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1日8000歩、週1~2日でも死亡率低下 それでも米国人には難しい理由
こんばんは。

京都大学が、2023年3月30日、
週に1日または2日だけでも1日あたり8,000歩の歩数を達成することで
健康に良い影響が得られることを明らかにしました。
 井上浩輔 医学研究科助教と津川友介 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)准教授らの研究グループが、
米国の国民健康栄養調査データを用いて検証したものです。
毎日新聞(3月30日夕刊 7面)、産経新聞(3月30日夕刊 7面)および日本経済新聞(3月30日夕刊 11面)に掲載されました。
以下、ヤフージャパンにも掲載されました。

ヤフージャパン
https://news.yahoo.co.jp/articles/97786dfdcb853553b355e03e3b3de286d47280a4
京都大学が
2023年03月30日公開。
1日8000歩、週1~2日でも死亡率低下 それでも米国人には難しい理由


ヤフージャパンの記事が、一番わかりやすいので、ご参照頂ければ幸いです。
以下の緑色の記載は、ヤフージャパンの記事の要約です。

【1日平均5000歩弱しか歩かない米国人にとっては、
この目標すら達成は困難かもしれません。
8000歩歩いた日が週に1~2回あった人は、
1回もなかった人と比べて10年後の全死因死亡率が14.9%低く、
心血管疾患による死亡率も8.1%低下していました。

年齢別では、65歳以上で死亡リスクが19.9%下がり、
65歳未満では7.4%低下しました。
性別でみると、男性が20.8%減、女性が11.6%減で、
男性の方がメリットが大きかったです。

今月発表された1999~2018年の研究15件のメタ分析結果では、
60歳未満では1日8000~1万歩で早期死亡のリスクが低下するが、
60歳以上では1日6000~8000歩でもリスクが下がることが示されました。

ただ、米国人の平均歩数は1日4800歩です。
米疾病対策センター(CDC)が2017~20年に行った調査では、
平均して各州人口の25%以上が
直近1カ月間に仕事以外で運動をしていないと回答しました。

世界保健機関(WHO)の推計によると、
運動不足を一因とする死者数は世界で年間320万人に上ります。
また、医学誌「The Lancet(ランセット)」に発表された2016年の研究結果では、
運動不足は年間推計約540億ドル(約7兆円)もの医療費に
関連しているとされています。】



私としては、いつも推奨している<インターバル速歩>が
一番、簡単で継続しやすい効果のある運動と思います。
本ブログ記事
有酸素運動と筋力維持。インターバル速歩。ながらジョギング。
2022年04月18日 (月)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5938.html
をご参照頂ければ幸いです。


江部康二


☆☆☆
以下は京都大学の記事です。

京都大学
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-03-30

1週間の歩行パターンと死亡リスクの関連を明らかに
-週2回しっかり歩くことで健康は維持できるか?-


公開日
2023年03月30日
 井上浩輔 医学研究科助教と津川友介 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)准教授らの研究グループは、
米国の国民健康栄養調査データを用いて、週に1日または2日だけでも1日あたり8,000歩の歩数を達成することで
健康に良い影響が得られることを明らかにしました。

 今までの研究により、平均的に8,000歩/日以上歩く人は死亡率が低くなることがわかっていましたが、
週に数日だけ歩く場合の健康への影響については分かっていませんでした。

本研究では、加速度計で測定された歩数の情報を用いて、
1日に8,000歩以上歩いた日数が0日、1~2日、3~7日であった場合の死亡リスクをそれぞれ検討しました。
その結果、1週間に8,000歩以上歩く日数が多い人ほど、
全死亡と心血管疾患の死亡リスクが低いことが示されました。

興味深いことに、その死亡リスク低下率は初めの数日で大きく、
週に1日または2日でも8,000歩以上歩いている人は、
週に3日以上定期的に歩行している人とほぼ同等の死亡リスク減少を認めました。

 本研究結果は、週に1~2日程度でも目標歩数を達成することが
健康に十分良い影響をもたらす可能性を示唆します。

運動の時間を確保できない人や、仕事の都合上定期的な運動が難しい人でも、
週に数日間だけ歩く習慣を取り入れることで健康リスクを低減できる可能性があり、
現代社会の働く世代や高齢者にとって重要なエビデンスとなることが期待されます。

 本研究成果は、2023年3月29日に、
国際学術誌「JAMA Network Open」に、オンライン掲載されました。

週に一度も8,000歩/日以上歩いていない人に比べて、
1~2日歩いている人は14.9%、3日以上ある人いる人は全死亡率が16.5%低かった。
同様に心血管死亡率についても、週に一度も8,000歩/日以上歩いていない人に比べて、
1~2日歩いている人は8.0%、3日以上ある人いる人は8.4%低かった。


研究者のコメント
「本研究は井上(筆頭著者)が内科外来で患者さんから聞かれた次の質問から始まりました。
『先生、たくさん歩く必要があることはわかりました。
でも忙しくて平日はそんなに歩くことができません。週末にためて歩いても問題ないでしょうか?』

この問いに答えるべく文献検索をしたところ、
身体活動量については週2回だけ運動しても
十分に健康のベネフィットが得られるという
先行研究を見つけたものの(これを“Weekend warrior”と呼びます)、
歩数についてはエビデンスがないことに気づき、本研究を遂行するに至りました。

本結果が外来で質問された患者さんをはじめ多くの人々にとって役立つ歩行指針として
世の中に貢献できますと臨床研究者として嬉しく思います。」(井上浩輔)

メディア掲載情報
毎日新聞(3月30日夕刊 7面)、産経新聞(3月30日夕刊 7面)および日本経済新聞(3月30日夕刊 11面)に掲載されました。
コメント
江部先生

いつもブログを楽しみにしております。
こちらの記事とは話が変わるのですが、
今月、糖尿病の医師の先生が書いた糖質制限に関する専門書が発売になりました。
引用論文を用いて、かなり詳しく書かれた良書でしたが
スタンスとしては糖質制限は短期的効果はあるけど長期的には危険という物でしたので、

また、このような議論が専門家の間でなされるのかなと感じています。(長期実施する際の批判データは江部先生が既に議論されたものも多かったです)

後は発ガンに関する論文でした。
糖質の摂取割合を6割から4割にするとリスク増加といった内容です。
(これは糖質制限というより糖質を減らした食事に対しての発ガンリスクの増加といった話ですが)

勿論、過去にも様々な批判的な論文はありましたし様々なスタンスの先生がいても良いと思うのですが、ガンに関しては意外な結果でした。

先生が専門家の方に向けたパーフェクトガイドも発売から10年ですので、そろそろアップデートを楽しみにしております。
長文失礼しました。
2023/04/15(Sat) 18:43 | URL | 佐藤 | 【編集
Re: タイトルなし
佐藤 さん

この種の議論は、米国糖尿病学会が、2019年4月のコンセンサス・レポートで
「糖質制限食がエビデンスが最も豊富である」と明言して以降は、結着がついていると思います。

すなわち、米国糖尿病学会が、糖質制限食の有効性と安全性を保障してくれているわけです。
糖質制限食は厳格なものも緩やかなものも、共に認めています。


2019年4月
「米国糖尿病学会は<コンセンサス・レポート>において、
  『エビデンスが最も豊富なのは糖質制限食である』と明言しました。」
その後、
2020年、
2021年、
2022年、
2023年のガイドラインでも
『エビデンスが最も豊富なのは糖質制限食である』という見解を維持しています。

2023/04/15(Sat) 18:56 | URL | ドクター江部 | 【編集
歩行困難な、私でさえ改善している事!!
都内河北 鈴木です。

本日の歩行歩数ですが、私は、歩行困難な身体です!!

10分程歩くと、歩行困難に成ります!!!

だが、身体を動かさない事は、身体の機能低下は、必至だとは理解します!!

私は、自転車で、散歩しています!!
1日1~4時間程です!!

江部先生『糖質制限理論』食生活実践で、
<<『糖尿病・生還!、眼科・2度の再覚醒!、脳梗塞・7度の再覚醒、』>>
  している事実現実の11年目の日々があります!!

今後共更なる改善を報告いたします!!
感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2023/04/15(Sat) 21:59 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
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