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大豆製品と発ガン性
おはようございます。今朝はとても良い天気です。

昨日は一日中雨でしたが、私の所属するテニスクラブは、室内コートが2面あるのでOKなのです。

でも仕事がたまっていて残念ながらテニスにいけませんでした。 (*_*)

さて今回は、1型糖尿病のゆめさんから、大豆製品と発ガン性についてコメント・質問をいただきました。

『08/11/17 ゆめ
先生こんにちわ。
私は1月に1型糖尿病と診断されました。先生のブログにたどり着き、糖質制限をしています。
日によって1食だけパンを食べる日もありますが、ほぼ完全糖質制限食です。血糖値は80~160mg/dlと安定し、Hba1cも正常値内です。
ただ、気になることがあります。
私の場合、どうしても豆腐、高野豆腐、厚揚げ…といった大豆製品が主食となります。また、無調整の豆乳や朝食時にヨーグルトを毎日100gほど摂取します。最近、大豆製品、乳製品の食べすぎは乳がんなど発癌性があると聞きました。食べ過ぎとはどのくらいなのでしょうか?また、発癌性は本当にあるのでしょうか??』


ゆめさん。コメントありがとうございます。

1型で「血糖値は80~160mg/dlと安定し、Hba1cも正常値内」なら、素晴らしいですね。スーパー糖質制限食を上手に実践されているのでしょう。ヾ(^▽^)

自らが1型糖尿病の医師の著書「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」なども参考にされて、このまま糖質制限食をお続け下さいね。

1型糖尿人でも糖質制限食なら「通常の糖質ありのカロリー制限食」に比べて、インスリンの量が1/3以下になります。インスリンの量が少ないほど、身体には優しいです。

さて、私たち糖尿人が、糖質制限食を実践していると、大豆や大豆製品を、普通の人よりたくさん摂取することになりますので、今回は、大豆製品および大豆イソフラボンについて考えてみました。

健康食ブームで、大豆イソフラボンを含む特定保健用食品が、多数出回っています。

それで「大豆イソフラボンって摂りすぎても大丈夫なの?」という疑問がでてきて、それに対して厚生労働省医薬食品局食品安全部が回答しています。

まず重要なことは、長い食経験を有する大豆、あるいは、大豆食品そのものの安全性が問題となっているのではありません。

即ち、糖質制限食で豆腐や納豆や大豆パンなどの摂取量が少々増えても、食品として大豆全体を摂取している限りは、その中に含まれている大豆イソフラボンに関しては、なんの問題もありません。

一方、サプリメントとして、単体の大豆イソフラボンのみを上乗せして摂取する場合の安全性が問題となり、検討されたものです。

結論としては、食品安全委員会が昨年12月にまとめた「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」では、1日当たりの大豆イソフラボンの摂取目安量の上限値を70~75mgとし、そのうち、サプリメントや特定保健食品などで摂取する量は1日当たり30mgまでが望ましいとしています。

実際、閉経前の女性が、過剰に大豆イソフラボンを摂取すると血中ホルモン値が変動したり、月経周期が延長することなどがあるようです。

また、閉経後女性を対象に、大豆イソフラボンの錠剤(150mg/日)を5年間服用してもらった長期試験では、60カ月で子宮内膜増殖症の発症が、有意に高くなるという報告があったそうです。

糖質制限食の場合、炭水化物以外の魚介類や肉類や野菜など食べ放題なので、大豆だけに頼る必要はありません。

焼き肉、ステーキ、ハンバーグ、シチュー、すき焼き、オムレツ、焼き鳥、刺身、焼き魚・煮魚、豆腐、納豆、おでん、煮野菜、生野菜・・・いろいろ食べて美味しく楽しく糖質制限食実践といきたいですね。

**以下の厚生労働省医薬食品局食品安全部の報道資料をご参照ください。

報道発表資料
平成18年8月23日
厚生労働省医薬食品局食品安全部

大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&Aについて

1.食品安全委員会では、厚生労働省の依頼を受け、大豆イソフラボンを関与成分とする特定保健用食品の安全性評価を行い、平成18年5月、安全性評価結果の報告書として「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」を取りまとめました。

2.この大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価においては、これまでの長い食経験を有する大豆あるいは大豆食品そのものの安全性を問題としているのではなく、大豆イソフラボンのみを通常の食生活に上乗せして摂取する場合の安全性が検討されたものです。

3.厚生労働省では、大豆及び大豆由来食品等に関する正確な情報提供を行うため、大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&Aを作成し、厚生労働省のHPに掲載しています。また、食品安全委員会の評価結果を受け、平成18年8月、「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品等の取扱いに関する指針」を策定しました。

4.大豆及び大豆由来食品等は、良質のタンパク質源であるだけでなく、カルシウム等にも富む重要な栄養源ですので、厚生労働省では、広く国民の皆様に、食生活の中で他の食品と組み合わせてバランスよく食べることをお勧めしているところです。

(参考)
「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品安全性評価の基本的な考え方2006年5月」(別添1(PDF:4,130KB))
「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品等の取扱いに関する指針」(PDF:253KB)

農林水産省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」ホームページ:http://www.maff.go.jp/syohi_anzen/isoflavon_qa.html

食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」ホームページ:http://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html


なお、国立ガンセンターのページによれば、乳ガンに関しては、肥満とアルコール摂取がリスクを高めるものと考えられています。乳製品は特に触れられていません。

その他、いろんな食材、物質で、いろんなサイトで、発ガン性とか言われていますが、ほとんどが根拠がはっきりしていません。

一番信頼度が高いのは、国際がん研究機関(IARC)や世界癌研究基金のデータで、インターネットで日本語で要約してくているサイトもありますので、参考にされたらよいと思いますよ。


江部康二


【講演会・講座のお知らせ】

☆☆ 糖質制限食講演会・東京・中野
日時:2008年11月30日(日)9:30~11:40
会場:なかのZERO 視聴覚ホール(東京・中野)
会費:1500円
申し込みは、糖質制限食ネット・リボーン 曽我部ゆかり
(T/F)03−3388−5428
(e-mail) reborn@big.or.jp


☆☆ 糖質制限食講演会・諏訪中央病院・長野
日時:平成21年1月21日(水)午後2時から4時
場所:諏訪中央病院 長野県茅野市玉川4300番地 TEL 0266-72-1000(代)


☆☆講座「糖尿病・メタボはこう予防する!~糖質制限食のすすめ」京都
朝日カルチャーセンター京都 http://www.asahi-culture.co.jp/www/kyoto-c.html
075-231-9693
2009年2月17日(火)13:00~14:30


【糖質制限食コントロール・教育入院のご案内】
お問い合わせは高雄病院 http://takao-hospital.jp/
住所:京都市右京区梅ヶ畑畑町3 
電話:075-871-0245
ベットが空くまでお待ち頂くこともありますがご了承下さい。


【糖質制限食外来治療のご案内・予約制】
高雄病院  電話:075-871-0245
京都市右京区梅ヶ畑畑町3

高雄病院京都駅前診療所  電話:075-352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F

江部診療所 電話:075-712-8133
京都市左京区下鴨高木町6 アトリエ・フォー 2F

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
No title
先生、早速のコメントありがとうございました。安心して糖質制限食続けていけそうです。時に米・パスタ・パンが恋しいことがあります。そんなときは普段頑張った自分へのご褒美に友人とランチに行ったりします。
糖質制限を続け、時に自分にご褒美を上げながら上手に付き合っていきたいなと思っています。先生と糖質制限に出会えてよかったです。これからの活躍も楽しみにしています。
2008/11/25(Tue) 23:26 | URL | ゆめ | 【編集
この日
ご無沙汰しております。


この日朝日テレビで
「たけしの本当はあぶない家庭の医学」を見ました。

今回「糖尿病」がテーマでしたが
「隠れ糖尿病」の話が出ていました。

そして三大栄養素で炭水化物が一番血糖値を上げると放映されて
「おや!ひょっとしたら・・・」なんて思っていましたら
「炭水化物の急激に制限するのは
貧血や低血糖になるから」となり
「ああ~あ、やっぱりなぁ・・・」

とため息。

GI値の話と急激に上げないために水溶性の繊維量の多い食物を一緒にとるようにとの話に展開していって・・・。

なかなか糖質制限の話は世の中には広まりませんね・・・。

ビールは糖質ゼロが出ているというのに・・・。

これからも糖質制限食の有効性を広めるために頑張りましょう!(*^_^*)

それにしても「糖質制限食」という概念を知ることができてよかったです!^^
2008/11/27(Thu) 20:33 | URL | 哲学者 | 【編集
糖質制限食
哲学者さん

私も
地道に一歩一歩、
糖質制限食を広めていきたいと思っています。
応援よろしくお願い申し上げます。
2008/11/27(Thu) 21:09 | URL | 江部康二 | 【編集
No title
はじめまして
いつもブログを読んでします
インスリンの量が少ないほど身体には優しいです←この言葉は本当ですか??
インスリンは体に良くないですか??
僕は1型ですが昨日このブログを読んでからインスリンを打つのをやめました。
しかし、くらくらして具合が悪くなってきました。
でもインスリンは少ない方が体に優しいなら打つのをやめます。
教えてくれてありがとうございました。
2008/11/27(Thu) 21:22 | URL | 1型 | 【編集
インスリン
1型さん

インスリンは人体に絶対に必要なものです。
その範疇で、できるだけ少ない量のインスリンで糖尿病がコントロールできることが好ましいというお話しです。

特に1型には絶対にインスリン注射が必要です。
それでも糖質制限食を実践すれば、必要なインスリンの量が、糖質たっぷり食に比べれば
1/3くらいの量ですむと思います。

インスリンの量が多いと肥満など起こしやすくなりますので、少なくてすめばそのほうが好ましいという意味です。
2008/11/27(Thu) 22:27 | URL | 江部康二 | 【編集
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