2009年02月01日 (日)
こんばんは、今テニスから帰ってきた江部康二です。
今、西洋医学では、一人一人の患者さんの体質に合わせて処方を工夫しようという、テーラーメード(tailor made)の薬物療法が注目され始めています。
従来、画一的な処方内容だった西洋医学においても、個に対応しようとする、好ましい変化と言えます。
高雄病院で実践している漢方医学は、まさにテーラーメードの治療なのですが、食生活においても、私は最近テーラーメードの食事療法(tailor made diet)を提唱しています。
どんな病気の人でも共通に食べてよいもの、個別の病気において避けたほうがいいもの、誰もが食べないほうがいいもの、個人の嗜好・・・などを考慮して一人一人に最適の食事療法を選んでいきます。
具体的には、アレルギー疾患、膠原病、消化器疾患、循環器疾患、呼吸器疾患など、糖尿病以外の病気の治療食に、そして、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病予防に、「ブドウ糖ミニスパイク」が生じにくい「食生活十箇条」を提案しました。
『高雄病院食生活十箇条』 -アレルギー疾患の治療や生活習慣病予防に-
一、主食は未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は極力減らし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで
一方、既に糖尿病になった人や肥満・メタボリックシンドロームの人には、糖質制限食がお奨めです。
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食 べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控え る。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶も OK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は 控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルー ツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
☆☆☆
グルコーススパイク(ブドウ糖スパイク)と
グルコースミニスパイク (ブドウ糖ミニスパイク)
近年の糖尿病関係の話題として、『空腹時血糖値と食後高血糖値の差(ブドウ糖スパイク)が大きいほど、リアルタイムに大血管の内皮が傷害されて動脈硬化になりやすく、将来心筋梗塞の危険性が高まる』という説が有力となっています。
糖尿病の人は、当然、ブドウ糖スパイクが大きいわけです。
例えば、空腹時血糖値が100~120mgとかでも、糖質摂取後の血糖値は200、300mgとなってしまいます。(*脂質やタンパク質を食べても、ブドウ糖スパイクは起こりませんので、念のため。)
一方、糖尿病がない人でも、精製された糖質(高GI食品)を食べれば、糖尿病の人に比べれば小さいとはいえ、ブドウ糖スパイクが生じますから、代謝全般に乱れが生じてアレルギー疾患や高脂血症・肥満など様々な生活習慣病にも悪影響がでる可能性があります。
私は、この小さなブドウ糖スパイクを、『ミニスパイク』と呼んでいます。
精製された糖質は、特に血糖を上昇させやすい食品です。中でも白パン、ケーキなどの精製小麦粉製品は血糖上昇指数(GI)が100もあります。ちなみに白米は70、玄米は50です。
糖尿病が無ければ、玄米などGIの低いものを主食としていれば、ミニスパイクもほとんど起こらず、血管内皮の障害のリスクも無くなりますし代謝も安定します。
過去経験的に、「玄米魚菜食がいろんな病気の改善に良い」と言われ、高雄病院でも1984年から玄米魚菜食を給食で提供してきました。
なぜ良いのか、理論的根拠に長年悩んでいましたが、「ブドウ糖スパイク理論」でやっと説明がつきました。
世界中に、今まで様々な食事療法があり、それぞれ治療効果を謳っていますが、やはり「ブドウ糖スパイクが少ない」という一点で共通していることが多いようです。
なお、糖質制限食ならミニスパイクも全く起こらず、血糖値は勿論、代謝全てが安定します。
今、西洋医学では、一人一人の患者さんの体質に合わせて処方を工夫しようという、テーラーメード(tailor made)の薬物療法が注目され始めています。
従来、画一的な処方内容だった西洋医学においても、個に対応しようとする、好ましい変化と言えます。
高雄病院で実践している漢方医学は、まさにテーラーメードの治療なのですが、食生活においても、私は最近テーラーメードの食事療法(tailor made diet)を提唱しています。
どんな病気の人でも共通に食べてよいもの、個別の病気において避けたほうがいいもの、誰もが食べないほうがいいもの、個人の嗜好・・・などを考慮して一人一人に最適の食事療法を選んでいきます。
具体的には、アレルギー疾患、膠原病、消化器疾患、循環器疾患、呼吸器疾患など、糖尿病以外の病気の治療食に、そして、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病予防に、「ブドウ糖ミニスパイク」が生じにくい「食生活十箇条」を提案しました。
『高雄病院食生活十箇条』 -アレルギー疾患の治療や生活習慣病予防に-
一、主食は未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は極力減らし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで
一方、既に糖尿病になった人や肥満・メタボリックシンドロームの人には、糖質制限食がお奨めです。
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食 べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控え る。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶も OK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は 控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルー ツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
☆☆☆
グルコーススパイク(ブドウ糖スパイク)と
グルコースミニスパイク (ブドウ糖ミニスパイク)
近年の糖尿病関係の話題として、『空腹時血糖値と食後高血糖値の差(ブドウ糖スパイク)が大きいほど、リアルタイムに大血管の内皮が傷害されて動脈硬化になりやすく、将来心筋梗塞の危険性が高まる』という説が有力となっています。
糖尿病の人は、当然、ブドウ糖スパイクが大きいわけです。
例えば、空腹時血糖値が100~120mgとかでも、糖質摂取後の血糖値は200、300mgとなってしまいます。(*脂質やタンパク質を食べても、ブドウ糖スパイクは起こりませんので、念のため。)
一方、糖尿病がない人でも、精製された糖質(高GI食品)を食べれば、糖尿病の人に比べれば小さいとはいえ、ブドウ糖スパイクが生じますから、代謝全般に乱れが生じてアレルギー疾患や高脂血症・肥満など様々な生活習慣病にも悪影響がでる可能性があります。
私は、この小さなブドウ糖スパイクを、『ミニスパイク』と呼んでいます。
精製された糖質は、特に血糖を上昇させやすい食品です。中でも白パン、ケーキなどの精製小麦粉製品は血糖上昇指数(GI)が100もあります。ちなみに白米は70、玄米は50です。
糖尿病が無ければ、玄米などGIの低いものを主食としていれば、ミニスパイクもほとんど起こらず、血管内皮の障害のリスクも無くなりますし代謝も安定します。
過去経験的に、「玄米魚菜食がいろんな病気の改善に良い」と言われ、高雄病院でも1984年から玄米魚菜食を給食で提供してきました。
なぜ良いのか、理論的根拠に長年悩んでいましたが、「ブドウ糖スパイク理論」でやっと説明がつきました。
世界中に、今まで様々な食事療法があり、それぞれ治療効果を謳っていますが、やはり「ブドウ糖スパイクが少ない」という一点で共通していることが多いようです。
なお、糖質制限食ならミニスパイクも全く起こらず、血糖値は勿論、代謝全てが安定します。
こんにちは
ちょっと質問なんですが、牛乳はあまり良くないんですか?
授乳中で、母乳によくないと聞いたことはあるのですが、牛乳のアレルギーになるからなのかと勝手に思っていましたが、授乳中でなくても控えたほうがいぃって言うことは、体によくないってことですよね。体にいいイメージだったのでびっくりしました。何でよくないのですか?
ちょっと質問なんですが、牛乳はあまり良くないんですか?
授乳中で、母乳によくないと聞いたことはあるのですが、牛乳のアレルギーになるからなのかと勝手に思っていましたが、授乳中でなくても控えたほうがいぃって言うことは、体によくないってことですよね。体にいいイメージだったのでびっくりしました。何でよくないのですか?
2010/04/02(Fri) 14:09 | URL | ぽぽぽ | 【編集】
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