2022年08月18日 (木)
こんにちは。
<膵炎と糖質制限食>
今回まずは、急性膵炎のお話です。
次回は慢性膵炎のお話です。
1)「急性膵炎」
診断基準を満たす急性膵炎は、急性腹症の一つであり、軽症と重症に分けられます。
急性膵炎臨床診断基準 (2008年改訂)
1) 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある。
2) 血中、または尿中に膵酵素の上昇がある。
3) 超音波、CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある。
上記 3項目中 2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断。ただし、慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含める。膵酵素は膵特異性の高いもの(膵アミラーゼ、リパーゼなど)を測定することが望ましい。
急性膵炎で症状があるときは、治療として、まず膵臓を安静に保つために食事や水分の摂取を禁じ、点滴を大量にします。
重症の場合は10%近くが死亡するこわい病気です。
たんぱく分解酵素阻害薬の投与。
感染症を予防するために抗菌薬も投与。
重症急性膵炎では、循環管理や呼吸管理などの集中治療。
動注治療、持続的血液濾過透析などが必要となります。
急性膵炎は、致命的経過をとることがある重症例を除き、
一般的には可逆性であり、臨床的回復後約 6 か月経過すると、膵臓は機能的・形態的にほぼ旧に復するとされます。
詳しくは
難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/119
急性膵炎のサイトをご参照ください。
ともあれ急性膵炎の症状が、治まったら、糖質制限食は実践OKとなります。
一方アルコールが急性膵炎のもっとも多い原因ですから、過度な飲酒を控えることが大変重要です。
1日あたりの飲酒量が増えるに伴い急性膵炎のリスクが上昇することが知られています。
江部康二
☆☆☆
以下、難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/119
のサイトから一部抜粋。
1. 重症急性膵炎とはどのような病気ですか
急性膵炎とは、食物の消化に必要な消化酵素(炭水化物を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなど)と血糖の調節に必要なホルモン(血糖を下げるインスリンと血糖を高くするグルカゴンなど)を分泌する膵臓に、急激に炎症が起こり激烈な腹痛がおこる病気です。本来、食べ物を溶かす働きをする消化酵素が、膵臓自身を溶かしてしまう病気ともいえます。急性膵炎の中には、膵臓が腫れるだけで容易に回復する比較的軽症のもの(浮腫性膵炎)から、膵臓や周囲に出血や壊死を起こし(壊死性膵炎)、急激に死に至る重症例まで様々あり、その程度により軽症と重症とに分類されています。このうち、重症急性膵炎とは膵臓だけではなく、肺、腎臓、肝臓、消化管などの重要臓器にも障害を起こしたり(多臓器不全)、重篤な感染症を合併する致命率の高い急性膵炎を指します。重症急性膵炎は、10%近くの方が亡くなられる重い病気で、厚生労働省の特定疾患(いわゆる「難病」)に指定されています。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
急性膵炎は通常、持続的で激しい上腹部痛で発症します。急性膵炎の中には、膵臓が腫れただけで容易に回復する比較的軽症のもの(浮腫性膵炎)から、膵臓や周囲に出血や壊死を起こし(壊死性膵炎)、急激に死に至る重症例まで様々あり、その程度により軽症と重症とに分類されています。このうち、重症急性膵炎では膵臓だけではなく、肺、腎臓、肝臓、消化管などの重要臓器にも障害を起こしたり(多臓器不全)、重篤な感染症を合併することがあります。急性膵炎全体では約2%、重症急性膵炎では約8%の方が治療にも関わらず、亡くなられます。急性膵炎の長期予後は比較的良好であり、多くは発症前と同じ状態にまで回復して社会復帰することが可能とされます。しかし、膵臓が広い範囲で壊死に陥った場合には膵臓の機能が欠落し、糖尿病や消化吸収障害などの後遺症が出ることがあります。これらに対しては適切な治療(食事療法やインスリン投与、消化酵素剤の服用)により対応します。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
アルコールが急性膵炎のもっとも多い原因ですから、過度な飲酒を控えることが大変重要です。1日あたりの飲酒量が増えるに伴い急性膵炎のリスクが上昇することが知られています。急性膵炎の発生要因に関する研究によると、急性膵炎発症前24時間に100グラム以上のアルコール相当量を飲酒した場合には、飲酒しなかった場合に比べて膵炎のリスクは4.4倍に上昇します。同様に、膵炎発症前1か月間の飲酒量(アルコール相当量)が1日あたり50-99グラムでは3.5倍、100グラム以上では5.4倍に膵炎リスクが上昇します。
<膵炎と糖質制限食>
今回まずは、急性膵炎のお話です。
次回は慢性膵炎のお話です。
1)「急性膵炎」
診断基準を満たす急性膵炎は、急性腹症の一つであり、軽症と重症に分けられます。
急性膵炎臨床診断基準 (2008年改訂)
1) 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある。
2) 血中、または尿中に膵酵素の上昇がある。
3) 超音波、CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある。
上記 3項目中 2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断。ただし、慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含める。膵酵素は膵特異性の高いもの(膵アミラーゼ、リパーゼなど)を測定することが望ましい。
急性膵炎で症状があるときは、治療として、まず膵臓を安静に保つために食事や水分の摂取を禁じ、点滴を大量にします。
重症の場合は10%近くが死亡するこわい病気です。
たんぱく分解酵素阻害薬の投与。
感染症を予防するために抗菌薬も投与。
重症急性膵炎では、循環管理や呼吸管理などの集中治療。
動注治療、持続的血液濾過透析などが必要となります。
急性膵炎は、致命的経過をとることがある重症例を除き、
一般的には可逆性であり、臨床的回復後約 6 か月経過すると、膵臓は機能的・形態的にほぼ旧に復するとされます。
詳しくは
難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/119
急性膵炎のサイトをご参照ください。
ともあれ急性膵炎の症状が、治まったら、糖質制限食は実践OKとなります。
一方アルコールが急性膵炎のもっとも多い原因ですから、過度な飲酒を控えることが大変重要です。
1日あたりの飲酒量が増えるに伴い急性膵炎のリスクが上昇することが知られています。
江部康二
☆☆☆
以下、難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/119
のサイトから一部抜粋。
1. 重症急性膵炎とはどのような病気ですか
急性膵炎とは、食物の消化に必要な消化酵素(炭水化物を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなど)と血糖の調節に必要なホルモン(血糖を下げるインスリンと血糖を高くするグルカゴンなど)を分泌する膵臓に、急激に炎症が起こり激烈な腹痛がおこる病気です。本来、食べ物を溶かす働きをする消化酵素が、膵臓自身を溶かしてしまう病気ともいえます。急性膵炎の中には、膵臓が腫れるだけで容易に回復する比較的軽症のもの(浮腫性膵炎)から、膵臓や周囲に出血や壊死を起こし(壊死性膵炎)、急激に死に至る重症例まで様々あり、その程度により軽症と重症とに分類されています。このうち、重症急性膵炎とは膵臓だけではなく、肺、腎臓、肝臓、消化管などの重要臓器にも障害を起こしたり(多臓器不全)、重篤な感染症を合併する致命率の高い急性膵炎を指します。重症急性膵炎は、10%近くの方が亡くなられる重い病気で、厚生労働省の特定疾患(いわゆる「難病」)に指定されています。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
急性膵炎は通常、持続的で激しい上腹部痛で発症します。急性膵炎の中には、膵臓が腫れただけで容易に回復する比較的軽症のもの(浮腫性膵炎)から、膵臓や周囲に出血や壊死を起こし(壊死性膵炎)、急激に死に至る重症例まで様々あり、その程度により軽症と重症とに分類されています。このうち、重症急性膵炎では膵臓だけではなく、肺、腎臓、肝臓、消化管などの重要臓器にも障害を起こしたり(多臓器不全)、重篤な感染症を合併することがあります。急性膵炎全体では約2%、重症急性膵炎では約8%の方が治療にも関わらず、亡くなられます。急性膵炎の長期予後は比較的良好であり、多くは発症前と同じ状態にまで回復して社会復帰することが可能とされます。しかし、膵臓が広い範囲で壊死に陥った場合には膵臓の機能が欠落し、糖尿病や消化吸収障害などの後遺症が出ることがあります。これらに対しては適切な治療(食事療法やインスリン投与、消化酵素剤の服用)により対応します。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
アルコールが急性膵炎のもっとも多い原因ですから、過度な飲酒を控えることが大変重要です。1日あたりの飲酒量が増えるに伴い急性膵炎のリスクが上昇することが知られています。急性膵炎の発生要因に関する研究によると、急性膵炎発症前24時間に100グラム以上のアルコール相当量を飲酒した場合には、飲酒しなかった場合に比べて膵炎のリスクは4.4倍に上昇します。同様に、膵炎発症前1か月間の飲酒量(アルコール相当量)が1日あたり50-99グラムでは3.5倍、100グラム以上では5.4倍に膵炎リスクが上昇します。
都内河北 鈴木です。
私は、江部先生ブログは、欠かさず読んでいます!!
何故かは、『健康改善、覚醒してるからです!!』が、
それだっけでなく、更なる健康改善をしたいからです!!
先生のブログ記事は、
『糖質・信奉』の『日本医医療界』は、
どの様に考えるのでしょうかと、早く時代進化して欲しいと考えます!!
江部先生には、<<『生還、覚醒、5度の再覚醒、』>>でき、
更なる改善を期待できる状況で、10年目に生活できる事に、
感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
私は、江部先生ブログは、欠かさず読んでいます!!
何故かは、『健康改善、覚醒してるからです!!』が、
それだっけでなく、更なる健康改善をしたいからです!!
先生のブログ記事は、
『糖質・信奉』の『日本医医療界』は、
どの様に考えるのでしょうかと、早く時代進化して欲しいと考えます!!
江部先生には、<<『生還、覚醒、5度の再覚醒、』>>でき、
更なる改善を期待できる状況で、10年目に生活できる事に、
感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2022/08/19(Fri) 05:46 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
はじめまして。先生のブログと書籍読ませていただいてます。糖質制限についての質問でコメントさせていただきます。
33歳女性でA1c5.3くらい、空腹時血糖90後半ぐらいですがたまたま食後血糖値が高いことが分かりました。(カレーを食べて2時間後血糖値が160くらいでした。)糖尿病予備群なのだとショックを受け糖質制限を始めて2ヶ月になります。一食の糖質量はムラがあるのですが主食は食べないかごく少量で自宅では30g以下、外食時は40gに設定しています。
体重は5キロほど痩せて、165cm57kgとなりました。
頻繁に血糖値を測っているわけではないのですが、食前血糖が100台になることが増えてきていてやり方が悪くて状態が悪化しているのではと心配しています。情報が少なくて申し訳ないですが、なにかアドバイスがあればお願いしたいです。
私のような状況で糖尿病の合併症をおこすリスクはあるのでしょうか?(神経障害など。)
ご教示いただけますと幸いです。
33歳女性でA1c5.3くらい、空腹時血糖90後半ぐらいですがたまたま食後血糖値が高いことが分かりました。(カレーを食べて2時間後血糖値が160くらいでした。)糖尿病予備群なのだとショックを受け糖質制限を始めて2ヶ月になります。一食の糖質量はムラがあるのですが主食は食べないかごく少量で自宅では30g以下、外食時は40gに設定しています。
体重は5キロほど痩せて、165cm57kgとなりました。
頻繁に血糖値を測っているわけではないのですが、食前血糖が100台になることが増えてきていてやり方が悪くて状態が悪化しているのではと心配しています。情報が少なくて申し訳ないですが、なにかアドバイスがあればお願いしたいです。
私のような状況で糖尿病の合併症をおこすリスクはあるのでしょうか?(神経障害など。)
ご教示いただけますと幸いです。
ゆたんぽ さん
165cm 57kg → BMI:20.9 と程良い体重です。
『カレーを食べて2時間後血糖値が160くらい』
食後2時間血糖値が、140mg/dl~199mg/dlなので
いわゆる「食後高血糖(IGT)タイプです。
はやく、IGTに気がついてラッキーでした。
IGTも、知らずに10年くらい放置すると、「心筋梗塞」のリスクになります。
『33歳女性でA1c5.3くらい、空腹時血糖90後半ぐらい』
『食前血糖が100台になることが増えて』
食前血糖値が109mg/dl以下が基準値ですので
心配ないと思います。
IGTに早期に気がついて、糖質制限食で対処しておられるので、
糖尿病合併症リスクはありません。
165cm 57kg → BMI:20.9 と程良い体重です。
『カレーを食べて2時間後血糖値が160くらい』
食後2時間血糖値が、140mg/dl~199mg/dlなので
いわゆる「食後高血糖(IGT)タイプです。
はやく、IGTに気がついてラッキーでした。
IGTも、知らずに10年くらい放置すると、「心筋梗塞」のリスクになります。
『33歳女性でA1c5.3くらい、空腹時血糖90後半ぐらい』
『食前血糖が100台になることが増えて』
食前血糖値が109mg/dl以下が基準値ですので
心配ないと思います。
IGTに早期に気がついて、糖質制限食で対処しておられるので、
糖尿病合併症リスクはありません。
2022/08/19(Fri) 17:23 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ご丁寧にお返事いただきありがとうございました。
今は食べられないものも多く、体調や今後の人生にも不安が強くて落ち込むことも多かったのですが、先生の言うとおりラッキーだと思って、無理なく長期的に頑張りたいと思います。
ありがとうございました!
今は食べられないものも多く、体調や今後の人生にも不安が強くて落ち込むことも多かったのですが、先生の言うとおりラッキーだと思って、無理なく長期的に頑張りたいと思います。
ありがとうございました!
2022/08/19(Fri) 19:19 | URL | ゆたんぽ | 【編集】
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