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糖質制限食とコレステロール値。


【24/02/20 倉田
肉中心の糖質制限食とコレステロール
江部先生、いつもお世話になっています。

スーパー糖質制限は、タンパク質・脂質無制限食とされていますが、
肉や卵を無制限に食べた場合も、コレステロールに影響はないのでしょうか。
近所の内科医は、コレステロールが高い場合、肉や卵を控えて、
魚と野菜をしっかり食べるようにと言っています。

私は、江部先生が説明されている縄文時代の肉を中心とした食事については
理解していますが、それでも、コレステロールとの関係はどうなのか、
コレステロール値を下げるには、肉より魚のほうが良いのか、
という点がよく分かりません。その点は、どうなのでしょうか。

また、その点がどうであれ、私が特にお尋ねしたいのは、
LDLの基準値は140mg未満とされていますが、
140mg以上であった場合は、薬で下げたほうが良いのかどうかということです。】



こんにちは。
倉田さんから、「糖質制限食とコレステロール値」について
コメント・質問を頂きました。

Ⅰ 米国糖尿病学会の見解
米国糖尿病学会は、2019年4月「コンセンサス・リコメンデーション」において
「糖質制限食(超低炭水化物食も含めて)は最も研究されている食事療法の一つである」
と明言して、一推しで推奨しました。
2020年、2021年、2022年、2023年のガイドラインでも同様の見解です。
米国糖尿病学会の見解ですから、エビデンスに基づいています。
急性心筋梗塞は、日本で年間約8万人、米国では約100万人が発症しています。
一般に、LDLコレステロール値が高値だと心筋梗塞のリスクとされていますが、
心筋梗塞が日本よりはるかに多い米国で、糖尿病学会が糖質制限食を一推しで推奨ですので、
「糖質制限食とLDLコレステロール値」に関しては、心配ないと思います。


Ⅱ 江部康二のコレステロール値
52歳から74歳現在まで、22年間スーパー糖質制限食を実践中の私のデータです。
コレステロール値は、2023年6月で
TC:176mg/dl
LDL-C:89mg/dl
HDL-C:74mg/dl
TG:65mg/dl



Ⅲ 肉 or 魚
「私は、江部先生が説明されている縄文時代の肉を中心とした食事については
理解していますが、それでも、コレステロールとの関係はどうなのか、
コレステロール値を下げるには、肉より魚のほうが良いのか、
という点がよく分かりません。その点は、どうなのでしょうか。」


日本列島にヒトが居住し始めたのは、38000年前の旧石器時代からです。
旧石器時代は22000間と長期にわたり続いて、そのまま縄文時代に移行しました。
旧石器時代は「ウルム氷期」という大変寒い時期で、針葉樹しかありませんでした。
当時は漁労の技術も未発達だったので、基本、肉ばかり食べていました。
ナウマン象、ヘラシカ、オオツノシカ、イノシシ・・・などです。
北海道ではマンモスも食べていたと思われます。
植物食としては、自然薯、松ぼっくり、コケモモくらいしかありませんでした。
日本人の身体は、22000年間、肉ばかり食べて形成されており、
肉に特化して適合していると考えられますので、肉食中心で問題ないと考えられます。
勿論、現代人は魚も食べて良いと思います。
江部康二の上述の検査データは、肉と魚が半々で野菜も食べてのものです。


Ⅳ LDLコレステロールが140mg/dl以上は内服薬は?
「また、その点がどうであれ、私が特にお尋ねしたいのは、
LDLの基準値は140mg未満とされていますが、
140mg以上であった場合は、薬で下げたほうが良いのかどうかということです。」


空腹時の採血で、
HDL-Cが60mg/dl以上、
TGが60~80mg/dl以下、

なら、悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cはほとんどないので安心です。
LDL-Cが140mg/dl以上の高値でも標準の大きさの善玉なので問題ないです。(☆)


①標準の大きさのLDLコレステロール:
 肝臓から末梢組織にコレステロールという細胞膜の原料を運ぶ善玉。
②小粒子LDLコレステロール:
 コレステロール輸送という本来の仕事をほとんどせずに、血管壁の傷などに入り込んで
 活性酸素に触れ、酸化して酸化LDLコレステロールになりやすいので危険。
③酸化LDLコレステロール:
 異物であり血管壁にこびりついて動脈硬化の元凶となる真の悪玉。

つまり、危険なのは②と③であり、
①はなくてはならない大切なものなのです。


(☆)http://promea2014.com/blog/?p=1101
ドクターシミズのひとりごと
に掲載してある、図を見て頂ければ上記が確認できます。
(図はAtherogenic lipoprotein phenotype. A proposed genetic marker for coronary heart disease risk.M A Austin, M C King, K M Vranizan and R M Krauss Circulation. 1990;82:495-506より抜粋)

清水先生、ありがとうございます。


江部康二

コメント
江部先生のブログでコレステロールについてはこれが最新の記事なので、ここにコメントします。
国内でのコレステロールに対する理解の遅れは、悔やまれますね。
遅れがなければ紅麹がサプリとして出回ることはなかったかもしれません。
紅麹コレステヘルプのパッケージには未だに「悪玉コレステロール」との表現が使われていました。
2024/03/27(Wed) 07:15 | URL |  | 【編集
Re: タイトルなし

紅麹コレステヘルプのパッケージには未だに「悪玉コレステロール」との表現が使われていました。

なるほどです。
2024/03/27(Wed) 11:03 | URL | ドクター江部 | 【編集
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