルな糖質の摂取によって、またふりだしに戻ってしまうのでしょうか?すこし心配です。」
糖質制限食を実践すれば、2.3日~数日でケトン体がどんどん産生されます。
ケトン体が今の基準値より高値となりますが、半年くらいで尿中には排泄されなくなります。この時点でケトン体分の体重減少効果はなくなります。
一方、糖質を摂取すれば、その時はインスリン・スイッチが入って、脂肪を蓄える方にシステムが変わりますので、一時的には体重増加します。
しかし、振り出しに戻るわけではありません。また翌日糖質制限食に戻せば、効果は勿論あります。 (^_^)
「三つ目の質問です。
糖質制限食のルールの中に、
食事のタイミングに関するルールは今まで見当たらなかったのですが、効果的な食事摂取時間、または摂取しないほうが良い時間帯などについて、先生の見解を教えていただけませんでしょうか?
一般的に言われるのは、夜は控えめに、とくに夜6時を過ぎての食事(甘いものなどはもちろんもっての外だと理解しております)は太る元だと言われますが。先生は食事タイミングについて、これまでのご経験等からどのように感じておられますでしょうか?」
夜遅い食事は、運動もないし脳も寝るので、血糖値が上昇したあと、下がりにくいと思います。
インスリンも沢山分泌され、つまり太りやすいです。従って、可能ならば夜6時~7時くらいまでの食事が好ましいです。
私の場合糖尿病で、インスリン基礎分泌がやや低下しています。職業柄夜診などでやむを得ず、午後9時、10時に食事のこともあるのですが、明らかに翌日早朝の血糖値が高めになります。
例えば午後6時頃の夕食なら翌日早朝空腹時血糖値は90~100mg/dl、午後9時、10時の夕食なら、翌朝早朝空腹時血糖値は110~120mg/dlくらいの差がありますね。
江部康二
江部先生。
早速お答えいただきまして、ありがとうございました。
大変丁寧なご回答で、よく理解ができました。その後もスーパー糖質制限食を続けております。経過等おいおいご報告いたしますね。また分からないことが出てきましたら質問させていただきます。
よろしくお願いいたします!
早速お答えいただきまして、ありがとうございました。
大変丁寧なご回答で、よく理解ができました。その後もスーパー糖質制限食を続けております。経過等おいおいご報告いたしますね。また分からないことが出てきましたら質問させていただきます。
よろしくお願いいたします!
2009/03/30(Mon) 11:18 | URL | れいこ | 【編集】
この記事へのトラックバック
| ホーム |