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1型糖尿病のリチャード・K・バーンスタイン医師、お元気です。
リチャード・K・バーンスタイン医師
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BBK%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3

リチャード・K・バーンスタイン(英語: Richard K. Bernstein, 1934年6月17日生まれ )は、
アメリカ合衆国の医師。糖尿病患者の血糖値の正常化に向けて、炭水化物の摂取を制限する食事法を奨めている。バーンスタイン自身も1型糖尿病患者であり、12歳の時に発症した。ニューヨーク州・ママロネック(英語版)に構えた自身の診療所で、糖尿病患者、糖尿病予備軍の患者の治療を行っている。

生い立ち

ニューヨーク市に生まれる[1]。12歳の時に1型糖尿病を発症する。今後、20年以上に亘って、「ごく普通の糖尿病患者」と呼ばれる状態が続くことになる。医者や従来までの糖尿病ガイドラインに従っていたバーンスタインであったが、糖尿病の合併症は悪化の一途を辿っていた。30代のころには、身体の内部の悪化がかなり進んでいた[2]。




バーンスタイン医師の糖尿病の解決 第4版 
リチャード・K・バーンスタイン著
柴田 寿彦訳
体 裁 A5判,482ページ
定 価 本体5,800円+税
発 行 メディカルトリビューン
発 売 金芳堂
2016年5月刊行


バーンスタイン医師は、1934年6月17日生まれですから
2022年8月現在、88歳です。
12歳のとき、1型糖尿病を発症ですから、当時の1型糖尿病患者としては
かなりの御長命と言えます。
また、糖尿病合併症もなく、お元気にお過ごしです。

2015年にスコットランドのダンディー大学が2万4,691人の1型糖尿病患者を対象に行った調査によると、
20代前半の1型糖尿病患者は健康な人と比べて男性で11.1年、女性で12.9年平均余命が短いということが報告されています。

なお、1975年の米国の調査では1型糖尿病患者の寿命は健常者よりも27年短いと報告されていたため、
この40年で1型糖尿病患者の寿命は大幅に改善されていることがわかります。


☆☆☆
以下、メディカルトリビューンのサイトから、私のブックレビューを転載です。

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0526503509/
氏の生き様が詰まった書
【書評】バーンスタイン医師の糖尿病の解決第4版
高雄病院理事長 江部 康二

ワーク・ライフ | 2016.05.26 17:30

 2007年にDr.Bernstein's Diabetes Solution(第3版)が出版され,その後糖尿病治療において新しい発展があり,
2011年にDr.Bernstein's Diabetes Solution(第4版)が改訂出版された。

本書はその訳本であり,
新型のインスリン注射薬,DPP-4阻害薬,インクレチン関連注射薬などの解説も追加してありバージョンアップしている。

 本書にはバーンスタイン医師の生き様そのものが詰まっているが,まずはその波瀾万丈の軌跡をたどってみたい。

バーンスタイン医師は,1946年,12歳のときに1型糖尿病を発症し,

当初から糖尿病専門医に通院して従来の「低脂肪・高炭水化物食(カロリーの45%は炭水化物)」と
大量のインスリン注射というパターンを20年以上続けた。

その結果,30歳代でとうとう蛋白尿が出現し糖尿病腎症第3期となり,さまざまな合併症も出現した。

この間,頻回の低血糖発作に苦しみ,蛋白尿は次第に増加していった。

 1969年,35歳のとき,血糖自己測定器が新発売され,技師という職業柄,
血糖値と食事の関係を3年間にわたって徹底的に検証した。

当時はまだ「血糖値の正常化によって,糖尿病合併症を予防する」という概念がどこにもなかったが,転機が訪れる。

動物実験ではあるが「血糖値の正常化で合併症の予防・改善ができる」という論文を発見したのである。

しかし主治医に言っても「動物と人間は同じじゃない,人間の血糖値を正常化することはできない」と否定された。

 そこで1973年,糖尿病発症後27年目の39歳のときから,彼は彼自身の身体を実験台にして,

「血糖値を正常に保つ」ように食事の糖質量とインスリン単位を調節し始めた。

いろいろな人体実験をして血糖値を正常範囲に保つ方法を確認していった。

この過程において,彼はついに『厳格な糖質制限食』を導入し,
主治医が決めたインスリン投与量を激減させることに成功し目標を達成した。

蛋白尿も改善・消失し,何年も続いた全身疲労感がなくなった。

 彼は彼自身の発見を他の糖尿病患者にも知らせたいと思い,医学雑誌に論文を投稿するが相手にされない。

医師でないものが発言しても説得力を持たないと判断した彼は,自らが医師になることを決意し,
1979年,45歳のときにアルバート・アインシュタイン医科大学に入学した。

1983年に49歳で医師になり,糖尿病治療学を徹底的に研究し,診療所を開設して多数の患者さんを診察し,

そのデータを参考に本を出版して,厳格な糖質制限食を中心とした糖尿病治療の普及に努めてきた。

糖質制限食こそが,従来の治療法ではどうしようもなかった1型糖尿病患者であるバーンスタイン医師の命を救ったのである。

 2016年4月現在,合併症もなく元気に過ごしておられ,現在は82歳くらいと思う。

彼の生存そのものが提唱する治療法の有効性の証明といえる。

糖尿病治療に当たる医師はもちろんのこと,
1型および2型糖尿病患者にも本書の数々の実戦的なノウハウは大いに役立つと思うので,ぜひご一読あれ。


バーンスタイン医師の糖尿病の解決 第4版 
リチャード・K・バーンスタイン著
柴田 寿彦訳(総合病院南生協病院 名誉院長)
体 裁 A5判,482ページ
定 価 本体5,800円+税
ISBN 978-4-7653-1674-3
発 行 メディカルトリビューン
発 売 金芳堂
 本書は1997年5月に初版が刊行され,それまでの糖尿病治療を覆す内容から全米ベストセラーとなった。
日本語版は2005年に原著2版を刊行,読者の声に応えて第3版を刊行し,このたび第4版がついに刊行―。

コメント
Dr. Bernstein
江部先生
毎日先生のblogを拝見するのが日課です。
バーンスタイン先生はYoutube でDiabetes University Teleseminar を行っています。
英語のわかる方はぜひ参考になさってみては。
2022/08/18(Thu) 09:39 | URL | Juni | 【編集
名著です。
ご紹介の本は、私も糖質制限を始めた頃に入手しました。
迷った時、自信がなくなった時、何度も読み返しメンタルが支えられました。
結果、現在に至るまで約5年間、スーパー糖質制限を続けることができ、内科系、整形外科系、心療内科系等の数々の体調不良が改善し、持久力に至っては(現在、60歳ですが)20年ほど若返った感があります。
江部先生のこのブログで糖質制限を知り、(江部先生には申し訳ないですが)バーンスタイン医師は私にはセカンドオピニオンだったように思います。
今では、もう迷う事も自信を無くすこともなく、自分に最適な食事としてスーパー糖質制限食が日常食となっています。
この著書は、1型糖尿病患者のバイブル的存在ですが、2型糖尿病でも参考になることは無数にあり、名著です。
私の体調が良くなっていくのを見ていたのか、息子(28歳)も糖質を控えている(スタンダード程度でしょうか)ようで体調が良くなったと言っております。
特に糖尿病などなく、当たり前だと思っていた体調も、もっと良いのが本来の姿だと言う事でしょう。
2022/08/18(Thu) 11:59 | URL | 西村 典彦 | 【編集
糖尿病合併症の高度医療
江部先生、教えてください。

◎糖尿病合併症の高度医療

はどのようなものがあるのか?
ご教示頂きたくお願い申し上げます。
2022/08/18(Thu) 16:41 | URL | らこ | 【編集
Re: Dr. Bernstein
Juni さん

情報をありがとうございます。
2022/08/18(Thu) 17:57 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 名著です。
西村 典彦 さん

『江部先生のこのブログで糖質制限を知り、(江部先生には申し訳ないですが)バーンスタイン医師は私にはセカンドオピニオンだったように思います。』

バーンスタイン医師の本が、セカンド・オピニオンとは、光栄な事と思います。

息子さんも、可能なら『スーパー糖質制限食』がいいですよ。
糖尿病がなくても、『AGEs』の問題がありますので。
2022/08/18(Thu) 18:02 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖尿病合併症の高度医療
らこ さん

糖尿病合併症の治療は、基本的に高度医療と思います。

神経症・・・・下肢切断の予防や切断治療
網膜症・・・・失明予防の高度眼科医療
腎症・・・・・・人工透析

心筋梗塞・・・ICUやCCU
脳梗塞・・・ICUや脳外科


2022/08/18(Thu) 18:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます
江部先生、早速のご返答ありがとうございます
2022/08/19(Fri) 10:07 | URL | らこ | 【編集
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