fc2ブログ
1型糖尿病とインスリン
おはようございます。今日はとてもいい天気です。

先週は仕事でテニスにいけなかったので、今日は2週間ぶりのテニスです。そして2週間ぶりの囲碁です。実はテニスの待ち時間に囲碁をしてます。頭も体も両面作戦ですね。 (^_^)

さて、

今回は、1型糖尿病のTomokoさんからコメントいただきました。

【その後

何度か書き込みさせていただいています、Ⅰ型のTomokoです。
インスリン導入のため入院し、先週、退院後初めての外来診察がありました。入院中に検査していた抗体の遺伝子型の結果が出ていました。私の型は糖尿病にはなりにくい型だそうで、これを持ってⅠ型糖尿病を発症するのは100人に一人だと言われました。笑ってしまいました。そりゃあ私にはどうしようもなかったなあ、と思ったらちょっと気持ちが軽くなりました。状況が変わったわけではないんですけれど。
経過は地元のクリニックで見てもらうことになっていたので、この日が大学病院では最後の診療でした。いろんな検査結果の説明をしてもらっていてHa1cが6.1%になっているところにきて、先生が「もとからこの値は高くなかったよね。僕はね、低炭水化物食でここまで血糖値を下げられるということに感動したんですよ。ほんとにね。」とおっしゃってくださって、とてもうれしかったです。診察の前の栄養士さんとの時間が苦痛で、泣きたい気分だったのですけれど、あの一言があってなんだか帳消しになったような気がします。
今はランタスが朝4単位になりました。これでようやく空腹感と食前血糖値が一致するようになってきました。でも、ランタスの分ちょっと底上げになって、40グラムちょっと糖質をとっても食後2時間の血糖値が2ケタになってしまいます。でも低血糖にはなりません。ずっと糖質制限してきたので、脂肪燃焼のサイクルにスイッチが入りやすくなっているのかなと勝手に思っています。そうだとするとこれがずっと続いてくれるといいです。それもあってこれ以上糖質を増やしたくはないと思って(いまの段階だと総カロリーの25~30%くらいが糖質由来という計算になるので)できればもう少しラビットを減らしてもらえたらいいのに、と思ってます(ちなみにラビットは4-2-2)。糖質量と食前血糖値、食後2時間血糖値から1単位でどれくらい血糖値が下がるか計算して平均を出したりしてデータを集めてから、今度の診察で先生に頼んでみようかと思っていますが、けっこう勇気がいります。何て言われるかな、と。
まだ始まったばかりのインスリン生活ですが、ここから自分にちょうどいい糖質量の食生活に早く「着陸」したいです。
「つれづれなるままに」ですが、また書き込みさせてください。ありがとうございます。

Tomoko | 2009.03.14(土) 】


『いろんな検査結果の説明をしてもらっていてHa1cが6.1%になっているところにきて、先生が「もとからこの値は高くなかったよね。僕はね、低炭水化物食でここまで血糖値を下げられるということに感動したんですよ。ほんとにね。」とおっしゃってくださって、とてもうれしかったです。』


Tomokoさん。糖質制限食に理解のある主治医殿でよかったですね。 (^_^)

ランタスが朝1回、4単位、ノボラピッドが朝4-昼2-夕2単位は、合計12単位で1型の糖尿人としては、とても少ないインスリン量で、成績優秀ですよ。(⌒o⌒)v

ご自身が1型糖尿病の米国のバーンスタイン医師によれば、1回に注射するインスリンの量が少ないほど、吸収されて血流に到達するインスリン量の変動が少ないそうです。

ミネソタ大の研究によれば、1回に20単位も打てば、変動幅は39%もあります。これでは血糖コントロールは困難ですよね。

1回のインスリン量が、6~7単位くらいまでなら、吸収されて血流に到達するインスリン量の変動は問題にならないていどなので、血糖コントロールもしやすいのです。

「糖質量と食前血糖値、食後2時間血糖値から1単位でどれくらい血糖値が下がるか計算して平均を出したりしてデータを集めてから、今度の診察で先生に頼んでみようかと思っていますが、けっこう勇気がいります。何て言われるかな、と。」

今の大学の主治医殿なら、きっと相談に応じて頂けるでしょうね。地元のドクターにもデータをだして、頼んでみましょう。食後2時間値が2桁ならノボラピッド2-2-2でいけそうですね。Tomokoさん、1型ですが内因性のインスリン、少し出ているのでしょうね。

私の場合インスリンを打っている糖尿人には、

A)<ランタスで基礎分泌のインスリンの補充>
①早朝空腹時血糖値を90~125mg/dlに保つ。
 この範囲ならその日のランタスは前日と同じ量とする。
②早朝空腹時血糖値が126mg/dlを超えていたら
 その日はランタスを「前日の量+1単位」と増やす。
③早朝空腹時血糖値が90mg/dl未満なら
 その日はランタスを「前日の量-1単位」と減らす。

低血糖に注意が必要ですので、 やや余裕をみて上記のスケールを指導しています。自信がある人は「80~109mg/dl」でタイトにやってもらいます。

B)<ノボラピッドで追加分泌の補充>
食後2時間値は140mg/dlが目標ですから、Tomokoさんは2桁ということで、簡単にクリアですね


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ありがとうございます
私の独り言のような書き込みに丁寧にお返事をくださり、ありがとうございます。一度も先生に診察していただいたことはないのに、自分の主治医の先生のような感覚でお話しができることは感謝です。
ランタス、自分で量の管理をすることができるんですね。知りませんでした。このことも含めて、次の時に先生に聞いてみたいと思います。まだまだインスリン初心者ですので、そこまでの信頼をしていただけるかわからないですけれど、ずっと糖尿と付き合っていく私にとって主治医の先生は(ちょっと大げさな言い方をすれば)私の「人生のパートナー」。思っていることを上手に伝えられるようになりたいものです。
またよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
2009/03/16(Mon) 01:27 | URL | Tomoko | 【編集
単位数について
江部先生

初めてメールさせていただきます。
主人が3年半くらい前から劇症1型を発症し、ノボラピット及びランタスの注射をしております。HBA1Cの値も良く、担当医からはほめられているようです。
江部先生の本を読み、糖質制限に努めるようにしておりますが、朝食は野菜スープとヨーグルトで8単位、昼食はお弁当で糖質量を10~15Gくらいに計算して作っております(主食はありません。タンパク質及び野菜がメインです)が9単位、夜は12単位(玄米や白米を食べる時には20~25単位)、ランタス10単位を打っております。元々は、一回当たり2~5単位くらいだったのですが、増えてしまいここ2年は上記のような状態です。
どうしてもラーメンが食べたいと言って外食する場合には、40~45単位も打っております。

単位数も増えてきたようですし、心配しております。朝の血糖値が120を超えることも少し増えてきております。それでも、HBA1Cの値は5.4くらいのようです。2週間に1回程度低血糖を起こしてしまっています。
皆さまの書き込みや他のサイト等を拝見しますと、もう少し少ない単位数の方が多いようにも見受けられます。
糖質制限食を作るために、栄養成分表を見ながら、炭水化物量を計算しながら食事を作っていますが、インスリンの単位数に結びついていないように思われ、不安になっております。もちろん、調味料も全て気をつけており、ラカントを使用しております。
なお、担当医の方は食事の内容等にはあまり興味がないのか、糖質制限等の話はしたことも聞かれたこともないそうです。また、主人はかなり細かく全ての食事を記録し、単位数等も一緒に記録しております。
お酒を飲むこともあり、尿酸値が高めで、コレステロール値も高いです。両方とも担当医には気にしなくていいと言われているそうですが、こちらも心配です。

1型ですし、まだ30代前半ということもありこれから付き合っていかなければならないインスリンですので、インスリン抗体のことも含め、一度ここで今の状況が問題ないのか、今後のためにも確認したいと思い、メールさせていただきました。
本人なりにいろいろと我慢しながら病気と向き合っています。少しでも主人をサポートすることができればと思い、また少しでも長く一緒に健康で長生きができればと思い、江部先生のお力添えをいただければと幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
2015/05/21(Thu) 15:30 | URL | hana | 【編集
Re: 単位数について
hana さん

2015/5/21(木)の記事が参考になると思います。
コメントをいただいた「ちくてつ」さんも劇症1型です。

ちくてつさんの記事にもありますように、
インスリンの単位が多くなるほど、効果にも誤差が出やすくなり、
血糖値の乱高下や低血糖を起こしやすくなります。

インスリンの単位が多くなると、発がん、アルツハイマー病、老化などのリスクになります。
これらを防ぐためには、できるだけスーパー糖質制限食を実践されて、インスリンの単位を少量にとどめることが優先順位の一番です。

尿酸値やコレステロール値はあまり心配ないです。
扉ページのカテゴリーのそれぞれの項をご参照いただけば幸いです。




2015/05/21(Thu) 17:46 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック