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人類の食生活3段階と血糖値②
こんにちは。今日は、昨日の続きです。

<農耕の始まりと血糖値の変化>

今までの定説では、10000年前、即ち紀元前8000年~7000年頃、現在の北シリア、ヨルダン川の辺りで原初の組織的農耕が始まったとされていました。

そのジェリコは、世界最古の町と呼ばれており、人類は初めて穀物を日常的に食べることができるようになりました。

農耕の起源について、最新の研究では、約1万4000年前に中国の長江流域で、稲作が行われていたという説があります。その成立期の代表的な遺跡として、中国北部および長江中流域の江西省万年県仙人洞遺跡があります。紀元前12000年頃の遺跡とされていて、栽培された稲が発見されたそうです。

このように、組織的農耕が始まったのは約1万年~1万4千年前ですが、世界的に広がり定着したのは、約4000年前(この数字はややアバウトです。すいません)と考えられます。

いつも人類の歴史400万年といっていますが、ゴリラやチンパンジーと分かれたのが400~500万年前ということです。その後、アウストラロピテクス属、パラントロプス属、ヒト属の3属・17種の人類が栄枯盛衰を繰り返し、結局約20万年前に東アフリカで誕生したホモ・サピエンス(現世人類)だけが現存しているわけです。

ここで大切なこと、そして本質的なことは、3属・17種の人類は、全て狩猟・採集が生業だったということです。つまり、農耕が始まる前の399万年間は、人類皆糖質制限食であり、ヒトは進化に要した時間の大部分で、採集狩猟生活をしていたということです。

従って、現世人類の行動や生理・代謝を決める遺伝子セット(DNA)は、採集狩猟の生活条件に適応するようにプログラムされていると考えるのが自然です。

「狩猟採集対農耕=399万年間対4000年間=1000対1」ですので勝負になりません。

即ち、人体は、本来穀物に依存して生きるような遺伝的システムは、持っていないということになります。このことは、糖質制限食の理論的根拠として、大きなアドバンテージですね。

さて農耕が定着し、小麦や米のデンプン(糖質)を摂取するようになると、血糖値が急峻に上昇します。糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素のなかで血糖値を急峻に上昇させるのは糖質だけです。

人類は、狩猟民から農耕民になったとき、単位面積あたりで養える人口が50~60倍に増えました。
しかし、穀物(糖質)を摂取すれば、未精製のものでも空腹時血糖値が100mgとして、食後血糖値は140mgていどまで上昇し、インスリンが大量に追加分泌されます。血糖値上昇の幅は、40mgもあります。1回のインスリンの追加分泌は、正常人では、基礎分泌レベルの数倍~10倍以上の量となります。

農耕以後の4000年間は、人類の膵臓β細胞は、それ以前に比べて毎日数倍~10倍以上働き続けなくてはならず、まるで原罪を背負ったようなものなです。血糖値の変動幅は、狩猟・採集民だったころに比べると2倍に上昇しています。

続く

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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