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オートファジーと糖質制限食
こんばんは。
今日は、お正月に相応しく「オートファジーと糖質制限食」
というポジティブでおめでたいお話です。

オートファジーは、細胞内を正常な状態に保つために、
細胞内で不要となった物質を分解する、
いわばリサイクル業者のようなはたらきをしています。
分解された老廃物はリサイクルされ、
生きるためのエネルギー源となります。

2016年、大隅良典教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで
オートファジーが注目されました。
オートファジーは酵母から哺乳動物まで認められる細胞内分解機構であり、
細胞内浄化、栄養素のリサイクルと恒常性の維持を担っています。

現在までに、老化がオートファジーの活性低下を引き起こすこと、
一方で、オートファジーが抑制されると
老化との関連性の高い退行性変化や疾患が引き起こされる
ことが
明らかにされています。

さらに、薬理学的特性あるいは遺伝学的特性に基づいた延命治療は
オートファジーを活性化すること、
一方で、オートファジーが抑制されると
延命効果が妨げられることが様々なモデル動物において分かっています。

加齢でオートファジーの活性が低下します。
歯周病は加齢とともに発症 ・ 進行する慢性炎症疾患です。
老化に伴うオートファジーの活性低下が
歯周病発症に一定の影響を及ぼすと考えられます。
そうすると食生活などによって
オートファジーの活性低下を予防するのも
歯周病の予防・改善に有益と考えられます。

近年の研究により、
カロリー制限、間欠的断食、超低糖質食(スーパー糖質制限食など)
オートファジーを活性化させ寿命を延ばすのに極めて有効とされています。。

一般的に40歳前後の人の成長ホルモンの分泌量は
20歳前後の人の5割程度で、老化の原因の一つ
となります。
一定以上の空腹時間をつくると成長ホルモンの分泌が促されます。

オートファジーは細胞内浄化や栄養素のリサイクルだけでなく、
老化防止効果や延命効果をもたらします。
しかしながら、オートファジーの活性は老化に伴い減弱していきます。

ブログ読者の皆さんも、できれば、
朝食抜きで一日二食のスーパー糖質制限食を実践されて、
オートファジーや成長ホルモン分泌を活性化させて、
健康長寿を目指して頂ければ幸いです



江部康二


コメント
朝食抜きは危険
朝食抜きは非生理的で危険です
抜くなら昼食です
スタンダード糖質制限は昼・夕にすべきです
概日リズムに反します
2023/01/03(Tue) 22:42 | URL | 田中松平 | 【編集
Re: 朝食抜きは危険
田中松平 さん

陸上の生物は、動物も植物も、太陽の光で概日リズムを形成しています。
ヒトに関しても、冷静に考えて誕生以来、700万年の歴史において、朝食抜きどころか
飢餓との戦いの連続でした。
従いまして、ヒトにおいても概日リズムの基本は太陽の光です。
2023/01/03(Tue) 23:46 | URL | ドクター江部 | 【編集
間欠断食の食事時間について
人類の歴史上、目覚めてすぐに食事が摂れるのは極最近のことでしょう。1日3食になったのも極めて最近のことですから朝食を摂らない事が健康や寿命に大きく影響すると私は考えていません。
間欠断食は1日の内、16時間の絶食時間を設け、残りの8時間以内に1日の食事を済ませるメソッドであり、どの時間帯かは規定されていないと思います。ただし、16時間の絶食時間が最も設定しやすいのが一般的には朝食を抜き、前日の夕食から翌日の昼食まで絶食する方法だということでしょう。

寿命は細胞分裂によってテロメアが短くなり分裂できなくなる時点が論理的な寿命と考えれば細胞分裂をあまり活発にしないようにする方が寿命としては長くなると考えています。例えば高タンパク食は細胞分裂を活発にし、繁殖力を高めるが短命で、高炭水化物食は繁殖力は低下するが長寿であるという文献があります。生物としては子孫をたくさん残す方が自然ではないでしょうか。しかし人間の価値観は多様であり、したがってどちらが良いかは一概には決められないし、長寿が健康で短命が不健康とも言えません。短命でも天寿を全うして老衰で亡くなる方もおられますから。
2023/01/04(Wed) 09:00 | URL | 西村 典彦 | 【編集
コルチゾール
概日リズムの基本は、メラトニンとコルチゾールで睡眠と覚醒が概日リズムで進行します。深夜にメラトニンは減少し、コルチゾールが増え始め、朝の目覚めに向けてコルチゾールは増えていき、目覚めを促し覚醒します。だが、概日リズムはズレがあるので、日中太陽にあたることで、概日リズムを24時間リズムにリセットします。したがって、朝食を取る意味は、概日リズムの観点からは意味はないです。逆に、自然の覚醒作用を阻害するので、ストレスの原因になります。朝は脂肪燃焼状態なので、無理して食事する必要もないです。
2023/01/04(Wed) 09:14 | URL | yk | 【編集
救急車
江部先生

お世話になります

私は大阪市内のど真ん中に住んでおります
最近1日に救急車を日に4-5回見ています
最近どうなっているのでしょう
ネットで超過死亡等記事になっていますが
高齢化社会が原因かなにがあるのか
わからないですが 少し不気味です
2023/01/04(Wed) 11:50 | URL | 糖尿人 | 【編集
Re: 間欠断食の食事時間について
西村 典彦 さん

コメントをありがとうございます。
私も同感です。

「16時間の絶食時間が最も設定しやすいのが一般的には朝食を抜き、
前日の夕食から翌日の昼食まで絶食する方法だということでしょう。」


私は、19時までに夕食をすませて、翌日の正午から13時くらいに最初の食事ですので、
17時間の絶食となります。

「例えば高タンパク食は細胞分裂を活発にし、繁殖力を高めるが短命で、
高炭水化物食は繁殖力は低下するが長寿であるという文献があります。」


そうですね。
私もその文献みたことがあります。
一方で、ケトジェニック・ダイエットがオートファジーを活性化させることは明らかなので、
理論的には老化予防になります。
さてどうなることやら。
2023/01/04(Wed) 14:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: コルチゾール
yk さん

コメントをありがとうございます。
納得です。
2023/01/04(Wed) 15:00 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 救急車
糖尿人 さん

私も同じ体験をしています。
江部診療所は、北大路に面しているのですが、
新型コロナワクチン接種開始以降、
救急車の通行が明らかに増えています。

ワクチン接種後死亡者数が、報告されただけで、2000人くらいになっています。
報告されていない接種後死亡者はもっともっと多いと考えられます。
普通に考えて、超過死亡の一番大きな要因は<新型コロナワクチン接種後死亡>と私は思います。
2023/01/04(Wed) 15:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
先生、いつも拝見しています。一度、糖質制限のオフ会二次会で隣でご一緒させて頂いた歯科医です。


麦酒だけ止められない、糖質制限9年目の50代男です。まず糖質制限の継続で見られた身体的変化として二日酔いが皆無になった事。そして歯周病の進行が止まり、歯肉出血が見られなくなった事です。

朝食昼食を抜き、夕食と夜食だけを徹底してから糖質制限の威力が益々出てきたと感覚的に感じております。ゆえに空腹時間を持続させ、オートファジー活性化が如何に重要かを身を持って実感しているのです。


又先生とお会いできることを楽しみにしています。

くんだみえ 53才 男
京都市上京区在住。
2023/01/04(Wed) 15:30 | URL | 栗田三江(くんだみえ) | 【編集
オートファジーとがん
 糖質制限8年の50代女性です。糖尿病予備軍の1人でもあるので、8年前先生のブログを見つけた時は目からウロコの糖質制限には生きる希望が湧いて安堵しました。老後も元気に過ごせるよう、これからも糖質制限生活を楽しく続けていこうと思っています。
 以前オートファジーに興味を持ち、青木厚先生の『「空腹」こそ最強のクスリ』という本を読んで朝食抜き生活をしていたのですが、その本の中に、空腹はがん予防においても非常に効果的であるが、すでにがんが体内に発生している場合は、逆効果になるおそれがある。オートファジーが働くと自分で栄養を作り出すためがん細胞が生き残りやすくなってしまうというような記述があり、もし自分の体内に診断できないような小さながん細胞があったら、その成長をはやめてしまうことになるのではと不安になりやめてしまいました。心配ならやめておけと言われそうですが、オートファジー魅力的です。オートファジーとがん細胞について先生はどうお考えになりますか?
2023/01/04(Wed) 20:48 | URL | ぷくぷくぷう | 【編集
私も半年ぐらい前から、夕食から翌日の昼まで食事をとらない16時間断食を実践しています。
その際、朝にMCTオイル入りバターコーヒーを飲んでいるのですが、最近、MCTオイルは肝臓に負担がかかるリスクがあるという話を聞いて…続けようか?どうか?悩んでいます。

江部先生は確か、朝に生クリーム入りコーヒーを飲まれてると本で拝見した事があります。
先生は、MCTオイル入りバターコーヒーは飲まれたりしないのでしょうか?
これらについて、先生のお考えが聞きたいです。よろしくお願いします。
2023/01/05(Thu) 10:56 | URL | さくらんぼ | 【編集
Re: タイトルなし
栗田三江(くんだみえ) さん

「糖質制限の継続で見られた身体的変化として二日酔いが皆無になった事。
そして歯周病の進行が止まり、歯肉出血が見られなくなった事です。」


それは素晴らしい成果です。
良かったです。

オートファジー活性化は、とても大事と思います。
2023/01/05(Thu) 17:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re:Re: 間欠断食の食事時間について
テロメアの短縮による論理的寿命の限界は120歳前後とされています。平均寿命が80歳前後の現在では、まだテロメア短縮の影響は少ないと考えています。それ以外(例えばオートファジーなど)の影響の方が大きいと思います。
100歳をはるかに超えるようになればテロメアが寿命に直接的に影響するようになるのではないかと思っています。
2023/01/06(Fri) 08:04 | URL | 西村 典彦 | 【編集
Re: タイトルなし
さくらんぼ さん

MCTオイルについて、そういうことを書いてあるサイトもあるようですが、
通常の使用量なら、何の問題もないと思います。

私自身は、<MCTオイル入りバターコーヒー>は飲んでいません。
2023/01/06(Fri) 16:19 | URL | ドクター江部 | 【編集
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