2023年02月06日 (月)
【23/02/05 masa
間食の是非について
いつも拝読させていただいております。
一つお伺いさせていただけませんでしょうか。
当方、血糖値が上がりやすいため(糖質1gで血糖値3〜4程度)、
先生の著書も参考にさせていただき、
毎食の糖質を極力15g以内に抑えるようにしています。
そのような生活をここ4〜5年続けている中で、
最近抱いている疑問があります。
食事の血糖値は3時間程度で戻るようですので、
それも勘案し間食(糖質約10g以内)を取ることも多いのですが、
間食は無いに越したことはないのでしょうか。
つまり、例えば①1日3食のみと、②加えて間食を日に1〜2回取る場合では、
いずれも血糖値が100台後半以上の、
血管にダメージを与える水準には達しないと考えられますが、
それでも平均血糖値が低くなる①の方がベターと言えるのでしょうか。
それともそこまで健康面で差は無いでしょうか。
食べることが好きで、間食が心の支えになっている面もあるのですが、
一方で間食が膵臓への負担等になっていないか心配しています。
なお、HbA1c:5.8%、空腹時血糖値100mg/dl前後(直近は106mg/dl)、
40歳男性です。
どうぞよろしくお願いいたします。】
こんばんは。
masa さんから、糖質制限食と間食について
コメント・質問を頂きました。
【当方、血糖値が上がりやすいため(糖質1gで血糖値3mg〜4mg程度)、
先生の著書も参考にさせていただき、
毎食の糖質を極力15g以内に抑えるようにしています。】
体重64kgの糖尿人で、1gの糖質が3mg血糖値を上昇させますので
masaさんは、平均的な糖尿人と言えます。
そして、毎食の糖質を15g以内に抑えるということなら
スーパー糖質制限食実践であり、望ましいです。
国際糖尿病連合によれば、
食後1時間血糖値も食後2時間血糖値も
160mg/dl未満を目指すことで、糖尿病合併症の予防ができるとのことです。
masaさんは、この目標をクリアしていると思います。
【つまり、例えば①1日3食のみと、②加えて間食を日に1〜2回取る場合では、
いずれも血糖値が100台後半以上の、
血管にダメージを与える水準には達しないと考えられますが、
それでも平均血糖値が低くなる①の方がベターと言えるのでしょうか。
それともそこまで健康面で差は無いでしょうか。】
食後高血糖に関しては、①も②も目標をクリア(160mg/dl未満)しているので
糖尿病合併症の予防という意味では、問題ないです。
一方AGEs(終末糖化産物)(☆)
の問題があります。
血糖値が高ければ高いほど、糖と蛋白質の非酵素的な反応により、
AGEs(終末糖化産物)がより多く形成されます。
AGEsの蓄積は、血管内皮細胞障害を引き起こします。
AGEsの蓄積は、糖尿病合併症の元凶の一つとされています。
また、糖尿病でない人でもAGEsの蓄積は様々な問題を引き起こします。
皮膚のコラーゲンというタンパク質にAGEsが蓄積して、弾力を失えば
皮膚はシワシワとなり高齢者の皮膚となります。
骨のコラーゲンにAGEsが蓄積すれば、胸椎や腰椎が弾力を失って
骨粗鬆症や圧迫骨折などを生じます。
眼にAGEsが蓄積すれば、白内障になり
耳にAGEsが蓄積すれば、聴力低下を生じます。
歯肉にAGEsが蓄積すれば歯周病の要因となります。
要するに糖化(AGEs)の延長上に老化があるということです。
結論としては、糖尿病合併症予防という意味では
①と②に差はありませんが、
AGEsの蓄積という視点から考察すると、①より②のほうが蓄積が多いと言えます。
【食べることが好きで、間食が心の支えになっている面もある】
そういうことなら、ストレス緩和というメリットもありますので、
間食もありと思います。
なお、私の推奨は、間食の糖質量は5以下としています。
江部康二
(☆)AGEs(終末糖化産物)
タンパク質と糖が結びついた物質で、
Advanced Glycation End-productの頭文字をとってAGEと呼ばれます。
日本語では終末糖化産物と訳されています。
過剰な血糖は、糖化反応により血管壁のコラーゲンなど様々なタンパク質に付着します。
付着した糖は一部変性してアマドリ化合物(変性ブドウ糖)となります。
このアマドリ化合物と糖が結合しAGEsができます。
AGEsは、糖尿病合併症を引き起こす、重大な原因の1つです。
またAGEsは、老化の元凶とも言われています。
間食の是非について
いつも拝読させていただいております。
一つお伺いさせていただけませんでしょうか。
当方、血糖値が上がりやすいため(糖質1gで血糖値3〜4程度)、
先生の著書も参考にさせていただき、
毎食の糖質を極力15g以内に抑えるようにしています。
そのような生活をここ4〜5年続けている中で、
最近抱いている疑問があります。
食事の血糖値は3時間程度で戻るようですので、
それも勘案し間食(糖質約10g以内)を取ることも多いのですが、
間食は無いに越したことはないのでしょうか。
つまり、例えば①1日3食のみと、②加えて間食を日に1〜2回取る場合では、
いずれも血糖値が100台後半以上の、
血管にダメージを与える水準には達しないと考えられますが、
それでも平均血糖値が低くなる①の方がベターと言えるのでしょうか。
それともそこまで健康面で差は無いでしょうか。
食べることが好きで、間食が心の支えになっている面もあるのですが、
一方で間食が膵臓への負担等になっていないか心配しています。
なお、HbA1c:5.8%、空腹時血糖値100mg/dl前後(直近は106mg/dl)、
40歳男性です。
どうぞよろしくお願いいたします。】
こんばんは。
masa さんから、糖質制限食と間食について
コメント・質問を頂きました。
【当方、血糖値が上がりやすいため(糖質1gで血糖値3mg〜4mg程度)、
先生の著書も参考にさせていただき、
毎食の糖質を極力15g以内に抑えるようにしています。】
体重64kgの糖尿人で、1gの糖質が3mg血糖値を上昇させますので
masaさんは、平均的な糖尿人と言えます。
そして、毎食の糖質を15g以内に抑えるということなら
スーパー糖質制限食実践であり、望ましいです。
国際糖尿病連合によれば、
食後1時間血糖値も食後2時間血糖値も
160mg/dl未満を目指すことで、糖尿病合併症の予防ができるとのことです。
masaさんは、この目標をクリアしていると思います。
【つまり、例えば①1日3食のみと、②加えて間食を日に1〜2回取る場合では、
いずれも血糖値が100台後半以上の、
血管にダメージを与える水準には達しないと考えられますが、
それでも平均血糖値が低くなる①の方がベターと言えるのでしょうか。
それともそこまで健康面で差は無いでしょうか。】
食後高血糖に関しては、①も②も目標をクリア(160mg/dl未満)しているので
糖尿病合併症の予防という意味では、問題ないです。
一方AGEs(終末糖化産物)(☆)
の問題があります。
血糖値が高ければ高いほど、糖と蛋白質の非酵素的な反応により、
AGEs(終末糖化産物)がより多く形成されます。
AGEsの蓄積は、血管内皮細胞障害を引き起こします。
AGEsの蓄積は、糖尿病合併症の元凶の一つとされています。
また、糖尿病でない人でもAGEsの蓄積は様々な問題を引き起こします。
皮膚のコラーゲンというタンパク質にAGEsが蓄積して、弾力を失えば
皮膚はシワシワとなり高齢者の皮膚となります。
骨のコラーゲンにAGEsが蓄積すれば、胸椎や腰椎が弾力を失って
骨粗鬆症や圧迫骨折などを生じます。
眼にAGEsが蓄積すれば、白内障になり
耳にAGEsが蓄積すれば、聴力低下を生じます。
歯肉にAGEsが蓄積すれば歯周病の要因となります。
要するに糖化(AGEs)の延長上に老化があるということです。
結論としては、糖尿病合併症予防という意味では
①と②に差はありませんが、
AGEsの蓄積という視点から考察すると、①より②のほうが蓄積が多いと言えます。
【食べることが好きで、間食が心の支えになっている面もある】
そういうことなら、ストレス緩和というメリットもありますので、
間食もありと思います。
なお、私の推奨は、間食の糖質量は5以下としています。
江部康二
(☆)AGEs(終末糖化産物)
タンパク質と糖が結びついた物質で、
Advanced Glycation End-productの頭文字をとってAGEと呼ばれます。
日本語では終末糖化産物と訳されています。
過剰な血糖は、糖化反応により血管壁のコラーゲンなど様々なタンパク質に付着します。
付着した糖は一部変性してアマドリ化合物(変性ブドウ糖)となります。
このアマドリ化合物と糖が結合しAGEsができます。
AGEsは、糖尿病合併症を引き起こす、重大な原因の1つです。
またAGEsは、老化の元凶とも言われています。
ご相談をさせていただきましたmasaです。
ご丁寧に解説くださり、大変ありがとうございました。
AGEsも考慮すると間食も控えるに越したことは無いということで、よく理解できました。
ストレス解消の効果も考慮し、バランスをみて判断していけたらと考えます。
(最近は低糖質のおやつ類が豊富ですので誘惑との闘いです。。)
今後もブログを楽しみに読ませていただきます。
先生もどうぞご健康でお過ごしください。
ご丁寧に解説くださり、大変ありがとうございました。
AGEsも考慮すると間食も控えるに越したことは無いということで、よく理解できました。
ストレス解消の効果も考慮し、バランスをみて判断していけたらと考えます。
(最近は低糖質のおやつ類が豊富ですので誘惑との闘いです。。)
今後もブログを楽しみに読ませていただきます。
先生もどうぞご健康でお過ごしください。
2023/02/06(Mon) 21:46 | URL | masa | 【編集】
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