2022年09月09日 (金)
ケトン食で片頭痛発作が減少
減量以外の機序が関与か
https://medical-tribune.co.jp/news/2022/0906547163/
2022年09月06日
メディカル・トリビューンに
2022年9月6日、上記記事が掲載されました。
中嶋一雄 先生から、情報を頂きました。
ありがとうございます。
ケトン体は、昔は『糖尿病性ケトアシドーシス』という重篤な病態のイメージが
強くて、日本の医学界では負のイメージが強く、恐がられてきました。
しかし、糖尿病性ケトアシドーシスは、
インスリン作用が非常に不足しているときにだけ発症する疾患です。
例えば、1型糖尿病の人が、急にインスリン注射を止めた時とか、
『ペットボトル症候群』のケースです。
逆に言えば、インスリン作用が正常に保たれているならば、
ケトン体は極めて安全な物質であり、高値でも『ケトアシドーシス』は生じません。
近年、欧米では、
ケトン体には「脳保護作用」「心保護作用」「腎保護作用」があるとされ、
とてもポジティブに、捉えられています。
Migraine Prevention through Ketogenic Diet: More than Body Mass Composition Changes
J. Clin. Med. 2022, 11(17), 4946; https://doi.org/10.3390/jcm11174946
ケトン食で片頭痛発作が減少 減量以外の機序が関与か
メディカル・トリビューンの記事は、この青字のイタリアの論文の紹介ですが、
以下、要約して説明(青字)します。
私の意見は緑文字で記載しました。
前兆のある片頭痛患者8例を含む23例を解析
片頭痛には過剰な体重や体脂肪が関与していることが指摘されている。
今回、片頭痛に対するケトン食の効果が体重や体脂肪の減少のみによるものなのか否かを検討するため、3カ月間のケトン食療法を受けた片頭痛患者を対象に後ろ向き観察研究を実施。
解析対象は、組み入れ基準を満たした33例のうち、
3カ月間のケトン食療法の終了時に評価を受けていた23例(平均年齢47.22歳、女性22例)。
診断は前兆のある片頭痛が8例、前兆のない片頭痛が15例、
反復性片頭痛が13例、慢性片頭痛が10例、薬物乱用頭痛が6例。
肥満および過体重の患者は、それぞれ5例、8例。
6割以上の患者で頭痛日数が半減
解析の結果、1カ月当たりの頭痛日数は
介入前の12.5±9.5日から介入後には6.7±8.6日に有意に減少。
頭痛日数の減少は73.9%(17例)で認められ、
治療反応例(頭痛日数が50%以上減少した患者)は
65.2%(15例)。
1ヶ月当たりの頭痛日数は、ケトン食介入でほぼ半減です。
頭痛日数の減少も73.9%と4分の3近くで認められ、
頭痛日数が50%以上減少した患者も65.2%であり
ケトン食が極めて有効です。
急性期治療薬の平均使用日数も、
介入前の11.06±9.37日から介入後には4.93±7.99日へと有意に減少。
頭痛薬の内服日数も、半分以下とおおいに減っています。
平均体重は介入前の73.8±15.2kgから介入後には68.4±14.6kgへ、
平均BMIは介入前の26.9±6.2から介入後には
23.7±8.1gへと有意に低下。
体重も、BMIで26.9から23.7と、見事に減少です。
著者らは「ケトン食療法は片頭痛に対する有効かつ安全な予防療法になりうるとともに、体重や体脂肪の減少の面でも有用である」と結論。
その通りと思います。
その上で、体組成への影響についてはケトン食療法の反応例と非反応例で差がなかったことから、「ケトン食療法後に認められた片頭痛の改善は、体重減少以外の機序に起因している可能性がある」との見解。
ケトン食が有効であった例と無効であった例の比較で、
肥満改善においては差がなかったということです。
つまり最初に「片頭痛には過剰な体重や体脂肪が関与していることが指摘されている。」と述べましたが、
今回の研究では、肥満の改善がない例においても
ケトン食で片頭痛の改善が見られました。
すなわち、ケトン食による片頭痛改善効果は、
体重減少以外の機序に起因しているとの見解です。
ケトン体高値により、
心臓・腎臓・脳保護作用および、慢性炎症を抑える効果が期待できます。
これらが、トータルに片頭痛改善に関与している可能性がありますね。
江部康二
減量以外の機序が関与か
https://medical-tribune.co.jp/news/2022/0906547163/
2022年09月06日
メディカル・トリビューンに
2022年9月6日、上記記事が掲載されました。
中嶋一雄 先生から、情報を頂きました。
ありがとうございます。
ケトン体は、昔は『糖尿病性ケトアシドーシス』という重篤な病態のイメージが
強くて、日本の医学界では負のイメージが強く、恐がられてきました。
しかし、糖尿病性ケトアシドーシスは、
インスリン作用が非常に不足しているときにだけ発症する疾患です。
例えば、1型糖尿病の人が、急にインスリン注射を止めた時とか、
『ペットボトル症候群』のケースです。
逆に言えば、インスリン作用が正常に保たれているならば、
ケトン体は極めて安全な物質であり、高値でも『ケトアシドーシス』は生じません。
近年、欧米では、
ケトン体には「脳保護作用」「心保護作用」「腎保護作用」があるとされ、
とてもポジティブに、捉えられています。
Migraine Prevention through Ketogenic Diet: More than Body Mass Composition Changes
J. Clin. Med. 2022, 11(17), 4946; https://doi.org/10.3390/jcm11174946
ケトン食で片頭痛発作が減少 減量以外の機序が関与か
メディカル・トリビューンの記事は、この青字のイタリアの論文の紹介ですが、
以下、要約して説明(青字)します。
私の意見は緑文字で記載しました。
前兆のある片頭痛患者8例を含む23例を解析
片頭痛には過剰な体重や体脂肪が関与していることが指摘されている。
今回、片頭痛に対するケトン食の効果が体重や体脂肪の減少のみによるものなのか否かを検討するため、3カ月間のケトン食療法を受けた片頭痛患者を対象に後ろ向き観察研究を実施。
解析対象は、組み入れ基準を満たした33例のうち、
3カ月間のケトン食療法の終了時に評価を受けていた23例(平均年齢47.22歳、女性22例)。
診断は前兆のある片頭痛が8例、前兆のない片頭痛が15例、
反復性片頭痛が13例、慢性片頭痛が10例、薬物乱用頭痛が6例。
肥満および過体重の患者は、それぞれ5例、8例。
6割以上の患者で頭痛日数が半減
解析の結果、1カ月当たりの頭痛日数は
介入前の12.5±9.5日から介入後には6.7±8.6日に有意に減少。
頭痛日数の減少は73.9%(17例)で認められ、
治療反応例(頭痛日数が50%以上減少した患者)は
65.2%(15例)。
1ヶ月当たりの頭痛日数は、ケトン食介入でほぼ半減です。
頭痛日数の減少も73.9%と4分の3近くで認められ、
頭痛日数が50%以上減少した患者も65.2%であり
ケトン食が極めて有効です。
急性期治療薬の平均使用日数も、
介入前の11.06±9.37日から介入後には4.93±7.99日へと有意に減少。
頭痛薬の内服日数も、半分以下とおおいに減っています。
平均体重は介入前の73.8±15.2kgから介入後には68.4±14.6kgへ、
平均BMIは介入前の26.9±6.2から介入後には
23.7±8.1gへと有意に低下。
体重も、BMIで26.9から23.7と、見事に減少です。
著者らは「ケトン食療法は片頭痛に対する有効かつ安全な予防療法になりうるとともに、体重や体脂肪の減少の面でも有用である」と結論。
その通りと思います。
その上で、体組成への影響についてはケトン食療法の反応例と非反応例で差がなかったことから、「ケトン食療法後に認められた片頭痛の改善は、体重減少以外の機序に起因している可能性がある」との見解。
ケトン食が有効であった例と無効であった例の比較で、
肥満改善においては差がなかったということです。
つまり最初に「片頭痛には過剰な体重や体脂肪が関与していることが指摘されている。」と述べましたが、
今回の研究では、肥満の改善がない例においても
ケトン食で片頭痛の改善が見られました。
すなわち、ケトン食による片頭痛改善効果は、
体重減少以外の機序に起因しているとの見解です。
ケトン体高値により、
心臓・腎臓・脳保護作用および、慢性炎症を抑える効果が期待できます。
これらが、トータルに片頭痛改善に関与している可能性がありますね。
江部康二
摂食障害30年、寛解11年目の黄緑桃です。
今月で、スーパー糖質制限食12年目に突入しました。\(^_^)/
スーパー糖質制限食を始めて半年で摂食障害が寛解しましたので、
寛解状態も10年半となります。
この10年半は、その前の状態からすると信じがたい人生で、
日々ありがたく、幸せを噛みしめて過ごしております。
しかしながら、30年間に人一倍溜め込んだAGEsのせいで、
老化は着実に進んでおりますが…。('-'*)
でも、大病には至らず還暦を迎えることが出来ました。\(^o^)/
すべてこちらのブログに出会えたお陰です。
実は、今年の2月、コロナに罹り、
こちらで得た情報を応用して、
解熱剤と、かねてより準備のイベルメクチンで対処しました。
すると2~3日で症状はほぼなくなりました。
本当にありがたかったです。
10日ほど自主的に自宅待機はしました。
熱を極力上げないようにするのが良いのかなと思ったりしました。
ただ、コロナはなかなかしぶとく、7月頃までカラ咳が出る症状が続きました。
咳止めで対応できる軽い症状ではありましたが、
それも先月にはすっかりなくなりました。
AGEs大量蓄積の私でも軽症で済んだので、
やはり糖質制限はスゴいなと思います。
あ、もちろんワクチンは打っておりません。
そう言えばBCGは、多分中二まで毎年打っていました。
(最終偽陽性)
何ぞの参考になれば幸いです。
今では糖質制限食が当たり前になったので、
なぜみんな糖質制限をしないのだろうと思ってしまいます。
新しい人生の感動を頂き、日々感謝しております。m(_ _)m
今月で、スーパー糖質制限食12年目に突入しました。\(^_^)/
スーパー糖質制限食を始めて半年で摂食障害が寛解しましたので、
寛解状態も10年半となります。
この10年半は、その前の状態からすると信じがたい人生で、
日々ありがたく、幸せを噛みしめて過ごしております。
しかしながら、30年間に人一倍溜め込んだAGEsのせいで、
老化は着実に進んでおりますが…。('-'*)
でも、大病には至らず還暦を迎えることが出来ました。\(^o^)/
すべてこちらのブログに出会えたお陰です。
実は、今年の2月、コロナに罹り、
こちらで得た情報を応用して、
解熱剤と、かねてより準備のイベルメクチンで対処しました。
すると2~3日で症状はほぼなくなりました。
本当にありがたかったです。
10日ほど自主的に自宅待機はしました。
熱を極力上げないようにするのが良いのかなと思ったりしました。
ただ、コロナはなかなかしぶとく、7月頃までカラ咳が出る症状が続きました。
咳止めで対応できる軽い症状ではありましたが、
それも先月にはすっかりなくなりました。
AGEs大量蓄積の私でも軽症で済んだので、
やはり糖質制限はスゴいなと思います。
あ、もちろんワクチンは打っておりません。
そう言えばBCGは、多分中二まで毎年打っていました。
(最終偽陽性)
何ぞの参考になれば幸いです。
今では糖質制限食が当たり前になったので、
なぜみんな糖質制限をしないのだろうと思ってしまいます。
新しい人生の感動を頂き、日々感謝しております。m(_ _)m
2022/09/09(Fri) 20:27 | URL | 黄緑桃 | 【編集】
黄緑桃 さん
摂食障害30年、寛解11年目とは素晴らしいです。
スーパー糖質制限食12年目に突入もなかなかのものです。
私がスーパー糖質制限食21年目です。
新型コロナ感染も、糖質制限とイベルメクチンで、軽く済んで良かったです。
なお、米国では、米国糖尿病学会が2019年4月以降、
「糖質制限食がエビデンスが最も豊富」と明言していますが、
日本では、まだ、従来の糖尿病食(高糖質低脂肪食)が標準のままです。
摂食障害30年、寛解11年目とは素晴らしいです。
スーパー糖質制限食12年目に突入もなかなかのものです。
私がスーパー糖質制限食21年目です。
新型コロナ感染も、糖質制限とイベルメクチンで、軽く済んで良かったです。
なお、米国では、米国糖尿病学会が2019年4月以降、
「糖質制限食がエビデンスが最も豊富」と明言していますが、
日本では、まだ、従来の糖尿病食(高糖質低脂肪食)が標準のままです。
2022/09/10(Sat) 15:49 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ご返信、ありがとうございます。
お褒め頂いたようで、嬉しいです。
糖質制限がもっともっと広まって、助かる人が増えれば良いなと思います。
私はもちろん一生スーパー糖質制限食なので、
より過ごしやすくなるともっと良いなと思っています。(^_^)
お褒め頂いたようで、嬉しいです。
糖質制限がもっともっと広まって、助かる人が増えれば良いなと思います。
私はもちろん一生スーパー糖質制限食なので、
より過ごしやすくなるともっと良いなと思っています。(^_^)
2022/09/10(Sat) 16:47 | URL | 黄緑桃 | 【編集】
嚆矢、四面楚歌の時より糖質制限食事療法を啓蒙して頂いたお陰で、命が助かった者です。感謝感謝。直近の総ケトン体値は、1750でした。過去に「脂身が多い豚バラ肉の野菜炒め」を毎日食していた時には、4000になった時もありましたが、同時にBMI値も上昇した為、大豆食品類中心に切り替えました。無類の大食いタイプの為、一日一食で、夕飯時に(晩酌⇔平均純エタノール換算60g前後)、毎日、納豆250g~300g、豆腐二丁をベースに、プラス魚か豚肉を必ず食し、更に満腹感を得る為、結構な量の野菜類を食べます。従いまして脂肪分の摂取割合は、大して高くは無く、摂取食品の殆どが大豆タンパク質と魚or肉類タンパク質である脂肪分の少ない高タンパク食です。ケトン食は、脂肪分が多い食事と云うイメージがありますが、脂肪分の少ない大豆類タンパク質中心でも、ケトン体値は1500~2000は維持できるようです。巧妙として、BMI値の上昇が無い事。食費が安く済む事です(^0^)治療行為では無く、健康維持の為ですから、この程度で良いのかなぁと思っております。感謝感謝。
2022/09/11(Sun) 08:38 | URL | 感謝感謝 | 【編集】
感謝感謝 さん
自分で工夫されて、体調良好、とても素晴らしいです。
なお米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としています。
自分で工夫されて、体調良好、とても素晴らしいです。
なお米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としています。
2022/09/11(Sun) 09:58 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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