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糖質制限食と糖新生・肝臓・筋肉・脂肪、アンモニア。
こんにちは。

肝臓の糖新生は、人体においてごく日常的に行われています。
糖質制限食を実践中は、食事中でも肝臓や腎臓で糖新生が行われています。
通常、腎臓は. 糖新生の約 25% を担っています。

糖質を摂取している人においても、夜間睡眠中とか、食後数時間経過したら、誰でも肝臓で糖新生を行っています。
食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。

従って、人類700万年の歴史において、糖新生は日常的に、
ごく普通に行われてきたわけで、珍しいことでも何でもありません。

①脂肪組織→グリセロール(脂肪酸の分解物)や脂肪酸→肝臓→糖新生→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織


①②③はごく日常的に誰でも行っており、肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たり、
日々糖新生の調節が行われているわけです。
このように、筋肉も睡眠中などに、一定量の分解と再生を毎日繰り返しています。

さて、糖質制限食実践で、筋肉のアミノ酸分解が亢進してアンモニア生成過剰につながるリスクはないのでしょうか?
アミノ酸は、アミノ基があるために酸化的分解を受けにくいので、
アミノ酸を分解するには、まずアミノ基をはずすことが必要です。

①アミノ基転移:アミノ酸分解の過程で、αケト酸とグルタミン酸ができます。
②酸化的脱アミノ:グルタミン酸はミトコンドリアの中でαケトグルタル酸とアンモニアになります。
α-ケトグルタル酸はTCA回路の一員です。
③アンモニアの処理:生じたアンモニアは生体に有害であるため、肝臓の尿素回路によって無毒な尿素に変換され、腎臓から排泄されます。


脱アミノ化されて生じるα-ケト酸は、「ブドウ糖の合成」や「ケトン体や脂肪酸の合成」に利用されます。
アンモニアですが、検査会社のSRLのページによると、

「アンモニア(NH3)はタンパク質の代謝過程でアミノ酸から脱アミノされて生じ、肝で尿素合成に利用されるが、血中NH3の大部分は消化管(小腸粘膜と大腸内細菌)由来とされる。NH3の解毒は肝細胞での尿素回路に依存し、尿素は腎より尿中に排泄される。
したがって、肝臓機能の低下による尿素サイクル活性の低下、腸内におけるNH3産生の増加および門脈副血行枝による門脈血の大循環系への流入などの場合には血中NH3濃度が高値となる。」


と、記載されています。

人体の小腸や大腸で、酵素や腸内細菌の働きで、食物中のタンパク質や消化管への分泌液に含まれる尿素が分解され、
アミノ酸が脱アミノされてアンモニアが生じます。
血中アンモニアの大部分は、腸壁から血管内に吸収された消化管由来のものです。

糖質制限食だと高タンパク食になるので、腸管においてやや多めにアミノ酸からアンモニアが産生されます。
また、肝臓でのアミノ酸から糖新生の過程でも、一定のアンモニアができます。
ミトコンドリア内でアンモニア産生なので、赤血球以外の細胞では人体どこでもアンモニアができる理屈ですね。

いずれにせよ、消化管由来のものも、体内のミトコンドリア内で生じたものも、
アンモニアは肝臓の尿素回路で尿素に変換され、腎臓から尿中に排泄されます。

糖質制限食で少々アンモニアが多めに生じても、
肝臓で処理して尿素にして腎臓から排泄するので問題はありません。
尿素がたくさん産生されたときには、尿素窒素(BUN)が生理的に今の基準値より高値となることがありますが、
血清クレアチニン値や血清シスタチンC値は正常なので腎機能の悪化ではなく問題はありません。

なお、筋肉運動でもアンモニア産生は増加します。

☆☆☆
アミノ酸の分解に関しては
「アミノ酸の分解」代謝マップ 
http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/amino_met.htm

のサイトの記述を参考にさせていただきました。
謝謝。m(_ _)mV


江部康二
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