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カロリー制限食VS糖質制限食、減量効果は?
こんにちは。
今朝(2023/4/20、木曜日)の毎日新聞朝刊の13面に

いきいき生きる
糖尿病のトリセツ
肥満を伴う糖尿病治療
https://mainichi.jp/articles/20230420/ddm/013/100/012000c


というタイトルの記事が載りました。
岐阜大教授の矢部大介医師が執筆されています。

食事の適正化で、減量を目指すとして、
1日の摂取カロリーの目安を
25kcal/kg × 標準体重(kg) 以下とするとありました。

私は、身長167cmですので、
BMI22に相当する標準体重は61.36kgです。

そうすると、適正な摂取カロリーは、1534kcal/日となります。
私は体重56kgくらいで、まったく肥満していませんが、
肥満していたとしても、1534kcal/日は、あまりにも寂しいですね。

以前入院されていた糖尿病の40代女性は、160cm、70kg、 BMI:27.3でした。
標準体重(BMI22)は、56.3kgとなります。
この方も矢部教授の示す適切な摂取カロリーは
25kcal/kg × 標準体重(kg) ⇒  25kcal ×56.3kg =1400kcal
となります。

1400kcal/日(糖尿病学会推奨のカロリー制限食)は、ひもじいですね。
このかたは、2週間の高雄病院入院で
1600kcal/日のスーパー糖質制限食を実践し、3kgの減量に成功されました。


このように、スーパー糖質制限食なら、カロリー制限食のような
ひもじい思いをしなくても、減量可能なのです。


なお、長期のカロリー制限食は、男性では骨密度低下のリスクとなるという
以下の青字の記載の研究報告があります。
「Look AHEAD」試験は2012年9月に中止され、治療経過観察期間は中央値は9.6年でした。

Look AHEAD試験は2013年に報告されたランダム化比較試験(RCT)です。
BMI 25以上の2型糖尿病患者が対象です。

1)強化介入群:カロリー制限(1,200~1,800kcal/日)と運動で7%以上の体重減量を達成・維持する群〕2,570例
2)対照群:2575例での研究です。

2014年にLook AHEAD試験の、骨密度の変化に関するサブ解析が報告されました。
「ディアベテス・ケア(米国糖尿病学会誌)2014; 37: 2822-2829」
骨密度データのある1,309例のサブ解析です。

解析の結果、男性では強化介入群では対照群に比べて、
有意に全大腿骨近位部、大腿骨頸部の骨密度の低下が大きいことが判明しましたが、
腰椎では差はなしでした。
全大腿骨近位部の骨密度の変化に対しては体重減少が有意に相関していました。
女性では両群ともに骨密度が低下し、
どの部分についても両群に差異はありませんでした。

結局、本研究は1,200~1,800kcalのカロリー制限食が
平均身長174.9cmの男性において有意に骨密度を低下させることを示しています。


江部康二

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