2023年03月27日 (月)
【23/03/26 うさこ
ダイエットについて
こんにちは
HbA1cが低ければ、太っていても健康になれるのかという質問です。
私は、スーパー糖質制限を始めて約6年、
1日の糖質摂取量は30~40gほどです。
アルコールは毎日、多分2〜3合(焼酎、ウイスキー、糖質ゼロビール、糖質ゼロ日本酒、赤ワインなど)を飲みます。
年齢49歳(女)身長154cm・体重は開始時89kg→5ヶ月後65kg→1年後以降は71〜74kgで
カロリーも減らさないと糖質制限のみでは痩せないタイプです。
開始当初はジムにも半年ほど通い、
カロリーも制限したので65kgまで減量しましたが
その後はカロリーをなかなか制限できず、体重は停滞ぎみです。
更年期も影響したのか、鉄欠乏性貧血になり、
2021年11月よりフェロミア錠を服用しています。
HbA1cは5%、Hbは12.3g/dL、赤血球数393万/μL、フェリチン15.7ng/ml
アレルギー体質で花粉症などはあるものの、
1〜2ヶ月に1度はひいていた風邪も、この6年、ひいていません。
HbA1cの数値を現状維持できれば、
このまま減量できなくても健康になれるのでしょうか?
よろしくお願いします。】
こんにちは。
うさこさんから、
【HbA1cが低ければ、太っていても健康になれるのか】
という質問を頂きました。
Ⅰ <HbA1cの数値とがん>
2019年の日本人の死因の順位は2018年と同様、
第1位「悪性新生物(腫瘍)」、
第2位「心疾患(高血圧性を除く)」、
第3位「老衰」、
第4位「脳血管疾患」、
第5位「肺炎」
でした。
死因の1位はがんです。
がんが死因に占める割合は、年齢とともに高くなっていきますが、
男性では65~69歳がピークで、この年代では、
がん死亡は死因全体の半分弱を占めます。
女性では55~59歳がピークで、死亡の6割近くが、がんによるものです。
国立がん研究センターがん予防・健診研究センター・予防研究グループの多目的コホート研究(JPHC研究)から、
興味深い報告がなされ、論文化されました。
ろんぶんの結論は、
『肝がんを除外すると、HbA1c値は直線的に全がんリスク上昇と関連』
ということです。
肝がんは、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスが大きな要因を占めていて
『感染症型のがん』 です。
すなわちこの感染症型がんの肝がんを除いたら、
生活習慣病型のがんは、HbA1cが低いほど、発症しにくいというエビデンスがあると
言えます。
うさこさんは、少なくともがんに関してはHbA1cが5.0%ならリスクは
かなり少ないと考えられます。
Ⅱ <肥満と総死亡率>
【年齢49歳(女)身長154cm
・体重は開始時89kg→5ヶ月後65kg→1年後以降は71〜74kg】
154cm。
89kg(BMI:37.5) ⇒ 65kg(BMI:27.4)⇒ 71~74kg(BMI:29.9~31.2)
1)世界ガン研究基金の報告(2007)では、ガン予防にはBMI:20~25未満 が目標。
2)ランセットの論文では欧米人はBMI:22.5~25 が総死亡率が一番低い。(*)
3)ニューイングランド・ジャーナルの論文では、アジア人はBMI:23~27 が
総死亡率が一番低い。(**)
1)2)3)を考慮すれば、
体重に関しては、BMI:20 は確保する方が、安全といえます。
総死亡率を低下させて、がん予防するには、BMI20以上で25未満が最も推奨されます。
(*)
Prospective Studies Collaboration
PSC, Whitlock G, et al. Lancet 2009; 373: 1083-96
(**)
Zheng W, et al.N Engl J Med. 2011 Feb 24;364(8):719-29.
Association between body-mass index and risk of death in more than 1 million Asians.
このように、痩せ過ぎは良くないので、BMI20は確保しましょう。
一方、アジア人はBMI:23~27 が総死亡率が一番低いです。
そうするとうさこさんのBMI 29.9~31.2は、さすがに多いです。
総死亡率を減らすには、BMI27以下を目指しましょう。
Ⅲ 【アレルギー体質で花粉症などはあるものの、
1〜2ヶ月に1度はひいていた風邪も、この6年、ひいていません。
HbA1cの数値を現状維持できれば、
このまま減量できなくても健康になれるのでしょうか?】
糖質制限食で健康度が向上していて、望ましいです。
ただ、肥満も健康上のリスクなので改善を目指しましょう。
<結論>
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲより
うさこさんは、6年間の糖質制限食実践で体調良好であり、がんのリスクは低いものの、
肥満による総死亡率上昇のリスクがあります。
折角ですから、BMI27まで改善させて、健康長寿を目指しましょう。
江部康二
ダイエットについて
こんにちは
HbA1cが低ければ、太っていても健康になれるのかという質問です。
私は、スーパー糖質制限を始めて約6年、
1日の糖質摂取量は30~40gほどです。
アルコールは毎日、多分2〜3合(焼酎、ウイスキー、糖質ゼロビール、糖質ゼロ日本酒、赤ワインなど)を飲みます。
年齢49歳(女)身長154cm・体重は開始時89kg→5ヶ月後65kg→1年後以降は71〜74kgで
カロリーも減らさないと糖質制限のみでは痩せないタイプです。
開始当初はジムにも半年ほど通い、
カロリーも制限したので65kgまで減量しましたが
その後はカロリーをなかなか制限できず、体重は停滞ぎみです。
更年期も影響したのか、鉄欠乏性貧血になり、
2021年11月よりフェロミア錠を服用しています。
HbA1cは5%、Hbは12.3g/dL、赤血球数393万/μL、フェリチン15.7ng/ml
アレルギー体質で花粉症などはあるものの、
1〜2ヶ月に1度はひいていた風邪も、この6年、ひいていません。
HbA1cの数値を現状維持できれば、
このまま減量できなくても健康になれるのでしょうか?
よろしくお願いします。】
こんにちは。
うさこさんから、
【HbA1cが低ければ、太っていても健康になれるのか】
という質問を頂きました。
Ⅰ <HbA1cの数値とがん>
2019年の日本人の死因の順位は2018年と同様、
第1位「悪性新生物(腫瘍)」、
第2位「心疾患(高血圧性を除く)」、
第3位「老衰」、
第4位「脳血管疾患」、
第5位「肺炎」
でした。
死因の1位はがんです。
がんが死因に占める割合は、年齢とともに高くなっていきますが、
男性では65~69歳がピークで、この年代では、
がん死亡は死因全体の半分弱を占めます。
女性では55~59歳がピークで、死亡の6割近くが、がんによるものです。
国立がん研究センターがん予防・健診研究センター・予防研究グループの多目的コホート研究(JPHC研究)から、
興味深い報告がなされ、論文化されました。
ろんぶんの結論は、
『肝がんを除外すると、HbA1c値は直線的に全がんリスク上昇と関連』
ということです。
肝がんは、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスが大きな要因を占めていて
『感染症型のがん』 です。
すなわちこの感染症型がんの肝がんを除いたら、
生活習慣病型のがんは、HbA1cが低いほど、発症しにくいというエビデンスがあると
言えます。
うさこさんは、少なくともがんに関してはHbA1cが5.0%ならリスクは
かなり少ないと考えられます。
Ⅱ <肥満と総死亡率>
【年齢49歳(女)身長154cm
・体重は開始時89kg→5ヶ月後65kg→1年後以降は71〜74kg】
154cm。
89kg(BMI:37.5) ⇒ 65kg(BMI:27.4)⇒ 71~74kg(BMI:29.9~31.2)
1)世界ガン研究基金の報告(2007)では、ガン予防にはBMI:20~25未満 が目標。
2)ランセットの論文では欧米人はBMI:22.5~25 が総死亡率が一番低い。(*)
3)ニューイングランド・ジャーナルの論文では、アジア人はBMI:23~27 が
総死亡率が一番低い。(**)
1)2)3)を考慮すれば、
体重に関しては、BMI:20 は確保する方が、安全といえます。
総死亡率を低下させて、がん予防するには、BMI20以上で25未満が最も推奨されます。
(*)
Prospective Studies Collaboration
PSC, Whitlock G, et al. Lancet 2009; 373: 1083-96
(**)
Zheng W, et al.N Engl J Med. 2011 Feb 24;364(8):719-29.
Association between body-mass index and risk of death in more than 1 million Asians.
このように、痩せ過ぎは良くないので、BMI20は確保しましょう。
一方、アジア人はBMI:23~27 が総死亡率が一番低いです。
そうするとうさこさんのBMI 29.9~31.2は、さすがに多いです。
総死亡率を減らすには、BMI27以下を目指しましょう。
Ⅲ 【アレルギー体質で花粉症などはあるものの、
1〜2ヶ月に1度はひいていた風邪も、この6年、ひいていません。
HbA1cの数値を現状維持できれば、
このまま減量できなくても健康になれるのでしょうか?】
糖質制限食で健康度が向上していて、望ましいです。
ただ、肥満も健康上のリスクなので改善を目指しましょう。
<結論>
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲより
うさこさんは、6年間の糖質制限食実践で体調良好であり、がんのリスクは低いものの、
肥満による総死亡率上昇のリスクがあります。
折角ですから、BMI27まで改善させて、健康長寿を目指しましょう。
江部康二
江部先生
ご返事いただき、ありがとうございます。
よく理解しました。
食事のカロリーをなかなか減らせないので、
運動を増やすしかなさそうですね。
犬の散歩で1日平均5〜8km(雨天を除く)歩いていますが、
筋トレや有酸素運動を追加して、BMI27を目指します!!
※言いそびれましたが、無呼吸でCPAP使用中ですので、やはり減量は必要ですね。
勉強になりました。ありがとうございます。
ご返事いただき、ありがとうございます。
よく理解しました。
食事のカロリーをなかなか減らせないので、
運動を増やすしかなさそうですね。
犬の散歩で1日平均5〜8km(雨天を除く)歩いていますが、
筋トレや有酸素運動を追加して、BMI27を目指します!!
※言いそびれましたが、無呼吸でCPAP使用中ですので、やはり減量は必要ですね。
勉強になりました。ありがとうございます。
2023/03/27(Mon) 18:36 | URL | うさこ | 【編集】
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