2023年10月18日 (水)
こんにちは。
1999年に高雄病院で、糖尿病入院患者さんに
糖質制限給食の供給が開始されました。
第二次世界大戦終了以降では、日本で初めてのことです。
その経験をもとに、2005年1月、やはり日本で初めての糖質制限食の本、
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』糖質制限食のすすめ(東洋経済新報社)を上梓しました。
2006年、荒木裕医師が、「断糖宣言!」(エディットハウス)、
2007年、釜池豊秋医師が、
「医者に頼らない! 糖尿病の新常識・糖質ゼロの食事術」(実業之日本社)
を刊行されましたが、ここまでが、糖質制限食草創期の本と言えると思います。
その後、糖質制限食が徐々に広がっていきましたが、
2010年代になると、様々な医師が「糖質制限食」関連の本を
数多く出版するようになりました。
糖質制限食の日本における発展という意味では、望ましいことと言えますが、
各医師の推奨する「糖質制限食」のスタンスが一定異なっていることもあり、
糖質制限食を実践している方々に少々とまどいが見受けられるようです。
今回は、そこらあたりを整理してみたいと思います。
まず、糖質制限食は、美味しく楽しく末長く続けることが大切です。
毎日、朝昼夕と糖質(主食)を食べている場合に比べれば、
1/週とか1/月とかの糖質摂取なら、おおいにましです。
糖尿人であれば、そういうとき、可能なら、グリニド系薬かα-GI薬、
或いはその両者を食直前30秒に内服して
食後高血糖をできるだけ抑えるようにすればいいですね。
私は多数の糖尿人を診察していますが、
きっちりスーパー糖質制限食を実践されて、
血液検査データ全て正常で、薬なし、合併症なしの方も、おられます。
私自身も2002年以来、焼酎やハイボールを飲んで、
肉類や魚貝類をいろいろ食べて、
卵にチーズに豆腐に野菜・海藻・茸を食べて、
糖質制限ピザ、糖質制限ケーキ、糖質制限チョコ・・・を食べて、
2023年10月現在まで、
美味しく楽しく、そしてきっちり長くスーパー糖質制限食を続けています。
勿論、内服薬なしで合併症もなしです。
2007年には業界で初めて“糖質ゼロ”を実現した発泡酒『アサヒスタイルフリー<生>』が発売されました。
2020年10月にキリンが新発売した
「一番搾り 糖質ゼロ」は機能系ビールの先駆けでした。
その後、アサヒやサントリーからも糖質ゼロビールが発売されました。
左党(お酒飲のみ)にとっては、嬉しいことでしたね。
私は全くつらくないので、
今後も末長く糖質制限食を続けることができると思います。
しかしながら、人はなかなか弱いものです。
「わかっちゃいるけど、やめられない」人もまた結構おられます。
私の患者さんでも、どうしても糖質がやめられない人もおられます。
私は糖質制限食の先達の医師として、糖尿病患者さんに、
最良の糖尿病食事療法である糖質制限食を説明して、
糖尿病のコントロールの仕方を指導するのがお仕事です。
糖尿病合併症の話もして、
それを防ぐことができるのは糖質制限食だけであることも説明します。
それを患者さんが受け止めて理解してどう実践するかは、
患者さん自身の仕事であり、私の仕事ではありません。
ですから、私は決して押しつけることはありません。
高雄病院方式の糖質制限食には3パターンがあります。
もちろん
1)スーパー糖質制限食(3食主食なし)
2)スタンダード糖質制限食(2食主食なし)
3)プチ糖質制限食(1食主食なし)
のなかで、
1)が一番効果があることは明らかですのでそれを薦めます。
しかし患者さんによっては、1)ができない人もいます。
そのようなときは、2)でも3)でもいいです。
スーパー糖質制限食では、1回の食事の糖質量は20g以下が目安です。
間食は、1日に1~2回で、1回の糖質量は5g以下が目安です。
糖質制限食は、やらないよりやった方が、例えどのタイプであれ、
糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)よりは、はるかにましなのです。
私は、ぬるいかもしれませんが、そういうスタンスの医師です。
皆さんが、糖質セイゲニストで優秀な患者さんだったら
糖質制限な医師はとても楽なのですが、現実はそうはいきません。
また、話のしやすい対等感覚の医師もいれば、
残念ながら上から目線の相談しにくい医師もいるのが現実です。
私に関しては、対等感覚の医師を目指しているので、
このブログへのコメント・質問も糖質制限食に関することなら、
初歩的なことも含めて大丈夫、OKです。
反復して似たような質問があっても、
またそれがブログ読者の皆さんの復習になるし新たな勉強にもなります。
糖質制限食に関する知識をインターネットで世界中で共有できて・・・。
それが、私自身の貢献感にもなりますので・・・
さて、日本で実践されている糖質制限食には
A)高雄病院のスーパー糖質制限食(1回の食事の糖質量20g以下)
B)山田悟先生の緩い糖質制限食(1回の食事の糖質量30~40g)
最近は(1回の食事の糖質量20~40gで3食食べ、それとは別に間食を1日あたり10g)
C)釜池豊秋先生の糖質ゼロ食(1日1食で、夕食、糖質は5g以下)
α)荒木裕先生の断糖食
β)渡辺信幸先生のMEC食
などがあり、1回の糖質摂取量設定に違いがあります。
それでは、各糖質制限食のスタンスはどう違うのでしょうか?
まず、A)B)C)について検討してみます。
1)継続し易さと普及に関する配慮
継続し易さ、普及という面からは、普通に考えてB)が一番楽です。
A)はそれに、次いで楽ですし、当初から「スーパー」「スタンダード」「プチ」といったラインナップが設定されていて、
最近は「緩やかな」という選択肢もあるので、
継続し易さと普及ということを重視しているわけです。
C)は、ベストと思う食事療法をストイックに実践するという求道者のスタンスであり、
継続し易さや普及ということは、優先順位としては全く考慮されていません。
つまりC)はやりたい人やれる人が実践すればよいのであって、
やりやすくするというスタンスは皆無です。
従って、A)B)の立場の糖質セイゲニストとC)の立場の求道者とは、
いくら話し合っても折り合いがつくことは不可能ですので、
私も無駄な努力をするつもりはありません。
2)食後高血糖改善効果
食後高血糖改善効果はC)が一番高いです。
A)がその次でB)はかなり劣ります。
C)なら、食後高血糖はほとんどありません。
A)は、臨床的に合併症予防ができるレベル、
食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満達成を
目指していて、ほとんどの場合それが可能です。
B)は食後1時間血糖値180mg/dl未満、
食後2時間血糖値140mg/dl未満を達成することは、
困難な糖尿人が多いと思いますが、従来の糖尿病食(高糖質食)よりはましです。
3)追加分泌インスリン
C)は耐糖能正常型の人でも、インスリン追加分泌はごくごく少量です。
A)は耐糖能正常型の人の場合でもインスリン追加分泌は2~3倍レベルですみます。
B)は耐糖能正常型なら、追加分泌インスリンは10倍~20倍レベルでます。
インスリンは人体に絶対必要であり、基礎分泌インスリンがなければヒトは死にます。
しかし、インスリンには発ガンリスクやアルツハイマー病のリスクがあるので、
少量ですむにこしたことはないのです。
従って、B)の場合は、野放しの高糖質食に比べればましですが、
インスリン過剰のリスクがあるていどあることになります。
A)の場合は、人類700万年間の狩猟・採集時代に、
野生の果物、ナッツ類、根茎類を食べたレベルと同程度の追加分泌インスリンなので
許容範囲と思います。
4)問題点
B)は、インスリン分泌が多いこと以外にも、
食後高血糖と平均血糖変動幅増大という酸化ストレスリスクに関しては、
効果が弱いので問題と言えます。
C)は、始めにくいこと、継続しにくいこと、普及しにくいことが問題点です。
5)考察
A)の場合、C)よりは治療効果は若干劣りますが、
殆どの糖尿人において、合併症予防という観点からは、問題ないと思われます。
体重減少効果も同様であり、「継続し易さ」「普及」「治療効果」において
バランスのとれた食事療法と言えます。
B)は、「継続し易さ」「普及」は優れていますが、肝腎の治療効果が劣ることと、
食後高血糖と平均血糖変動幅増大という問題点を抱えています。
C)は、始めにくいこと・継続しにくいこと・普及しにくいことという弱点がありますが、
治療効果は抜群ですので、ビタミンCの摂取(野菜から摂取)に留意して、
個人的にやれる人はやればいいと思います。
結論として、自画自賛になりますが、
高雄病院のスーパー糖質制限食が一番バランスがいいのかなと思います。(^^)
一方、山田悟先生の緩い糖質制限食や釜池豊秋先生の糖質ゼロ食も、
役割分担という視点に立てば、対立するというよりも、
一人一人の嗜好やニーズに応じて、相補的なものと思います。
A)B)C)の3者ともに、
日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食(高糖質食)に比べれば
治療効果ははるかに高いのですから。
6) α)とβ)について
α)の荒木式は、ほぼスーパー糖質制限食に近いと思います。
ただ、ビールに関して、麦芽とホップだけの本物のビールは
呑んでもよいとされていますが、糖質含有量は、
米・コーン・スターチが含まれている普通のビールと同じだけあるので、
勿論NG食品です。
β)のMEC食も、基本的にはスーパー糖質制限食に近いと思います。
一日に摂るべき食品はM(お肉)・E(卵)・C(チーズ)の三点で、
これらをしっかり食べて、
その上でさらに食べたいと思ったら他の食品(糖質を含む)も
適度にOKということです。
あとは、一口、30回は噛んで食べようということです。
ビタミンCと食物繊維の摂取に注意すれば、MEC食もOKと思います。
ただ糖質を多く摂取すれば当然食後高血糖となるので、注意が必要です。
江部康二
1999年に高雄病院で、糖尿病入院患者さんに
糖質制限給食の供給が開始されました。
第二次世界大戦終了以降では、日本で初めてのことです。
その経験をもとに、2005年1月、やはり日本で初めての糖質制限食の本、
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』糖質制限食のすすめ(東洋経済新報社)を上梓しました。
2006年、荒木裕医師が、「断糖宣言!」(エディットハウス)、
2007年、釜池豊秋医師が、
「医者に頼らない! 糖尿病の新常識・糖質ゼロの食事術」(実業之日本社)
を刊行されましたが、ここまでが、糖質制限食草創期の本と言えると思います。
その後、糖質制限食が徐々に広がっていきましたが、
2010年代になると、様々な医師が「糖質制限食」関連の本を
数多く出版するようになりました。
糖質制限食の日本における発展という意味では、望ましいことと言えますが、
各医師の推奨する「糖質制限食」のスタンスが一定異なっていることもあり、
糖質制限食を実践している方々に少々とまどいが見受けられるようです。
今回は、そこらあたりを整理してみたいと思います。
まず、糖質制限食は、美味しく楽しく末長く続けることが大切です。
毎日、朝昼夕と糖質(主食)を食べている場合に比べれば、
1/週とか1/月とかの糖質摂取なら、おおいにましです。
糖尿人であれば、そういうとき、可能なら、グリニド系薬かα-GI薬、
或いはその両者を食直前30秒に内服して
食後高血糖をできるだけ抑えるようにすればいいですね。
私は多数の糖尿人を診察していますが、
きっちりスーパー糖質制限食を実践されて、
血液検査データ全て正常で、薬なし、合併症なしの方も、おられます。
私自身も2002年以来、焼酎やハイボールを飲んで、
肉類や魚貝類をいろいろ食べて、
卵にチーズに豆腐に野菜・海藻・茸を食べて、
糖質制限ピザ、糖質制限ケーキ、糖質制限チョコ・・・を食べて、
2023年10月現在まで、
美味しく楽しく、そしてきっちり長くスーパー糖質制限食を続けています。
勿論、内服薬なしで合併症もなしです。
2007年には業界で初めて“糖質ゼロ”を実現した発泡酒『アサヒスタイルフリー<生>』が発売されました。
2020年10月にキリンが新発売した
「一番搾り 糖質ゼロ」は機能系ビールの先駆けでした。
その後、アサヒやサントリーからも糖質ゼロビールが発売されました。
左党(お酒飲のみ)にとっては、嬉しいことでしたね。
私は全くつらくないので、
今後も末長く糖質制限食を続けることができると思います。
しかしながら、人はなかなか弱いものです。
「わかっちゃいるけど、やめられない」人もまた結構おられます。
私の患者さんでも、どうしても糖質がやめられない人もおられます。
私は糖質制限食の先達の医師として、糖尿病患者さんに、
最良の糖尿病食事療法である糖質制限食を説明して、
糖尿病のコントロールの仕方を指導するのがお仕事です。
糖尿病合併症の話もして、
それを防ぐことができるのは糖質制限食だけであることも説明します。
それを患者さんが受け止めて理解してどう実践するかは、
患者さん自身の仕事であり、私の仕事ではありません。
ですから、私は決して押しつけることはありません。
高雄病院方式の糖質制限食には3パターンがあります。
もちろん
1)スーパー糖質制限食(3食主食なし)
2)スタンダード糖質制限食(2食主食なし)
3)プチ糖質制限食(1食主食なし)
のなかで、
1)が一番効果があることは明らかですのでそれを薦めます。
しかし患者さんによっては、1)ができない人もいます。
そのようなときは、2)でも3)でもいいです。
スーパー糖質制限食では、1回の食事の糖質量は20g以下が目安です。
間食は、1日に1~2回で、1回の糖質量は5g以下が目安です。
糖質制限食は、やらないよりやった方が、例えどのタイプであれ、
糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)よりは、はるかにましなのです。
私は、ぬるいかもしれませんが、そういうスタンスの医師です。
皆さんが、糖質セイゲニストで優秀な患者さんだったら
糖質制限な医師はとても楽なのですが、現実はそうはいきません。
また、話のしやすい対等感覚の医師もいれば、
残念ながら上から目線の相談しにくい医師もいるのが現実です。
私に関しては、対等感覚の医師を目指しているので、
このブログへのコメント・質問も糖質制限食に関することなら、
初歩的なことも含めて大丈夫、OKです。
反復して似たような質問があっても、
またそれがブログ読者の皆さんの復習になるし新たな勉強にもなります。
糖質制限食に関する知識をインターネットで世界中で共有できて・・・。
それが、私自身の貢献感にもなりますので・・・
さて、日本で実践されている糖質制限食には
A)高雄病院のスーパー糖質制限食(1回の食事の糖質量20g以下)
B)山田悟先生の緩い糖質制限食(1回の食事の糖質量30~40g)
最近は(1回の食事の糖質量20~40gで3食食べ、それとは別に間食を1日あたり10g)
C)釜池豊秋先生の糖質ゼロ食(1日1食で、夕食、糖質は5g以下)
α)荒木裕先生の断糖食
β)渡辺信幸先生のMEC食
などがあり、1回の糖質摂取量設定に違いがあります。
それでは、各糖質制限食のスタンスはどう違うのでしょうか?
まず、A)B)C)について検討してみます。
1)継続し易さと普及に関する配慮
継続し易さ、普及という面からは、普通に考えてB)が一番楽です。
A)はそれに、次いで楽ですし、当初から「スーパー」「スタンダード」「プチ」といったラインナップが設定されていて、
最近は「緩やかな」という選択肢もあるので、
継続し易さと普及ということを重視しているわけです。
C)は、ベストと思う食事療法をストイックに実践するという求道者のスタンスであり、
継続し易さや普及ということは、優先順位としては全く考慮されていません。
つまりC)はやりたい人やれる人が実践すればよいのであって、
やりやすくするというスタンスは皆無です。
従って、A)B)の立場の糖質セイゲニストとC)の立場の求道者とは、
いくら話し合っても折り合いがつくことは不可能ですので、
私も無駄な努力をするつもりはありません。
2)食後高血糖改善効果
食後高血糖改善効果はC)が一番高いです。
A)がその次でB)はかなり劣ります。
C)なら、食後高血糖はほとんどありません。
A)は、臨床的に合併症予防ができるレベル、
食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満達成を
目指していて、ほとんどの場合それが可能です。
B)は食後1時間血糖値180mg/dl未満、
食後2時間血糖値140mg/dl未満を達成することは、
困難な糖尿人が多いと思いますが、従来の糖尿病食(高糖質食)よりはましです。
3)追加分泌インスリン
C)は耐糖能正常型の人でも、インスリン追加分泌はごくごく少量です。
A)は耐糖能正常型の人の場合でもインスリン追加分泌は2~3倍レベルですみます。
B)は耐糖能正常型なら、追加分泌インスリンは10倍~20倍レベルでます。
インスリンは人体に絶対必要であり、基礎分泌インスリンがなければヒトは死にます。
しかし、インスリンには発ガンリスクやアルツハイマー病のリスクがあるので、
少量ですむにこしたことはないのです。
従って、B)の場合は、野放しの高糖質食に比べればましですが、
インスリン過剰のリスクがあるていどあることになります。
A)の場合は、人類700万年間の狩猟・採集時代に、
野生の果物、ナッツ類、根茎類を食べたレベルと同程度の追加分泌インスリンなので
許容範囲と思います。
4)問題点
B)は、インスリン分泌が多いこと以外にも、
食後高血糖と平均血糖変動幅増大という酸化ストレスリスクに関しては、
効果が弱いので問題と言えます。
C)は、始めにくいこと、継続しにくいこと、普及しにくいことが問題点です。
5)考察
A)の場合、C)よりは治療効果は若干劣りますが、
殆どの糖尿人において、合併症予防という観点からは、問題ないと思われます。
体重減少効果も同様であり、「継続し易さ」「普及」「治療効果」において
バランスのとれた食事療法と言えます。
B)は、「継続し易さ」「普及」は優れていますが、肝腎の治療効果が劣ることと、
食後高血糖と平均血糖変動幅増大という問題点を抱えています。
C)は、始めにくいこと・継続しにくいこと・普及しにくいことという弱点がありますが、
治療効果は抜群ですので、ビタミンCの摂取(野菜から摂取)に留意して、
個人的にやれる人はやればいいと思います。
結論として、自画自賛になりますが、
高雄病院のスーパー糖質制限食が一番バランスがいいのかなと思います。(^^)
一方、山田悟先生の緩い糖質制限食や釜池豊秋先生の糖質ゼロ食も、
役割分担という視点に立てば、対立するというよりも、
一人一人の嗜好やニーズに応じて、相補的なものと思います。
A)B)C)の3者ともに、
日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食(高糖質食)に比べれば
治療効果ははるかに高いのですから。
6) α)とβ)について
α)の荒木式は、ほぼスーパー糖質制限食に近いと思います。
ただ、ビールに関して、麦芽とホップだけの本物のビールは
呑んでもよいとされていますが、糖質含有量は、
米・コーン・スターチが含まれている普通のビールと同じだけあるので、
勿論NG食品です。
β)のMEC食も、基本的にはスーパー糖質制限食に近いと思います。
一日に摂るべき食品はM(お肉)・E(卵)・C(チーズ)の三点で、
これらをしっかり食べて、
その上でさらに食べたいと思ったら他の食品(糖質を含む)も
適度にOKということです。
あとは、一口、30回は噛んで食べようということです。
ビタミンCと食物繊維の摂取に注意すれば、MEC食もOKと思います。
ただ糖質を多く摂取すれば当然食後高血糖となるので、注意が必要です。
江部康二
こんにちは。
ネットコンテンツ「令和の虎」に先生の患者様の
娘さんが登場した回があります。
その中で先生の名前も出てきていました。
虎側(出資候補者)の中に木下博勝医師
(元プロレスラージャガー横田の夫)も出演していて、
糖尿病治療としての糖質制限食を批判していました。
江部先生の患者様はたまたま治っただけなど・・・
https://youtu.be/sYl-0J3Ecko?si=qrM3NpDtlbv1B0FD
いかが思われますでしょうか
ネットコンテンツ「令和の虎」に先生の患者様の
娘さんが登場した回があります。
その中で先生の名前も出てきていました。
虎側(出資候補者)の中に木下博勝医師
(元プロレスラージャガー横田の夫)も出演していて、
糖尿病治療としての糖質制限食を批判していました。
江部先生の患者様はたまたま治っただけなど・・・
https://youtu.be/sYl-0J3Ecko?si=qrM3NpDtlbv1B0FD
いかが思われますでしょうか
2023/10/19(Thu) 14:48 | URL | T | 【編集】
T さん
「2019年4月、米国糖尿病学会は<コンセンサス・レポート>において、
『糖質制限食は最も研究された食事パターンの一つである』
と明言し、一推しで推奨しました。
2020年、2021年、2022年、2023年のガイドラインにおいても同様の見解です。
日本の糖質制限食シーンにおいてもこれ以上ないほどの大きな追い風です。」
<米国糖尿病学会ガイドラインの推奨>
と
<個人の医師の意見>
では、「月とスッポン」の差がありますので、無視で良いと思います。
2023/10/19(Thu) 17:13 | URL | ドクター江部 | 【編集】
このお医者さんたしか色々炎上するような発言をしていたような?
アメリカでは食事療法として認められているのでは?
アメリカでは食事療法として認められているのでは?
2023/10/19(Thu) 17:37 | URL | 寝る牛 | 【編集】
寝る牛 さん
その通りです。
米国糖尿病学会は、糖質制限食を一推しで推奨しています。
その通りです。
米国糖尿病学会は、糖質制限食を一推しで推奨しています。
2023/10/19(Thu) 19:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
「信じる人は勝手に信じて」木下医師 低糖質食を推奨の女性インフルエンサーに猛反論「エビデンスのないものを勧めるなんて」
https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/2252842/
https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/2252842/
2023/10/22(Sun) 22:23 | URL | 中嶋一雄 | 【編集】
中嶋一雄 先生
木下博勝医師の情報をコメント頂き、ありがとうございます。
木下博勝医師は、「糖質制限食にエビデンスがない」と発言していますが、
米国糖尿病学会が、2019年4月の「コンセンサス・リコメンデーション」以降、
2020年、2021年、2022年、2023年のガイドラインでも
「糖質制限食は最も研究されている食事パターンである」として、一推しで推奨していることを
ご存じないようですね。
こまったものです。
木下博勝医師の情報をコメント頂き、ありがとうございます。
木下博勝医師は、「糖質制限食にエビデンスがない」と発言していますが、
米国糖尿病学会が、2019年4月の「コンセンサス・リコメンデーション」以降、
2020年、2021年、2022年、2023年のガイドラインでも
「糖質制限食は最も研究されている食事パターンである」として、一推しで推奨していることを
ご存じないようですね。
こまったものです。
2023/10/23(Mon) 14:05 | URL | ドクター江部 | 【編集】
いつもとても勉強になる記事をありがとうございます。
当方30代前半の女性ですが、20代前半の時に機能性低血糖、境界型、糖尿病のなりかけとの診断を受け、かれこれ10年近くスーパー糖質制限を取り入れております。
おかげさまでHbA1cも4.5程度、常にケトン体も出ており(指先穿刺の機械で測定しています)、糖尿病とは無縁といわれるようになりました。
糖質制限時のタンパク質のとリ方について御意見を伺いたく、コメントさせていただいた次第です。
私は元々食が細く、BMI16前後の低体重です。
糖質制限前から痩せていましたが、糖質制限でさらに少し痩せた気がします。
推奨されるカロリー、タンパク質量、脂質量ともに満たすことができず、脂質についてはMCTオイルで不足分を補っています。
このままではよくないと考え、筋トレや有酸素運動を開始したとともに、間食や寝る前にプロテイン(粉末を溶かして飲むもの)を取り入れようと考えております。
しかしながら一般のお医者様たちの本や記事を読むと、
・そもそもタンパク質は体重の2倍までにしないと肝臓腎臓に負担がかかる
・プロテインでのタンパク質摂取は食べ物と違い、肝臓腎臓への負担が大きい
・プロテインは肝臓腎臓へ負担がかかるが、BCAAならOK
など否定的な意見が多いように感じています。
上記の1点目については先生が気にしなくていいと書かれていたため、気にしないことにしています。
もしよろしければ2点目、3点目について御意見をお伺いできますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
当方30代前半の女性ですが、20代前半の時に機能性低血糖、境界型、糖尿病のなりかけとの診断を受け、かれこれ10年近くスーパー糖質制限を取り入れております。
おかげさまでHbA1cも4.5程度、常にケトン体も出ており(指先穿刺の機械で測定しています)、糖尿病とは無縁といわれるようになりました。
糖質制限時のタンパク質のとリ方について御意見を伺いたく、コメントさせていただいた次第です。
私は元々食が細く、BMI16前後の低体重です。
糖質制限前から痩せていましたが、糖質制限でさらに少し痩せた気がします。
推奨されるカロリー、タンパク質量、脂質量ともに満たすことができず、脂質についてはMCTオイルで不足分を補っています。
このままではよくないと考え、筋トレや有酸素運動を開始したとともに、間食や寝る前にプロテイン(粉末を溶かして飲むもの)を取り入れようと考えております。
しかしながら一般のお医者様たちの本や記事を読むと、
・そもそもタンパク質は体重の2倍までにしないと肝臓腎臓に負担がかかる
・プロテインでのタンパク質摂取は食べ物と違い、肝臓腎臓への負担が大きい
・プロテインは肝臓腎臓へ負担がかかるが、BCAAならOK
など否定的な意見が多いように感じています。
上記の1点目については先生が気にしなくていいと書かれていたため、気にしないことにしています。
もしよろしければ2点目、3点目について御意見をお伺いできますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
2023/10/25(Wed) 10:53 | URL | りんご | 【編集】
りんご さん
①厚生労働省によれば、現時点では、
正常人がタンパク質をたくさん食べて健康障害を生じたという
報告は十分にはないとしています。
結果として、タンパク質の耐容上限量は設定しないということです。
②プロテインも食品です。
従って、過剰摂取しない限り、肝臓や腎臓を含めて、害はないと思います。
③MCTオイルは、即エネルギーとして利用されるので太りにくいオイルです。
④胃が小さいと思いますので、ゆっくりと、少しずつ食べる量を増やしていきましょう。
そうすれば少しずつ胃が大きくなるでしょう。
①厚生労働省によれば、現時点では、
正常人がタンパク質をたくさん食べて健康障害を生じたという
報告は十分にはないとしています。
結果として、タンパク質の耐容上限量は設定しないということです。
②プロテインも食品です。
従って、過剰摂取しない限り、肝臓や腎臓を含めて、害はないと思います。
③MCTオイルは、即エネルギーとして利用されるので太りにくいオイルです。
④胃が小さいと思いますので、ゆっくりと、少しずつ食べる量を増やしていきましょう。
そうすれば少しずつ胃が大きくなるでしょう。
2023/10/25(Wed) 11:51 | URL | ドクター江部 | 【編集】
お礼が遅くなり申し訳ございません。
早速丁寧なご回答をいただき、ありがとうございました。
タンパク質の上限は定められていないこと、プロテインも食品であることなどをお伺いできて安心しました。
糖質制限を続けながら、タンパク質の1日の摂取量を計算しつつ、まずはプロテイン1日1杯追加するところから始めるつもりです。
小さい胃はすぐには大きくならないですよね…。
焦らず地道に努力したいと思います。
ご多用のところご教示いただき、ありがとうございました。
早速丁寧なご回答をいただき、ありがとうございました。
タンパク質の上限は定められていないこと、プロテインも食品であることなどをお伺いできて安心しました。
糖質制限を続けながら、タンパク質の1日の摂取量を計算しつつ、まずはプロテイン1日1杯追加するところから始めるつもりです。
小さい胃はすぐには大きくならないですよね…。
焦らず地道に努力したいと思います。
ご多用のところご教示いただき、ありがとうございました。
2023/10/26(Thu) 20:47 | URL | りんご | 【編集】
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