fc2ブログ
ケトン体と脳と低血糖
こんにちは。
今回は、『ケトン体と脳と低血糖』について考察してみます。

脳のエネルギー源はブドウ糖とケトン体です。
脳のエネルギー源はブドウ糖だけと信じてる人は、
さすがに大分減ってきたと思います。

それでは、ケトン体が十分産生できていて、
脳のエネルギー源となっている場合は、
血糖値が低下したとき(60mg/dl以下)でも、
いわゆる低血糖症状はでないのでしょうか?

答えは、「yes、低血糖症状はでない。」です。
血中総ケトン体値が3000~4000μmol/L以上のレベルであれば、
脳のエネルギー源はケトン体だけでも賄えると思われます。

私が初めて本断食(カロリーゼロ、塩分ゼロ、水摂取のみ)を3日間行ったとき、
4日目朝の空腹時血糖値は、35mg/dlでした。
1984年、34才の時のことです。

断食前は普通に糖質を摂取していましたし、初めての断食なので、
肝臓の糖新生があまり上手くできていなかったのでしょう。
またスーパー糖質制限食でも30~60g/日の糖質を摂取しますが、
断食の場合は0g/日の糖質摂取という差もあります。

糖尿病専門医研修ガイドブックには、
低血糖症の定義として、

「低血糖症状があり血糖値60mg/dl以下」

と記載されています。

35mg/dlという検査データは完全な低血糖ですが、
動悸・頻脈・頭痛などいわゆる低血糖症状はなかったので、
厳密には「低血糖症」とは言えないかもしれません。

35mg/dlというのは、普通なら意識不明で昏睡のレベルですが、
断食中は血中ケトン体(脂肪酸の代謝産物)が高値となり、
脳の主エネルギー源となっているので、大丈夫なのです。

実際、ちゃんと外来診察も行っていました。
脳はケトン体をしっかり利用するという事実を34才の本断食当時、
既に自らの人体実験で証明していたみたいです。
脳がケトン体を利用できないならば、私は血糖値35mg/dlのとき、
あの世に旅立っていたはずですね。

低血糖症の症状は、まずは低血糖によって誘発された自律神経系の
変化に基づく反応から始まります。
個人差がありますが60mg/dl~70mg/dl以下になると、
自律神経症状(アドレナリンなどの分泌による症状)が出現します。

自覚症状不安、心悸亢進、動悸
他覚所見:発汗、蒼白、低体温、頻脈、振戦、高血圧、不整脈・・・


次いで血糖値が50mg/dl以下になると、
中枢神経系の機能不全による症状が出現します。

中枢神経機能低下症状

自覚症状:頭痛、かすみ目、複視、異常知覚、嘔気、眠気、倦怠感・・・
他覚所見:錯乱、奇異行動、興奮、譫妄、傾眠、失語、麻痺、痙攣、昏睡・・・

私の血糖値は35mg/dlでしたから、
通常なら、上記の低血糖症状が出現して当たり前なのですが、
基準値よりはるかに高値の血中ケトン体が脳のエネルギー源となって、
低血糖症状から、身体を守ってくれたのです。
ケトン体、とても頼りになる良い奴ですね。

江部康二
コメント
おはようございます
先生、何となく目についた記事です↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/79745362449afbd45412856043cec7c52307baf9

ヤフーニュースであったのですが、「人はカップラーメンだけで生きていけるのか」というものです。

なかなか考えさせられました。
方丈記をもう一度きちんと読み直さねばと思い知らされます(笑)

中で、頭に引っ掛かった言葉がありました。

「あらがい」のために食べ続ける

 生命が、相反する二つのこと、分解と合成を同時に行っているのはそのためであり、このバランスを私は動的平衡と呼ぶ。つまり、生命だけがエントロピー増大の法則と戦うことができ、戦うことができるものを生命と呼ぶことができる。

 とはいえ、動的平衡による生命のこの努力も、宇宙の大原則を完全に覆すことはできない。徐々に退却を余儀なくされ、すこしずつエントロピーは増大していく。身体の酸化は進行し、変性タンパク質は沈着し、遺伝子にも少しずつ変異が蓄積していく。これが老化である。ついにはエントロピー増大の法則に打ち負かされる。死である。

 しかし、最後は負けてしまうことがわかっていても、必死にあらがっているのが生命というものなのである。それゆえにすべてのいのちはけなげで美しい。そして有限であることがいのちを輝かせている。

 私たちは、この〈あらがい〉のために食べ続けなくてはならない。そして、正しくあらがうためにこそ、正しく食べなくてはならないのである。

なるほど、です。
今日は徳島マラソンがあります。
雨なのですが、小雨で風がないなら、ランナーにとっては良でしょうね。
応援はしんどいと思いますが。
2024/03/24(Sun) 06:11 | URL | 猫 | 【編集
Re: おはようございます
猫さん

※本稿は、
福岡伸一、松田美智子『生物学者と料理研究家が考える「理想のレシピ」』(日刊現代)の一部を再編集したものです。

福岡 伸一(ふくおか・しんいち)
青山学院大学教授のお話は、含蓄に富むもので、読み応えがありますね。

2024/03/24(Sun) 08:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
スーパーサイズミー
ファーストフードを食べ続けたらどうなるのか?
それを監督自ら実践したスーパーサイズミーという
ドキュメンタリー映画があります
https://eiga.com/movie/1185/
2024/03/24(Sun) 12:51 | URL | ギムレット | 【編集
Re: スーパーサイズミー
ギムレット さん

興味深い情報をコメントして頂き、ありがとうございます。
2024/03/24(Sun) 17:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: スーパーサイズミー
ギムレット さん

スーパーサイズミー

健康体であった人が、30日間マクドナルドだけを食べ続けて、

最終検査の結果。

・体重は11kg増加し脂肪肝。
・コレステロールは65ポイント上昇。
・体脂肪率は7%上昇。
・心臓病のリスクは2倍。
・心不全のリスクも2倍。
・気分は冴えず疲労感。
・情緒不安定。
・性生活は無いに等しい。

などといった実験結果が記録さた。

その後、肝機能を8週間かけて回復。

増加した11kgの減量に14ヶ月かかった。
2024/03/25(Mon) 15:43 | URL | ドクター江部 | 【編集
反応性低血糖症と糖質制限
お世話になっております。
こちらでコメントするのは、はじめまして。です。
薬害被害で難病を患ってから様々な合併症を患っております。
わたしは反応性低血糖症と負荷試験を
宗田マタニティクリニックでは学生時代の頃からお世話になっており診断が出まして中学生時代(難病を患う前から)糖質制限を行っていました。
現在、難病の治療を行っていると
血液検査は良好なのに体調と比例しないんだよな。と医師が言うこと。
さらに必ずケトン体が+で出るのがおかしい。と言い始め、
これがどうやら身体に害を及ぼし
身体の不調(頭痛やめまい、倦怠感、身体の痛み、吐き気)に繋がっていると言うようになりました。
わたしはケトン体は出したくて出しているもの=良い物。と宗田医師と関わるようになってからは思っていなかったので、そのようなケトン体への指摘をされるとは思われず。
現在、一気に反動させないようにと主治医(神経内科兼糖尿病専門)の医師が、
セイブルなどを処方しており、
糖質を摂取せざる得ない場合、スーグラを頓服としています。
が、それらをLDLが高くて心配。と言われ内科にかかることになり、注射と薬を併用してLDLを下げることになりました。(当時600〜700)現在28歳で、
難病を患ってからこのような数値になりました。
が家族性でもありませんでした。
今は薬のみで100もないくらいで落ち着いておりますが、注射を打たなければここまで下がらないという値だったようです。その内科の医師が内科兼糖尿病の医師でもあるらしく、
そのような指摘を主治医にしているそうで困っている限りです。
わたしとしては波が大きくなればなるほどベッドから動けなくなるほど体調も悪くなります。
さらに脳脊髄液減少症もありますので尚更です。
ケトン体+は人体にとって、何か場合によっては悪さをするのでしょうか?


p.s
昨年度より、母が大のパン好きなのですが糖尿病予備軍、その他高血圧、緑内障などとなり病院へ絶対行かない!と言う母も通院するようになりました。
ですが母はふすまは苦くて苦手。
大豆粉は油揚げを食べているみたい。だと。
とにかく小麦粉のパンではないし、
美味しいパンが食べたい。
まずいパンは食べられないし、まずいパンを食べるくらいなら食べない方がマシ。と言っており、
家族にも心配をされ、パンを買おうとするとなかなか買わせてもらえず
常備していたパンは、ほとんど常備がなくなりました。
そのせいか食の楽しみが失われたかのように感じ受けられます。
母の通院している病院はクリニックですが、
当然ながらカロリー計算によるもので、
母はちょうど還暦を迎えましたので
1300〜1400Kcalが1日の摂取量です。
食パンであれば8枚切りをバターなしで。
ロールパンなら2コまで。と決まって食事療法指導もあり、
一応パンも食べられるようですが
バターなしなんて無理でしょう。
とか、ジャムもダメで間食に桃1コ等と例で記載があったりと。
かなりの果糖摂ることになるなら、間食なしで無糖ジャム少量の方が余程良いんじゃ?と思ったり。
なんて話したりもしています。
ただ、そんな時にだったらふすまパン食べなよ!とか、この大豆粉パンなら美味しいし癖ないよ!と様々提案もしてきましたが、やはりまずい。
普通のパンではない。(小麦粉が混ざっているものでも)
と言われてしまうのです。
そこで数日前に高いから買わないだけ。と言っていた全粒粉食パンを試してみました。
食べられると言っていましたが、やはり苦い、美味しくない、ダメと言われました。
ですがわたしが以前全粒粉パンを作った際や小麦ふすまパンミックスを数%入れたものを作った際は、美味しい。と言い、全て完食してくれました。
このように母の好みの小麦粉(食感、歯触りなどを色々聞いた上で厳選したりブレンドして良いものができたという観点もあるのかもしれませんが)
やはり出来たて。には勝てない。とワードが浮かび上がりました。(惣菜パンを作った際は飛ぶようにおつまみともなり、その日になくなり驚きました。)
そこで、お母さんでも食べられる美味しいパンを作って世に出して欲しい。
と言われたのが最大のきっかけで
毎日寝たきりで点滴をして、ご飯を食べて点滴をして寝て、通院、入退院をして。
こんな生活を薬害被害にあってからはもう10年以上続けており夢も何もかも失いかけていた最中、
また夢を追い続けてみようと思えた瞬間でした。
そこからは点滴を朝一からスタートし、点滴終了後調子のよい時は研究試作に時間を充てるようにしました。
一気に動き、一気に頭を回転させようとすると病気の関係で難しく人の何倍もの時間をかけてまずはシュミレーションはしてキッチンに立つのに結局配合だけでも何時間とかかっていることもあります。
それでこれまで研究重ねた結果、
ようやく味も美味しく大豆粉臭も気にならなく、ふすま感も全くない
もちもちのパンが作れるようになりました。
が、小麦のようなふわふわもちもちの食感を出そうとすると
もちもち加減は調整できますが、もちもちし過ぎてしまったり、
逆にべちゃべちゃになってしまったりと(わたしは食パンはクラムが好きなため、それならしっとりよりもややパサっとしっているくらいかハードな方が好みなので加水を控えめにしたりもしますが、逆に控えすぎてもちもち感さえなくなったり発酵さえも疎かになったりと…。)
何度も味は良いのに。というパンも出来たりしていました。
そんな中で大豆粉もふすまも使わないパンってどんな味?どんな食感?風味?
ずっと気になっておりました。
そこでABSさまと連絡を取り合い、早速試作研究をするために1ケース10kgをご契約させていただきました。
その前に一度試作をさせていただきましたが、ふすまパンミックスなどのように膨らまない。
1/2くらいまでにしか膨らまない。味は美味しいけど。
小麦の味に近いパン。
などさまざまな意見を拝見してきましたが、さまざまな低糖質パンを昔から作ってきて、今回再び再開し研究を重ねている関係もあってか、
物凄く膨らんでくれ、感動させられました。
が、水分を水のみにしたからか、小麦グルテンの香りがかなり強く感じ後味もかなり強く感じられました。
わたしが自身で研究した大豆粉ふすまパンは血糖値も上がらず、むしろ下がります。
でも江部医師の京都江部粉を用い、アレンジをほとんど加えない食パンを試し30gほど(ミニ食パン)にして召し上がりましたが、血糖値は上がらず、むしろ下がりました。し、こちらの方がより良いデータでした。
その為、
より美味しいパンを作るために
わたしの作る大豆粉パンと京都江部粉を合わせて試作をしてみて、膨らむかどうか(発酵)、美味しさ、癖のなさ、血糖値の上昇などを見てみようかとも思っています。
個人的には乳糖不耐症の方もおられるため、あまり牛乳などは使いたくない、全粉乳は使用されておりますので
それだけにとどめて余計な血糖値上昇に当たるものも避けたく思っています。
ただし、全粉乳をもう少し入れるか入れないかは微量で入れることによりパンの味わいに近づく場合、検討する予定です。
とにかく、驚いたのは食感、弾力です。
1番小麦のふわふわ、もちもち食感に近いパンが出来上がります。
試作期間などはある程度決めており、
関東でのまずはECショップでの販売。
それからパン教室開講も検討しており、
ふすまや大豆粉に苦手意識のある方、
健康志向な方、パンが好きな方、
糖尿病関連や何らかの病気を患っており食事制限を必要とする方に
おいしい。
そして毎日食べたい、食べたいと思える=主食となるパンを
作りたいと思い、日々健闘しています。
それにはパンが作れない、作る時間がないという方には販売も可能ですし、
中には自宅で作ってみたい。
焼き立てパンを食べたい。という方もいらっしゃるかと思います。
関東では京都江部粉を用いたパン屋さん、飲食店はわたしが知る限りではなく、
関東での初出店と共に、パン教室(菓子などにもかなり使えそうですので
ある程度パンが完成しましたら洋菓子などの試作に移る予定です。)
菓子作りは小学生時代〜はじめ中学生時代で本格的にはじめ高校時代にホームベーカリーを譲り受けたのをきっかけにパンは独学で始めました。その時点では既に糖質制限モードでしたので、初回から低糖質パン作りをしていました。
なのでいつかは宗田医師、江部医師にご試食いただき血糖値測定、味、美味しさ、風味、食感なども見てもらいつつ改善点がありましたら改善し、
また提出。なければ早速販売開始(今年中を目標)としておりますので
その際はどうかご協力宜しくお願い致します。
ところで、江部医師がこんなパンがあったら…。こんなスイーツがあったら…。
または好きなものなどはございますか?
ご参考にさせていただきたいです😌🍀
2024/03/28(Thu) 17:48 | URL | りえ | 【編集
Re: 反応性低血糖症と糖質制限
りえ さん

スーパー糖質制限食は、ケトン体産生食です。
ケトン体は、「脳」「心臓」「腎臓」の保護作用を有しています。

米国糖尿病学会は、2019年4月の<コンセンサス・リコメンデーション>において
「糖質制限食は最も研究されている食事療法の1つである」と明言して、
一推しで推奨しています。
2020年、2021年、2022年、2023年、2024年のガイドラインでも同様の見解です。

なお、私は、パンやスイーツが無くても気にしません。
日常的には、パンやスイーツは、ほとんど食べません。
患者さんから「糖質制限パン」や「糖質制限スイーツ」を頂いたときだけ食べます。

2024/03/29(Fri) 08:36 | URL | ドクター江部 | 【編集
ご連絡ありがとうございます。
ご返信ありがとうございます。
気にせず、今後ともスーパー糖質制限をしていきたいと思います。
が、おさらいとしてですが
夜現在1食です。
スーパー糖質制限の場合は糖質を何gに抑えれば良いのでしょうか?
また例えばその糖質内に抑えれば
何を食べても良いのでしょうか?
それともできる限り、無糖のもの。(肉類など)にしないといけないのでしょうか?

最近はパンの試作、試食があるため気になりました。
もちろん糖質=ではなく、血糖値は上がらずむしろ下げてくれる糖質制限パンが作成できるようになり味も個人的には満足しています。
毎日食べたくなる味でして、
食感が安定がしなく、京都江部粉を初めて使用したところ
物凄い餅のような食感。
食パンに1番近いふわふわ、もちもちの食感でありましたので、上手いことそのオリジナルのいいとこどりをしたら
理想のパンが!と思い、二斤目を先日焼こうと思いましたが生地がドロドロになってしまい、粉を足して、足してみましたが全然まとまらず…。
無駄にしてしまいました。(そのような時のアレンジも考えられるようにしたいですね!)
なのでまだまだ試作研究は続きそうですが、辛い闘病生活も楽しみが増えました。
感謝申し上げます。
10kg契約京都江部粉を契約させていただきましたので存分にしばらくは試作研究ができそうです。
よいものがもしできた時には一度、是非御賞味いただければと思います。
お墨付きをいただけるまで全力を尽くさせていただきます。
またご報告させていただきます。
2024/04/01(Mon) 15:26 | URL | りえ | 【編集
Re: ご連絡ありがとうございます。
りえ さん

スーパー糖質制限食は、1回の食事の糖質量を20g以下とします。
私は昼と夕の1日2食ですが、1回の食事の糖質量は10gくらいです。

1日1食なら、しっかり動物性蛋白質、動物性脂肪を摂取して
筋肉量を維持し、痩せないようにしましょう。
2024/04/01(Mon) 16:38 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可