早朝空腹時血糖値とアマリール
こんばんは。

だいぶ暖かくなってきました。啓蟄(けいちつ)を過ぎて春ですね。

毎年3月6日ごろを啓蟄といい、地中が暖まり冬ごもりしていた虫が穴からはい出してくるという意味だそうです。高雄病院は東と北は山なので、啓蟄のオンパレードです。

さて今回は伊達さんから、早朝空腹時血糖値とアマリールについてコメント・質問をいただきました。

【伊達
『江部先生おはようございます』

江部先生はじめまして。私は2型糖尿病歴8年の伊達と申します。
いつも親切丁寧解りやすく説得力ある江部先生のブログに癒しと安心感を与えて下さる事に本当に感謝しております
今回の記事からずれた質問になってしまい恐縮ですが...
私はA1cが7.7に悪化した昨年11月に糖質制限食と出逢い、1ヶ月後の検診で6.2まで効果が出ました。その後6.2->6.3と推移しております
(現在網膜症や腎症などの合併症はありません)
7年間服用していたアマリール1mgも今月から無くなりました。
所が、アマリールの服用が無くなり4日たった頃から早朝空腹時が140〜160と高くなっています。
先生が過去何度も質問に答えてこられた暁現象なのでしょうか...
この状態が続くとすれば悪化していくのでしょうか?
また、アマリールなどの投薬をするべきなのでしょうか?
糖質制限食を始めて数ヵ月、極めて良好な血糖値だった為、
ここ数日、心配で睡眠不足気味になってます(笑)
多忙な江部先生ですからお時間許す時にご指導いただければと思います。m(__)m

2009/03/05(木)】


伊達さん。コメントありがとうございます。

「A1cが7.7に悪化した昨年11月に糖質制限食と出逢い、1ヶ月後の検診で6.2」

見事な改善ですね。良かったです。

「7年間服用していたアマリール1mgも今月から無くなりました。」

これも素晴らしいですね。

「アマリールの服用が無くなり4日たった頃から早朝空腹時が140〜160と高くなっています。」

早朝空腹時血糖値に関しては、自分自身のインスリン分泌能力がどのくらい残存しているかが、大きく関わっています。

早朝空腹時血糖値高値、この一番の原因は、基礎分泌のインスリンが不足しているためと考えられます。

基礎分泌のインスリンが不足気味だと、夜間の肝臓の糖新生がコントロールできなくて、早朝空腹時血糖値が高値なります。眠前の血糖値より早朝空腹時血糖値が高値となる、「暁現象」を呈すこともあります。

早朝空腹時血糖値、私自身も90〜130mg/dl程度のバラツキがあります。いつ調べても2.2〜2.4μU/ml(3〜15)程度と、基礎分泌のインスリンがやや低値なのです。私の場合、非常に真面目に糖質制限食をやれば、90mgを切ることもあります。

たとえば、<小樽フードリーム>http://www.foodreams.com/foodreams/html/index.htmlの宅配の「糖質制限食」のみを2日間食べて、3日目の早朝空腹時血糖値は86mg/dlでした。

一方、前の晩に餃子とか豚カツとかを油断して沢山食べると、翌朝の空腹時血糖値が130mg/dlだったりします。

また私の場合、糖質制限食でも夜遅く食べると(午後9時以降)、翌朝の空腹時血糖値が120mg/dl、午後6時頃食べたら、96mg/dlといった差があります。

美味しく楽しく糖質制限食ですから、早朝空腹時血糖値126mg/dl未満、できれば110mg/dl未満くらいで折り合いがついていれば、合併症の危険もないので、よしとしています。 (^_^)

食後高血糖がなくて、早朝空腹時血糖値126mg未満なら、血管の合併症のリスクはほとんどありません。

徹底的にスーパー糖質制限食を実践して膵臓が休養できたら、ある程度β細胞が回復して、早朝空腹時血糖値が改善する可能性はあります。伊達さんも、まずは早朝空腹時血糖値140mg/dl未満を目指しましょう。

それから保険が効きますので、早朝空腹時IRI(インスリン)を測定して、基礎分泌のインスリンがどのていどでているか調べましょう。

高雄病院入院中の糖尿人で、入院時空腹時血糖値が200mg/dlを超えていたのが、2週間後には100mg/dlになった例もあります。

しかし個人差が大きいです。入院して徹底的に糖質制限食を実践しても、早朝空腹時血糖値が140mg/dl未満とならない人もおられます。

早朝空腹時血糖値が140mg/dlを日常的に超えていると、血管の合併症を生じやすくなります。
インスリン基礎分泌が、ある程度以上障害されていて、糖質制限食実践でも回復不能で、いつも早朝空腹時血糖値が140mgを超えていれば、アマリール(1)1/2錠くらいをを再開されてもいいと思います。

**インスリン
人体で唯一血糖値を下げるホルモン。膵臓のβ細胞でつくられ分泌される。24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリン血糖値が上昇したときにその10〜20倍の量がでる追加分泌がある。インスリンが追加分泌されると、筋肉細胞が血糖を取り込むが、余った血糖が中性脂肪に変わるので、インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれる。

**暁現象早朝空腹時血糖値
インスリン基礎分泌が不足してくると、夜間の肝の糖新生を制御できずに、早朝空腹時血糖値が高値となる。
また、就寝時より起床時の血糖値の方が、高値となることがある。就寝後8〜10時間で、血糖値が上昇する暁現象である。
肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるため肝臓の糖新生が高まり、起床時に就寝時より血糖値が高くなる。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
糖質制限な食材
江部先生、毎日のお仕事、ブログの更新ご苦労様です。

今日もちょっとお知らせです。

数日前にローソンで「カロリーコントロールアイス」なるものを発見しました。
http://www.glico.co.jp/ice/ice/cc_ice/cc_ice2.htm
こちらのURLに成分表も掲載されています。
糖質が1箱(110ml)で11.0gとのことですし、量も多く、数日に1回、1個の半分を夕食後に食べています。
食前にはボグリボースを飲んでいます。

豆腐を使用しているらしいのですが、凄く甘くて、このアイスのおかげでチョコレートの呪縛からやっと逃れられました。

もしすでにご存知でしたらすみません。

それと最近妻がレパートリーに取り入れてくれた料理なのですが、「貝割れの豚肉巻き」
最高に美味しいです。
スタイルフリーにピッタリ合います。
http://sunap21.blog14.fc2.com/blog-entry-94.html
2009/03/10(Tue) 05:29 | URL | さわ | 【編集
おはようございます
江部先生、多忙にもかかわらず
ご指導いただきありがとうございました。
2009/03/11(Wed) 07:47 | URL | 伊達 | 【編集
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