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カナダイヌイットの物語②
おはようございます。今日もぼちぼち寒いです。

寒い日は、何と言ってもイヌイットの話題ですね。(∵)?

<主食の変化>
4000年前、すでにカナダ極北やアラスカに、人類(モンゴロイド)が移住し居住していました。現在のイヌイット文化と同様の生活様式をしていたとは、必ずしもいえませんが、セイウチ猟などを中心に生業としていたようです。

現在のイヌイットの生活様式の原型ですが、まず10世紀頃、アラスカイヌイットでホッキョククジラが主食の時代がありました。

その後200~300年で他の極北周囲地域、西はチュコト半島、東はグリーンランドまでホッキョククジラ猟が広まりました。この文化は、チューレ文化と呼ばれています。

12世紀から17世紀にかけて極北地域に寒冷化が起こり、それまで豊富だったクジラが少なくなりました。そのためクジラ以外のものを主食とせざるを得なくなり、各地域でチューレ文化は多様化して、独自の文化が形成されていきました。

アザラシ猟をして雪の家に住むという文化は、15世紀頃に形成された生活様式です。その後、ホッキョクイワナ、アザラシ、シロイルカ、カリブーといった食材がイヌイットの主食となっていきました。
この頃は、穀物など一切なしで究極の糖質制限食ですね。 (^_^)

1900年代初頭までは、この伝統的食生活が保たれていました。

1920年代に北ケベックの各地に、交易所が設置されていきました。1940年代までは、ホッキョクギツネの毛皮が主たる交易品でした。イヌイットは、ホッキョクギツネの毛皮交易で、小麦粉、砂糖、ビスケット、紅茶、ラードなどを購入しました。

小麦粉とふくらし粉とラードで、無発酵パンのバノクを作り、主食として定着しました。これが、穀物を摂取し始めた起源と考えられます。

バノクや紅茶は、スコットランド系の捕鯨者や、ハドソン湾会社の交易者がイヌイットの間に持ち込んだ習慣であり、1920年代から急速に広まったと考えられます。

1950年代半ば以降に、カナダ政府の政策もあり、北ケベックのイヌイットは、急速な社会変動と食生活の変化を経験しました。都市化、欧米化の進行です。

1993年、マッギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査によれば、イヌイットの若者は、ハンバーガー、ピザ、ポテトチップス、コーラ、ガム、チョコレートを好み、カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンク・フ-ドでした。( ̄_ ̄|||)


江部康二

参考文献
①岸上伸啓:イヌイット.中公新書.2005
②岸上伸啓:極北の民カナダ・イヌイット.弘文堂.1998

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
機能性低血糖
梵妻さん。

糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。
そのため大量のインスリンが追加分泌されます。
人によって過剰なインスリンが分泌されたら、食後4時間ぐらいで低血糖になります。

糖質制限食なら血糖値が上昇せず、インスリンの追加分泌もほとんどないので
食後4時間の低血糖も起こりません。
2009/03/13(Fri) 18:10 | URL | 江部康二 | 【編集
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