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スーパー糖質制限食とスポーツとスタミナ。
こんばんは。
高雄病院栄養科で入院給食で提供しているスーパー糖質制限食だと、
1回の食事の糖質量が10~20g以下で、
1日3食で、30g~60g以下の糖質摂取です。
『ケトジェニックダイエット』 であり、
三食を平均すると糖質摂取比率は12%くらいです。

私の場合は、朝は<コーヒー+生クリーム>で
昼夕の1日2食ですので、一回10g、1日に20gくらいの糖質摂取量で、
糖質摂取比率は、4~5%くらいです。

私の血中ケトン体は、660~1590μM/L(26~122μM/L)レベルであり
「ケトン体質」になっています。

私は、73歳ですが、
テニスの試合中でも、速歩中でも、まったく息切れはしませんし、
スタミナも充分です。
同年配のテニス仲間は、たいてい、試合中に息切れしていますし、
2試合くらいすると動きが重くなります。

月、火、水、木、金、土と仕事なので、日曜日しかテニスに行けません。
1日2食ですが、 日曜日だけは、朝8時頃、最初の食事をします。
車で30分かけて、テニスクラブに到着して、午前11時から100分くらい練習です。
その後、13時くらいから、ダブルスの試合を3~4試合します。
練習が終わったあと帰る方々は、このあと試合をしますというと、
「すごいスタミナですね!」とびっくりされます。

私の場合、
筋肉のほとんどのエネルギー源は<ケトン体-脂肪酸>システムであり、
<ブドウ糖-グリコーゲン>システムはほとんど利用していないと思います。
それで、スタミナが充分なのだと考えられます。

ともあれ、スポーツをしている人にとって、
スーパー糖質制限食で、運動時のスタミナは大丈夫か?
といった疑問が湧いてくると思いますが、
結論は、『大丈夫』なのです。 (^^)    


参考になる文献として

「オフロードサイクリストにおける運動代謝と身体能力へのケトン食の影響」

という題のポーランドの研究があります。(*)

以下、この研究の要約と結果を、かなりアバウトに意訳してみました。

面倒なところは一部省いていますが、大意は合っていると思います。

<要約>
本研究の主な目的は、オフロードサイクリストの好気的パフォーマンスと運動代謝においての、
長期的ケトン食の効果を決定することであった。

被験者はトレーニング経験が5年間以上のオフロードサイクリングのアスリート。

8人の男性被験者、年齢は28.3±3.9歳

クロスオーバーで、ケトン食と混合食を一ヶ月ずつ。

それぞれ同じトレーニング負荷。

ケトン食:P:C:F=15:15:70
混合食:P:C:F=20:50:30

様々な強度でサイクロエルゴメーターで連続的な運動手順で検査を行った。

ケトン食は、体重、体組成、脂質及びリポタンパク質プロファイルにいおいて
好ましい変化があった。

最大酸素摂取量と乳酸閾値と呼吸交換率(RER)は、
安静時および運動の最初の3つの段階(10分、45分、90分・・・低~中程度の強度)においては、
ケトン食が優位であった。

最後のマックス強度の運動の時は、ケトン食の優位は逆転した。

<結果>
有酸素持続的なアスリートにおいては、ケトン食は好ましい可能性がある。

高容量で、低から中等度の強度のトレーニング負荷のトレーニング過程においては、
ケトン食は優位である可能性がある。
筋肉のダメージも少ない。

しかし最高強度の運動においては、
ケトン食は筋肉中のグリコーゲン貯蔵が少なく解糖酵素の能力が低下するので運動能力を低下させる。

*ケトン食は脂肪酸代謝を活性化させ、インスリンレベルとブドウ糖利用を減少させる。
 


自転車のアスリート8名の研究で、ケトン食を摂取した1ヶ月と混合食を摂取した1ヶ月で、
それぞれデータをとって、比較した研究です。

結論は、有酸素運動(この研究では自転車競技)において、
低強度~中等度の強度トレーニングなら、ケトン食は混合食(普通食)より優位であるけれど、
最高強度のトレーニングでは、優位は逆転するということです。

これは、中程度の強度のトレーニングなら、ケトン食で脂肪酸代謝が活性化しているので、
それをエネルギー源として筋肉は混合食(普通食)の時より効率的に活動できるということです。

この結論は、私の印象とも一致しています。


このことを考慮すると、有酸素運動が主のマラソンやトレイルランなどでは、
ケトン食を実践していると、筋肉はしっかり「脂肪酸-ケトン体」を主たるエネルギー源として使って、
中等度の強度の運動で走り続けて、
ラストスパートだけは、「グリコーゲン-ブドウ糖」をエネルギーに使って
無酸素運動で最高強度の運動で終了というパターンが可能です。

この研究のケトン食は、糖質15%ですから、高雄病院のスーパー糖質制限食の12%と似たようなものです。

そうすると、長距離ランナーなどでいつも通りのトレーニングでスーパー糖質制限食を実践していると、
筋肉は「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」を使いやすくなります。

そして中程度の強度の走行では、脂肪酸-ケトン体を利用して
ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムを節約しておいて、
ラストスパートで最後に効率的にそれを使うということが可能となります。

また、テニス、サッカー、野球、バレーボール、卓球、スキーなど、
市民スポーツではスーパー糖質制限食のほうがスタミナが充分でよいパフォーマンスが出せると思います。

(*)
http://www.mdpi.com/2072-6643/6/7/2493#tabs-5
Nutrients 2014, 6, 2493-2508; doi:10.3390/nu6072493
The Effects of a Ketogenic Diet on Exercise Metabolism and
Physical Performance in Off-Road Cyclists
Adam Zajac 1
Stanisław Poprzecki 2
Adam Maszczyk 1,*, Miłosz Czuba 1
Małgorzata Michalczyk 3
 and Grzegorz Zydek 3



江部康二



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