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ステロイド糖尿病について。
こんばんは。

膠原病などの病気で、長期間ステロイド薬を内服したとき、
ステロイド糖尿病を発症することがあります。

ステロイド糖尿病について、まず簡単に整理してみます。
ステロイド、副腎皮質ホルモンと言ったら、
糖質コルチコイド(コルチゾール)のことを指し、
ステロイドホルモンの代表選手です。

副腎皮質ホルモンを一定以上の量、長期にわたり投与することにより、
糖尿病・耐糖能異常をきたすことがあります。
文献によると、副腎皮質ホルモンの長期投与で糖尿病状態となる頻度は7.3%です。

副腎皮質ホルモンの分泌過剰症であるクッシング症候群という病気がありますが、
約80%に軽い耐糖能異常が認められます。

ステロイド(糖質コルチコイド)の作用として

①肝臓の糖新生亢進作用
②骨格筋などのインスリン抵抗性の亢進
③高グルカゴン血症
④食欲増進作用
⑤インスリン分泌能の抑制


があります。

これらの作用により耐糖能が低下すると考えられます。
例えば、コルチゾールという副腎皮質ホルモン投与後、
2~3時間で血糖値が上昇し始め、約5~8時間でピークとなります。

ステロイド投与により糖尿病を発症する場合ですが、
現実にはもともと糖尿病の素因があった人が発症することが多いです。

まあ、この場合は、ステロイド糖尿病というよりは、
2型糖尿病の発症にステロイド投与が他の環境因子などと共に
一つのきっかけとなったということですね。

厳密な意味でのステロイド糖尿病は、外部からのステロイド投与がなくなれば、
糖尿病が消失することが定義となります。

例えば、膠原病の治療で、ステロイド薬(プレドニンなど)を一定期間期内服した時、
糖尿病を発症することがあります。
家族歴に糖尿病が全くなくて、肥満などの要因もない場合は、
純粋なステロイド糖尿病で、プレドニンが休薬となれば、
治る可能性が高いと言えます。

一方、家族歴に糖尿病があれば、
ステロイド薬内服をきっかけに、
2型糖尿病を発症した可能性もありえると思います。

いずれにせよ、スーパー糖質制限食実践でコントロール良好になると思われます。


江部康二


ステロイド糖尿病の詳細は、
日本内分泌学会の以下の青字の記載をご参照頂ければ幸いです。



【日本内分泌学会
ステロイド糖尿病
http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=99#:~:text=%E4%BD%95%E3%82%89%E3%81%8B%E3%81%AE%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%AE%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AB%E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%8A,%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
最終更新日:2019年11月9日

ステロイド糖尿病
何らかの疾患の治療にあたり、ステロイド投与をされた際に発症する糖尿病を、ステロイド糖尿病といいます。ステロイドの投与は内服のみならず、外用薬、吸入薬、注射薬といった多種多様な形で存在しますので、患者本人がステロイド療法の経験がないと思っていても、知らぬ間に投与されて見逃されているケースもあります。特に皮膚の外用薬や、関節内注射は見逃されやすいケースです。

この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
1962年のわが国の疫学調査によれば、ステロイドを投与された疾患群628例のうち糖尿病発症は46例の7.3%と報告されています。ステロイド投与量に応じた発症頻度の増加もありますが、発症には投与期間との因果関係が強く、90日投与で66%に、300 日投与では94.2%に発症しています。

この病気はどのような人に多いのですか
ステロイド糖尿病発症の危険因子として、投与量と投与期間に伴うステロイド量の蓄積、高齢者、糖尿病の家族暦を有する者、肥満者といった2型糖尿病の発症リスクを持つもことが報告されており、そのような背景を有する患者ではステロイド投与前後の耐糖能の注意深い経過観察が必要です。患者自身はステロイド投与に気づいていない場合も多くありますので、詳細な病歴の聴取と同時に患者がかかりつけの医療機関に、直接担当医が確認することも重要です。

この病気の原因はわかっているのですか
ステロイド糖尿病の中心病態は、インスリン抵抗性と肝臓からの糖放出の亢進です。特に肝臓はステロイド糖尿病の中心病態となる臓器といえます。肝細胞において、インスリンはホスホエノ-ルピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPCK)の遺伝子発現を抑制するのに対して、ステロイドはこれを上昇させることで糖新生を促進していることが知られています(図)。また、ステロイドは筋肉や脂肪組織といったインスリンに反応して糖を取り込む臓器において糖取り込みを抑制することが知られています。また、ステロイドは筋肉や脂肪組織の異化を亢進することで、肝臓に対して新たな糖新生の基質を送り込み、肝糖放出の促進を増長しています(図)。一方、ステロイドがインスリンの分泌能を抑制していることも知られている。】
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