fc2ブログ
AGEs(終末糖化産物))って何?
)こんばんは。
近年、医学界においてAGEs(終末糖化産物)が注目されています。
advanced glycation endproductsの頭文字をとって、AGEsです。
では、「糖化」とは何でしょう?
 
<糖化=たんぱく質と糖が結合>
 糖化とは、ブドウ糖・果糖などの単糖が、
直接たんぱく質などに結合する反応のことです。
糖尿病の検査指標として一般的に使われているヘモグロビンA1c(HbA1c)は
糖化したヘモグロビンのことです。
赤血球の中にあるヘモグロビンというたんぱく質に、
血糖がへばりつくわけです。
高血糖であるほどたくさんへばりつき、HbA1cが高値となるので
糖尿病の検査として便利な存在なのです。
HbA1cは、たんぱく質と糖が結合する「糖化反応系」の初期段階で作られます。
さらに糖化反応が進むと、
最終的に「終末糖化産物(AGEs=advanced glycation endproducts)」というものが
生成されます。
HbA1cはまだ分解代謝できる段階ですが、
AGEsの段階になると分解代謝が困難となります。
 
<体内で作られるAGEsが糖尿病合併症を引き起こす>

  AGEsが注目されるようになったのは、
さまざまな糖尿病合併症の元凶と考えられるようになったからです。
そのプロセスは多様ですが、最も分かりやすいのは、
AGEsが血管の内壁にたまり、動脈硬化を引き起こす場合でしょう。
動脈硬化によって障害を受ける血管の部位によって、
生じる糖尿病合併症は異なりますが、
いずれも血管病と言って過言ではありません。
血管壁のAGEsは消えない借金であり「高血糖の記憶」と呼ばれています。
 AGEsによる合併症発症のリスクは、「血糖値×持続期間」で決まります。
高血糖であればあるほど、そして高血糖である期間が長ければ長いほど、
AGEsの生成、蓄積量は多くなるからです。
従って、長年糖尿病を患っている患者は糖化が生じやすく、
AGEsの蓄積も、糖尿病でない人に比べて必然的に多くなります。
その結果、三大合併症と言われる
糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症や、
大血管合併症である心筋梗塞や脳梗塞にもなりやすいのです。
このようにコントロールの悪い糖尿病は
血管の老化が早く進む病気とも言われてきました。

なお、食事由来の外部からのAGEsが、動脈硬化に影響するか否かについては、世界中で論争中です。
私自身は、
「体内で産生されるAGEsは、動脈硬化の元凶であるが、食事由来の外部からのAGEsは、ほとんど動脈硬化への影響はない。」
と考えています。

その、大きな歴史的な証拠として、
「火を使い始めて、食べ物由来のAGEsは、激増していますが、人類の寿命は延びている」
からです。
ちなみに、火の使用をはっきり伝えるもっとも古い遺跡は、焼けた種(オリーブ、大麦、ブドウ)、木、火打ち石が発見された七十五万年前のイスラエルのゲシャー・ベノット・ヤーコブ遺跡です。
 
<コントロール良好の糖尿病なら合併症は生じない?>

日本糖尿病学会的には、HbA1cが7%未満の、血糖コントロール良好の糖尿病は、
合併症を生じないことになっていますが、
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」のある「質の悪いHbA1c」だと合併症を起こす可能性があります。
現実に、毎年新たに、糖尿病合併症として、
「人工透析」が16000人以上、
「足の切断」が3000人以上、
「失明」が3000人以上、

発症しています。
日本糖尿病学会推奨の「糖尿病食(高糖食食)」では合併症が予防できていない証拠と言えます。
食後高血糖があれば、AGEsの蓄積も増えます。
このように従来の糖尿病食は、遺憾ながら「合併症製造食」と言わざるをえません。
血糖値を直接上昇させるのは、<糖質、たんぱく質、脂質>のうち糖質だけなのです。

<スーパー糖質制限食実践中の糖尿人は、正常人よりもAGEs蓄積が少ない>
スーパー糖質制限食なら、AGEsの蓄積は最小限ですむので、合併症予防が可能です。
スーパー糖質制限食実践中の糖尿人は、普通に糖質を食べている正常人よりも、AGEsの蓄積は少ないのです。
52歳で糖尿病発症の江部康二は、73歳現在、21年間、スーパー糖質制限食を実践しています。

①歯は全て残り、虫歯はありません。
②眼は裸眼で広辞苑の小さな文字が読めます。
③聴力低下もないです。
④夜間の尿もありません。
⑤身長の縮みもありません。


①②③④⑤は、「糖化⇒老化」というパターンが最小限ですんでいるので達成できたのだと思います。


江部康二
コメント
江部先生こんにちは。
私も先生を見習って、ボディソープ、シャンプーの使用をやめました。
それに関連する訳ではなく、下の話で恐縮ですが、肛門科医 佐々木みのり先生の「オシリを洗うのはやめなさい」という本を読みました。この本では、ウォシュレットやシャワーを直接オシリに掛けるのは、やめるべきとのことです。洗い過ぎが、却ってトラブルの原因になるとのことです。とにかく、日本人は「キレイ好き過ぎる」ようです。
糖質制限とは関係無いコメントで失礼致しました。ご参考迄。
2023/07/20(Thu) 15:12 | URL | みう | 【編集
Re: タイトルなし
みう さん

コメントをありがとうございます。
いろんな意見があるのですね。
2023/07/20(Thu) 18:23 | URL | ドクター江部 | 【編集
こちらにて失礼します
江部先生
以前てんかん児に母乳でケトン体移行を試みているとコメントさせていただいた田中です。
今日赤ちゃんのケトン数値の結果がでまして、
てんかん発作に有効であろう【ヒドロキシ酪酸】という数値が600程度ありました。
てんかん発作には3000くらいの数値が必要だそうで、まだまだ足りないまでも、母乳にケトンが出ているのかな。という努力が帳消しにはならない数字だと思っています。
主治医はケトンの母乳移行を信じていないので、mctオイルを1日3回程度飲んでいるので、その効果じゃないか?と言っていましたが、
ケトン回路ではなく、ブドウ糖回路の赤ちゃんがMCTオイルを摂取してもこのような数値になることはあり得ますでしょうか?

今はシャトレーゼの低糖質ピザやデザートも活用してノンストレスで暮らしていますので、もう少し頑張りたい気持ちです。
2023/07/20(Thu) 20:05 | URL | 田中 | 【編集
Re: こちらにて失礼します
田中 さん


『おっぱい先生の母乳育児「超」入門』 平田喜代美/著  東洋経済新報社  2010年
  P96~98 「母乳育児で生まれるふたつの『愛情ホルモン』」に、
   「赤ちゃんが唇と舌を使って乳頭に与えた刺激が、お母さんの脊髄を通って脳に伝わると、脳の脳下垂体前葉というところから、母乳をつくる『プロラクチン』という物質が分泌されます。このプロラクチンの作用によって、お母さんの乳房の中の毛細血管にたくさんの血液が流れ、その血液が母乳となって乳房の中に蓄えられます。このとき、約1ミリリットルの母乳をつくるのに、500ミリリットルの血液が乳房を通過するといわれています。」と記載あり。


母乳は、血液から作られているので
母体の血中ケトン体が高値なら、母乳のケトン体も高値と思います。


「ケトン回路ではなく、ブドウ糖回路の赤ちゃんがMCTオイルを摂取してもこのような数値になることはあり得ますでしょうか?」

これは、よくわかりません。
しかし、私は、母乳ケトン体効果で赤ちゃんのケトン体が600になったのだと思います。
2023/07/22(Sat) 12:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可