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糖尿病と合併症② 
こんばんは、江部康二です。夜の診察を終えてこのブログを書いております。

今回は、細小血管障害がベースの糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害のお話です。わかりやすくと心掛けてますが、もし解りにくい箇所があればご容赦ください。

とりあえず大切なことは、「早期に合併症を発見して進行をくい止める」ことに尽きると思います。

1 糖尿病性網膜症
長期間持続する高血糖により、網膜の細小血管が傷害されて、「出血、白斑、網膜浮腫」などの初期病変が発症します。進行すると網膜剥離や硝子体出血を起こして視力障害に陥ります。

糖尿病と気がつかずに、いきなり視力障害で眼科に受診し糖尿病を発見される人もいます。こうなる前に定期的な血糖値の検診(特に食後2時間の血糖値チェック)をして早期発見に努めたいものです。網膜の初期病変の段階で発見されても、糖尿病のコントロールをよくすることで進行を止めることも可能です。

糖尿病の人は、定期的な眼科チェックが必須ですが、あるていど進行した網膜症は、失明予防のため光凝固療法を行うことになります。

現在、年間約3000人の方が糖尿病網膜症により失明し、疾患別では第1位ですので、ゆめゆめ油断は禁物です。。

2 糖尿病腎症
高血糖が持続すると、腎糸球体の細小血管に網膜で生じたのと類似した血管の障害が起こります。その結果糸球体の構造が破壊され、機能障害が生じていきます。

腎症の一番初期の段階は、尿中微量アルブミンの増加としてとらえられます。3ヶ月に1回ていど尿中微量アルブミンを検査すれば、一般的に測定されている尿タンパクが出現する以前の段階で、早期腎症を発見することができます。健康保険可の検査です。

蛋白尿が出始めたら、顕性腎症の段階に入ります。この段階では血液の腎機能検査は正常ですが、血液検査で、血清シスタチンC、クレアチニン、BUNなどに異常が出現すれば腎不全気となります。

さらに進行すれば、人工透析が必要となります。現在、年間約1万人の方が糖尿病腎症により人工透析を導入していますが、慢性腎炎を抜いて疾患別では1位となっています。

できれば微量アルブミンの早期腎症の段階で発見し、進行をくいとめたいものです。

3 糖尿病神経障害
高血糖による代謝障害因子と細小血管障害因子が複雑に関与して、糖尿病神経障害が出現します。神経障害は高血糖の持続により悪化します。

代謝異常の比較的早期の段階で、自覚症状として、筋肉痛、こむら返り、しびれ、異常感覚などがあります。代謝異常が持続していくと、腱反射の低下、神経伝導速度の低下など検査データの異常がでてきます。

さらに進行すると、神経の変性など器質的な不可逆性の神経障害が生じます。

①多発性神経障害
 臨床上問題になるのは、四肢末端の左右対称性の疼痛(穿刺痛、電撃痛など)、異常感覚(じんじん、ぴりぴり、灼熱感など)を特徴とする、有通性神経障害です。
 痛みのため眠りが妨げられることもあります。
②自律神経異常
 低血糖、起立性低血圧、心筋虚血、胃無力症・便通異常、膀胱障害などがあります。
③勃起障害(ED)
糖尿病神経障害により腸骨~陰部動脈の血管拡張不全が生じ、EDとなります。
④単一神経障害
 栄養血管の閉塞により脳神経麻痺が生じることがありますが、幸い95%以上が3ヶ月以内に自然に治ります。外眼筋麻痺(動眼神経、滑車神経、外転神経)、顔面神経麻痺などがあります。

<合併症篇、続く>
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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