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狩猟・採集民は農耕民より健康長寿。
こんにちは。

寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑
旧石器時代 13歳
縄文時代  15歳
弥生時代  18~28歳

古墳時代  25歳未満
飛鳥・奈良時代 20歳未満
平安時代  30~40歳
鎌倉時代  24歳
室町時代  16歳
安土桃山時代 34~35歳
江戸時代  31.7歳
明治時代  44歳
大正時代  43歳
昭和時代  31歳
平成時代  83歳

戦時中:昭和20年は、31歳
戦後:昭和22年、50代超え
   昭和46年、70代
 『寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑』 やまぐちかおり (イラスト) いろは出版 (編著)より引用 


上記は、小学校の教科書に記載されている定番の各時代の平均寿命です。
基本的には、昔になるほど短命です。
つまり、狩猟採集時代より、農耕時代のほうが、平均寿命は長いです。

しかし、平均寿命には<食糧事情><周産期死亡><飲料水と感染><環境>などが、
大きく関わってくるので、単純な比較にはは意味がありません
そこで、今回は
『狩猟採集民は農耕民より長命で健康だった』という古栄養学の研究を紹介します。

古代人の食生活を考察し、その食生活が当時の人間集団の存続に
どんな役割を果たしていたかを知ろうとする学問が
パレオ・ニュートリション(古栄養学)です。

骨で見分ける古代人の生活ぶり
http://www.wound-treatment.jp/dr/glucide_data/kagaku-asahi_1981.htm
科学朝日,41巻12号,1981年 記載の
カナダ・マックギル大教授/人類学 井川史子氏の論文


の要旨が以下の記事です。
本文は結構、長文ですが、興味ある人は、是非読んでみて下さい。

A)
ケンタッキー州,インディアン・ノール貝塚出土の285体の人骨
紀元前3400年から同2000年ころ
狩猟,漁労,植物採取をしていた人々の残した貝塚で出土

B)
ケンタッキー州,ハーディン・ビレッジ遺構出土の人骨296体
西暦1500年から1675年ころ
トウモロコシ,豆類,カボチャ類を栽培した人々が住んだ村落で出土


比較研究の条件として、
①一定数以上の人骨資料があること
②人種的条件が同じであること
③環境的条件が同じであること
④ヨーロッパ伝来の疾病が新しい要因として入っていないこと

が、前提となっています。
すなわちハーディン・ビレッジの居住期間中、
ヨーロッパ人の侵入はこの地域に関する限りはなしという前提です。

米国、ケンタッキー州で出土した、上記の①②③④の条件を全て満たす
A)B)の人骨を比較した研究です。

狩猟・漁労・採集が生業の人骨285体と 、
トウモロコシ・豆類・カボチャ栽培が生業の人骨296体を比較したところ、
狩猟採集民のほうが、農耕民より長命であったことが判明しました。
男女ともにインディアン・ノールの狩猟採取民の方が長命でした。

死亡年齢で特に対照的なのは、4歳未満の小児死亡率の分布でした。
インディアン・ノールでは、70%が新生児と12ヶ月未満の乳児でしたが、
狩猟採集民は、新生児の間引きをする習慣があるので、
その影響があると考えられます。

一方ハーディン・ビレッジではその逆で、1~3歳の幼児が60%に達っしました。
すなわち、農耕民のほうは、離乳期に入ってからが危機であることが明らかです。
ハーディン・ビレッジの農耕民はトウモロコシ粉を水溶きしたようなものを
離乳食に用いたと考えられます。
それが生涯を通じての栄養的欠陥の始まりになったと思われます。

現代でも、アフリカや中央アメリカの農耕社会では
柔らかいでんぷん質の食事が離乳食として与えられると、
下痢が始まり、各種の細菌侵入による疾患が起こり、
タンパク質欠乏症を示すことが多いとされています。

ハーディン・ビレッジの農耕民でも同様のパターンが生じて、
短命に繋がった可能性があります。

また、
40歳以上はインディアン・ノールの狩猟採取民では12%くらいでしたが
ハーディン・ビレッジでは 5%しかなく、
さらに50歳以上になると前者は5%くらいあるのに対して、
後者は1.25%くらいしかいませんでした。

即ち、トウモロコシが主食の農耕民は、1~3歳の幼児が大量に死亡するだけでなく長生きの人も、
狩猟・採集民に比し、極端に少なかったのです。


近年まで狩猟・採集に頼る生活をしていたアフリカのブッシュマンやオーストラリア原住民のアボリジニについても研究が進み、
彼らの生活は、農耕民に比べて労働時間は短く、栄養上のバランスもよく、
健康状態もすぐれてい
るらしいことが明らかになりました。
ただ、狩猟採集生活の欠陥は、
一定面積内では居住可能な人口が制限される
ことです。

農耕が始まって、土地に定着する生活が始まると人口密度が上昇していきます。
その増えた人口のエネルギー源として、
最も確実に手に入り定期的に収穫できて保存もできる穀物(小麦、米、トウモロコシなど)」に依存するようになったのは
必然的なことと言えます。
しかしながら、穀物には、糖質はタップリ含まれていますが、
タンパク質や脂質が不足
しています。
必須アミノ酸や必須脂肪酸が不足することで、免疫力が低下します。
そうなると病気に対する抵抗力も低下して、病気に感染る機会も増えて、
狩猟・採取時代より不健康になっていったと考えられます。

<人体の構成成分>
水分:60~70%
タンパク質:15~20%
脂肪:13~20%
ミネラル:5~6%
糖質:1%以下


人体の構成成分として、タンパク質と脂質はとても重要ですが、
糖質はなんと1%以下です。

そして必須脂肪酸と必須アミノ酸はありますが、必須糖質はないのです。
摂取糖質がゼロでも、肝臓や腎臓で、アミノ酸やグリセロールや乳酸から
ブドウ糖を産生するので、大丈夫なのです。


江部康二
コメント
幼い時の糖質過剰摂取は早死にの元
短命村出身両親の らこ家です。

・らこ父 7才で中耳炎手術 生涯難聴
・らこ姉 7才で餅󠄀食い過ぎで扁桃腺肥大で窒息死
・らこ 5才で扁桃腺肥大切除手術

糖質ばかり過剰摂取=25才まで

25才以降、3回結婚したが、らこ母 飯ほどの炭水化物は誰も出さなかった > 63才まで生存w
2023/09/16(Sat) 22:45 | URL | らこ | 【編集
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